昨日アップルが正式に発表したiPhone 6とiPhone 6 Plusだが、通信関係の機能の強化で特に注目されるのが、LTE関連の強化だ。一口にLTEと言っても、使用する周波数は地域や通信キャリアによって異なるし、サービス内容も各キャリア毎に異なる。iPhone 6とiPhone 6 Plusは従来に比べて使用できる周波数バンドが2倍近くなり、LTE関連の各種サービスに対応することで、使い勝手は従来以上に向上しそうだ。



■各キャリアの利用するLTEのほぼ全部を網羅するiPhone 6とiPhone 6 Plus
初めて日本向けのLTEに対応したiPhone 5を例にとると、日本で販売されたモデル「A1429」は3バンド対応、モデル「A1429」は5バンド対応だった。これがiPhone 5sのモデル「A1453」と5cのモデル「A1456」では、13バンド対応に大きく広がった。今回、日本で販売されるiPhone 6の「A1586」とiPhone 6 Plusの「A1524」では、20バンドへとさらに拡大している。これによって、すべてではないものの、現在世界中で利用されているLTEのほとんどを、1台でカバーできるようになる。

従来は各モデルで対応するバンドが少なかったため、日本で販売されているiPhone 5sを海外に持って行ってもLTEでは接続できないということが起きた。このため、海外でLTEをローミングで使用しようと思っていた人は、旅先とそこで使用する予定の通信キャリアが、自分が使っているiPhoneのLTEに対応しているかをいちいちチェックする必要があった。

これが、今度日本で販売されるiPhone 6と6 Plusは、iPhoneで対応するすべてのLTE周波数に対応しているので、技術的には海外でも問題なくLTEに接続できるようになるはずだ。また、技術的にはauがすでに開始している異なる周波数を束ねて使用するキャリアアグリゲーション(CA)にも対応。ドコモが開始しているLTEで音声通話をするVoLTE(ボルテ)にも対応する。

VoLTEはauもサービスを開始する予定になっており、加えてiPhoneで対応するかは不明だがキャリアアグリゲーションはソフトバンクもサービスを開始するアナウンスをしている。ただし、これらのサービスが日本のiPhone 6や6 Plusの発売時時点で使えるのかはまだわからない。iPhone自体は同じハードウェアだが、LTE関連のサービスはソフトウェアも絡んでくるためキャリアごとの差別化につながるとして、どこのキャリアが、こうした技術に真っ先に対応してくるのかが注目される。そして、その技術対応の優位性で、MNPでキャリアを変えるユーザーが出てくるかもしれない。

上倉賢 @kamikura [digi2(デジ通)]

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