ラスベガスで行われた家電ショーのCESでは、扱われる製品としてのパソコンのウェイトが年々下がっている。2014年のCESにあわせて発表された新型のノートパソコンは、そう多くはない。その中で、PCメーカーとして世界最大となったレノボが発表した新しいThinkPad X1 Carbonは要注目の製品なのだ。

従来モデルよりもさらに薄型、軽量化しているが、特に変化したのがキーボードだ。キー配列が7列から6列に変わったのが、ThinkPadの大きな変化として記憶に新しいが、今回はファンクションキーが従来のハードウェアボタンから、利用しているソフトに応じて機能が自動的に切り替わり、その機能がキーに表示されるタッチ式のキーになっている。



■従来のファンクションキーの構造
従来のファンクションキーは、F1からF12までのキーが並び、機種によっても異なるが、音量調節や液晶の輝度変更などを「Fn」キーと組み合わせることで設定できるようになっていた。F1からF12までのキーはソフトによっても異なるが、今までも何らかの機能に組み合わされてはいたが、キーボードに表示されることはなかった。

通常のファンクションキーモード


ブラウザモード


■使うソフトによって機能の割り当てが大きく変化
今回のThinkPad X1 Carbonでは、キーボードが画面表示のタッチ式キーに変更されたため、ソフトウェアに応じた機能が自動的に表示される。例えば、Skypeなどのマイク機能を使うソフトでは、マイクの音量調節、Webブラウザでは戻るや進むなどが、ファンクションキー自体に表示される。

キーはタッチ式になり、ハードウェア的な独立したボタンではないため、手探りで利用するには位置がわかりにくいものの、一目でその機能がわかるため利便性は向上したと言えるだろう。この機能は、ソフトウェアごとに固定されたわけではなく、切り替えて通常のファンクションキーモードに戻すことも可能になっている。



これ以外には、通常の日本語キーボードならAの左隣にある「Caps Lock」や、右上にある「Backspace」キーがHomeとEndキー、BackspaceとDeleteキーの2つに分離される。CESの会場に展示されていたのはUS配列なので、日本での発売は発表されていないが日本語配列の場合はどうなるのか、現時点ではわからない。これに準拠した形で変わっていくことは容易に予想できる。

こうしたハードウェアの変化は、古くからのThinkPadフリークには受け入れがたい部分もあるかもしれない。しかし、タブレットなどの普及で、ハードウェアキーボードのありなしといった部分が大きく変化してきている中で、PCとしての魅力を高めるようにキーボードの進化が始まっていると筆者は考える。

上倉賢 @kamikura [digi2(デジ通)]

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