インテルは同社の事業として従来のPC向けプロセッサーの開発といった半導体事業以外に、IoT分野やセキュリティ分野を年々強化してきている。このIoTとセキュリティ関連として、今年のCES 2015で展示していたのが次世代のパスワード管理システムとなる「True Key」だ。セキュリティ分野では、インテルはMcAfeeが傘下に収めており、「True Key」もMcAfeeが中心となって展示を行っていた。

この新しいシステムを普及させ、従来の複雑なパスワード管理からユーザーを解放し、よりセキュアでありながらも各デバイスやサービスを手軽に利用できる世界を目指すようだ。



現在、数多くのインターネットサービスがあり、それぞれにアカウントIDとログインパスワードを設定し、各サービスの利用を行う際にはIDとパスワードを各デバイスに入力してやる必要がある。

簡単に覚えられるパスワードは、破るのも簡単なわけで、このパスワードをどうするかでに悩んでいる人も多いだろう。PCやスマホといったネットに簡単につながる環境が身近になってきたことで、様々な機器でパスワードを管理する必要が生じてしまった。こういったパスワード管理に追われて疲弊する「パスワード疲れ」という言葉まで登場してきた。

いまですら大変なのに、今後IoTが発展していくことで、使用するデバイスの数も飛躍的に増える。このため、パスワード管理はさらに面倒になっていくことが予想されている。

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ユーザーのパスワード疲れをなすく世界がTrue Keyが目指すものだ。複雑なパスワード管理を手軽にこなせる世界の実現を目指すと言うのである。

今回、CESでデモしていたのは、顔認証システムと普及が進んだスマートフォンを組み合わせた認証方法で、パスワード入力なしにサイトへのログインや、家のドアを開けることができるというシステムだ。

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パスワードの管理だけであれば、パスワード管理アプリを使えばいいじゃないかと考える人もいるだろう。しかし、そのパスワード管理アプリを使うためのマスターパスワードは必要、もし、そのパスワードを忘れてしまうと中に記憶させた多数のパスワードがわからなくなってしまう。この手の機能は、パスワード入力を、いちいち行わずにログインできるよう利便性の向上のために用意されている。一度、設定してしまうと、以降はIDとパスの入力が不要になる。ただし、本人以外のユーザーが、そのパソコンを使っていたとしても、パスワードの入力は不要だ。

そしてTrue Key自体は、2014年12月にインテルが買収したパスワード管理アプリを提供する、PasswordBoxの技術が使われている。

しかし、True Keyではパスワードだけではなく、顔認証のような生体認証、信頼されたデバイスといった複数の要素を組み合わせることで本人確認を徹底できるので、よりセキュアになる利点もある。

顔認証と自分が所有しているスマホという複数の認証を経由することが「パスワードを入力する」のと同じ意味を持たせているわけだ。

このような新しい管理システムは多くのユーザーが必要とするようになってくるだろう。True Keyは2015年1月より、米国のユーザーに向けて最初のバージョンを提供する予定となっている。

今後は、各ネットサービスとの連携も含め、よりいっそうの機能向上を目指し、ユーザーの利便性の高いシステムに進化させていく予定、さらに日本での提供も予定されている。

上倉賢 @kamikura [digi2(デジ通)]

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