CES 2014では、各社が当然のように4Kテレビを展示しており、4Kテレビが当たり前になっていることが実感できた。そうした中で、画質などに特徴的な製品を各社が展示しているが、特に目立ったのが湾曲させたテレビだ。

ブラウン管時代は若干の丸みがあり、凹凸レンズ状に例えるとブラウン管では凸レンズのようになっていた画面の表面部分が液晶ではフラットな平面になったテレビだが、次世代ではフラットから視聴者側に湾曲させ凹レンズのようになるというのがトレンドになりそうだ。凹レンズ状に湾曲させることの利点は、両端がより視聴者に近くなるなど、大画面がより活かせるようになる。


東芝による解説


■大画面になるほど凹レンズにしたほうが自然に視聴できる
平面テレビの場合、正面から見た際に左右の端が画面中央より遠くなってしまう。画面に近づくほど中央までに比べ、端の距離は遠くなるので、より大画面テレビを購入してもらうには、テレビ画面を湾曲させる必要があると考えているようだ。視聴者側へ画面を湾曲させることで、両端が中央部分の距離と近くなり、自然に視聴できるとしている。

湾曲させた画面を持つ4Kテレビは、英語で「Curved UHD」(カーブした超高精細画面)などと呼ばれている。ちなみに東芝ではこれを曲面パネルと表現している。UHD(Ultra High Definition:超高精細)は、4K解像度以上のテレビを差す。もちろん、4Kでも意味は通じる。

中国系企業のChanghong製Curved UHD


このディスプレイを湾曲させたテレビは、日本や韓国メーカーだけではなく、中国系メーカーなども出展していた。2014年からは4Kテレビが価格が下落して普及価格帯に降りてくるだろう。後半には湾曲ディスプレイを搭載する最先端の製品でも同じように価格競争が始まっていくことになるだろう。

この湾曲テレビが活かせるのが、ワイド画面の映画だ。最近の多くの映画は、液晶テレビで一般的な16:9のアスペクト比より横長な、21:9のアスペクト比のワイドスクリーンとなっている。このワイドスクリーンの画面を上下に黒帯を出さないで表示できる、21:9のアスペクト比の製品を各社が展示していた。

こうしたコンテンツ視聴用になると、湾曲画面の製品の意味が出てきそうだが、一般家庭のテレビでは全ての場面で湾曲画面が必要になるわけでもない。

LGのOLEDで平面と湾曲を切り替えられる製品


そこで、湾曲と平面を切り替えられる製品が一部で展示されていた。一般的には画面の角度は固定されているが、湾曲画面と平面画面を切り替えられる仕組みだ。映画といった21:9コンテンツを視聴する際は、ディスプレイを湾曲させ、一般のテレビ放送を視聴する場合は、平面にするといった場面に応じて切り替えられるようになっている。湾曲と平面の切り替え回数に制限があるのかなど気になるが、完全な製品として登場してみてから、そうした部分の詳細も判明するだろう。

上倉賢 @kamikura [digi2(デジ通)]

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