今年4月にWindows XPがサポートを終了した。そして次にサポート終了が控えているのがサーバー向けOSのWindows Server 2003で、こちらは2015年7月15日にサポートが終了する。マイクロソフトやパートナー企業はWindows Server 2012という最新環境への移行を推進している。

しかし、Windows Server 2003が提供されてから12年が経過しており、サーバーの環境もかなり変わってしまっている。単純にサーバーOSを最新版にアップグレードするだけで無く、12年の間に様々な選択が可能になっている。Windows XPをWindows 8.1にするのと同じように、単にOSを最新のものに入れ替えるのが正解ではない。じゃあどうしたらいいのか?



日本マイクロソフトは、Windows Server 2003のサポート終了において様々な取り組みをしてきた。この結果、2013年末には推定36万台の稼働しているWindows Server 2003サーバーあったが、2014年末には21万台になっている。1年間で15万台減らすことができたわけだ。これを来年7月までの約200日間で、さらに16万台を減らし5万台までにする計画だ。1年間で15万台減らした以上のペースで移行を進める必要がある。

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Windows Server 2003は2003年6月にリリースされたが、この頃の環境と現在は状況が大きく変わっている。従来は社内にサーバーを設置するオンプレミス型が主流だったが、現在はクラウドを活用する環境や、クラウドとオンプレミスを併用するような利用環境も増えている。またハードウェアの物理的な台数自体も、仮想化機能を活用し、従来より減らすようなことが当たり前になってきている。

テレワークやBYOD、タブレットやスマートフォンの活用といったユーザーの利用環境も多様化しており、これらに対応するには単にサーバーOSを最新版にするのではなく、将来に備えた環境に移行する必要がある。当然ながら、マイクロソフト製品以外のサーバーOSの選択肢もあるわけで、どの環境に移行するのが自社にベストなのかの判断は様々な選択肢をピックアップし検討する必要がある。

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日本マイクロソフトによれば、サーバー移行が進んでいない理由の54.7%は予算と経営層の理解不足だという。現時点で経営層がこれらの環境の変化を理解できていないとすれば、来年7月までの最新の環境への対応はかなり厳しいだろう。経営層は自社のサーバー環境くらい理解しておき、適切な判断と予算計上で、正しい環境移行を行ってもらいたいところだ。サポートが完了したサーバーOSで、そのまま稼働を続けたために不正アクセスされ、被害を受ける危険性が飛躍的に向上してしまう。そういったことのないように、今から準備しておくのが基本だ。

上倉賢 @kamikura [digi2(デジ通)]

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