JR東海「そうだ 京都、行こう。」続・春はあけぼの編

JR東海が主催する観光キャンペーン「そうだ 京都、行こう。」は、毎回様々な趣向を凝らしたツアーを行っており、今回のテーマは「春はあけぼの」だ。普段は早起きしない人たちにとっても、朝の京都ならではの静謐な雰囲気が楽しめる企画になっている。先日紹介した「早朝特別拝観でレアな京都を満喫!JR東海「そうだ 京都、行こう。」春はあけぼの編」に引き続き同ツアーの模様をお届けしよう。

■朝焼けスポットで「東寺」の日の出を鑑賞
2日目は朝6時15分にホテルのロビーに集合した。普段はまだ寝ている時間に眠い目をこすりながらロビーまで歩く。行き先は木造としては日本一高い五重塔がある東寺だ。東寺の朝焼けスポットで京都の日の出を鑑賞するためだ。そう、起きたのは日の出前、まだ外は暗い。朝がつらい人には修行のようなものだが、早起きする意味は十分にあった。

なお、東寺に到着したときはまだまだ周囲も暗く、挙げ句に雲が多く「見事と言われる朝焼けは無理かな・・・」とあきらめていたが次第に空は晴れていき、きれいな朝焼けを見ることができた。境内からの朝焼けはまさに絶景。ちなみに拝観前の時間なので個人で東寺に出向いてもこの風景は見ることができない。同ツアーの参加者のみが拝観前でも特別に撮影を許されているのだ。「早起きは絶景の得」で古の都での朝焼けと日本一の五重塔が魅せる風景は早起きしてまで見る価値はあった。
お堀から撮影した東寺の美しい朝焼け
お堀から撮影した東寺の美しい朝焼け

朝焼けとともに水面に反射して美しい五重塔
朝焼けとともに水面に反射して美しい五重塔

■老舗京料理店「瓢亭 別館」で極上の“朝がゆ”を楽しむ
次に移動したのは絶品の朝がゆを提供することで有名な瓢亭。ここは世界的に有名な老舗京料理店であり、実に450年の長い歴史を持っている。そんな瓢亭の別館で、朝がゆをいただく。今回紹介しているツアーには組み込まれていないが、ぜひとも訪ねることをおススメしたい。
極上の朝がゆを堪能できる「瓢亭 別館」
極上の朝がゆを堪能できる「瓢亭 別館」

■京の旦那衆になった気分で朝がゆを堪能
同店に一歩入ると、その美しさで定評の坪庭に魅了された。この庭はテーブル席から眺められるようになっており坪庭を見ながらのんびり朝がゆをいただく。名物の朝がゆだが、その昔、祇園で遊んだ旦那衆に振る舞ったのが始まりとされる。京都の粋が詰まった朝がゆ、なんだか遊び明けの旦那衆になった気分だ。
「瓢亭 別館」の美しい坪庭
「瓢亭 別館」の美しい坪庭

ヒョウタンのかたちをした三段重ねのお鉢には、和え物や炊き合わせ、白身魚の蒸し物が入っており、お椀と八寸が付き量もたっぷりだ。店員さんによると、お粥は薄口醤油とうずら肉からとったお出汁で味付けされているそう。しっかりとした出汁の旨味があり、大変美味しくいただけた。
「瓢亭 別館」の朝がゆは、まさに絶品!
「瓢亭 別館」の朝がゆは、まさに絶品!

■音羽の滝だけじゃない!見所満載の「清水寺」
2日目のツアーはAコースとBコースに分かれ、京都の人気スポットを巡ることになった。まずはAコースからお伝えしよう。同コースは清水寺の西門からスタートする。なお、「清水寺の舞台から飛び降りる」という諺で有名な同寺の舞台は、現在大規模な改修工事を行っており、工事は2021年3月に完了予定となっている。
清水寺の舞台は改修工事中で2021年に完了予定
清水寺の舞台は改修工事中で2021年に完了予定

西門はかつて、天皇の勅使だけが通行を許された門だ。柵に囲まれ一般の参拝者は現在も通行できないが、今回は特別に柵の中へ入らせていただいた。このツアーならではの特典と言える。西門からの眺めは最高で、京都市内を一望することができた。
かつて天皇の勅使だけが通行を許された「西門」
かつて天皇の勅使だけが通行を許された「西門」

その後、経堂に移動して内部の仏様や龍図を拝観した。日光東照宮薬師堂の「鳴き龍」は有名だが、ここの龍も頭の下で手を叩くと、音が響いて聞こえる。
経堂の天井に描かれた見事な龍図
経堂の天井に描かれた見事な龍図

本堂では、和尚さんと般若心経のお勤めを体験。朝の境内に響くお経は荘厳で、心が洗われる。苦手な早起きのおかげで貴重な体験をすることができた。

■清水寺の御本尊にしかない特徴とは?
清水寺の御本尊は十一面千手千眼観世音菩薩だ。和尚さんの話によると、一般の四十二臂千手観音とは違い、最上の左右二臂を頭上高く挙げているのが大きな特徴だそう。御本尊は33年に1度の御開帳のときにしか見ることができないという。次回の御開帳は2033年を予定されている。

パワースポットとして知られている「音羽の滝」は3つの滝からなり、左から学業成就、恋愛成就、延命長寿の御利益があるとされている。滝の源には倶利伽羅竜王(不動明王が龍神に変化した姿)が祀られている。地震などの自然災害があっても一度も枯れることがなかったとのこと。
行列が絶えないパワースポット「音羽の滝」
行列が絶えないパワースポット「音羽の滝」

■西方極楽浄土を具現化した「平等院鳳凰堂」
次に訪ねたのは平等院だ。鳳凰堂は西方極楽浄土を具現化した建物であり、1994年に古都京都の文化財として世界遺産に登録された。もともとは藤原道長の別荘だったが、道長が亡くなった後、息子の頼通が宇治殿を改装して寺院とした。

鳳凰堂は10円玉の表面にデザインされていることで知られており、私たちが最も見慣れた建造物と言える。実は1万円札に描かれている鳳凰もあることをご存じだろうか。実際の鳳凰堂を目の当たりにすると、水面に映る同堂と合わせ息をのむ美しさだ。現実の世界にいるにもかかわらず、非常に幻想的に感じられた。一見の価値あり。
西方極楽浄土を具現化した「平等院鳳凰堂」
西方極楽浄土を具現化した「平等院鳳凰堂」©平等院

■唯一現存する定朝作の仏像
鳳凰堂には仏師 定朝作の御本尊「阿弥陀如来像」が安置されている。定朝作の仏像としては現存する唯一の像とされている。
仏師 定朝作の御本尊「阿弥陀如来像」
仏師 定朝作の御本尊「阿弥陀如来像」©平等院

壁面に並べられている52体の雲中供養菩薩像のうち、26体は模刻体であり、国宝は「平等院ミュージアム鳳翔館」に展示されているのでお見逃しなく。来場者は目の前で国宝の雲中供養菩薩像を見られるわけなので、ぜひとも押さえておきたいポイントだ。
「平等院ミュージアム鳳翔館」に展示されている雲中供養菩薩像
「平等院ミュージアム鳳翔館」に展示されている雲中供養菩薩像 ©平等院

学芸員の方によると、人生最期の日に極楽浄土からお迎えがやって来るとき、これまでの人生の行いや信仰の深さにより9つのランクに分かれるという。ただしお迎えの図は鳳凰堂の扉や壁面に描かれているが、創建時のものは劣化が激しいという。平等院ミュージアム鳳翔館で色彩豊かな複製を見ることができるので、こちらも必見。

■ほかにも見どころ満載な平等院
なお平等院だが、平家打倒を掲げて決起したものの敗れて自刃した源頼政の墓地があったり、茶師・星野道斎と息子たちにより建立された羅漢堂など、ほかにも見ておきたいポイントがあったりするので、これらもぜひとも回っておきたいところだ。

また今回の京都ツアーではこのほかに、有名な龍安寺の石庭や、水戸光圀が寄進したツクバイを見られるBコースについても紹介しているので、そちらの記事もあわせて読んでいただきたい。

そうだ 京都、行こう。~京都への旅行、観光スポットで京都遊び~
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京都デスティネーションキャンペーン「京の冬の旅」

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2018-10-02