Ultrabookにはクラムシェルタイプベースとデタッチャブルタイプの2-in-1製品が存在している。いずれもパソコンとタブレットのどちらも1台で利用できるように変形する製品だ。

2-in-1では、その変形機構が重要であり、各社が様々な製品を投入している。たとえばレノボのIdeaPad Yogaは、液晶がぐるっと回転してノート型とタブレット型に切り替わる製品だった。この液晶画面が360度回転する機構は2012年1月に初めて公開され「Yogaヒンジ」と命名された。ThinkPadにもこのYogaヒンジを採用したモデルが登場した。Yogaヒンジを搭載するThinkPad なので、文字通り「ThinkPad Yoga」という製品名だ。







IdeaPadはおもにホームユース目的のコンシューマ向け製品だが、ThinkPadは主に法人向けビジネスユースの製品だ。ビジネス向けの製品は、万が一があってはいけないので高品質な部品を使っており、もちろんThinkPad Yogaでも同様に高品質なパーツが使われている。特にYogaヒンジはIdeaPadよりも見るからに剛性が上がっているように見える。

このYogaヒンジが驚くべき進化を遂げていた。タブレット状態にしたときに、なんとキーボード面が平らに近くなる機構が搭載されているのだ。今度のThinkPad Yogaではノートパソコン状態からタブレット状態に変形させると、アイソレーションキーボードのキー周辺のフレームがせり上がり、キーボード面と同じ高さになる。にくらしい小技を利かせており「さすがThinkPad 」と思わせる進化だ。この機構はYogaヒンジに連動しており、液晶の角度に応じてフレームが移動するようなっているため、ヒンジ自体の剛性を強化したとのことだ。




フレームが上にせり上がる機構は、「Lift `n` Lock」(リフティンロック)という名称だ。この機構によりタブレット状態にしても、裏面にあるキーボードの違和感が少なくなる。ThinkPadではおなじみのポインティングデバイス、TrackPoint部分も隠れるようになっている。伝説のバタフライキーボードを搭載した「ThinkPad 701C」みたいでかっこいいと思う人もいるのではないだろうか。

もちろん、フレームとキーの隙間はあるし、キーは入力しやすいように若干湾曲しているため完全な平面になるわけではない。しかしフラットにしようという心意気、その意気やよしであると筆者は考える。また、タブレットとして机に置く場合、キーボード面が机の上ですべらないように、キーボード周りのフレーム以外に、ゴム足もせり上がるようになっている。元々、こうしたことが得意なThinkPadシリーズらしいといえばそれまでだが・・・。

どちらが良い、悪いという問題ではないが同じメーカー内でそれぞれIdeaPadとThinkPadブランドが持つ違いが出たと思っていいだろう。ThinkPad Yogaはノートパソコンとして使う時、タブレットで使う場合、その両方で使い勝手を損なわないようになっている。IdeaPad Yogaの新モデルがどう進化してくるのかも注目したい。

上倉賢 @kamikura [digi2(デジ通)]

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