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【ケータイラボ】ケータイ完成度の高いスマートフォン ソフトバンク「X02NK(ノキア製)」

ソフトバンクモバイルから発売されたノキア製端末「X02NK」は小型ながら優れたAV機能を搭載したスマートフォンだ。X02NKのベースとなっているのは海外でも人気のあるノキア「N95」である。



X02NKの特徴は、優れたAV機能。カールツァイスレンズと5.0メガピクセルカメラ、本体にステレオスピーカーを搭載しているため、本体だけでも高音質の音楽を楽むことができる。また、デュアルスライドを採用することで、クローズスタイルと内蔵キーボードを使用できるオープンスタイルに加えて、プレーヤーとして利用できるマルチメディアモードの3スタイルで使用できる。搭載するOSは、SymbianOS S60 v3.1、メモリはROM 140Mバイト。



操作部は、本体下部をスライドすることでキーボードを開閉できるだけでなく、上部をスライドさせることで音楽再生パネルを利用することができるデュアルスライドを採用している。

X02NK クローズスタイルX02NK オープンスタイル




上部をスライドするとプレーヤーモードで使用できる。本体中央右のボタンで、アイコンが回転して選択できるMac OSにも似たインターフェイスのマルチメディアメニューがとてもクールだ。アイコンが回転するメニューは、画像表示のギャラリーのビデオビューでも採用されており画像の検索・選択をスピーディかつ快適に利用できる。

X02NK プレーヤーモードマルチメディアメニューはとてもクール




■スマートフォンとは思えない小さな本体

本体サイズは、約幅53mm×高さ99mm×厚さ21mm(閉じた状態。突起部を除く)、重さ約120g(電池パックを含む)と通常のケータイと比べても小型の部類に入る端末だ。

X02NK クローズスタイルX02NK オープンスタイル




本体下部のスライドの開閉状態をみてみよう。キーボード閉じた状態。

X02NK クローズスタイル左側X02NK クローズスタイル右側




キーボード開いた状態。

X02NK オープンスタイル左側X02NK オープンスタイル右側




■Windowsケータイとは違うシンプルなキーボード

本体前面側には、中央部にナビゲーションキー(十字キー)、その左右にメニューボタン、アイコンが回転するマルチメディアメニューボタンがある。

内蔵キーボードをスライドさせて出すと、シンプルなダイヤルキーボードが現れる。Windows Mobile端末のような専用の操作ボタンはなく、よりケータイ的なデザインだ。ケータイとしてのインターフェイスの融合という意味ではWindowsケータイを一歩リードしているといえる。

前面操作パネルと内蔵キーボード





■デジカメのような背面とMicroSD<スロット

背面は、500万画素カメラの存在感が大きい。背面だけをみれば、デジカメといわれても違和感のないデザイン。カメラには、カールツァイスレンズが採用されているだけでなく、スライド式レンズカバーを備えるなど、こだわりも妥協がない。

左側面にMicroSDスロットが備わっている。

存在感のある背面カメラMicroSDスロット




■側面はLED点灯でクール

右サイドにはズーム/音量調節キーやシャッターキーを備える。ボタンはLED点灯するので暗い場所でも操作可能だ。左サイドにはイヤホンジャックやMicroSDスロットなどを備えている。

右側面左側面




■シンプルですっきりした上部と底部

本体上面は電源ボタンのみのシンプルなデザイン。本体底面にminiUSBポートを備える。

上部底部




■バッテリー、SIMスロット

背面下のロックボタンを押し込んで背面カバーを下へさげて開くとバッテリーがある。バッテリーを外すと左側にSIMスロットを備える。カバーは金属製でスロットの溝は浅い。

バッテリーSIMスロット




■Windowケータイより一歩先のケータイ化を実現している「X0NK」

スマートフォンというと国内ではWindows Mobileを搭載したWindowsケータイが知られているがSymbianOSを搭載したノキア製端末の方が海外ではいち早く市場展開している。

「X02NK」はSymbianOSを搭載したノキア端末ということもあり、国内では多いWindowケータイと比べてもケータイとの融合という面では完成度が高い。



何もいわれずに手渡されれば、Windowsケータイよりも意識せずにケータイとして使えるだろう。また、特徴であるAV機能も、ただ搭載するのではなく、高性能カメラや本体にステレオスピーカーを搭載し、操作も専用スライドプレーヤーパネルを内蔵するなど、妥協のない機能が提供されている。



スマートフォンということを意識させることなく使わせてくれるのがX02NKという端末だ。今は特別な端末として意識されているスマートフォンだが、将来はX02NKのように特別な意識をしなくとも使えるケータイとなっていくことを感じさせる端末だといえる。



■主なスペック

OS:SymbianOS / S60 v3.1

メモリ:ROM 140Mバイト

ディスプレイ:2.6インチ(QVGA)、 TFT液晶・最大1,600万色

カメラ(静止画):有効画素数 504万画素CMOS (サブカメラ 10万画素CMOS)

   (動画) :640×480ピクセル、MPEG-4、最大140Mバイト、約100分

メール:メール、S!メール(MMS)[Eメールクライアント]

連続通話時間:約160分(日本国内・W-CDMA)/約240分(GSM)

連続待受時間:約200時間(日本国内・W-CDMA)/約225時間(GSM)

充電時間  : 約90分

大きさ:約53幅×高さ99×厚さ21mm(閉じた状態。突起部除く)、重さ約120g(電池パック含む)



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【世界のモバイル】iPhone対抗というのは間違いだ!Samsung「OMNIA」の真の姿

シンガポールで開催された通信関連イベント「CommunicAsia 2008」で、Samsungはマルチメディアやビジネス利用に優れたスマートフォン「OMNIA」を発表した。iPhone対抗とも言われるOMNIAだが、展示会場で実際に触れたOMNIAにはiPhoneの影響は一切感じられないものだった。


■設計思想が異なるOMNIAとiPhone

Samsungが発表したOMNIAはベースにWindows Mobile 6.1 Professionalを搭載したスマートフォンである。しかしユーザーインターフェース(UI)はタッチパネルUIである独自の「TouchWIZ UI」を搭載しており、一見するとWindows Mobile端末には見えないルックスとなっている。また指先で画面をタッチしての操作も可能だ。

Samsung OMNIA




このような操作体系や全面がディスプレイの形状から、OMNIAはAppleのiPhoneに対抗した端末に思えるかもしれない。しかし実際に操作してみるとわかるのは、OMNIAとiPhoneの設計思想の違いだ。iPhoneはPCとのシンクロが容易であり、インターネットとの親和性も高い。情報やデータを持ち運ぶのには最高のデバイスかもしれない。一方OMNIAはそれ単体でもフル機能を備えた端末であり、1台だけで完結できるデバイスだ。たとえばiPhoneのカメラは標準レベルのものだが、OMNIAのカメラは500万画素、AF対応、スマイル機能など市販のデジカメに対抗できるレベルのものだ。入力方法も指先だけではなくスタイラスペンも利用できる。



ではSamsungはなぜOMNIAに高画質カメラを搭載しているのだろうか? iPhoneよりスペックをあげたかったからだろうか?

答えは単純で「OMNIAそのものがデジカメになること」を想定しているからだと感じる。一方iPhoneは別のデジカメで撮影した写真をPCに保存しておき、それを簡単に持ち出せる、という思想だろう。だからiPhoneの内蔵カメラは標準レベルのもので十分と考えているのではないだろうか。なお、ここでデジカメの機能を取り上げて「どちらが優れているか」と議論することは意味が無い。設計思想、ターゲットユーザーが全く異なる両デバイスを同じ土俵の上で比較することがそもそも間違いなのだ。



SamsungはOMNIA以前にもいくつかのタッチパネルUI搭載端末を発売している。しかしそれらは独自のOSを搭載したものであり、スマートフォンと呼ぶには若干非力なスペックだった。しかしそれらの端末もOMNIAのTouchWIZ UIと同系のUIを搭載している。またSamsungのローエンド携帯電話とOMNIAを比較してみると、メニューアイコンなどはほぼ統一されたものが利用されている。すなわちOMNIAはiPhoneが出てきたから対抗するために出したものではなく、Samsungの全端末ラインナップの中の1つに属する製品であり、フラッグシップモデルとしてあらゆる機能を詰め込んで開発された端末であるわけだ。外観がiPhoneと似ていようが、この設計思想の違いは製品の機能や使い勝手に現れてくる。10分も操作してみれば両者が「似て非なるもの」であることに気がつくだろう。



またOMNIAがWindows Mobile OSを採用しているのは「Windows Mobile OSを搭載した端末」を開発しようとしたものではないようだ。マルチメディア、インターネット、そしてビジネスという3つの用途に適した端末のOSとしてWindows Mobileを採用した、ということだそうだ。たしかに「はじめにOSを決める」開発を行うなら、わざわざほかのSamsung端末と類似したUIを搭載する必要もなかったはずだからだ。

OMNIA(左)と、非スマートフォンのTouchWIZ(右)。UIは同じだ




ハイエンドのOMNIA(左)もスタイルモデルのSoul b(右)もメニューアイコンは同じデザイン




■OMNIAは携帯電話からのアプローチ

日本でもWindows Mobileスマートフォンは発売されており、一定のユーザー数は獲得しているようだ。しかし販売数が伸び悩んでいるためか、最近ではスマートフォンでありながら「ケータイ」ライクなUIを備えたものも出てきている。



OMNIAも表面のUIはWindows MobileではなくSamsungのものだ。しかしこのUIはOMNIA専用に開発したのではなく、過去の同社の資産の延長のものになっている。すなわち携帯電話を開発していく過程の上で「使いやすいUIとは何か」を追求していった結果が、そのままOMNIAに反映されたということだろう。



今後日本でも様々なスマートフォンが登場するだろうが、OMNIAのようにカスタマイズされたUIを搭載した製品も出てくることだろう。ではユーザーにとって使いやすいUIはどのように開発すべきだろうか?OMNIAのように携帯電話向けのUIからアプローチし、それをスマートフォンに搭載することも一つの方法ではないだろうか。



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山根康宏

著者サイト「山根康宏WEBサイト」

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【ケータイラボ】片手の指で操作できるWindowsケータイ ドコモ「HT1100」

株式会社ドコモが2008年6月に発売を予定しているスマートフォン「HT1100」は、先に発売された「F1100」と同様に最大3.6MbpsのHSDPA通信サービスに対応した高速モバイル通信端末だが、特徴はそれだけはない。海外ではiPhone対抗端末として今、注目を集めているスマートフォンなのだ。



HT1100はどのようなユーザー層をターゲットとしているのか? 日本で発売が決定した経緯や戦略は何だったのか?



HT1100の開発担当者であるNTTドコモ 市川一興氏に開発までの経緯とともに同社のスマートフォン戦略をうかがってみた。


■使い勝手にこだわりぬいたケータイ

編集部:まずはじめにHT1100のコンセプトなどを教えていただけますか。

市川氏:HT1100は法人市場もターゲットではあるものの、よりコンシューマーにも受け入れられる形状ということでテンキーを採用しております。



ほかのスマートフォンですと、本体を横にスライドさせてQWERTY配列のキーボードが出てくる端末、あるいは片手で本体を持って、別の手でスタイラスペンを使う形でお使いになると思います。HT1100はテンキーでもおわかりになりますとおりスタイラスペンを使わずに普通のケータイのように片手で操作できるように作られています。



編集部:片手で操作できるとおしゃっていましたが、「TouchFLO」というインターフェイスがポイントでしょうか。

市川氏:はい。HT1100では、「TouchFLO(タッチフロー)」というメニューを用意しています。TouchFLOは3次元のキューブ(立体)を起動して、指でクルクルと操作することで電話帳やアプリケーションを起動することができます。

写真1 指でクルクルと操作することで電話帳やアプリケーションを起動できる
写真1 指でクルクルと操作することで電話帳やアプリケーションを起動できる

その先はスタイラスペンを使う場面もありますが、アプリケーションの入口のところまでは、なるべく指だけを使って操作していただくことをコンセプトに開発いたしました。



編集部:タッチパネル式の端末で指だけで操作できるのは、HT1100が初めての端末でしょうか。

市川氏:これまでのタッチパネル式の端末も指で操作はできましたが、アイコンが小さいので、指のツメで操作する必要があり、アイコンをうまく押せなかったり、違うアイコンを押してしまうということがありました。見ていただくとおわかりになるのですが、HT1100は指でも簡単に操作できるように、アイコンが大きめに作られています。

写真2 TouchFLOのメニュー画面写真3 TouchFLOのメディア画面
写真2 TouchFLOのメニュー画面写真3 TouchFLOのメディア画面

TouchFLOとは違いますが、一番上の電波状況や電池の状態がわかるアイコンも、その周辺を押すと大きく表示されるようになっています。たとえば、電池のアイコンを押すと、バッテリの残量がわかります。

写真4 電波状況や電池の状態がわかるアイコンは、その周辺をタップすることで大きく表示される
写真4 電波状況や電池の状態がわかるアイコンは、その周辺をタップすることで大きく表示される

編集部:ほかのスマートフォンとの違いを教えていただけますか。

市川氏:TouchFLOの機能のひとつですが、写真を表示させた場合に右回りに円を描くとズームイン(拡大)、左回りに円を描くとズームアウト(縮小)で表示します。

写真5 写真を表示させる機能を備える写真6 右回りに円を描くとズームインする
写真5 写真を表示させる機能を備える写真6 右回りに円を描くとズームインする

あとはTouchFLOに親しんでいるケータイユーザーが使いやすいように、QWERTY配列でない点。



編集部:TouchFLOのほかに特徴的な機能はございますか。

市川氏:FMラジオの機能があります。日本だけでなく、海外でもお使いいただくことができます。あとは通常のWindows Media Playerに加えて、HTC独自のミュージックプレーヤー「オーディオプレーヤー」や、YouTube Mobileなどのコンテンツを楽しめる「ストリーミングメディア」を備えています。Bluetooth機能も備えていますが、これはほかの端末にも載っています。



編集部:ちなみにBluetooth機能では、どういった周辺機器を利用できますか。

市川氏:弊社の共有オプション品としてはワイヤレスイヤホンセット「P01」が利用できます。その他にもHT1100では多数のプロファイルを搭載しておりますので、周辺機器が増えていくことを期待しております。



編集部:盛り沢山の機能ですね。ところで、開発時に一番苦労された点はどこですか。

市川氏:マナーモードやドライブモードです。日本では当たり前のように搭載されている機能ですが、HT1100のベースとなる端末には搭載されていませんでした。これらの機能を組み込んでいただくことをお願いいたしましたが、日本とは文化が違いますので、マナーモードがなぜ必要であるかを説明させていただくところから始めました。



編集部:今おっしゃっていたマナーモードやドライブモードのほかに、海外モデルとの違いはどこにあるのでしょうか。

市川氏:ハードウェア的なところですと、キャップですね。海外では、USB端子やmicroSDスロットがむき出しの端末を多く見かけますが、弊社の端末ではホコリが入ることを考慮してキャップを付けていただくことをお願いいたしました。

写真7 HT1100の特徴について語る、市川一興氏
写真7 HT1100の特徴について語る、市川一興氏

編集部:ソフトウェア的な面では、どこか違いはありますか。

市川氏:M1000でも同じ機能が入っていますが、moperaU端末自動設定があげられます。メーラの設定ではメールサーバーやパスワードを設定する必要があり面倒な作業ですが、moperaU端末自動設定を使用するとネットワークの方から設定データをダウンロードして端末のほうで自動設定いたします。



編集部:HT1100独自のサービスなどは、何か用意されているのでしょうか。

市川氏:HT1100というよりも1100シリーズを通してですが、定額のパケット通信サービス「Biz・ホーダイ」に対応しております。



HT1100は、先に発売されたF1100を同じWindows Mobile 6ベースだが、タッチパネル対応のProfessional版を採用している。また、F1100が内線電話のリプレースとなる機能や通常のケータイ互換的なインターフェイスで電話らしさに配慮しているのに対し、HT1100はYouTube Mobileなどのコンテンツを楽しめる「ストリーミングメディア」の搭載や「TouchFLO」による片手だけで画面を指で操作できるなど、楽しく使えるWindowsケータイに仕上がっている。



海外で人気の「iPhone」に対抗する機能「TouchFLO」という先進的な独自インターフェイスを採用することで、タッチパネルを片手の指だけで操作することが可能となり、ほかのスマートフォンと一線を画す魅力を持った端末といえるだろう。



F1100製品情報

株式会社NTTドコモ



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編集部:関口哲司

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【ケータイラボ】iPhoneのライバル 新時代のインターフェイス搭載 ドコモ「HT1100」

NTTドコモは、新インターフェイス「TouchFLO」を搭載し、片手だけで操作が可能なHTC社製Windowsケータイ「HT1100」の発売を6月12日より開始した。



HT1100は法人だけでなく個人向けにも提供される端末だが、内線電話の置き換え機能をサポートしているF1100よりもエンタテイメント機能が充実している端末だ。特に「TouchFLO」は、海外でもアップルのiPhoneに対抗する機能として注目されている。



iPhone 3Gはソフトバンクモバイルより7月11日より発売されることが発表されたたが、ドコモは一足先にiPhoneに対抗するHT1100を市場に投入する。「TouchFLO」はタッチパネル液晶の画面を指でなぞることで3D画面のメニューを操作できるだけでなく、画面のスクロールや画像の拡大・縮小といったズーム機能も利用できる新世代のインターフェイスだ。

HT1100 クローズHT1100 オープン 




■HT1100は小型でシンプル

HT1100は、OSにWindows Mobile 6 Professionalを採用。スライド式ダイヤルキーボードを内蔵することで、通常のケータイと同サイズの高さ107mm×幅55mm×厚さ16.5mm、重さ約120gというコンパクトボディを実現した。

HT1100 クローズHT1100 オープン




液晶サイズは、2.6インチ、320×240ドット。内蔵のキーボードは縦方向のスライド式で、開閉時のがたつきもなく動きはなめらかで軽快だ。片手でも十分に開閉することができる。

HT1100 クローズ左からHT1100 クローズ右から




HT1100 オープン左からHT1100 オープン右から




■キーボード

本体部には、十字カーソルキーと通話とキャンセルキーのみというシンプルなレイアウトだ。スライドキーボードは一般のケータイと同じダイヤルキーで、左にスタートメニュー、メール、右にキャンセルキー、IEキーが追加されている。

HT1100 前面HT1100 キーボード




■側面

側面はブルーのラインが入っているクールなデザイン。左側面には上下キー。右側面にはカメラボタンと電源スイッチを備える。

左側面右側面




■背面とMicroSD

背面には、約 200万画素のカメラ。左側面下にはMicroSDスロットを備える。

背面MicroSDスロット




■バッテリーとSIM

背面は全面がカバーとなっており、押しながら上側に押し上げると取り外すことができる。バッテリーを外して右側のブルーカバーを開けたところにSIMスロットがある。SIMはプッシュロック式だ。

バッテリーSIMスロット




■底部とスタイラス

底部のカバーを開けるとminiUSB端子が顔を出す。海外では端子カバーがないモデルが多いのだが、HT1100は国内ユーザーのニーズに配慮したドコモからの要望でカバーがつけられているそうだ。

底部コネクタスタイラス




■H1100画面

TODAY画面とスタート画面

TODAY画面スタート画面




TODAY画面の中央に並ぶ4つのアイコンには、ホーム、ランチャー、サウンド設定といった操作が行える。

ランチャー画面サウンド画面




■「TouchFLO」

HT1100の特徴である「TouchFLO」の操作は、画面下から画面を押しつけるようにしっかりと指を上に動かすと下から3Dメニュー画面が現れる。さらに指を左右に動かすと3D表示の立体メニューが回転して画面が切り替わる。指の動かし方には多少コツは必要だが、一度慣れてしまえば確実に操作できる。

下から上になぞるとメニューが現れる左右に動かすと3D画面が回転して切り替わる左右に動かすと3D画面が回転して切り替わる




■一足早く、iPhone対抗機種が登場

「TouchFLO」は、画面タッチ操作を片手で行えるインターフェイスをWindowsケータイに追加する機能だ。これまでタッチパネルでの操作は、指やスタイラスを使うために本体を保持する手と画面で操作する手、すなわち両手が必要だった。このため、一般のケータイのように移動中に利用では機動性が損なわれていた。しかし「TouchFLO」による操作では、頻繁に利用するメニュー操作やブラウザ、画像閲覧といいった機能は、ほぼ保持している片手で行うことが可能なため、移動中でも快適な操作が可能となっている。



HT1100同様に画面をなぞるインターフェイスで人気のiPhoneは、ソフトバンクモバイルから発売することが決まったが、ドコモは一足早くHT1100を投入し、iPhone 3Gを迎え撃つことになる。



HT1100 - NTTドコモ



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【ケータイラボ】よりケータイらしく!ドコモのスマートフォン開発者に聞く「F1100」の魅力とその戦略

株式会社ドコモが2008年3月17日に発売したスマートフォン「F1100」は、最大3.6MbpsのHSDPA通信サービスに対応した個人向けのWindowsケータイ(スマートフォン)だ。ドコモの端末としては初めてOSにWindows Mobile 6 Standardを採用している。



モバイル好きの人の中には、ほかのキャリアのようにパソコンと同じQWERTY配列のキーボードを採用しなかったことや他社のスマートフォンとの差別化など、ドコモの戦略が気になっている人も多いだろう。



そこで今回は、F1100の開発担当者であるNTTドコモ 鍋谷大介氏に開発までの経緯と同社のスマートフォン戦略についてうかがってみた。


■ケータイの使いやすさにWindowsのパワーをプラス

編集部:最初に開発の経緯からお聞かせいただけますでしょうか?

鍋谷氏:F1100は、どちらかというと法人向けの端末として企画がはじまりました。法人向けの機能がどこにあるのかというと、ひとつは弊社で無線LANを利用した内線システム「PASSAGE DUPLE(パッセージ・デュプレ)」を提供しておりますが、このシステムに対応する端末を開発しようという話から企画が持ち上がりました。



一般のコンシューマー向けには出荷しておりませんが、PASSAGE DUPLE対応の端末としてはNEC社製「N900iL」「N902iL」を出しております。これらの端末はiモードベースの端末ですので、(新しい企画の端末は)OSにWindowsベースのWindows Mobile 6 Standardを採用し、アプリケーションのカスタマイズ性を高めた端末にしょうという話が開発の発端でした。



編集部:内線電話というと、スマートフォンに詳しくない人も使うことになるかと思うのですが……。

鍋谷氏:はい。内線で使うFOMAですので、既存のスマートフォンのユーザー層よりも幅広いユーザーが使うことになります。会社に置いてあって普通の人が電話に出なければいけませんから、『いかに使い勝手を普通のFOMA端末に近づけるか』ということをポイントとして開発を進めてまいりました。



編集部:そのポイントはF1100のどういうところに見られますでしょうか。

鍋谷氏:画面を見ていただくとわかると思いますが、「○件の不在着信あり」ですとか、「マナーモード」ですとか、F1100にはFOMAと同じアイコンが並んでいます。Windows Mobileの標準画面ではなく、よりケータイに近づけた画面にしております。加えて内線の電話機ですので電話が圧倒的に掛けやすいテンキーを採用しました。

画面1 F1100独自の待受画面画面2 F1100独自のメニュー画面
画面1 F1100独自の待受画面画面2 F1100独自のメニュー画面

あとは「いかにコンパクトにするか」に注力しました。実際に端末を持っていただけるとおわかりになるかと思いますが、けっこう本体の幅が狭くて持ちやすいデザインとなっております。これも普通に電話として使っていただくための工夫となっております。



編集部:N900iLとN902iLは両端末とも二つ折りのタイプですが、F1100はスライドタイプなんですね。御社の富士通製端末としても、スライドタイプの端末としては初めての端末になると記憶しておりましたが……。

鍋谷氏:そうですね。内線電話の場合、なるべく素早く電話に出る必要がありますが、二つ折りのタイプに比べて外に出ている画面が大きい為、誰から電話が掛かってきたのかがわかりやすいです。。また、クレードルに置いておくと、本体を素早く充電もできますし、電話がかかってきた場合、本体を持ち上げるだけで通話を始めることができます。



編集部:ほかにもF1100の特徴的なポイントはありますか。

鍋谷氏:そうですね。もうひとつの特徴ですが、十字キーの上に4つの「ワンタッチキー」を備え、アプリケーションの起動や電話の発信などを割り当てることができます。オフィスで使用される電話機では、保留や転送の機能が備わっていると思いますが、F1100ではワンタッチキーと画面の表示を組み合わせて保留や転送の機能を使っていただくことができます。



内線電話でのアクションを考えると、電話に出るときにはクレードルからF1100を持ち上げていただき、電話に出ないときにはワンタッチキーを押していただくということから、スライド(キーボード)が一番ベストの形状ではないかと思います。

写真1 十字キーの上に4つの「ワンタッチキー」を備える
写真1 十字キーの上に4つの「ワンタッチキー」を備える

編集部:4つのワンタッチキーは、とても便利なキーですね。

鍋谷氏:ワンタッチキーは内線以外の機能も入れることができまして、最大3パターンまで対応できます。たとえば電話帳に入っている個別のデータを割り当てることができますので、弊社の「らくらくホン」で用意された3つのワンプッシュボタンのようにワンプッシュで電話を掛けることができます。



そのほかにも端末内のアプリケーションも割り当てることができまして、一発でアプリケーションを起動したりすることが可能です。自宅ではスケジュールやメール、会社では保留や転送、外出先では会社や仲間の携帯電話などといったように、自分の生活スタイルにあわせて機能をカスタマイズできます。F1100は法人向け(を想定した)端末だと申しましたが、このワンタッチキーはコンシューマーにも受け入れられる機能だと思っております。



編集部:F1100の特徴的なソフトウェアはございますか。

鍋谷氏:そうですね。富士通製の端末ということもあり、F1100は指紋認証の機能を備えております。まず端末を持ち替えることなく、指紋認証が行えます。指紋認証は数字を入れるよりも簡単ですし、セキュリティも高められます。



指紋認証と関連した機能ですが、インターネットではブラウザの中でパスワードを入力しばければならない場面があります。F1100には、パスワード管理に便利な「パスワードマネージャ」が備わっており、あらかじめパスワードを登録しておけば、パスワードボタンを押してから指紋認証を行うだけで、ブラウザ内でパスワードを自動入力できます。



編集部:開発にあたり一番苦労された点はどこにありますか。

鍋谷氏:F1100は富士通製の端末ですので、海外のメーカーとは違い日本のカルチャーを理解していただくという障壁は低かったのですが、ケータイらしい待受画面ですとか、ケータイらしい使い勝手を実現することでした。今となっては良い思い出かもしれませんが、富士通さんやマイクロソフトさんと3社での調整にけっこう時間が掛かったことですね。

写真2 右側面には、PASSWORDボタンが用意されている写真3 PASSWORDボタンを押してから指紋認証を行うと、自動的にパスワードが入る
写真2 右側面には、PASSWORDボタンが用意されている写真3 PASSWORDボタンを押してから指紋認証を行うと、自動的にパスワードが入る



■スマートフォン戦略とHTC1100との差別化

編集部:ほかのキャリアさんもスマートフォンを提供されてますが、サービス面でのドコモ独自のサービスはありますが。

鍋谷氏:そうですね。ひとつはパケット料金が定額になる「Biz・ホーダイ」を提供している点と、ネットワークを含めた使い勝手が他社よりは優れているのではないかと考えております。通信エリアも広いですし、HSDPAによる高速通信もサポートしております。



またFOMA専用のプロバイダサービス「mopera U」を利用していただければ、Web圧縮やパケットフィルタリングなど、モバイルで使うと嬉しい機能もあらかじめ用意されております。ウィルスチェックや有害サイトのブロックなどの機能も利用できるセキュリティパック、公衆無線LANと組み合わせたプランもありますので、F1100と組み合わせていただくことでより便利に使うことができます。

写真4 スマートフォン戦略について語る、鍋谷大介氏
写真4 スマートフォン戦略について語る、鍋谷大介氏

編集部:ところで、こらから発売予定のHT1100とは、どのように差別化されているのですか。

鍋谷氏:先ほど申し上げたようにF1100はオフィス内の内線電話の代わりに使用したり、無線LAN機能を利用できます。HTC1100のほうはジェスチャーでケータイを操作できる「TouchFLO」などの面白い機能があり、新しい使い勝手に興味を持っておられる人にも魅力を感じていただける端末となっておりますので、同じWindowsケータイでも使い方はまるで違うかと思います。



編集部:本日はお忙しい中、取材に応じていただきましてありがとうございました。



F1100は、ほかのキャリアが出荷しているスマートフォンに比べて、よりケータイらしさを追求したスマートフォンに仕上がっている。「Windowsケータイ」という呼称からも、Windowsパソコンを使いなれている人であれば、自分の好みにカスタマイズして利用できる。また。、iモード以外のパケット通信が定額になる独自サービス「Biz・ホーダイ」も用意されているのも同社の大きな強みといえるだろう。



F1100製品情報

株式会社NTTドコモ





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編集部:関口哲司

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【世界のモバイル】オリンピック間近 北京のネット環境は意外と大丈夫

まもなく開催される北京オリンピック、日本から観戦に行く人も多いことだろう。さて海外に行く際に気になることの一つは現地の通信環境ではないだろうか。旅行中とはいえ仕事やプライベートのメールチェックやBlogの更新など、現地でも日本と同様にインターネットアクセスしたいと考えている人もいるだろう。今回はオリンピックが間近に迫った北京でのインターネットアクセス環境を紹介しよう。




■多くのホテルがブロードバンドに対応

 日本では高級ホテルのみならずビジネスホテルでもブロードバンド環境を備えたホテルが増えている。特にリーズナブルな料金の全国チェーンホテルなどは最初からネット環境完備、利用無料を謳い文句にしているところも多い。日本国内の出張ならば今では旅先でのネットアクセス環境に悩むことは皆無に近いのではないだろうか。



 では海外での環境はどうだろうか? 特に中国と聞くと何となく「古いインフラ」、「不自由な環境」というイメージを持っている人も多いのではないだろうか。しかし実情はというと、これがかなり進んでいるのだ。北京でも一流ホテルはもとより、ビジネスホテルや格安ホテルでも部屋にブロードバンド環境を備えたホテルが増えている。特に最近中国でも増えている格安ホテルチェーン(ホテルよりワンランク下の「イン/賓館」と呼ばれる)は、全店が無料でインターネット環境を備えているところも多い。これらのホテルは建物もここ数年で建てられたものが多いため、設備は値段相応で質素ながら清潔感がある。日本の海外ホテル予約サイトでもこれらのホテルを扱っているところもあるようだ。試しに北京のホテルを探してみると、3,000円前後の格安宿でもホテル設備に「インターネット接続設備」と明記してあるホテルが多いことに驚くだろう。もちろんこれらの設備は電話回線ではなくブロードバンド回線だ。



 ホテルの部屋に電話回線があれば、ノートPC内蔵のモデムからダイヤルアップでネットにアクセスすることもできる。しかし部屋にモジュラージャックがなかったり、電話回線の質が悪かったり、そもそもダイヤルアップでは速度が出ない。北京でネットアクセスを考えるならばブロードバンド接続を提供しているホテルを選んだほうが懸命だ。

 また古いホテルの場合はあとからブロードバンド回線を増設したところもあり、この場合は回線状況が思わしくないこともある。このあたりはホテルの予約サイトの「宿泊者の声」などを参考にしておいたほうがよいだろう。なおLANケーブルは備え付けの場合が多いがプラグが破損している場合もある。フロントに言えば交換してくれるが、念のため自分でも1本ケーブルを持っていったほうが安心だ。

「如家快捷酒店」「速8酒店」など、中国全土に店舗を持つ格安ホテルチェーンはほぼ全店にブロードバンド環境が整っている。なおホテル提供の地図は大雑把なものが多いので、予約の際は別途WEB上の地図などを参照して実際の位置を確認したほうが無難だ。駅のすぐそばと思ったら徒歩15分、なんてこともある。




■北京のスタバで無料でネットアクセス

 もしも不幸にしてブロードバンド設備のないホテルに泊まってしまった場合、あるいは外出中にどうしてもインターネットにアクセスしたい場合はどうしたらよいだろうか?

 北京にも最近は無線LANのホットスポットが増えている。ただし中国網通など固定電話事業者などがサービスを行っているため「有料、要契約」のものが多く海外からの旅行者などは利用できない。

 しかしレストランやファーストフード店によっては無線LANサービスを提供しているところもある。うれしいのは北京にもあるスターバックスだ。全店無料で無線LANを開放しておりコーヒーを飲みながらちょっとした仕事を片付けることも可能だろう。速度も1Mbps前後は出るので通常の利用には問題ないだろう。



 気になる中国の情報統制だが、海外のWEBサイトによっては中国からアクセスできないページもあると言われている。筆者が試した限りでは、日本の主要サイトは問題なくアクセスすることができた。保証することはできないが「ネットにつながったものの、何も見ることができない」という状況ではないようだ。

レストランによっては無料で無線LANを提供しているところもある。簡体字中国語の意味は「無線上網服務」=無線インターネットサービス、である。北京のスターバックスも無線LANは無料だ。ノートPCや無線LAN内蔵スマートフォンを持っていれば自由にネットアクセスできる。




■ノートPCユーザーにはパケット通信対応データカード

 移動中やどこでもノートPCからインターネットにアクセスしたい、という人にお勧めなのがパケット通信に対応したデータカードだ。日本の携帯電話も最近では海外で利用できるものも増えており、それをノートPCにつないでモデムとしてインターネットにアクセスすることができる。しかし海外での利用は別課金となるため、数ページのWEBサイトを見るだけであっという間に数千円の課金になってしまうこともある。そのため頻繁にインターネット接続を利用したいならパケット通信に対応した現地のデータカードを購入するのも手だ。



 パケット通信対応のデータカードはパソコンショップなどに売られている。とはいえ北京市内でパソコンショップを探すのは一苦労かもしれない。そうであれば市内からタクシーで20分くらいかかるが(地下鉄は現在工事中)、北京の秋葉原と呼ばれる「中関村」の電脳街へ行くのが手っ取り早い。コンピューター関係の大型ショッピングセンターが多数立ち並んでおり、ビル内にはパソコンやデジカメなどの専門店が多数入っている。それらの中でPCカードを扱っており、「EDGE」、「GPRS」のようにパケット通信に関係した表示をしている店であればデータ通信カードが販売されている。



 パケット通信対応データカードは通信方式により2種類の製品がある。EDG/GPRSE方式対応と、CDMA2000方式対応のものだ。形状はPCカードタイプのほか、USBタイプもあるので好みのものを選べる。なおデータカードを購入しただけでは利用できないので同時に「データ通信専用のプリペイドSIMカード」を購入し、データカードに装着して利用する。このプリペイドSIMカードは音声通話はできないが、パケット通信は「定額」、使い放題で利用できる。どちらも同じお店に一緒に売られているので同時に購入可能だ。また利用時には開通作業が必要だが、お店のほうでやってくれる。お店の店員さんは慣れているので、こちらが外国人とわかれば筆談などで対応してくれるはずだ。購入時にはデータカードのドライバが中国語対応のみのものもあるため、海外メーカーのカードを買うか、中国製のものなら購入時にパッケージ内の説明書を見せてもらうのがいいだろう。



 費用はデータカードが300-500元、SIMカードが33か月有効で300-400元くらい。日本円にすれば1万円弱の初期投資でいつでもどこでもノートPCからネットアクセスが可能となるわけだ。データカードは中国のほかの都市でも(EDGE/GPRSタイプなら同方式を採用する他の外国でも)利用できるので、将来他の都市を訪問するときにも利用できる。



 このように北京のインターネット接続環境は意外と整っている。電話線のモジュラージャック変換プラグの心配をしたり、日本の携帯電話を使って高いローミングパケット代を払う必要もなさそうだ。北京に行く際は安心してノートPCを持っていけるだろう。

CDMAやGPRS、このような表示を掲げているお店にパケット通信対応のデータカードとプリペイドSIMカードが販売されている。PCカード型やUSBタイプなど様々なデータカードが販売されている。プリペイドSIMカード(パッケージ写真)は有効期限別に価格が数タイプあり、有効期限内の利用は無制限。




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山根康宏

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【ケータイラボ】ドコモが目指すWindowsケータイの未来形「F1100」

NTTドコモは、これまで法人をメインに展開してきたWindowsケータイ(スマートフォン)のコンシューマ市場への参入を開始した。

Windowsケータイは、OSにWindows Mobileを採用し、高速な3Gデータ通信をサポートする高機能モバイル端末で、3G通信のほかにも無線LAN、Bluetoothなど多様な通信機能とPC互換のブラウザ、MS Officeや動画データなど、パソコンライクのインターネットとマルチメディアデータを扱える次世代ケータイだ。



海外などではスマートフォンは、高性能ケータイとして市場を形成しているが、日本ではウィルコムがPHS網を利用したW-ZWRO3シリーズを展開、次いでソフトバンクもHTC社製端末を中心にコンシューマ市場での展開を強化してきている。そんな中、法人向けサービス中心だったドコモがようやく個人市場へも参入した。



後発にみえるドコモだが、実は前述の2社よりも、Windows Mobileとの関係は長い。元々ドコモはWindows CE(Windows Mobileの前身)時代より、ハンドヘルド端末や手帳型端末などを個人市場に提供している。特にハンドヘルド機では、モバイルギアやシグマリオンシリーズなど人気の名シリーズを数多く排出しており、Windows Mobileについての潜在的に高いノウハウを有しているといってもよいだろう。

F1100 クローズ状態F1100 オープン状態




そのドコモが、ついにウィルコム、ソフトバンクのWindowsケータイ追撃に法人向けとともに個人向け市場も視野に入れて送り込んだのが富士通製端末のF1100だ。



今回はこのF1100をみてみよう。



■F1100本体

F1100は、高さ112mm×幅51mm×厚さ16.9mm、重さは約134gと、一見してiモードの通常ケータイと遜色のないサイズを実現している。

搭載OSは、Windows Mobile 6 Standardでありタッチパネル液晶対応版ではないことから、画面を直接タッチして操作することはできないが、一般のケータイになじんでいる人には、こちらの方がなじみやすいだろう。



小型化を実現している大きな要素は、キーボードを縦スライド式で内蔵している構造だ。これまでのスマートフォンでは、パソコン同じQWERTYキーボードを横スライド式や本体下部への配置で搭載することが主流だったことから、通常のケータイより若干大きめになることが多かった上、キーボードを利用する際に端末を持ちかえなければならなかった。F1100では、搭載キーボードをケータと同じダイヤルキーを採用することで、片手でキーボードの開閉と文字入力、ダイヤル発信が可能となっている。

スライドを閉じたF1100スライドを開いたF1100




F1100左からF1100右から




■キーボード部はスライド式

F1100の操作キーをみてみよう。スライドキーボードを閉じた状態では、Windows Mobileの操作キーが配置されている。



中央にマルチカーソルキーがあり、上部はアプリケーションの割り当てられてるワンタッチキーが4つ用意されている。十字キーの左右にはソフトキー、その下は左にホームキー、右にメール・ブラウザキー、その下が左に発信、右に着信キーが備わっており、中段のキー配列は通常のスマートフォンと同じだ。ただ、マルチカーソルキーの下に大きめのバックキーが配置されており、画面タッチできない分の操作の戻しがしやすくなっている。



Windows Mobile 6 Standardは、画面からのダイレクト操作ができないことから、メニューや機能をキーを使って順送り・逆送りの操作が多くなるのだが、バックキーが使いやすくなっていることで操作性を向上させている。



内蔵されているダイヤルキーは、ケータイユーザーにはなじみのあるダイヤルキーだ。

スライドの開閉もがたつきもなく片手でも確実でスムーズな開閉ができる。

スライド式のキーボード内蔵キーボードはダイヤルキー




■背面

背面をみてみよう。

F1100の背面は、前面の光沢仕上げとは異なりつや消しでモールドが刻まれており、手のひらでのホールドを確実にする配慮がされている。



背面には上部にFOMAアンテナが内蔵されており、背面表面には、カメラ、マクロ切り替え、カメラライト、スピーカー、指紋センサーが搭載されている。

前面とは質感が異なる背面背面上部にはカメラと指紋センサー




■側面

側面をみてみよう。

左側面には、MicroSD、イヤホンマイク端子を備える。

右側面には、サイドキー、キーロックキー、パスワードマネージャキーを備える。

左側面右側面




MicroSDMicroSD




■バッテリーとSIM

背面下部にはバッテリーとSIMスロットが備わっている

背面下部のカバーを外すとバッテリーが顔を出す。バッテリーを外すと、左上部にSIMスロットが備わっている。F1100の連続待受時間は約350時間、連続通話時間は約190分、充電時間約150分となっている。

背面のカバーとバッテリーを外したところSIMスロット




■操作画面はシンプルで合理的

F1100の操作画面は、画面からの直接選択ができないぶん、メニューの流れがわかりやすい合理的なメニューとなっている。

ダイレクトに機能をショートカットして選択はできないが、順送り・逆送りしながらメニューを展開できるため、誰でも扱えるメニューとなっている。



TODAY画面は、ケータイライクに日時がわかりやすいデザイン。ヘッドメニューには通信状況、フッタメニューにはワンタタッチキーのアプリケーション4つとソフトキーというWindows Mobileらしいメニューが表示されている。

スタート画面は、機能とジャンルごとにわかりやすくまとめられている。

TODAY画面スタート画面




設定画面では、Windows Mobileの設定が行える。Standard版ということもあり、タブで分類されてなく1レイヤーのページ送りで設定項目が選べるようになっている。

管理画面では、SMS問い合わせやタスク管理が選択できる。

設定画面管理画面




ビジネスツールは、スケジューラ、ToDOなどが分類されている。生活ツールはWindows Liveやメモ帳など各種ユーティリティツールがまとめられている。

ビジネスツール画面生活ツール画面




電話画面では、通話履歴や連絡帳(アドレス帳)などがまとめられている。画像とビデオではカメラ関連の管理ができる。

電話画面画像とビデオ画面




■ケータイを目指すWindowsケータイF1100

Windowsケータイは、これまでスモールコンピューター的な要素がモバイルマニア層に受け入れられたことで人気を獲得し、一定のシェアを伸ばしてきた。しかし、パソコン的には高機能であってもケータイとは異なる操作やデザインからケータイユーザーへの訴求が十分にできていなかったことが課題であった。ドコモのF1100は、ケータイ的な操作やデザインを意欲的に導入することで、Windowsケータイと一般のケータイの違和感を減少させることに成功した端末といえるだろう。



既存のWindowsケータイユーザーにとっては、物足りなさも感じるかもしれないが、Windowsケータイ初心者には、違和感がなくケータイから移行しやすい端末となっている。



F1100には、ドコモが目指すWindowsケータイへの回答が明確に現れているといってよいだろう。



F1100 スペック

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 今や世界最大の携帯電話市場となった中国。携帯電話総加入者数は昨年末で約5億5000万に達し、昨年1年間の携帯電話販売台数は約1億5000万台にも上ったという。この巨大な中国市場、どのような携帯電話が販売されているのだろう?



■覚えきれないほどのメーカー数が参入

 中国内での携帯電話販売シェア数は海外勢が6から7割、中国メーカーが3から4割というのが最近の情勢だ。NokiaやSamsungなど海外メーカーは数千円のローエンド端末から10万円を超えるハイエンド端末まで多数のラインナップを用意しており、あらゆる所得の消費者をターゲットにするべく毎月のように新製品を投入している。各メーカーが販売する端末の種類は常時10種類を超えており、1メーカーだけの専門販売店の数も多い。これだけ種類が多いと「Nokiaにしようか、Samsungにしようか」ではなく「Nokiaのどのモデルにしようか」と同じメーカー内だけで商品を選ぶことも可能になるほどだ。



 一方、中国メーカーは海外メーカーに負けじとこちらも多数のモデルを投入しているが、世界一の市場だけに参入メーカーの数も尋常な数ではない。大手メーカー、中規模メーカー、小メーカー、そして無名メーカーをあわせるとその数は100を超えているとも言われている。中国のショッピングWEBサイトを見ても、日本では名前を聞いたことの無いようなメーカーの携帯電話が山のように販売されてるのだ。



 たとえばIBMのパソコン部門を買収したLenovoやリーズナブルな白物家電を販売してるHaierなどは日本でも比較的名前の通ったメーカーだろう。BirdやAmoi、TCLといった老舗のメーカーも中国では大手クラスだ。ほかには携帯電話だけではなく設備なども手がけている総合通信メーカーのHuaweiやZTEのような業界で著名なメーカーまでも携帯電話やデータ通信カードなどを販売している。そして日本でもラインナップを増やしつつあるスマートフォンのメーカーHTCも中国ではDopodブランドで多数のハイエンド端末をリリースしている。



 また最近では家電メーカーの参入も相次いでおり、中国のテレビ市場では最大手クラスの長虹やSkyworksといった「中国人なら誰でも知っている」メーカーも携帯電話を販売している。金立、天語、歩歩高、このあたりになると名前を知っている日本人の数はぐっと少なくなるだろう。そして金鵬、Telsda、国信、万時通に至るとメーカー名から携帯電話を想像することのできる日本人は皆無ではないだろうか。



 さらにここ1~2年で急速に数を増やしているのが無名メーカー。これらの製品はメーカー名すらきちんと表示されていないような製品も多い。また無認可で製造された「闇製品」と言われるものまである。無認可品はもちろん一般小売店では販売できないが、携帯マーケットなどへ行けばいくらでも売られているのが実情だ。この無名メーカー品は外観は異なっていても中身はほぼ同じもので、OEMメーカーから供給を受けて外側だけ変えて自社ブランドとして販売されている。このためパッケージのメーカー名と端末のブランド名が異なる、といった日本では考えられないような「適当な製品」も多く見受けられるのだ。これら無名メーカー品を販売している「携帯マーケット」に行ってみると、もはや何十機種(百機種)が販売されているのかも分からない数の携帯電話が売られている。



 もちろんのことだが、前述したLenovoなど大手メーカー品にはこのような怪しい製品は一切無い。中国でもブランド力の通ったメーカーの製品は海外にも輸出できるきちんとしたものである。

中国では大手携帯チェーン店だけではなく、中規模の専門販売店もある。地方都市でも必ず携帯ショップがあるのはさすが「世界最大の携帯市場」中国ならではだ。Lenovoはパソコンだけではなく携帯電話も出しており、中国ではシェア1位だ。スタイリッシュな端末やPDA機能内蔵端末などもある。なお今回は販売店のショーケースを撮影したので、やや見にくい画像があることをお詫びしておく。




金鵬、醜派(Coolpad)なども中国ではそこそこ知られている。CoolpadはGSM/CDMAデュアル方式対応でWindows CE.Net搭載のスマートフォンライクな製品を出すなど、日本では知られていない「高機能端末メーカー」でもある。無名メーカーの携帯電話。見た目は違っても中身のUIは同じものがほとんどだ。ここに写っているのはごく一部であり、その種類は数十以上にも上る。




■今年の流行は「デュアルSIM」&「手書き入力」

 これら中国メーカー品は、たしかに製品クオリティーは海外メーカー品より一歩落ちるところがある。無名メーカー品には、いかにも「安物中国製」的な製品もあるのは事実だ。しかし著名なメーカーになるほど品質も高くなっており、多機能スマートフォンなどは海外メーカーにも負けない品質のものもある。



 また機能をみても、最近は「デュアルSIMカード」、「手書き入力」が大流行している。SIMカードを2枚入れて回線を使い分けつつ、メッセージは手書きでスラスラ入力する、そんな光景が中国ではあたりまえになりつつある。「手書きすらできない携帯電話なんて低機能だから使いたくない」と豪語するような中国の消費者もいるくらいなのである。そのほか音楽再生や動画再生も一定のクオリティーに達している。スピーカーも音質は二の次で大音量再生に力を入れたものも多く、屋外でラジカセ代わりに音楽を聞くことも可能だ。

天話の携帯電話。画面下にアイコンのような表示が見えるが、ここをペンでタップしてメール機能などをワンタッチで起動できる。すなわち液晶がこのような様式の端末はスタイラスペン操作&手書き入力対応だ。




 もちろん日本人の目からみれば「安物」と思える製品が多いのも事実だが、これだけ多数のメーカーが独自の機能も搭載した端末を投入し、消費者が欲しいと思った端末だけを買っていくことによりメーカーも自然に淘汰されていくのだ。中国の大手ポータルサイト「sinaドットコム」の携帯電話情報サイトには海外・国産をあわせてなんと160メーカーの製品が紹介されているが、いくつかのメーカーは2008年モデルが無く市場から撤退しているようだ。



 毎年買い換えるのであれば1年で壊れてもいいだろう、と割り切った製品を発売しているメーカーもある。日本ではそのような製品を消費者は到底受け入れないだろうが、中国では消費者の携帯電話に求める考え方が様々で、「安ければよい」と考える消費者の数も多い。このようにメーカーが自由な思想で端末を設計、販売し、消費者が自由にそれを選ぶ。これにより消費者ニーズにフォーカスできた製品だけが市場に残っていくのである。今後も中国ならではの機能を持った新しい製品が続々と登場するだろうし、それらの機能が海外市場でも採用される可能性も高いだろう。



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山根康宏

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【最新ハイテク講座】ケータイにも採用!紙のように曲がる不思議なディスプレイ「電子ペーパー」

IT全盛時代の今日でも、新聞、本、雑誌、プリンターやファックスの印刷物など、未だに紙を利用する場面は多い。紙はパルプに代表される植物繊維から作られるため、紙の無駄遣いは森林資源の浪費となり地球温暖化の原因のひとつにもあげられている。



紙を浪費しない対策としては紙媒体の電子化が期待されているが、閲覧にパソコン必要だったり、紙のように手軽に持ち歩けないなどの理由により、一般家庭への普及には至っていない。



こうした状況の中で注目を浴びているハイテク技術が、紙のように薄くて曲げられるディスプレイ「電子ペーパー」だ。電子ペーパーは、それ自身が表示機能を備えているので、パソコンがなくても電子化された情報を見られるうえ、電源を切っても表示は消えず、再利用も可能となっている。



今回は、未来の紙とも言われている「電子ペーパー」についてみてみよう。




■電子ペーパーの歴史と構造

電子ペーパーはどのような経緯で誕生したのだろうか。またどのような構造を持っているのだろうか。わかりやすくまとめてみた。



●電子ペーパーの誕生

世界初の電子ペーパーは、米ゼロックスのパロアルト研究所の研究者 ニック・シェリドン氏により1970年代に開発された「Gyricon(ジリコン)」とされている。



Gyriconは、薄いプラスチックペーパーで小さなカプセルを挟んだもので、そのカプセルの中は油性の液体が満たされており、カプセルの中には白と黒に別れた小さな球が入っている。



このペーパーに電圧をかけると電界の作用によって球が回転し、黒い球で文字を作れば、黒い文字が浮かび上がる。電圧をかけない限りカプセルの状態は変化しないため、一度文字を表示させてしまえば電源がなくてもその文字を表示し続けられというわけだ。このGyriconは、耐久性もよく、数千回繰り返して使用することができた。





●カラー版の電子ペーパーも登場

カラー版の電子ペーパーもすでに発表されている。2005年、富士通研究所と富士通フロンテック、富士通はフィルム基板を用いたカラー版の電子ペーパーを発表している。



同社の電子ペーパーは赤・緑・青の3色の液晶を重ね合わせることで、フルカラーによる表示を実現とした。各液晶のまわりには液晶を制御するための回路を備えたドライバーを必要とするが、液晶ごとにドライバーの位置を重ならないように工夫することで、紙と変わらない厚さを実現している。



電子ペーパーの断面は、赤・緑・青の液晶シートが透明フィルム、透明電極、電極、封止剤、光吸収層が重なり合った構造となっている。



電子ペーパーの構造 -富士通研究所





●電子ペーパーの液晶技術

電子ペーパーでは、テレビやディスプレイで使用される液晶と大きく異なる液晶を使用している。一番の特徴は、電源を切っても液晶の表示状態が変わることがない「メモリー性」を持っている点だ。情報を書き換えるときだけ電力を消費するが、そのあとは液晶の状態を保持するので通常の液晶のように電力を消費せず、画面がちらつくこともない。



富士通研究所のカラー版の電子ペーパーは、このようなメモリー性を持った「コレステリック液晶」と呼ばれる液晶を採用している。コレステリック液晶は、薄く軽量で表示が明るいうえに低消費電力と、まさに電子ペーパーのためにあるような液晶パネルといえる。



コレステリック液晶の性質としては、特定の波長の光を反射する性質を持っており、外光が液晶に当たると特定の色を反射する。色が見える原理は光の3原色そのもので、すべての色が反射する場合は「白」、反射しない場合場合は最下層の吸収層の「黒」に見える。





■電子ペーパーの課題と未来

未来の“紙”とも言える電子ペーパーだが、いくつかの課題が残されているのも事実だ。電子ペーパーの課題と未来をみてみよう。



●電子ペーパーが抱える課題

電子ペーパーは、紙に比べてコストがかさむうえ、書き換えに時間がかかる。コストについては再利用することで抑えられそうだが、書き換え時間については、今後の技術革新により改善を待つこととなる。





●紙から電子ペーパーへ

電子ペーパーが身近になると、我々の日常生活はどのように変わるのだろうか。

もっとも期待されているのは、電車の中吊りなどの広告分野だ。電子ペーパーであれば、広告を差し替える度に紙を無駄にすることがなく、電車内の広告であれば通過駅ごとに広告内容を変えるといった広告展開もできる。



案内板や掲示板も電子ペーパーに置き換えることで、内容の変更が容易に行え、緊急時には非難情報を表示するといった使い方も考えられている。またバス亭の時間割を電子ペーパーに置き換えることも可能で、時間割の余白部にリアルタイムで渋滞情報なども表示できる。



電子ペーパーが本格的に導入されるとカード類の扱い方も変わってくるだろう。クレジットカードには、銀行からの引き落とし情報や残高を表示できるし、プリペイドカードであれば現在のポイントや利用日時なども表示できる。



スーパーやコンビニでの液晶値札、これらも電子ペーパーと置き換えることができる。紙の値札だと、タイムサービスや在庫処分など、価格を変更する場合に手間がかかるうえに紙も消費してしまうが、電子ペーパーであれば問題は一気に解決できるわけだ。



将来的には、手帳や新聞、書籍なども電子ペーパーに置き換えられる可能性が高い。実際にアマゾンでは、自社の電子書籍端末「Kindle(キンドル)」に電子ペーパーを採用し、書籍や雑誌などのダウンロード販売を行っており、ビジネス的にも成功をおさめている。



【気になるトレンド用語】出版革命のキンドル(Amazon端末)って何?-iPodの成功を電子書籍で - livedoor



電子ペーパーには、さらなる応用もある。たとえば、セイコーウォッチは、電子ペーパーを時刻表示に応用した腕時計を商品化し、すでに販売している。



セイコー、電子ペーパー応用の未来型腕時計 - セイコー





電子ペーパーにはまだまだ改良の余地が残されているものの、地球の温暖化問題や森林資源の保護、新しい情報伝達の手段などの観点からも、我々の未来をより良い方向へと導いてくれそうだ。





参考:

電子ペーパー - ウィキペディア

電子ペーパー | 世界初! フィルム基板を用いたカラー電子ペーパーを開発 - 富士通研究所

カラー電子ペーパー(PDF形式) - 富士通フォーラム2006

富士通研究所

富士通フロンテック





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【世界のモバイル】海外でのケータイの使い方!GWの海外旅行には携帯電話を持っていきたい

来週から始まるゴールデンウィーク、自分の携帯電話を海外に持っていこうと考えている人も多いだろう。一方で「海外に行くときくらいは携帯のことは忘れたい」と思う人もいるようだ。果たして携帯電話は海外旅行に必須の道具なのだろうか?



■緊急連絡手段として海外に携帯電話は持っていくべき

今年のゴールデンウィーク(以下GW)も多数の日本人が海外旅行へと繰り出すようだ。JTBの発表によるGW旅行動向によれば今年は休みが短期集中型となることから旅行者数は前年比14.6%となる見通しとのことだが、それでも50万人弱の日本人が海外旅行を計画していることになる。



さて最近は自分の携帯電話をそのまま海外で利用する人も増えているだろう。各通信事業者が「国際ローミングサービス」を強化したことで、今では多くの日本の携帯電話が海外でもそのまま利用できるようになっている。また携帯電話が国際ローミングに対応していなくとも、携帯電話内に装着してあるSIMカード(FOMAカード、Softbank USIMカード、auICカードなど)を国際ローミング対応携帯電話に差し替えれば、自分の携帯電話番号のままそのまま海外で利用することも可能だ。



また成田空港などではこの「国際ローミング対応携帯電話本体」だけのレンタルを各通信事業者が行っている。自分のSIMカードを入れ替えることで、海外でも日本にいるときと同様に普段の自分の携帯電話番号を利用することができるわけだ。普段日本ではSIMカード方式のメリットは感じられないが、このように海外渡航期間だけの対応端末を借りられるという利点もあるわけだ。

自分のSIMカードをレンタルした国際ローミング対応携帯に差し替えれば、自分の電話番号をそのまま海外で利用できる




便利になった国際ローミングサービスだが、一方では「海外にいるときくらいは携帯電話のことは忘れたい」「日本との連絡を絶ってのんびりしたい」という考えの人もいることだろう。たしかに毎日のように仕事の電話やメールを頻繁に受けている人ならばそう考えたくなる気持ちも理解できる。



ところで、ほかの諸外国の海外旅行者たちはどうだろうか? 実は国際ローミングサービスは海外ではすでにあたりまえのものとなっている。海外で最も普及しているGSM方式では最初から自国以外でもローミングサービスが提供されており、自分の購入した携帯電話が自国以外で利用できることも当たり前になっている。そのため海外の携帯電話利用者の多くは、海外旅行時に「自分の携帯電話が他国で使えるかどうか」と考えることは少ない。そのまま海外に持っていけることが一般的であるため、海外旅行にも携帯電話をそのまま持っていく人が多いのだ。



そのため海外の人が「海外滞在中は携帯電話を使いたくない」からといって、携帯電話を持っていかないと考えることは少ない。海外滞在中に仕事などの連絡を受けたくないと思えば、電源を切っておけば済むだけのことなのだ。自国では毎日携帯電話を持ち歩いているのだから、海外でも同様に持ち歩くほうが安心できるということもあるだろう。「海外に行くから持って行かない」と考えるほうが、海外では特殊な思考のようだ。



では海外に携帯電話を持ち出すメリットはどこにあるだろうか? 日本にいるときと同様に携帯電話でコミュニケーションをとることができるという利点は大きい。しかし最も需要なのは、緊急時に日本語で日本と連絡が取り合える、ということだ。



海外旅行は日本の国内旅行に行くのとは違う。たとえツアー旅行で日本語だけで全旅程を過ごすことができたとしても、滞在しているのは日本ではなく異国の土地だ。どんなトラブルが待ち受けているかわからない。たとえば自由行動時間中にグループとはぐれてしまったり、トイレに行っているうちにツアーバスに乗り遅れてしまったといったこともありうるかもしれない。

あるいは夜中にホテルで急病になってしまい、ベッドから起き上がることができなくなるかもしれないだろう。そのようなとき、日本であれば周りの人に助けを求めることが簡単にできるかもしれないが、海外では日本語が通じなければ助けを求める内容すら正確に伝えることは難しい。しかし手元に携帯電話があれば、最悪でも日本のどこかに電話して助けを請うことも可能になるはずだ。



すなわち海外に携帯電話を持っていくことは、緊急ホットラインとしての役割が大きくなるのだ。「毎日メールを見たいから」という理由ではなく、イザというときの頼み綱として利用できることからも、海外旅行時には携帯電話を持っていくことを強くお勧めしたい。



■海外での携帯電話の使い方には注意

自分の携帯電話が国際ローミングに対応していなくても、前述したように成田空港などでは国際ローミング対応携帯を貸してくれるので、そこに自分のSIMカードを装着するだけで海外でも自分の電話番号を利用できる。ただしauの非ICカード対応端末利用者などはそれをすることができない。その場合はサブにSoftbankなどの維持費の安い携帯を1台買っておくのもいいかもしれない。最近は量販店などで「スパボ一括9,800円」など安価に購入できる端末もあるので、それを仲間内で共同で使うのもいいかもしれないだろう。



さて海外で携帯電話を使えるからといって、日本と同じ感覚で利用するのはやめたほうがよい場合もある。日本と海外では治安状況も違うため、日本のような利用方法が危険となる場合もあるのだ。



たとえば歩きながらメールの読み書きをするのはやめたほうがよい。路上などで携帯電話に集中している間に、ハンドバッグやカバンをひったくりに盗まれてしまう可能性もあるのだ。カバンの持ち方にしても、たとえばたすきがけにしていないだけでバイクスリから見れば「盗みやすい」とすぐに見られてしまう恐れがある。その上、携帯電話に集中していればなおさら目だってしまう。海外の街中を歩いてみればわかるが、日本のように携帯電話に集中して歩いている人はほとんどいないのだ。



また電車の中では日本と違い、携帯電話の利用に一切制限の無い国も多い。しかし夜遅くなどに車内で日本語で大声で会話をしていれば、こちらが外国人であることをアピールしているようなものである。暴漢やスリなどに目をつけられてしまう恐れもある。通話しながら電車を降りる際、ドア付近でカバンをひったくられたという話も実際に聞かれるくらいだ。



海外でも自分の携帯電話(あるいは電話番号)が使える国際ローミングサービス。「日本と同じ感覚で利用できるもの」とは考えず、緊急時のツールになること、そして日本とは違い周囲の環境に気をつけながら使うこと、この2点に留意して利用したいものである。



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山根康宏

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【世界のモバイル】モバイルブロードバンド(HSDAP)が実現するメーカーの海外進出

韓国の携帯電話市場シェア2位のKTFは、同社のHSDPAサービスの加入者数が500万人を突破したと発表した。シェア1位のSK Telecomとあわせると韓国のHSDPA利用者数はまもなく1,000万に達する勢いだ。今後も同方式はシェアを伸ばしていくことが予想されるが、これは同時に韓国メーカーの海外市場進出を強力にアシストするものになりそうだ。




■CDMA2000からHSDPAへの移行が進む韓国

韓国にある3つの携帯電話事業者はこれまでCDMA2000方式でサービスを提供してきたが、2006年からSK Telecom、KTFの2社が相次いでHSDPA/W-CDMA方式の提供を開始した。当初は端末の数が1-2機種とわずかであり、利用エリアもソウルなど一部エリアだけだったため加入者は全く増えず、サービスイン後もしばらくは利用者数が数万人程度程度という状況が続いていた。しかし2007年からサービスエリアを順次韓国全土に広げ、対応端末も大幅に増えたことからHSDPA利用者数は順調に増えている。



現在、SK Telecomは“T 3G+”、KTFは“Show”と、それぞれNTTドコモの“FOMA”のようなHSDPAサービス固有のブランド名をつけて消費者に浸透を図っている。特にKTFは販売店の表示からKTFの名をはずし「Show」のロゴを大きく掲げるなどHSDPAの普及に大きな力を入れている。また事業者が発行する端末カタログを見ても主力はHSDPA/W-CDMA端末であり、従来のCDMA2000対応端末は徐々に扱いが小さくなってきているようである。

KTFの店舗。KTFの表示はなくShowの表示が大きく掲載されている。このため韓国人の中には「ShowはKTFではない」と勘違いする人もいるようだKTFのカタログ。表紙は全て主力のHSDPA端末であり、CDMA2000対応機は30ページ中の最後にわずか4ページ分が割かれているだけだ




■韓国と海外に同一モデルを同時期にリリース

このようにHSDPAサービスの普及が進む中、韓国内で販売されている端末には一つの特徴が目立つようになってきている。それはSamsungとLG電子の端末に、韓国以外の海外で発売されている機種と全く同一のモデルが増えてきていることだ。もちろん対応言語やコンテンツアクセスボタンの表示など細かい仕様は異なるが、本体サイズやコネクタ形状など外観に相違が無く、基本的な仕様は同じものとなっているようである。



これまでも韓国メーカーは国内で販売しているCDMA2000端末を海外向けに仕様変更してリリースしてきた。しかし通信方式をGSM/W-CDMA/HSDPAに変更する必要があるため、見た目はそっくりでもサイズが若干異なったり、韓国内でヒットしてから海外市場へ投入するため時期が大幅に遅れることもあった。しかし現在は同一通信方式の端末を国内外に投入できることから、基本仕様が同一の端末を韓国と海外でほぼ同時期に発売することが可能になっているわけだ。



特に海外では日本や韓国ほど事業者固有のコンテンツサービスは普及しておらず、WAPやMMSといった共通規格をベースとしたサービスが一般的である。おサイフケータイのような専用ハードウェアを利用するサービスも少ない。このため3G/GSMの基本仕様に則った端末であれば全世界に販売することが可能とも言える。最近は海外でもフルブラウザを利用するモバイルインターネットサービスが盛んであることから、高速パケット通信に対応してPCサイトがきちんと閲覧できるフルブラウザ搭載という要求が多くなっているが、韓国メーカーならば対応端末を作ることはお手のものである。



このことは、Pantechを買収したSKYやKTF傘下のEVERなど、これまで海外の3G市場に本格参入していなかった韓国メーカーにも海外進出の機会を与えることになりそうだ。事業規模から自社CDMA2000端末を海外向けにモデファイする力がなかったこれらのメーカーも、国内向けに開発したHSDPA端末を若干の仕様変更だけで海外市場に投入することが可能になるからだ。このように韓国内のHSDPA化は韓国メーカーの海外進出を強力にアシストするものになりそうなのである。

Samsungが一押しのタッチパネル搭載HSDPA端末"HAPTIC"。海外では同一モデルが"F490"として発売予定だSKYやEVERなど韓国内のみに端末をリリースしているメーカーも、今後海外進出する可能性がある




■日本メーカーの活路は次世代携帯電話サービス開始時期か

日本は今や世界でも有数の3G大国だ。しかし最近は国内メーカーの撤退が相次ぐなど海外市場を視野に入れるどころか、事業そのものの見直しを図るメーカーも出てきている。



海外市場が3G化を進める中で、日本メーカーはなぜ海外に出て行かないのだろうか? 「海外ではローエンドが売れ、日本のハイエンド端末は売れない」と言われるがこれは間違いである。海外市場でもアーリーアダプターなどはハイエンド端末を購入し、毎年数機種を買い換えている。先進的な端末であれば購入する層は海外にも多数存在しているのだ。そうでなければiPhoneが販売国以外でも大きな注目を浴びている説明がつかないだろう。



すなわち日本メーカーが海外に出て行けないのは「日本の端末がハイスペックだから」という単純な理由ではない。



韓国メーカーの海外進出と比較してみると、日本の携帯ビジネスモデルにも問題があるだろう。韓国では携帯メーカーが各事業者に供給する端末は基本的に同じベースのモデルである。仕様を事業者別に若干変更はするものの外観などは同じ設計のモデルが提供されている。日本の「事業者別に全く異なるモデルを作る」ビジネス展開は行っていないわけだ。このためHSDPA端末を韓国内に投入すれば、同様に「若干の仕様変更」で同じモデルを海外向けにリリースしやすくなる。



一方日本では各メーカーが各事業者ごとに異なるモデルを投入している。同じW-CDMA規格を採用しているNTTドコモとSoftbank向けでもハードウェア設計が大きく異なるモデルを開発している。すなわち日本国内だけでも全く仕様の異なるモデルを事業者別に多品種投入しているのが今の日本の姿だ。



これでは日本メーカーが海外に出ようとしても、海外向けにはハードウェアやデザイン設計をやり直したモデル開発の必要が出てきてしまう。韓国のように「韓国と世界で通用するモデル」を開発し、国内と海外にタイムリーに発売することは難しいのだ。日本メーカーの中でもシャープが日本と海外で同一のモデルを投入しているが、その数はわずかだ。日本で話題のプレミアモデルやインターネット端末などをそのまま海外に販売できないのが今の日本のビジネスモデルなのだ。



総務省によると次世代携帯電話サービスでは通信方式を統一し、端末に互換性を持たせる予定だという。これにより事業者を越えて同じ端末を使うことが可能になりそうである。そうなれば日本メーカーも事業者別に異なるハードウェアを開発する必要が少なくなり、海外へも同一モデルを即座にリリースすることが可能になるであろう。ただし次世代携帯電話サービスの開始までにはあと数年はある。それまでに日本メーカーが海外進出できるだけの体力を残しておけるかどうかは未知数といえよう。また日本と同じモデルを海外にリリースできるということは、逆に海外メーカーが日本市場により参入しやすくなるという意味でもある。日本メーカーにとっては競争がより熾烈になるわけだが、それがよい製品を生み出す原動力になることを期待したいものである。



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山根康宏

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【気になるトレンド用語】最近見かけるWindows Mobileって何

近頃、国内の携帯電話(PHS含む)会社でスマートフォンが発売されるようになりました。

特に、ウィルコムのW-ZERO3の名前は、一度は聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。これらの多くのスマートフォンには「Windows Mobile」がOSとして採用されています。



今回は、Windows Mobileがどのようなものであるのかを見ていきましょう。



■Windows Mobileとは

Windows Mobile は、基本ソフト(OS)としてWindows Embedded CE(以下、Windows CE)を搭載し、Mobile Officeなど、いくつかのソフトウェアを組み合わせたシステム(プラットフォーム)のことを指します。

見た目はパソコンのWindowsによく似ていますが、Windows CEは組み込み用途のOSですから、Winsows CEやWindows Mobileを単体で入手することはできません。通常は、携帯情報端末(PDA)やスマートフォンに搭載された状態で購入することになります。



最新版のWindows Mobileには、次の3種類があります。



・Windows Mobile 6 Standard

音声通話中心でタッチスクリーンを必要としない携帯電話向けのプラットフォームです。全ての操作をキーボードやボタンで行います。そのため、ProfessionalやClassic向けのアプリケーションの多くは動作させることができません。



・Windows Mobile 6 Professional

データ通信中心でタッチスクリーンを必要とする携帯電話向けのプラットフォームです。主にタッチスクリーンによる操作になるため、Classic向けのソフトウェアも基本的には動作します。



・Windows Mobile 6 Classic

電話機能を持たず、タッチスクリーンを必要としている携帯端末(PDA)向けのプラットフォームです。従来のPocket PCの流れを汲むものです。



Windows Mobile 6 の製品ラインナップ



■Windows Mobileの歴史

マイクロソフトの携帯端末向けのOSを搭載したものは、キーボードを搭載したHandheld PC(H/PC)とキーボードを持たないPalmsize PC(P/PC)の2系統がありました。その後、Handheld PCは姿を消し、キーボードを持たないタイプだけがPocket PCと名を変えて継続されることになり、今日のWindows Mobileへと発展してきたのです。

また、Windows Mobile 5からは、キーボード搭載を再びサポートしています。

では、これらを年を追って見てみましょう。



1997年、Windows CE 1.0が産声を上げました。この頃の代表的な製品は、カシオのカシオペアA-50/51、NECのモバイルギアMC CS-12/13などのH/PC機器でした。

1999年、Windows CE 2.0の時代に入るとH/PCは2.0に進化し、P/PC 1.0が誕生します。

2001年、Windows CE 3.0でH/PCはH/PC2000と名を変え、HP Jornada 720やNTTドコモのSigmarion IIといった名機を送り出しましたが、その姿を消しました。代わって主流になったのは、P/PCから名を変えたPocket PCです。

2002年には、Pocket PC 2002と共に初めて携帯電話用のPocket PC Phone Editionが登場します。

2003年以降はWindows CE.NET時代になります。Pocket PCも呼称がWindows Mobile 2003/2003SEとなります。電話用OSとしてもWindows Mobile 2003 Phone Editionが供給されるようになりました。

そして2005年、スマートフォンをも想定した3種類のWindows Mobile 5が登場します。電話機能を持たないPocket PC Edition、タッチスクリーン対応のPocket PC Phone Edition、タッチスクリーン非対応のSmartphone Editionです。後ろの2つは、その名の通り携帯電話機能をサポートしています。

そして、この後に現行バージョンであるWindows Mobile 6シリーズへと続く訳です。



■Windows Mobile搭載端末

現在、日本でもWindows Mobile搭載端末は、携帯電話会社を中心に数機種が発売されています。



●NTTドコモ

・hTc Z(htc製)

Windows Mobile 5 Pocket PC Phone Editionを搭載した携帯電話です。スライド式のフルキーボードを備えています。

HT1100(htc製:予定)…Windows Mobile 6 Professionalを搭載した携帯電話です。タッチパネルで3Dキューブメニューを回転させて操作する「TouchFLO」を搭載しています。

F1100(富士通製)…Windows Mobile 6 Standardを搭載した携帯電話です。一般の携帯電話に似た操作感です。



●ソフトバンク

・X01HT(htc製)

Windows Mobile 5 Pocket PC Phone Editionを搭載した携帯電話です。スライド式のフルキーボードを備えています。



・X02HT(htc製)

Windows Mobile 6 Standardを搭載した携帯電話です。フルキーボードを搭載したストレート端末です。



・X03HT(htc製:予定)…Windows Mobile 6 Standardを搭載した携帯電話です。スライド式のフルキーボードを備えています。



●イーモバイル

・S01SH(シャープ製)

Windows Mobile 5 Pocket PC Editionを搭載したデータ通信端末です。スライド式のフルキーボードを備えています。



・S01SH2(シャープ製)

Windows Mobile 6 Classicを搭載したデータ通信端末です。スライド式のフルキーボードを備えています。



・S11HT(htc製)

Windows Mobile 6 Professionalを搭載した携帯電話です。スライド式のフルキーボードを備えています。



●ウィルコム

・WS004SH/WS004SH(シャープ製)

Windows Mobile 5 Pocket PC Editionを搭載したPHS端末です。スライド式のフルキーボードを備えています。3.7インチの大きな液晶ディスプレイが特徴です。



・WS007SH(シャープ製)

Windows Mobile 5 Pocket PC Editionを搭載したPHS端末です。スライド式のフルキーボードを備えています。形態性を重視したスマートな端末です。



・WS011SH(シャープ製)

Windows Mobile 6 Classicを搭載したPHS端末です。スライド式のフルキーボードを備えています。WS007SHよりも、さらに薄く小型軽量になりました。



●htc Nippon

・X7501

Windows Mobile 6 Professionalを搭載した、文庫本サイズのシステム手帳型携帯電話です。本体にタッチパネル対応の5インチ液晶ディスプレイや8GBのハードディスクを搭載し、着脱可能なフルキーボードを接続可能です。また独自開発の「HTC VueFLO」により、本体を前後に傾けて画面をスクロールすることもできます。



・P3600

Windows Mobile 5 Pocket PC Phone editionを搭載した携帯電話です。テンキーも持たないため、操作はボタンとスタイラスペンにより行います。



●HP

Windows Mobile 5 Pocket PC EditionやWindows Mobile 6 Classicを搭載した以下のようなPDAが発売されています。

112、212、hx2190b、hx2490c、rx5965、hx2790c



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【気になるトレンド用語】スーパー3Gで大容量データ通信もサクサク?

高機能化が進む携帯電話ですが、ケータイアプリや動画配信など扱うデータも大容量となり通信速度の向上が求められています。

現在利用されている高速な通信サービスは、NTTドコモのFOMA High Speedやソフトバンクの3G High Speedで下り最大3.6Mbps、イーモバイルの最速のデータ通信端末でも7.2Mbpsです。

ところが3月26日、NTTドコモからスーパー3Gによる屋外での実証実験で下り最大250Mbpsのパケット通信に成功したと発表されました。現在の通信速度をはるかに超える速度です。



今回は、“スーパー3G”について見てみましょう。



■スーパー3Gって何が違うの?

3Gとは、第3世代携帯電話(W-CDMA)のことで、現在普及している携帯電話の多くは3Gです。HSDPA(※1)と呼ばれるデータ通信時の下り速度が向上しているタイプは、3.5Gと呼ばれています。そして、2010年移行には4Gの導入が控えています。



実は、今回のテーマであるスーパー3Gは、3.5Gと4Gの橋渡しをする規格で、技術的には4Gに近いことから3.9Gとも呼ばれています。



スーパー3Gは、従来のW-CDMAを拡張した技術であるHSDPAやHSUPA(※2)をさらに進化させた高速なデータ通信仕様です。下り100Mbps以上、上り50Mbps以上の高速通信を目指して、W-CDMA方式の標準化団体3GPP(※3)によってLTE(Long Term Evolution)という呼称で標準化が進められてきました。スーパー3Gでは、データ通信速度の高速化だけでなく、接続遅延の短縮や周波数利用効率の向上も可能となります。

※1:HADPA

High-Speed Downlink Packet Accessの略称。パケット通信の高速化への要求に対応するために3GPPでW-CDMAの発展型として標準化された下りの通信速度を向上させる技術です。理論上は下り最大14Mbpsの高速通信が可能です。

※2:HSUPA

High-Speed Uplink Packet Accessの略称。パケット通信の高速化への要求に対応するために3GPPでW-CDMAの発展型として標準化された下りの通信速度を向上させる技術です。理論上は、上り最大5.7Mbpsの高速通信が可能です。

※3:3GPP

3rd Generation Partnership Projectの略称。IMT-2000 W-CDMAの詳細な仕様を作成するパートナーシッププロジェクトです。各国地域の標準化組織が、3GPPで作成された仕様を各国・地域共通の標準規格としています。世界の主要な移動体通信関係会社や団体が加盟しています。



■ドコモ 下り最大250Mbpsを達成

NTTドコモは、2008年2月から開始していた屋外でのスーパー3Gシステムの実証実験で、下り250Mbpsのパケット信号の伝送に成功したことを発表しました。

今回の実験では、4本の送受信アンテナによる4×4MIMO(※4)を用いて、LTE標準仕様の片方向の最大帯域幅である20MHzを使って実施されました。



結果、理論上の最大速度である300Mbpsに対して250Mbpsを記録しました。実験の詳細は2008年4月1日から米国・ラスベガスにて開催される「CTIA Wireless 2008」にて紹介される予定です。

NTTドコモでは、2009年にスーパー3Gの技術を完成させ、2010年には商用展開することを目指しています。

この計画には、以下のような国内外の主要ベンダーが参加しています。

・国内・・・NEC、富士通、パナソニック モバイルコミュニケーションズなど

・国外・・・エリクソン(スウェーデン)、ノキア・シーメンス・ネットワークス(フィンランド)、アルカテル・ルーセント(フランス)など

※4:MIMO

Multiple-Input Multiple-Outputの略称。同一時刻、同一周波数を用いて、複数のアンテナから異なる信号を送受信する技術です。



■なぜ、“4G”の前に“スーパー3G”が必要なのか

3.9Gとも呼ばれるスーパー3Gは、4Gの候補となっている技術を先行して取り入れています。

具体的には、広域化によるマルチパス発生での相互干渉を防ぐVSF-OFCDMや周波数の利用効率を向上させるMIMOやSDMAなどのアンテナ技術、下り方向の偏重方式であるOFDM等の技術です。



3Gと同じ周波数帯、周波数帯域幅に導入できるため新たなインフラ整備が不要、既存基地局の改良で導入ができます。スーパー3Gは、技術的には4Gに近いため、3Gから4Gへ移行するよりもスーパー3Gを介した方が4Gへの移行もスムーズに行えるというわけです。



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【世界のモバイル】iPhoneで人気の「タッチパネル」はケータイを変えていくか

メーカー同士が開発を競い合う海外の携帯電話市場。様々な形状やデザイン、インターフェースの端末が続々と登場しているが、今年はタッチパネルを採用した製品が増えそうだ。

今回は、今後の海外端末のトレンドを追ってみた。


■iPhoneの登場がタッチパネル化を加速

iPhoneの登場以降、画面を直接指先で触れて操作する“タッチパネルインターフェース”が大きな話題となっている。これまでもスマートフォン製品などは画面をスタイラスペンで操作することが可能だったが、操作のたびにペンを取り出すのは若干の煩わしさがあった。またペン先での操作を前提としているために指先で操作するには爪の先などを使わねばならなかったのだが、これに対してiPhoneが採用した技術は指先でタップする、なぞる、といった指で直感的に操作できるのが特徴だ。スタイラスペンの利用ができないため高速な手書き文字入力は若干使いずらくなっているようではあるが、指先で画面上をいじるだけで全操作が行えるという使いやすさは他社の端末には無いiPhoneならではの大きな特徴だ。



このためiPhoneユーザーの多くはその操作体系の虜になっており、世界各国でiPhoneが発売されるや否や熱狂的なファンを生み出している。日本ではiPhoneは販売されていないが、同じユーザーインターフェース(UI)を採用したiPod Touchは発売されており、その使い勝手の良さに惚れ込んでいる利用者も多いことだろう。



ではすべての携帯電話がiPhoneライクになっていくのだろうか? 最近ではiPhoneに似た全画面タッチパネルを採用した携帯電話がほかのメーカーからも発売されている。またiPhone登場以前からもiPhoneスタイルのUIを搭載した端末はいくつか存在していた。しかしタッチパネルは操作によっては両手を使う必要があるし、片手だけの操作には限界もある。またiPhoneのサイズも携帯電話としては若干大柄だ。iPhoneの機能やコンセプトは確かに優れているが、「携帯電話とiPod Touchを持ち歩き、通話は携帯電話のほうが使いやすい」と考えている利用者も多くいるというのが現状だろう。



そのあたりはメーカーも考えているようで、タッチパネルUIを全面的に採用するのではなく、その優位性を従来の携帯電話に融合させたスタイルの製品がいくつか登場しはじめている。これらはメイン画面を直接タッチ操作するという「非・携帯電話」ライクなUIではなく、操作キーのほうをタッチパネル化したものだ。見た目は携帯電話そのものでもあるため、普通の携帯電話を利用するのと同じ感覚で操作できるというメリットもある。ではそれらの製品はどのようなものなのか、SamsungとLG電子の製品を紹介しよう。



■操作キーをタッチパネル化、アプリごとにメニューが変わる

携帯電話の機能が増えるにつれ、アプリケーションの操作方法は年々複雑化しているのが実情だろう。しかし携帯電話に搭載できる操作キーは左右の操作ボタンなど、多くても数個が限界だ。ましてやアプリケーションごとにショートカットキーを多数配置することは物理的に難しい。



SamsungとLG電子から発売された製品は、操作キーそのものをタッチパネルUI化し、パネル内にショートカットメニューを表示できる。さらにアプリケーションを起動するとショートカットメニューがアプリに応じたメニューに自動的に変更される。そのため通常ならば数字キーの上に存在する左右の「選択キー」が無く、タッチパネルだけで各種操作が可能なのだ。



たとえば待ち受け状態ではタッチパネル内には「メール」や「Google」など、よく利用する機能のショートカットアイコンが表示されている。ここでメニューボタンを押せば、タッチパネル内のアイコンが変わり上下の矢印キーや選択ボタンが表示されるのだ。また音楽プレイヤーを起動するとアイコンは再生や停止のボタン表示に切り替わる。

従来であれば画面の下左右に表示される「再生」「停止」といった文字を頼りに数字キーの上にある選択ボタンを押す必要があったが、これらの製品ではボタンそのものにメニューが表示されているため使いやすく、他のボタンを押してしまう間違いも無くなるというわけだ。

Samsungが発売予定の「Soul」。アプリケーションごとに画面下のタッチパネルUI内のアイコンが変わる。LG電子の「KF600」。Samsungよりアイコンが多く表示できるのは対抗してか。ここに写真も表示できる。 




LG電子の製品の中にはタッチパネル部分にサムネイル写真を表示し、メイン画面に写真の拡大部分を表示させるといった機能も備えているものもある。デュアルディスプレイのように利用することが可能であり、ショートカットメニューやアイコン表示用としてだけではなく、将来は新着メールやニュースを表示するといった応用もできるかもしれない。



Samsung、LG電子ともに、これらのUIを採用した製品の端末形状はスライド型である。折り畳み形状ではこれらのUIは搭載しにくいうえ、若干使いにくいだろう。今や海外では折り畳み形状は少数派であり流行ではないのが実情だ。

売れ筋の端末のほとんどがストレートかスライド型であることから、このようなUIが生まれたとも言えそうだ。日本は折り畳み形状の端末がまだまだ主流だが、今後スライドタイプが増えていけば同様のUIを採用し、マルチ機能を持たせた端末が登場することも考えられるのではないだろうか。



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山根康宏

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【世界のモバイル】日本メーカーの活路は海外にあるか? 拡大する世界の携帯電話市場

全世界の携帯電話販売数量は毎年のようにプラス成長を続けている。一方、日本国内では各通信事業者の新しい料金プラン投入に伴い端末の買い控えが起こり、今後はマイナス成長となるという予測がされている。日本市場が主力マーケットである日本メーカーにとっては冬の時代が到来することとなり、活路の1つは海外市場への進出となるだろう。では日本メーカーが海外市場に参入できる余地はあるのだろうか?




■大手5メーカーが市場を独占できる理由

調査会社のガートナーによると、2007年における全世界の携帯電話出荷台数は11億5000万台に達したとのこと。これは2006年の9億9090万台から16%増加したことになる。中国やインドなどの新興市場での販売が好調なことに加え、先進国でもハイエンド端末への買い替え需要も旺盛であり、来年も引き続き販売台数は増加することが予想されている。販売台数におけるシェアは上位5社「Nokia」、「Motorola」、「Samsung」、「Sony Ericsson」、「LG電子」だけで81.4%を占め、6位以下との差は大きく開いている。不振のMotorolaを除き各メーカーとも前年より出荷台数を伸ばしており、今後もこの「5強+その他」という勢力図式はしばらく変わらないだろう。



上位5社はなぜ「その他大勢」を引き離し販売を伸ばすことができているのだろうか? その答えは実は単純だ。各メーカー共に豊富な製品ラインナップを揃えているからである。日本市場のように1メーカーが「9シリーズ、7シリーズ」のように機能で機種を作りわけて年に数機種しか投入しないことに比べ、大手5社は全世界で「多数の多様な」製品を発売している。最低でも毎月1台は新機種を投入しており、日本の「春モデル」「冬モデル」のように通信事業者の販売方針にメーカーが影響されることも無い。メーカーが自ら「出したいときに、出したいタイミングで、出したい製品を出す」これが海外市場の実情なのだ。



たとえばNokiaの好調を語る上で、「Nokiaはローエンド端末を大量に販売している」という声を日本でよく聞く。でははたしてローエンドだけで年間4億台もの端末を販売できるのだろうか? もちろん同社の新興市場向けローエンド端末は世界中どこの国でも安価に販売されているが、その一方でマルチメディア機能やビジネス向けに特化したスマートフォンも先進国を中心に大ヒットを飛ばしているのだ。実際に海外の携帯電話雑誌を見てみるとわかるが、最新サービスのサンプル写真などにはNokiaのハイエンド端末がデモに利用されている。そしてそれらの間を埋めるようにミッドレンジのモデルがあり、音楽携帯、ファッション端末といった豊富なバリエーションを揃えていることがNokiaの強さの秘密なのである。



Nokia同様に、Motorola、Samsung、Sony Ericsson、LG電子も多数の端末を市場に投入しており、ラインナップの幅は広く、機能もローエンドからハイエンドまで揃えている。消費者にとっては選択肢が多く、豊富な新製品は新機種への買換え意欲を大きく促しているのだ。「安い端末がたくさん売れるからシェアが伸びる」といった単純な図式は世界市場ではありえないのである。



■Apple、RIMなど成長への勢いがある振興勢力

同じくガートナーの調査によると、昨年第4四半期には新興勢力の躍進が目だったとある。10位に入った振興勢力はRIM、ZTE、Appleで、この3社のシェアは多くても1%と大手5社には遠く及ばない。しかしターゲットを絞った戦略により今後も成長が見込まれているようだ。



カナダのRIM(Research In Motion)はBlackBerryの市場拡大によりシェア10位入りを果たしている。ビジネスマン向けの垢抜けない端末であったのは遠い昔のことであり、最近では高機能端末"Curve"、スタイリッシュ端末"Pearl"の2本柱が好調だ。また中国のZTEはローコストなCDMA端末を全世界に供給している。自社ブランドは少なく多くはOEM品であり、通信事業者ブランドのエントリーモデルに採用されていることも多い。またデータ通信カードでも一定のシェアを獲得しているようだ。そしてAppleはご存知の通りiPhoneの販路を着々と広げている。iPhoneは1機種2バリエーションしかないが、各国で特定の通信事業者のみと販売契約を結ぶなど、巧みな販売方法を取り入れており、Appleのシェアは今後伸びることはあっても落ち込むことは考えにくいだろう。



日本メーカーが海外に打って出るには、大手メーカーだけではなくこれら振興勢力との熾烈な戦いが待っているわけだ。そのためには日本メーカーも明確な販売戦略を持って海外市場に参入する必要があるが、それは容易なことではない。



■日本のケータイは本当に「高機能」なのか?

2007年の日本の携帯電話販売数は5152万台と過去最高を記録したとのことである(IDC調査)。しかし新しい契約方法の影響もあり、今年以降はマイナスに転じる可能性が示唆されている。また先日携帯電話生産からの撤退を発表した三菱電機のように市場縮小による日本のメーカー数が減少することも懸念されている。



「日本の携帯電話の機能は海外メーカーよりも優れているのだから、海外でも売れる要素は十分にある」という意見も多い。では日本の携帯電話は本当に高機能なのだろうか? 最近の日本の携帯電話のトレンドであるワンセグに関しても、果たして携帯電話でテレビを見る必要はあるのだろうか? またおサイフケータイ機能にしても、プラスチック製のICカードが手軽に購入、残高追加できる環境があれば携帯電話を利用する必要性は低い。むしろ非接触ICカード決済が社会インフラとして普及することの方が先決といえる。液晶サイズにしても海外ではQVGAサイズで困ることは現時点では少ない。



厳しい言い方をすれば日本の携帯電話は、「オーバースペック」「日本以外では優先度の低い機能」を「高機能」と謳っている面もあるのだ。一方で海外のハイエンド端末では一般的なBlutoothや、今やメジャーな存在になっているスマートフォンが搭載する無線LAN機能を日本の携帯電話は標準搭載しているのだろうか? 「日本ではBluetoothは不要だ」というのであれば、それはそのまま「海外ではテレビは不要だ」という意見と同じになる。



もちろん薄いサイズにあらゆる機能を詰め込む技術は日本ならではの優位点であろう。しかし消費者が求めているのは「技術力の高さ」だけではなく、「コストパフォーマンスに見合った」製品なのである。仮に今、日本で販売している端末と同じ機能の製品を海外で販売するとしたら一体いくらで販売できるのだろうか? 通信事業者が一括して大量に端末を買い取ることはヨーロッパやアジア市場では一般的ではない。そのためメーカーはコストに見合った価格を自ら設定する必要がある。たとえばVGA液晶を搭載した日本メーカーの端末を4~5万円で販売することは難しいだろう。おそらく7万円や10万円など、機能に見合っただけの高い価格になるはずだ。では同程度の機能ながらQVGA液晶の海外メーカーの端末が4万円なら消費者はどちらを選ぶだろうか?



「高機能だから売れる」のであれば、どこのメーカーもコストを無視して高価な端末を開発し市場に投入しているはずだ。またローコスト端末は大手のみならず、中小メーカーも多数の製品を市場に投入しているため日本メーカーが参入する余地は皆無に等しい。「高機能化」を目指すにしても海外で必要とされる機能を搭載し、しかも大手メーカーのハイエンド端末よりもコストパフォーマンスに優れた製品を出さない限り海外で戦っていくことは難しいだろう。日本メーカーの海外進出は、そう容易ではないのだ。



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