2020年に向けたインバウンド増加にビジネスチャンスを求めるスタートアップ向けイベント開催」という記事でお伝えしたとおりNTTドコモ・ベンチャーズ 39works(以下、39works)は去る2015年3月26日(木)、東京・赤坂のNTTドコモ・ベンチャーズ本社ラウンジにおいて、スタートアップ向けイベント「39 Startup Night for 2020」を開催した。



2014年に訪日してくる外国人(インバウンド)旅行者数は、過去最高の1300万人超を記録。東京オリンピックが開催される2020年までの目標は、700万人増の2000万人となっている。

それを実現するために、今後は日本国内において、官民を挙げて日本をさらなる観光立国化への推進や、インバウンドビジネス活性化の取り組みが強まっていくと見られている。

そこで39worksでは、訪日外国人たちが増加することを見込み、「インバウンド向けサービスの立ち上げを検討している起業家・スタートアップ」、「現在検討しているインバウンド関連ビジネスについて、企業との連携によりスケールアップを図りたい起業家・スタートアップ」、「グローバル化が進む日本の状況を活かして、世界に向けたビジネス展開や立ち上げを考えている起業家・スタートアップ」たちに向け、同イベントを開催した。

現在、インバウンドビジネスに携わっている人、これから参入しようと計画している人など、同イベントが気になる人も多いと思うので、その様子を紹介しよう。

■インバウンドビジネスに追い風
同イベントはまず、NTTドコモベンチャーズ代表鵜取締役 兼 株式会社みらい翻訳代表取締役の榮藤稔(えとうみのる)氏の挨拶から始まった。

榮藤氏は、
「起業された方、これから起業されようとしている方、アイデアはあるが新規事業まで思いつかない個人の方、会社はおこしたが組み手が見つからない方、そういった方々のマッチングを行った上で、新たな化学反応を起こして新規事業を作っていこうというのが、我々のプロジェクトです。」と、39worksのプロジェクトの目的を説明。

「インバウンドで1億円以上のお金が落ちることとして、どんな機会としてあるのだろうか? そして、スタートアップとか、新規事業とかをするのに、どういうことができるだろうか? というのを掴んでいただければと思います。」と、榮藤氏。

NTTドコモベンチャーズ代表鵜取締役 兼 株式会社みらい翻訳代表取締役の榮藤稔氏 NTTドコモベンチャーズ代表鵜取締役 兼 株式会社みらい翻訳代表取締役の榮藤稔氏

■スピーディーなサービス提供が重要
引き続き、株式会社NTTドコモ・ベンチャーズ スタートアップ支援担当シニアディレクター井上拓也(いのうえたくや)氏より、実際にスタートアップの方と39worksが共同事業開発を行った実例の紹介があった。

井上氏は開口一番、『39worksをひと言でいうと、「成功確率をアップする、ビジネスローンチパッド」』と、39worksを端的に表現した。

起業だけでなく、大きなビジネスを成し遂げるためには、企業がもつ技術や情報、アセットを活用したほうがスピードは速い。そのため39worksでは、起業家とNTTドコモ・ベンチャーズによる、「共同事業開発」という形を取り、NTTドコモがもつ、あらゆるアセットを提供していく、というものだ。アドバイスをもらいながら、きちんとした事業計画を立てたほうが、成功確率は高まるし、ベンチャーキャピタルからの出資も募りやすくなる。

井上氏は共同事業の一例として、フォトシンスとの取り組みについて語った。同社は『スマホを家の鍵として使えるスマートロックのシステム「akerun」』という記事で紹介したように、ドアのサムターン部に取り付けるだけでスマホを家の鍵として使えるスマートロックのシステム「akerun」を発表した企業だ。ホテルであればフロントに並んでチェックイン・鍵の受け渡しが必要なくなるし、物件の管理会社であれば鍵を発行して営業マンに鍵を開けさせたり、日時指定で利用したりも可能となる。

スマートロックのシステム「akerun」のイメージ スマートロックのシステム「akerun」のイメージ

39worksは今までに6つのサービスを提供しているが、すでに終了しているサービスもある。この点について「スピーディーにサービスを提供し続けることは、スピーディーにサービスを終了しないと、次のサービスを打てないことになる。」と井上氏。新しく便利なサービスを、新しいものに切り替えて素早く提供し続けることの重要性を強調していた。

■懇親会&熱い想いを語れたピッチ
イベント終了後の懇親会は、「企業や個人でインバウンドに関連した事業を開始した人」、または「これから起業する人」といった人々同士が自由に仲間を集ったり、意見を交換したりできる場となった。

また希望者は新規事業への熱い想いを39worksの担当者にピッチでぶつけることができるようになっていた。スタッフによると、想定枠を大きく超えるピッチ参加の要望をいただいたのこと。懇親会中にピッチを実施できなかった方については、日をあらためて、39works事務局へピッチ並びに共同事業開発などの議論を、個別に実施する時間帯を調整するとしている。

懇親会でのピッチの様子 懇親会でのピッチの様子

以上のように「39 Startup Night for 2020」の模様をお届けした。イベント自体は短い時間であったが、内容の濃い充実したイベントになっていたと言える。参加者にとっては自身の知見拡充とともに、新たなビジネス拡大のチャンスを感じられる熱い場になったことは、まず間違いないだろう。第2回、第3回と続いて欲しい、楽しみな試みと言える。

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