サムスンの新型GALAXY Noteシリーズの中でフラッグシップモデルとなるのがGALAXY Note Edgeだ。“エッジスクリーン”と呼ばれる液晶サイド部分にサブディスプレイを搭載しており、この部分を含めるとディスプレイの解像度は1440(+160)×2560ドットとなる。Full HDを超える解像度のディスプレイサイズは約5.6インチ。このサイズゆえに文字が細かくなりすぎて、読みにくくなってしまうということもない。手のひらに収まるギリギリのサイズで成人男性であれば、タブレットではなくスマホと呼べるサイズに収まる。

このGALAXY Note Edgeは、NTTドコモ向けとau向けが用意されている.今回,この端末を試用する機会に恵まれたので、その魅力をぞんぶんに紹介したいと思う。



■「一度、経験してしまうと知らなかった頃に戻れなくなる」GALAXY Note Edgeの魅力
今回、この端末を10日ほど使い倒すことができた。まずは筆者の個人的な感想からお伝えするが、本当に久しぶりに夢中になれる端末に出会えた。機能をチェックしているだけで1時間や2時間があっという間に過ぎてしまうほどだ。

思い起こせば、ここ数年、ここまで夢中になれる端末は存在していなかった。筆者は私物でauのGALAXY SⅢ Progre SCL21、ドコモのGALAXY SⅢα SC-03Eを所有している(約2年落ち)。いわばGALAXY使いと言えるわけだ。そしてGALAXY Sシリーズは、非常にバランスの取れた良い端末であると思っていた。

ところが今回、GALAXY Note Edgeに触れ、あれこれといじり倒している間に、GALAXY Sシリーズ以上にGALAXY Note Edgeを魅力的な端末であると思うようになってしまった。一度でもGALAXY Note Edgeの魅力を実際に体験してしまうと、その便利さ、その快適さゆえにGALAXY Note Edgeを知らなかった頃に戻ることができなくなってしまうほどだ。

それだけの体験をGALAXY Note Edgeはもたらしてくれた。ということで、どういった部分が“戻れなくなる”部分なのか、これから紹介して行きたい。

戻れない魅力1)その速さを体験してしまうと戻れなくなる
まずは、その高速性だ。今回Qualcomm APQ8084(2.7GHz、クアッドコア)というプロセッサーを搭載しているのだが、これが異次元の速さなのだ。

たとえばスマートフォンで最も使用頻度の高いアプリと言えばWebブラウザーになるだろう。そこでWebブラウザーのレンダリング性能をチェックするベンチマークテストであるFuturemarkの「Peecekeeper」というベンチマークテストを使い。筆者所有のGALAXY SⅢ Progre SCL21、GALAXY SⅢα SC-03E、GALAXY Note Edge SC-01GでChromeブラウザーのレンダリング速度を計測した。ブラウザーのバージョンはいずれも最新版となっている。

さらに、スマートフォンで3Dゲームをプレイする人もいるだろうと、同じくFuturemarkのリリースしている3D描画性能を計測するベンチマークアプリである「3DMark」を計測した。それぞれのスコアを掲載するが、Peecekeeperでも倍近い差、3DMarkに至っては、速すぎて計測不能(Maxed out!)という表示になってしまった。2年落ちの端末とはいえGALAXY SⅢ Progre SCL21もGALAXY SⅢα SC-03Eも、普段使っていて不満を感じることはなかったが、GALAXY Note Edgeを使い続けてWebブラウジングの快適さを味わってしまうと、それが当たり前のように感じてしまうようになってしまった。もはやGALAXY Note Edge基準でのブラウジング速度を見るようになったため、それを知らない頃には戻れない。

■Futuremarkの「Peecekeeper」の結果
GALAXY SⅢ Progre SCL21  GALAXY SⅢ Progre SCL21   
GALAXY SⅢα SC-03E GALAXY SⅢα SC-03E
GALAXY Note Edge SC-01G GALAXY Note Edge SC-01G

■Futuremarkの3DMarkの結果
GALAXY SⅢ Progre SCL21 GALAXY SⅢ Progre SCL21
GALAXY SⅢα SC-03E GALAXY SⅢα SC-03E
GALAXY Note Edge SC-01G GALAXY Note Edge SC-01G

以上のスコアからもわかるようにGALAXY Note Edgeの速さは、ひと昔前のスマホ(しかも主流モデル)を大きく凌駕するほど進化している。この違いは体感で差が分かるほどだ。具体的には自宅(FTTH)の無線LAN環境(IEEE802.11g)下でWebブラウザーのアイコンをタップし、ブラウザーが開いてWebページが読み込まれるまでの速度が明らかに高速になっている。また、そこからお気に入りを開いて、指定したサイトへ移動するのもサクサク快適に行える。2.7GHzクアッドコアプロセッサーとメインメモリー3GBによる高速性を味わってしまうとそれを知らなかった頃には戻れなくなってしまうというわけだ。

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戻れない魅力2)進化したSペン入力を体験するとそれなしには戻れなくなる
歴代GALAXY Noteシリーズで最大の特徴である共通のポイントがデジタイザーを利用したペン入力機構「Sペン」だ。初代から培ってきたSペンの快適入力さが、GALAXY Note Edgeでは、より便利に、より快適に行えるように進化している。たとえばハードウェアの性能向上により、Sペンの感度が従来のGALAXY Note 3と比べて約2倍近く高くなっている。実際、Sペンを近づけた際の画面の反応具合も、かなりディスプレイから離れた状態でも反応するようになっている。

かなり離れたところから画像を選んでも、指定した画像がポップアップする。 かなり離れたところから画像を選んでも、指定した画像がポップアップする。

Sペンで特に便利になったと思えるのが「一括選択」機能だろう。特にペンのボタンをクリックしながらマウスのように一定の範囲をドラッグすると、その部分が選択できるようになった。これがこの上なく便利なのである。静止画を選択して別のフォルダに移動させるようなとき、この機能を使うと、連続でタップして選択するよりもはるかに楽に選択でき作業がはかどるのだ。従来のGALAXY Noteユーザーから見ても非常に魅力的に見える機能であると言える。まるでマウスを使っているかのような使い心地だ。

ペンのボタンをクリックしつつ、矩形選択を広げていく。 ペンのボタンをクリックしつつ、矩形選択を広げていく。

必要な画像まで矩形選択を広げて話すと、その範囲の画像が一括選択される。 必要な画像まで矩形選択を広げて話すと、その範囲の画像が一括選択される。

また、感度が倍近くなったことで、毛筆の質感がより現実に近いものへと進化しており、手書きメモで毛筆を選択すると、まさに紙に筆と墨で文字を書いているような感覚で筆記することが可能になっている。デジタルデバイスを使い慣れていると文字入力はついついキーボードと日本語変換を使ってしまうため漢字を忘れてしまいそうになるが、Sペンがあれば、メモアプリに自分で文字を書いてメモを保存しておけるので、漢字を忘れないためや文字を書く訓練にもなるというメリットもある。

Sメモには、ペン先として毛筆が選択できる。文字の太さも調節可能だ。 Sメモには、ペン先として毛筆が選択できる。文字の太さも調節可能だ。

感度が2倍に向上したことで書き心地も書き上がりも毛筆さが増している。 感度が2倍に向上したことで書き心地も書き上がりも毛筆さが増している。

また、Sペンを使ってコピー&ペーストといったよく使う機能を呼び出せる「エアコマンド」も便利だ。手書きでメモした内容がスマホの機能と連携する「アクションメモ」、選択した部分を切り取り、ドラッグ&ドロップで簡単にスマホの機能と連携させる「スマート選択」。画像をSペンで細かく切り取りしてスマホ機能と連携させる「画像クリップ」、画像キャプチャー後に編集画面となり、自由に書き込める「スクリーンライト」といった機能が用意されている。

Sペン用の操作アイコン「エアコマンド」 Sペン用の操作アイコン「エアコマンド」

戻れない魅力3)絶妙な約5.6インチのサイズ、そして曲面有機ELディスプレイのエッジスクリーン
これまで処理の高速性、そして快適過ぎるSペン入力といったことを紹介してきた。そして一度経験してしまうと知らなかった頃に戻れない魅力として最後の魅力が、本体の絶妙なサイズ、そしてこれまでどの端末にも見られない新しいサブディスプレイである「エッジスクリーン」である。

まずはそのサイズ、82(幅)mm×151(高さ)mm×約8.5(厚さ)mm(最厚部約10.1mm)というサイズが男性であれば手のひらサイズにギリギリで収まるサイズなのだ。そして電話機として片手で操作できるギリギリのサイズでもある。GALAXY Sシリーズと比較するとわかるがGALAXY SⅢαの幅は71mm、高さは137mm、GALAXY SⅢ Progreは幅が約71mmで高さは139mmだ。幅にして11mm、高さにして12~14mmの違いが、大きな使い勝手の差を生み出している。

左から、GALAXY SⅢ Progre、GALAXY SⅢα、GALAXY  Note Edge 左から、GALAXY SⅢ Progre、GALAXY SⅢα、GALAXY Note Edge

GALAXY Sシリーズに対し幅にしておよそ11mm、高さにして12~14mmの違いとなる。 GALAXY Sシリーズに対し幅にしておよそ11mm、高さにして12~14mmの違いとなる。

電話機として持てるギリギリ許容範囲内の絶妙なサイズに収まっている 電話機として持てるギリギリ許容範囲内の絶妙なサイズに収まっている

■これからの可能性を感じさせる「エッジスクリーン」
そして最後になるが、GALAXY Note Edgeのオリジナリティポイントとも言える湾曲したサブディスプレイ部分の「エッジスクリーン」。2560×160ドットという本の背表紙のようなサイズのサブディスプレイ部分、ここがやはりGALAXY Note Edgeの最大のポイントになると言っていいだろう。

当初は、あまり使い道がないと考えていたが、しばらく使いこんでいくうちに必須のディスプレイ部分へと変化していた。初搭載の機能なのだが、別途活用できるようにエッジスクリーン向けのアプリも用意されている。

エッジスクリーン向けのアプリ エッジスクリーン向けのアプリ

右手で持つとちょうど親指で届く範囲内にこのエッジスクリーンがあるわけで、ランチャーアイコンに、よく使うアプリを登録しておけば、必要なときに瞬時にアプリを立ち上げることができる。メインディスプレイを出して、アプリのアイコンを探してタップしてなどという手順を踏む必要がなくなるのだ。

エッジスクリーン用アプリランチャーからアプリが一発で起動できる。 エッジスクリーン用アプリランチャーからアプリが一発で起動できる。

SNS(Twitter、Facebook)、メーラー(Eメール、Gmail)、Webブラウザー、カメラといった自分がよく使うアプリを登録し、ワンタッチで呼び出せることを体験してしまうと、もうエッジスクリーンを知らなかった頃には戻れなくなってしまうだろう。

以上、GALAXY Note Edgeをポイントに絞って紹介してきたが、本製品はAndroid端末としての優れた機能が満載されているところももちろん魅力である。OSは最新のKitkatことAndroid 4.4.4を搭載、無線LANはIEEE802.11a/b/g/n/ac、Bluetooth v4.1といった最新のワイヤレス規格に加え、おサイフケータイおよびNFC、生体指紋認証ユニット、光学式の手ぶれ補正機能が付いたカメラ部分といった、細かな部分も高機能なモノでまとめられている。

まさにGALAXY Noteシリーズで史上最強の呼び声が似合う端末であると言えるだろう。

個人的な話に戻るが筆者はちょうど年内に割賦が終わって、新端末への機種変更が可能になる。次に乗り換えるとしても、またGALAXYシリーズになると思うが、現在の筆者の中ではGALAXY Note Edgeを次の端末として選択したいという気持ちで固まりつつある。

2年間の割賦を終えて次の端末をどうしようか考えているのであれば、GALAXY Note Edgeは、文句なしにおススメしたい端末だ。また、Android端末ユーザーで、これまでGALAXYシリーズを所有したことのない人へも乗り換えをおススメする。繰り返すが、一度この端末の魅力を味わってしまうと、きっとGALAXY Note Edgeから離れられなくなるはずだ。


GALAXY Note Edge