日本マイクロソフトは企業向けの新しいライセンス形態となる「Enterprise Cloud Suite(ECS)」を12月1日より提供する。ユーザー数またはデバイス数が250を超える企業向けのライセンス「Enterprise Agreement(EA)」の1メニューとして提供されれ、現在利用者が増加中のマルチデバイスに合わせたライセンスとなる。

従来はデバイスごとにライセンスが必要だったが「Enterprise Cloud Suite」では、ユーザーごとのライセンスとなり、1ユーザーが複数のデバイスを使う場合に、ライセンス費用の削減につなげることが可能となる。



業務用に使うデバイスと言えば、数年前までは会社に設置されたPCだった。現在はPCに加えて、スマートフォンや、タブレットを業務に活用することが当たり前になっている。外出が多い営業関係者にとって、会社ではWindows PC、出先ではスマートフォンとタブレットや2-in-1機器を使いこなすのは、当たり前になりつつある。

さらに、個人のデバイスを利用するBYODや、テレワークで会社以外でのリモート業務も珍しくなくなっている。これを従来のライセンス形態で業務利用する場合、各デバイスごとにライセンスが必要で、デバイスが増えれば増えるほど必要なライセンスが増え、コストがかかっていた。

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新しく提供される「Enterprise Cloud Suite」では、1ユーザーごとのライセンスとなり、1ユーザーが複数のデバイスを利用する場合にも1つのライセンスで利用が可能となる。これによってコストの削減ができるようになり、管理の手間も削減される。

「Enterprise Cloud Suite」は、Office 365やLyncといったクラウドサービスが利用できる「Microsoft Office 365 E3」、モバイル環境の管理ソリューション「Enterprise Mobility Suite」、Windows Enterpriseの利用権「Windows Software Assurance per User」の3つの製品をまとめた形で提供される。

つまり、マイクロソフトが提供するクライアント向けのサービスのほとんどを、1つのライセンスだけで、そのユーザーが所有するすべてのデバイスで利用できるようになるわけだ。

先述したように「Enterprise Cloud Suite(ECS)」は「Enterprise Agreement(EA)」の1つに位置づけられており、現在EAで契約している場合は、更新時に乗り換えや追加購入でECSをすることも可能だ。利用形態によってライセンス費用は異なるが、ユーザーのライセンス費用削減効果は最大で2割程度になると見込まれている。

上倉賢 @kamikura [digi2(デジ通)]

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