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初秋の京都で「モシュ印/コケ寺リウム」を楽しむプレスツアー2日目は金戒光明寺と圓光寺、三千院を訪ねることとなった。その様子をお伝えしよう。

■ 法然上人が初めて念仏をされた金戒光明寺
金戒光明寺は、浄土宗の宗祖である法然上人が初めて念仏を唱えた場所に建つお寺だ。修行を終えた法然上人が1175年に初めて念仏をされたとき、「紫雲全山にたなびき、光明があたりを照らした」ことから浄土宗最初の念仏道場を開いた場所でもあるとされる。御影堂には法然上人が祀られている。

ちなみに金戒光明寺は、これまでに4回焼失しているとのこと。応仁の乱と江戸の初期、江戸の中期、昭和9年に燃えているそうだ。最後の焼失からの再建は昭和19年、太平洋戦争の最中に再建されたという。物資が乏しい中、台湾にまでヒノキを求めたそうだ。


金戒光明寺の御影堂



法然上人を祀る


御影堂の中には、仏師運慶の作と伝えられている文殊菩薩が祀られている。元々は三重塔に安置されていたのだが、痛みが出てきたため御影堂へ移されたとのことだ。


向かって左にある文殊菩薩像


右にあるのは吉備観音(重文)。奈良時代の学者吉備真備(きびのまきび)が遣唐使として中国に渡り、19年後に日本に帰ろうとした際に大嵐に遭遇。大嵐の中“南無観世音菩薩”と唱えると海が穏やかになったという。そこで帰国後に奈良の行基に依頼をして作成したのがこの千手観音と言われている。なおその後も吉備真備は中国に渡っており、そのときは鑑真和上と一緒に帰ってきたそうである。近くには、その吉備真備も祀られている。


こちらが右にある吉備観音


またここは幕末に会津藩が本陣を敷き、松平容保が京都守護職として、ここから京の都すべてを統治していたことでも有名だ。新選組もここが発祥の地。松平容保と近藤勇らが謁見した部屋も火事で焼失してしまったのだが、同じ間取りが再現されているので、その時代を偲ぶことができる。


新選組が松平容保に謁見したとされる部屋(焼失後に再建)



珍しい法然上人の横たわる姿。亡くなる前の様子を表したのだという



虎の間



松の間



金戒光明寺の庭。法然上人がたどった跡を模しているのだという



昭和19年は戦時中のため、金属が使えずに木で作成されている


■え? アフロヘアの仏様?
なお金戒光明寺には、アフロヘアにも見えてしまう石仏「五劫思惟阿弥陀仏」がある。なぜ髪の毛(螺髪)が多くなっているかというと、もろもろの衆生を救うために五劫という長い時間修行をした結果、髪の毛が伸びてうず高くなってしまったからだという。現代で言うファッションとは違うことに注意。


五劫思惟阿弥陀仏(このアフロヘアには深いワケがある)



山門から京都市街を望む



こちらも京都市街の様子



山門の中に安置されている仏像と羅漢像


金戒光明寺の特別公開は11月9日~12月2日まで。その際には伊藤若冲の屏風絵も展示されるとのことだ。


伊藤若冲の屏風絵



屏風絵を拡大したところ


■庭園が非常に美しい圓光寺
次に訪れたのが京都の洛北に位置する圓光寺。禅宗のお寺だが、ここは徳川家康が建立したお寺。国内教学の発展を図るため、下野足利学校第九代学頭・三要元佶を招いた学校として開かれた。ここでは出版事業も行われ、現存する日本最古の木活字も残されている。


圓光寺の正門


圓光寺に入ってすぐに目に付くのが渦を巻き、さまざまな流れを見せる白砂を雲海に見立てて、天空を自在にかける竜を石組みで表した枯山水だ。


とても美しい枯山水


そして中に入ると、牛を追う牧童の様子が描かれた「十牛図」を題材にして作られた池泉回遊式庭園である「十牛之庭」。「借景」を基本として作られているので、部屋の中から眺めるのがしきたりだ。秋は真っ赤に色づく紅葉が人気で、とても美しい。初夏の青紅葉、秋の紅葉、そして晩秋の落ち紅葉と3つの景色が楽しめるという。


十牛之庭



十牛之庭のお地蔵さま(笑顔が可愛らしい)



額縁庭園


この庭には、地中に埋められた亀に水滴がしたたることで鳴り響く水琴窟もあるので、ぜひともその清らかな音色を楽しんでほしいところだ。


水琴窟。その音色をぜひとも聞いておきたい


そして圓光寺にはモシュ印とコケ寺リウムが置かれている。コケで作られた御朱印と、お寺のジオラマ。こちらも楽しんでみてはいかがだろうか。なお今回の旅キャンペーン期間は9月1日~11月30日まで。


圓光寺に置かれているモシュ印とコケ寺リウム


■“京都大原”と言えば三千院
最後は「女ひとり」の歌で有名な三千院。ここは天台宗のお寺で、伝教大師最澄上人が比叡山延暦寺建立の時、草庵を結ばれたのに始まるという。五箇室門跡の1つで、皇子や皇族が住職を務めた。


三千院の御殿門


986年に恵心僧都源信が父母の菩提のために姉の安養尼とともに建立したと伝えられている「往生極楽院」、江戸時代の茶人・金森宗和が修築したと言われる「聚碧園」、後白河法皇により始められた宮中御懺法講を伝える道場である「宸殿」、智証大師作と伝えられる秘仏・金色不動明王を祭る「金色不動堂」、2006年に開館した重要文化財収蔵施設の「円融蔵」などがある。


室内から聚碧園を望む



まるで絵画のフレームに収まったかのようなお庭



聚碧園ごしに客殿を望む



様々な種類のコケが生えている



往生極楽院



苔で寝そべるようなわらべ地蔵(作:杉村孝)



コケの中にたたずむわらべ地蔵(作:杉村孝)


こちらにもモシュ印とコケ寺リウムが置かれている。なおモシュ印だが、乾燥した苔を使って作られているのだという。


三千院のモシュ印とコケ寺リウム


なおJR東海の「そうだ 京都、行こう」では、苔名所ガイドブック「コケと苔庭 京都旅」と「地下鉄・バス一日券」が付く特別旅行商品が発売されている。お寺回りの移動には便利な商品なので、利用してみるとよいだろう。

また対象の寺院を巡って「#モシュ印」または「#コケ寺リウム」をInstagramに投稿するとAmazonギフト券がプレゼントされる「モシュ印/コケ寺リウムキャンペーン」も行われる。

これから紅葉を迎える京都。静かな秋のひとときを、モシュ印とコケ寺リウムを見ながら、お寺さん回りをしてみてはいかがだろう。

そうだ 京都、行こう

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