以前『最新のHMDがスゴい!ものすごい臨場感が体感できる「Oculus Rift」』でも紹介したようにヘッドマウント型デバイスで、非常に高い臨場感を体感できる「Oculus Rift」というHMDが注目されている。

現在は一般販売に向けてデバイスの開発が進んでいる最中で、対応コンテンツの開発者に向けたSDKとOculus Rift本体が提供されている状況だ。Oculus Riftが一般向けに販売されるようになるには対応コンテンツの充実など、まだ時間がかかりそうだ。ただ、サムスンがOculusの技術を使用した「Gear VR」を開発中とのことで、こちらは2014年秋に提供が開始される予定になっている。



■直接競合することのないOculus Riftとサムスン「Gear VR」
Oculus RiftはPCに接続して使うHMDで、視界全体に3D画面が表示でき、まるでその世界の中にいるかのような錯覚に陥るほどの臨場感が味わえる。最新モデルでは、位置検出センサーと連動し、より自然な動きに追従して表示できる技術を取り入れている。デバイス開発と共に、対応コンテンツの開発も進んで、一般への発売を待ち望んでいる人も多いだろう。

前述したようにサムスンがOculusの技術を使った「Gear VR」という製品を2014年秋に発売する。Oculus RiftはPCと接続して利用するが「Gear VR」自体にはディスプレイが搭載されておらず、スマートフォンを表示デバイスとして使用するスマホ向けの技術なので直接競合することはない。

「Gear VR」で使用するスマートフォンは、ペン入力が特徴的なスマートフォンの最新モデル「Galaxy Note 4」だ。5.7インチで2560×1440ドットの解像度を持つ有機ELディスプレイを採用。日本での発売に関するアナウンスは、現在のところまだないが、グローバル市場では10月から発売が開始される。

このGalaxy Note 4をHMDの“ガワ”に組み込むことでHMDとして使用する。見た目はHMDそのものだが、ディスプレイ部分にはGalaxy Note 4が組み込まれた状態だ。これをOculus Riftのように利用するのが「Gear VR」だ。Oculusとサムスンは以前からコラボレーションしており、開発者向けに提供している「Development Kit 2」で使われているディスプレイも、Galaxy Note 3のディスプレイを流用したもの。今回のGalaxy Note 4を使った「Gear VR」はその延長線上にあるというわけだ。

「Gear VR」は、先述したようにGalaxy Note 4をそのままディスプレイにするため、PCに接続することなくケーブルレスで使用可能で、サムスンはこれを「モバイルVR」と呼んでいる。

■Oculus RiftもGear VRも、コンテンツの充実が急務
現在急ピッチでOculus Rift向けのコンテンツ開発が進んでいると紹介したが「Gear VR」用のコンテンツ開発がどの程度進んでいるのかは、いまだ見えていない状態。Oculus Rift向けのコンテンツは「Oculus Store」から提供されることとなっており、さらに映画会社やゲーム会社との提携も発表済みなので、コンテンツの登場直後から映画や音楽、ゲームが楽しめる。同じ技術をベースにしているため映像に関しては、Oculus Rift同様Gear VRでも楽しめるはずなので、Gear VRはまずは映像関係コンテンツからスタートすると見ていいかもしれない。

なおGear VR向けコンテンツを作成したいという開発者向けの「Samsung Gear VR Innovator Edition」が提供されているので興味のある人は、いまから入手してGear VRでひと山当てようと頑張ってみるのはどうだろう。

なおソニーも独自のVRシステムとなる「Project Morpheus」を開発中で、今後VR関連技術は、急速に身近なものになっていきそうだ。

上倉賢 @kamikura [digi2(デジ通)]

OculusによるGear VRの紹介

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