Windows XPのサポートが2014年4月9日に終了する。これ以降、延長されることはない。セキュリティソフトのパターンファイル等のアップデートは行われるがOSの基本機能に不具合が出たとしても、修正プログラムが登場することはない。また、トラブルが発生したとしても、一切面倒見てもらえない。OSの不具合が理由で個人情報が漏れてしまったとしても一切責任を取ってもらえなくなるのだ。

たかだか、その程度と考えているのなら、大きな間違いだ。たとえばコンプライアンスに厳しい企業からの発注では「Windows XPを使った作業はNG」だと発注書に明記してくるケースも見られるようになるだろう。自社でWindows XPのPCを利用して開発を行っていたケースでも、今後は受注するためにはWindows 7ないしWindows 8.1環境での作業を強いられることになる。いい加減、マシンを新調しないと今後の仕事に影響しかねない状況になってしまう。

あと2か月ということで今後、一般メディアなどでも関連した情報が多くなることが予想される。すでにほとんどの企業は何らかの形で事前準備を終わらせていると思われるが、普段IT系のニュースなどを見ていなかった一般ユーザーは、テレビや新聞といった巨大メディアの報道で初めてその事実を知って、慌てることになる。下手するとサポート機関終了の前後は、様々な混乱が生じる可能性があり、なるべく今のうちに対策準備を始めるのがおすすめだ。



■いったいどんな不具合が起きるのか?
先述したようにWindows XPのサポートが終了すると、OSに不都合があっても今後マイクロソフトが修正版を出さなくなる。このため、サポート終了後にWindows XPを利用し続けると、様々なネット上の脅威などに対応できなくなる。

自分のパソコンにはたいした情報が保存されているわけではないから大丈夫と、楽観する人もいるが、脆弱性のあるパソコンが踏み台にされ、犯罪に利用される場合もある。踏み台にされることは悪という考え方もあるので、サポート期間終了後にWindows XPパソコンを利用する場合は、どんな利用方法であっても、少なくともインターネットへの接続は避けなければならない。

もしもインターネットに接続して使うというのであれば、XP以外のOSに変更することが推奨される。Windows 8.1にOSだけアップデートするのもいいが、10年近く前のPCを利用している場合、Windows 7にすらアップグレードできないケースがある。そこでこの機会に、今使っているPCより高性能になった新製品へ買い換えるというのが賢い方法だろう。

しかし、この春商戦は、XPからの買い替え需要に加え、新生活シーズン、さらに消費税の5%から8%への増税がある。この複数の要因のため、パソコン販売は混乱が予想され、欲しい製品が購入できなくなる可能性もある。この混乱を事前に避けるため、少なくとも2月中にはハードウェアの選定を終わらせておこう。

■パソコンを買い替えたからOKというわけではない
さらに注意すべきは、単純にハードウェアを買い換えたら対策は終わりではないという点だ。Windows XPを長年利用し続けている場合、利用しているソフトや、周辺機器も古い場合がある。古いソフトや周辺機器の中には、最新のWindows 8.1に対応していないケースがある。この場合、パソコン本体の買い換えと同時に、周辺機器などの買い換えが必要になる。

このあたりは事前に調べておかないと、新しいパソコンに接続しても使えなかったり、予定外の出費が必要になるなどトラブルの元になる。このため、新パソコンの選定と合わせて、現在自分が使用しているソフトや周辺機器などが、新しいOSに対応しているのかどうかも事前に調べておきたい。4月9日に周囲が慌てているのを横目でみながら、悠々と新パソコンでネットサーフィンなんてどうだろう。

上倉賢 @kamikura [digi2(デジ通)]

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