日経平均、TOPIXなど指数をみるとさえない株式市場だが、業績好調持続銘柄には買いが入っている。今回は、軟調相場で健闘する銘柄をピックアップしてみたい。



■業績好調で急騰したセイコーエプソン
まず、6724セイコーエプソン。2014年3月期経常利益は前期比4.4倍の781億円。最終利益も836億円と2期ぶりの黒字で、しかも過去最高。円安効果のほか、新興国向けに大容量のタンクを採用したインクジェットプリンタや省スペースのパソコンが好調に推移した。国内では、消費税増税前の駆け込みで、消耗品のインクが好調に推移した。

今後は、インクジェットプリントヘッドの高性能化と生産増強を進める。長野県内と山形県の拠点に総額100億円を投じてラインを増強、ビジネス向けと産業向けへのシフトを強める。今期の販売台数は約1450万台を見込み、約3割を新興国市場で確保する計画である。

注目製品としては、サングラスタイプのウェアラブル情報端末「MOVERIO(モベリオ)」がある。エプソンの持つ光学技術やマイクロディスプレイ技術を応用した製品で、米グーグルの「グーグルグラス」と一部競合するものだ。グーグルが製品を本格展開すれば勝つのは容易ではないとしても、世界で初めてクォーツ時計を発売したエプソンがウェアラブルデバイスを展開することは自然な流れであるし、技術は他の分野でも役立つ。何より、意欲的な経営姿勢は評価できる。

4月30日の決算発表を受け、5月1日には504円高と急騰。年初来高値奪回が視野に入ってきたが、高値奪回から一段高に期待したい。

■トレンド転換のネットワン
次に、ネットワンシステムズ。三菱商事と旧アンガマン・バスの合弁としてスタートし、米シスコシステムズ製品の販売など、ネットワーク設計・構築・運用で実績を持つ。2014年3月期経常利益は35億円で前期比で半減したものの、予想は上回った。今期は逆に、4割以上の増益と「V字回復」が期待されている。また、自社株消却が発表されたことも、投資家から好感された。

自社で実績のある製品を組み合わせた仮想デスクトップ(VDI)パッケージの発売などで、肥大化するサーバの柔軟な運用に貢献するなどのソリューションを充実させている。

株価は4月25日の決算発表(今期の大幅増益基調)を受け、急上昇。2012年4月高値以降、下降トレンドが続いていたが、完全にトレンドは転換した模様。今後の活躍に期待したい。

以上、2銘柄を取り上げたが、株式市場は割安感があり、絶好の「仕込み時」ともいえる。有望銘柄を着実に拾っていきたい。

(小沼正則)

※投資の判断、売買は自己責任でお願いいたします。

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