今回は、直近で株価が下落しているものの、本来は力を持っているため以降の上昇が期待できる銘柄を取り上げ、最近の動向を追ってみる。





■コマツ
コマツは業績の下方修正が嫌気され、低空飛行を余儀なくされている。同社は、世界中の建機の稼働状況をリアルタイムに把握できるため、そのビッグデータをいかに活用するかが、今後の競争力を左右する。従来から、生産台数の増減や流通在庫の最適化には応用していたが、さらに精度を上げるための手段や戦略が課題となっている。

最近では、建設機械や発電機用のエンジンの販売・サービスを手掛けるコマツディーゼルの吸収合併を決めた。本体に外販部門を取り込むことで、運営を効率化することが狙いだ。

新分野としては、農業分野に参入する。農地の3Dデータをもとに、コンピュータ制御のブルドーザーで整地することで、収益性の高い農業を実現するというプロジェクト。建機の農業への活用という試みで、農林水産省の実証事業に採択される。成果が見込めるようなら、新たな成長市場を獲得することにつながるだろう。

昨年の5月が戻り高値のピークとなったが、これはバーナンキが金融緩和解除を示唆した時期であり、新興国経済に動揺が走った局面でもある。その新興国だが、最近では落ち着きを取り戻しており、再評価の機運も高まってきた。同社株にも見直し買いが入ると思われ、時価は買いと判断する。

■三井不動産
三井不動産は、日銀金融政策決定会合の結果、早期の追加緩和期待が遠のいたことで下落した。

同社の特徴は、ハード、ソフト両面の研究開発に熱心なこと。すでに、霞が関や横浜市などに新事業創出拠点を構えているが、新たに柏の葉スマートシティ(千葉県柏市)の中核街区にも拠点「KOIL(柏の葉オープンイノベーションラボ)」を開業した。ソフト面でも、ベンチャー企業への出資を行う「TXアントレプレナーパートナーズ」を設立している。

本業の開発では、「三井ショッピングパークららぽーとTOKYO−BAY」(千葉県船橋市)の最終計画として、6月に、日本初出店・新業態を含むファッションの新ゾーンをオープンさせる。

東京の日本橋には再開発商業施設「コレド室町2」「同3」が開業した。大型シネマコンプレックス(複合映画館)などが入り、日本橋の新名物に育てる意向だ。

このほか、電力事業では北海苫小牧に「苫小牧太陽光発電所」を稼働させた。同社としては最大出力の発電施設で、国内5施設の総発電出力は約68MWとなる。

株価は昨年12月高値3830円から3月25日には安値2881円まで調整。地価反転、賃料値上げなどの事例が増えていることもあり、この安値は狙い目か。

(小沼正則)

※投資の判断、売買は自己責任でお願いいたします。

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