インテル株式会社は、エレクトロニクス業界の重要な出来事、なおかつ半導体に関することで最重要と言える「ムーアの法則」が2015年4月で50周年を迎えたと発表した。

この「ムーアの法則50周年」に合わせ、青少年たちにコンピューターならびに科学への興味喚起を目的とし、夏休み期間中、科学技術館(東京都千代田区北の丸公園2-1)において、「ムーアの法則」を中心としたマイクロプロセッサーに関する展示を行うことをアナウンスした。



■20世紀のIT関連の出来事で最重要と言える「ムーアの法則」とは?
1965年、ゴードン・E・ムーアが、現代のデジタル革命の進展を示す予測を行った。ムーアは、当時、現れつつあった新しいトレンドを注意深く観察することにより、コンピューター性能の劇的な向上や、関連コストの減少が急速に進むと予想。このムーアの大胆な予測が、後に「ムーアの法則」として広く知られるようになった。

この洞察は電子産業の黄金律となり、イノベーションの促進にはずみをつける要因となった。

特に

「半導体上のトランジスタ数は18か月ごとに倍になる」

という予測は、インテルのプロセッサーの歩んできた歴史そのものとも言え、これに基づいて過去から現在の14nm製造プロセスにつながっていると言っても過言ではない。

このようにムーアの法則は、20世紀から21世紀をまたいで50年を経た現在でも半導体業界の成長を支え、コンピューターの頭脳と呼ばれるマイクロプロセッサーをはじめとする数々の集積回路の開発を促し、PCやインターネット、フィーチャーフォン、スマートフォン、タブレット、ゲーム専用機、ポータブルゲームデバイスなどを生み出す原動力となっている。

ムーアは、インテルの共同創業者として、その後のインテルの道を拓き、それまでになかった高速かつ小型で手ごろな価格のトランジスターを開発。そして数十年にわたり、この予測のペースを維持してきている。

インテルでは「ムーアの法則がもたらすパワーを活用し、地球上のすべての人々に対して、スマートで、ネットにつながる機器を提供する」というミッションのもと、新しい素材の使用や革新的なトランジスター構造の導入を進めることで微細化を推進し、トランジスター当たりの消費電力と機能当たりのコストを下げながら、半導体チップの高性能化を続けてきている。もちろん、そうした進化は今後も進んでいく。

■半導体の進化がもたらしたもの、これからもたらすもの
この50年間の半導体の進化を示す顕著な例を2つ紹介しよう。

1)インテルの最初のマイクロプロセッサー「4004」と現在の14nmプロセス技術によるプロセッサーを比較した場合、性能は3500倍、電力効率は90000倍、そしてトランジスター単価は60000分の1になった。

2)インテルプラットフォームのAndroidスマートフォンを1971年の技術で製造した場合、マイクロプロセッサーだけで駐車場程の広さが必要とされる。


このようにムーアの法則の示す性能の向上とコストの低減は、同社の技術発展の二つの大きな原動力となっている。一定の面積に集積できるトランジスター数が増えるほど、処理能力や電力効率が向上してコストも低下する。

■半導体の高性能化および低価格が産業も進化させる
こうした発展は、既存の産業を後押しして生産性を向上させただけでなく、安価で強力なコンピューティングの実現により、これまでとは異なる新しい産業を生み出すことにも寄与してきた。

ムーアの法則に基づき、コンピューターの処理能力と電力効率が大幅に向上したことで、これまで以上に優れたPC、タブレット、スマートフォン、データセンターが登場したことに加え、IoT(Internet of Things)の爆発的な拡大や新薬の開発期間の短縮、自動車の自動運転技術の開発など、各種の分野で飛躍的な進歩を遂げることができたと言える。

業界のけん引力:ムーアの法則の50年
インテル

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