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BBソフトサービスは、同社の「Internet SagiWall」で検知したデータを基にした、2016年5月度のインターネット詐欺リポートを発表した。


インターネット詐欺については、総検知数は230万9,352件で、前月比で116.6%の増加となったとのこと。種類別構成比は、ワンクリック・不当請求詐欺サイトが82.56% (前月比31.93ポイント増)、フィッシング詐欺サイトが12.74%(前月比26.82ポイント減)、マルウエア感染サイトが1.28%(前月比0.59ポイント減)、ボーガスウエア配布サイトが2.40%(前月比3.23ポイント減)、ぜい弱性悪用サイトが1.02%(前月比1.29ポイント減)だった。

●OSごとのネット詐欺種類検知率detection_os_201606

■ゴールデンウイーク中にアダルトサイト経由のワンクリック詐欺サイト遭遇が急増
2016年5月度は、前月比約2.2倍の総検知数を記録した。主な増加要因を調査したところ、まず先月から海外のアダルトサイトを閲覧していた複数のユーザーの、ゴールデンウイーク期間中の閲覧が増えたことによるものと、次に犯罪者が海外のアダルトサイトを介して、詐欺サイトへの誘導を図ったことによるものの二つと考えられる。

一つ目の要因に関しては、昨年に比べてゴールデンウイーク期間が長かったことが影響している可能性が高く、期間中にアダルトサイトが閲覧されたことによる検知が拡大しているとのこと。

二つ目の要因は、アダルトサイト運営業者がアダルト動画のポータルサイト内にサンプル動画の広告を出し、閲覧者がその広告をクリックすると偽アダルトサイトへ誘導され、サンプル動画の再生ボタンをクリックすると会員登録完了と料金請求画面が表示されるというもの。これまでも同様の誘導手口は確認されていたが、今回はその量が極端に多く、検知数の大幅増加につながった。

この影響は「Internet SagiWall」での検知以外にも現れており、インターネット上の情報を調査したところ、4月下旬から特定の業者に関する通報、Q&Aサイトへの問い合わせ、SNSへの投稿、個人ブログによる告発などのワンクリック詐欺に関する遭遇事例が多数確認された。動画の再生ボタンを押すとカメラのシャッター音が鳴り、閲覧者の顔を撮影したように見せかけるなどの不安をあおる仕掛けが組み込まれていた模様だ。

最近のワンクリック詐欺サイトは、不当な料金請求画面に会員登録の解除方法やユーザーサポートなど、閲覧者から直接連絡させるためのボタンや電話番号を表示しており、予備知識のない人が会員登録を解除しようとして、電話やメールで連絡してくることを狙っている。直接連絡を取ると、犯罪者は会員登録の確認という名目で名前や住所など個人を特定する情報を聞き出し、その後執拗に料金を請求したり、「家族や友人にアダルトサイトの利用や料金不払いをばらす」「法的手段を取る」などと脅したりしてくる。業者には絶対に連絡せず、無視することが重要だ。

一方で、小学校高学年の児童や中高生が興味本位で海外のアダルトサイトを閲覧し、詐欺サイトへ誘導される危険性があり、携帯ゲーム機などから閲覧して、料金請求画面が表示される事例などもあるようだ。学校では情報モラル教育なども行われているが、性的なコンテンツの閲覧については取り扱いにくいテーマであるため、フィルタリングなどの有害サイトへのアクセス制限の指導に重きが置かれており、詐欺サイトに遭遇した場合の対処方法などの知識の浸透は不十分であるのが現状だ。保護者がサポートを行うなど、家庭内での情報モラル教育も重要であると考えられる。

Internet SagiWall

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