先日「4K動画時代に備えよう!知らないと損をするSDカードの選び方」で4K動画の記録が当たり前になった現在、メモリーカードの選択に気を使うべしという話をしたと思う。今回はさらに踏み込んでSD系メディアの転送規格について解説したい。



SDカードは転送速度によってスピードクラスが分かれていることは前回紹介したと思う。より高速転送が可能な製品ほど高価になる。しかし、今後4K動画の普及を考えるとなるべく高速な製品から選ぶのが鉄則だという話をした。

そして高速転送が可能なSDカードの規格としては「UHS」(Ultra High Speed)というスピードクラスが存在し、これに対応した製品で現時点で最も高速なのはUHS-IIに対応するメモリーカードである。登場したてなのでUHS-II対応機器はまだそう多くないが、下位互換性があるため従来のSDカードとしても使用できる。将来性を考えるのであれば、現在でもUHS-II製品を選ぶといい。メモリーカードを無駄にすることがなくなる。

■UHSには2種類の規格が存在
のこUHS規格には「UHS-I」と「UHS-II」の2種類がある。UHS-Iは従来のSDカードと見た目も端子形状も同じだ。いっぽうUHS-IIはカード形状は同じだが、端子を増やすことで今まで以上に高速な転送が可能となっている。

UHS対応のSDカードは、一般的なSDカードに対応する機器なら基本的に利用できるが、UHS-IもUHS-IIもデータの読み書きを高速に行うには対応機器が必要となる。最近のデジカメの多くは仕様には書かれていないことが多いが、UHS-Iに対応していることがほとんどだ。またノートパソコンの場合、SDカードスロットを搭載する製品で、ここ1~2年に登場したものであればUHS-Iに対応していることが多い。

■UHS-II対応は、まだ始まったばかり
より高速で端子も増えるUHS-IIに対応するSDカードはまだ少なく、対応する機器はほとんどないのが現状だ。メモリーカードリーダーもUHS-I対応なら1,000円以下で購入できる製品があるが、UHS-II対応になると3,000円台と一気に値段が跳ね上がる。またUHS-II対応のメモリーカードはUSB3.0接続でないとその真価を発揮できないことにも注意したい。

たとえばUHS-II対応のSdカードを選んでおけば、対応機器での動画記録後の作業効率がかなり改善される。4K動画の記録自体はUHS-Iで対応可能だが、現時点ではフルHDと同じコーディックのH.264を使っているので、解像度と同じようにデータ量も4倍になる。カメラ性能や設定にもよるがおよそ10分程度のフルHD動画だと2GB程度の容量だったのが、4K解像度になると、4倍の8GB程になる。

64GBのメディアで1時間強の4K動画が記録できるわけだが、このデータをコピーすることを考えてみよう。UHS-I対応で、最大読み出しが95MB/秒のSDカードの場合、データをコピーするのにスペック通りなら12分ほどかかる。対して最大読み出しが260MB/秒のUHS-II対応SDカードなら、対応機器を使えば、およそ4分でコピーが終わる。

このようにデータ量の大きい動画では、コピー時間の短縮は作業の効率化にかなり響いてくる。今のところ、SDカード自体の値段でUHS-II対応製品は、32GBモデルで15,000円前後、64GBモデルで27,000円前後とかなり高価だ。そのため安くなるまで様子を見ているという人がほとんどだろうが「今後SD買うなら、なるべくUHS-II対応」ということを忘れずにチェックするようにしてもらいたい。

上倉賢 @kamikura [digi2(デジ通)]

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