任天堂は10月11日に、3DSシリーズの機能強化版となる「Newニンテンドー3DS」シリーズを発売する。強化版と言われるだけあって、いくつかの強化点がある。特に3D立体視表示機能に関しては「3Dブレ防止機能」が追加され、かなりの機能強化となると思われる。

機械的な3Dのブレ防止機能を知っている人ならわかると思うが、3D立体視を好むユーザーにとってはかなり魅力的な製品になりそうだ。



本来2Dである平面のディスプレイで3D立体視表示を実現するには、右目用と左目用の画面を1つの画面に合成して表示し、それぞれの画面を、適切な視点で見えるようにすることで立体的な画像を表現する。これを実現するための方式は偏光シャッター式メガネ、偏光レンズメガネ、裸眼と多数存在している。

今回Newニンテンドー3DSシリーズが採用しているのは、裸眼で立体視を実現できる「視差バリア」という方式になる。この方式では液晶ディスプレイの前に、右目用の画面は右目だけ、左目用の画面は左目だけに見えるように視差バリアという膜を設置することで立体的な画像を表示できるようになっている。

この視差バリアは、画面を正面から見ることを前提に設置されている。そのため画面を斜めにしたり、顔の位置を少し変えただけで画面が暗くなったり、左目用の画面が右目に見えたりして、画面がぶれた状態になる「クロストーク」という現象が発生する。

この画面がぶれた状態になってしまう「クロストーク」を押さえるのが、Newニンテンドー3DSで採用される「3Dブレ防止機能」だ。任天堂はこの機能を、カメラで顔の位置を検出し、さらに本体のジャイロセンサーの情報も加味し、3D表示を毎フレーム調整することで実現しているとしている。この情報によれば、顔の位置に応じて視差バリアを調整し、どの角度から見てもクロストークが発生しないようにしていることが考えられる。

筆者は、この機能と同じ原理の液晶パネルメーカーによる技術デモを実際にいくつか見たことがあるが、普通に使っているとき多少体が動くくらいの自然な動きなら3D表示は問題なく追従していた。もちろん無理矢理顔を早く動かすようなことをすれば、表示の調整が追いつかなくなることもあるのだが、自然な動きの範囲に収まるのであれば十分実用になる3D表示のクオリティであった。

ただ、Newニンテンドー3DSは携帯ゲーム機だ。たとえばアクションゲームで激しく本体が動くような動きをした際にどれだけ追従できるのかという点は気になる。こればかりは、実際に実機でゲームを遊んでみないことにはわからないが、それでもさすがに従来機と比べれば3D表示品質は大幅に向上しているであろうことは容易に予想が付く。

思い返せば、倍速駆動のディスプレイでNVIDIAの3D VISIONが登場し、液晶テレビにも3D表示機能が搭載され「3D元年」と言われてからはや数年、3D立体視へのユーザーの興味が急速に失われている中で、今回の新しい技術の導入。これによって携帯ゲーム機での3D立体視表示の品質がかなり向上すれば、他のメーカーも追従してくるかもしれない。ユーザーからのニーズが生まれれば、機能はグングンと進化していくので、Newニンテンドー3DSには大いに期待したいと考えている。

上倉賢 @kamikura [digi2(デジ通)]

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