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【世界のモバイル】INFOBARを海外へ - 海外で評価される日本端末を活かせ

2003年に業界の話題を一気にさらった“INFOBAR”が4年ぶりに復活した。今月から発売が開始されたINFOBAR2は前評判通りに出だしから売れ行きが好調であり、海外でもそのニュースが報道されるなど注目を浴びている。ならば販路を日本だけではなく海外に広げることはできないものだろうか?


■海外でも話題のINFOBAR

ストレート形状ながら大胆なカラーリングやデザインセンスに優れたINFOBARは、日本国内のみならず海外のメディアでも取り上げられるなど、そのコンセプトは高い評価を得ている。機能の向上が携帯電話の進化と考えられてしまう風潮の中で、パーソナルな道具として端末そのものに強力な個性を持たせたINFOBARは、海外でも発売を願う声が聞かれることがあるくらいだ。

海外のメディアでも取り上げられたINFOBAR2




日本の携帯電話の機能は今や世界でもトップクラスだが、実は海外の一般メディアがその情報を取り上げることはほとんど無い。ワンセグ、おサイフ機能、大画面液晶などはたしかに優れた機能であるものの、海外で不要/使えないものも多く興味を持たれることは無い。



たとえばここ最近の海外携帯のトレンドの一つに「薄型、金属ボディー」があり、サイズが大きく厚い端末はよほどデザインが良くなければ敬遠される傾向にある。すなわち画面の大きさよりもスリムでポケットにすっきりと収まるデザインが受け入れられているのだ。また機能面でも中国では手書き入力対応端末が増えてきており、タッチパネルを搭載したスマートフォンライクな端末の人気が高い。日本の携帯を見せてもおそらく「画面に触れることができない」というだけで機能が低い、と判断されてしまうかもしれないのだ。もちろんこれは逆のこともいえるわけで、日本にそれらの海外端末を持って来ても評価は低いだろう。

海外の最近のデザイントレンドは薄型かつ金属ボディーだ(Nokia6300)





このように海外では日本の携帯電話の話題が報道されることが少ないにもかかわらず、INFOBARだけは業界関係だけではなくデザイン誌や一般誌などでも紹介されることもあるようだ。これはINFOBARのデザインとコンセプトが純粋に受けており、優れたポイントがあればたとえ海外で使えない製品であっても世界中から注目される製品になりうるということだろう。



さてINFOBARはauの製品であり、日本で販売されている製品である。日本の常識から考えれば日本の通信キャリアが販売する端末は日本国内向けの製品であり、それ以外の国で発売されることなどはありえない。しかしせっかく優れたデザインを持った製品なのだから、海外にも販路を広げるべきではないだろうか。もちろん海外の携帯電話方式や言語に変更しての話である。すでにシャープなど一部メーカーの端末は海外でも同系機種が販売されているが、INFOBARのように話題の大きい製品が日本国内だけで販売されるに留まっているのはもったいないように感じてしまう。



■デザイン携帯は海外でも

今や海外では多くのデザイン携帯が市場に投入されている。たとえばSamsungのUltra Editionシリーズは「薄さ」という物理的なサイズを端末の開発コンセプトの中心においているものの、統一されたスタイルを持ったデザイン携帯としても販売されている。MotorolaのRAZR/KRZRシリーズやSonyEricssonのSシリーズなども同等であり、各メーカーは自社内のほかの製品とは明確に区分けされたデザインモデルをラインナップに揃えているのだ。



このようにメーカーが端末のバリエーションを機能以外の面でも広げているのは、携帯電話へ求める消費者の欲求が多様化しているからだろう。海外では日本のように「これ1台ですべて何でもまかなえる」という重戦車的な製品を求める消費者もいるが、価格に敏感な層もいれば見た目を重視する層も多いだけでなく、最近はデザインを商品選択時の最重要ポイントに置く消費者が増えてきている。この動きはたとえばビジネス向けのメッセージングデバイスであるBlackBerryが"Pearl"というデザインを重視したモデルを出したことからも明らかであり、機能だけでは消費者の目を引きつけるのは難しい時代になりつつあるのだ。

ただし優れたデザインは模倣される運命にあるのも事実。ここに紹介した多くの端末の模造品やデザインセンスをコピーした製品が中国などで製造、販売されている実例もある。中には製品の開発コンセプトを無視した、表面だけを真似した粗悪な製品も出てきている。これらに対して大手メーカーは訴訟を起こすなど対応を行っているが、コピー品をなくすことはなかなか難しい。しかし消費者の大半は、最終的には「本物」を見れば違いに気付くものである。デザインだけを真似した製品が出てきたとしても、大手メーカーのオリジナル製品と見比べればその差は歴然としているからだ。大手メーカーがきっちりとした製品を開発、販売していく限り、最終的には模造品は駆逐されていくだろう。



実はINFOBARも見た目が似ている製品が海外で登場した。メーカーは不詳でデザインだけを模倣した製品である。コピーされることが良いこととは思わないが、このような製品が登場するということはINFOBARのデザインが海外でも話題になっている良い例といえるのではないだろうか。なぜならば見向きもされないデザインは決してコピーされることは無いのだからだ。

INFOBARデザインの模造品。日本のデザインが真似されることは珍しい




■日本のキャリアブランドによる海外展開の可能性は?

INFOBARの製造メーカーは三洋だが、日本ではauが「au design project」による製品として販売展開している。ならばこのau design projectをブランド名として海外にもINFOBARなど、同社のデザイン携帯シリーズを販売することはできないものだろうか。しかも海外に出す際には日本国内向けのように機能を詰め込む必要は無い。標準的な機能だけを搭載しデザインに特化した端末として販売すれば、価格が高くとも競争力のある製品になるのではないだろうか。



海外では通信キャリアが端末を自社ブランドとして販売する例がすでにある。イギリスのO2はWindows Mobileスマートフォン「Xdaシリーズ」をキャリア名であるO2ブランドで世界中に販売しており、O2そのものがスマートフォンの販売元となっている。しかもWindows Mobile端末が市場に出回り始めた黎明期においては、O2が常に新製品を投入していたことからO2はスマートフォンのブランドとして市場で広く認知されるようになったのだ。仮にau design projectが日本発の優れたデザインを持つ端末を武器に海外に進出すれば、「デザインといえばau」という評価が世界中での共通認識になるかもしれない。それにより海外の携帯電話市場でプレゼンスの低い日本の知名度も向上され、日本メーカーの海外進出を後押しするものになるかもしれないのだ。

O2は自社ブランドでスマートフォンを世界中に販売している





LG電子が12月5日に発表したところによると、同社のチョコレートフォンは発売から2年で全世界で1500万台が売れたという。韓国内だけでの販売では達成できない数だ。今では日本を含む100カ国以上でチョコレートフォンが販売されており、チョコレート=LGという認知度が広まるとともに同社のブランドイメージも大幅に向上する結果となている。INFOBARも海外の注目が集まっているうちにぜひ海外への製品展開を図ってほしいものだ。

「チョコレート」だけで同社のイメージが連想されるまでに至ったLG電子





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山根康宏

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【気になるトレンド用語】ドコモもソフトバンクも使えるSIMロックフリーって何?

最近人気の高機能ケータイは、ワンセグやGPSなどが搭載されていますが、その中でもWindows Mobileを搭載したスマートフォンが注目を集めています。一般の機能が多いケータイとはちがって、パソコンと互換性があるWindows Mobileを基本ソフト(OS)に採用しているのでパソコンのように使えるので注目を集めています。



ケータイはドコモやソフトバンク、auなどのキャリア専用なのですが、スマートフォンではキャリアを自由に選べる端末が発売されています。

携帯端末機器メーカーHTCの日本法人 HTC Nippon 株式会社(以下HTC)が、SIMロックフリーのスマートフォン端末「HTC X7501」及び「HTC P3600」を発売しました。また、世界最大の携帯電話メーカーNOKIAの日本法人 ノキア・ジャパン株式会社(以下ノキア)は、Windows Mobileの「NOKIA 6630」と「NOKIA E61」を発売。



これらの端末は、“SIMロックフリー”ということで、複数のキャリアのサービスが使えるようです。今回は、そんな"SIMロックフリー"についてみてみましょう。



■SIMロックとSIMロックフリー

現在、NTTドコモのFOMAやソフトバンクモバイルの3G、auの一部機種でSIM(USIM)カードを使った携帯電話が提供されています。SIMカードは親指の爪ほどのICチップカードで、通信キャリアの契約情報が記録されています。



SIMカードは、対応している携帯電話に挿入することでSIMカードで契約してるキャリアの通信サービスが利用できようになります。しかし、国内のキャリアから販売されている携帯電話では“SIMロック”されていますので、ほかの会社のSIMカードを挿入しても利用することができません。例えば、ソフトバンクモバイルの3G端末に、FOMAのSIMカード(FOMAカード)を挿入しても使うことができないというわけです。



海外では、SIMロックが解除されているSIMロックフリーの端末が販売されています。これらの端末では、対応のSIMカードを挿入することで、異なるキャリアの通信サービスが利用できます。



■SIMロックの解除はできるのでしょうか?

SIMのロックと解除を行えるように設計されている端末では、機能的には可能です。ただ、SIMをロックするか否かは、通常キャリアがメーカーに端末をオーダーする際や国の規制などで決められていますので、ユーザーや業者が勝手に解除することは違法となります。



SIMロックの切り替えを国で規制されている例としてはフランスがあります。

フランスでは、SIMロックは6か月間有効で、ロックを解除する場合はこの期間を経過しないと解除できません。また、イギリスは、IMEI(携帯電話の端末識別番号)情報などの書き換えを法律で禁止しており、事実上SIMロックの解除ができません。



日本では、海外のボーダフォン製端末のSIMロックを解除して販売していた業者が、商標法や不正競争防止法違反などの疑いで逮捕されています。日本ではSIMロック解除を取り締まる法律がありませんので、SIMロックの解除自体は違法とはなりませんが、 SIMロックを解除して販売されることで回線事業者の損失となることからボーダフォンが訴えて逮捕となったようです。



■通話と機器分離へ 総務省とキャリアの攻防開始へ

総務省は2007年6月26日、2010年を目標に携帯電話の利用規約を大幅に見直す方針を発表しました。

販売奨励金(インセンティブ)を利用して端末価格を値引きし、通信料金からに端末値引き分を上乗せするような商慣習の是正や、キャリアを変更しても同じ端末をそのまま利用できる(SIMロックフリー)などの仕組みの導入を促すとしています。総務省で開催された「モバイルビジネス研究会」では「SIMロック」についても2010年度をメドに法令で改正する方向で検討を進めるとしていますが、国内の各キャリアは反発しています。



■今後への問題と期待

ようやく販売されるようになってきたSIMロックフリー端末ですが、国内キャリアの対応ができていないため問題もまだあります。通信料金では、「パケット定額」などのキャリアのサービスが受けられないため、メールやインターネット接続では利用料金が割高になってしまいます。また、NTTドコモのi-modeメールやソフトバンクのMMSなども利用もできません。



これらは、消費者がSINロックフリー端末を選択する上での大きな障壁になっており、この問題を解消することが、真の意味で携帯電話市場での自由競争の始まるといわれています。また、海外での競争力向上のためにも規制緩和への期待は高まっています。



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【世界のモバイル】なぜ日本国内だけ利用制限?日本の定額データプランの謎

NTTドコモから待望のHSDPA回線を利用したパソコン向けパケット定額サービスが開始された。海外ではすでに多くの通信キャリアが"モバイルブロードバンドサービス"として提供しており、日本もようやく海外と同じサービスが提供されたことになる。しかし特定の端末しか利用できないという制限が残念だが……。


■利用端末が限定される定額データプラン

NTTドコモのPC向け定額データプランは2種類。最大3.6Mbpsの受信速度で50万パケットまで4000円/月、100万パケットを超えても10000円/月の"定額データプランHIGH-SPEED"と最大64Kpbs、4000円/月で定額の"定額データプラン64K"だ。前者はHSDPAの高速をフルに利用可能であり、後者は速度が遅いながらも安価にデータ通信を定額で利用できる。なおどちらのプランも別途プロバイダ料金としてmoperaUの加入が必要だ(月500円または800円)。日本は通信料金が他国より割高と言われているが、この料金は海外でも同程度の国もあり、定額データプランに関しては海外並みの料金を実現できているようだ。



提供されるデータ通信端末はNTTドコモが発売する専用品となり、他の通信キャリアで利用できないようにSIMロックがかけられている。価格は契約込みで数千円程度。一方海外ではパケット定額に加入するとSIMロックありのデータ通信端末は無料の国が多く、この点では日本は海外より割高感が感じられる。これは海外の通信キャリアはOptionやHuaweiなど、全世界にデータ通信端末を供給するメーカーの汎用品を採用しているのに対し、NTTドコモは自社専用端末を中心に提供してからなのだろう。海外では"データ通信端末は無料"が実は一般的になりつつあり、日本のほうがデータ通信端末価格が高いという逆転現象が起きているのだ。



さて定額データプランHIGH-SPEEDに加入すれば、無線LANや家庭のADSLを利用しなくともノートPCから快適にインターネットアクセスが可能になる。しかし利用にはNTTドコモが提供する端末しか利用できない。ちょうど日本ではHTCニッポンからHSDPAに対応したスマートフォン「HTC Advantage X7501」および「HTC P3600」の2機種が発売されたばかりだ。これら端末はSIMロックが無く、どこの通信キャリアのSIMカードも利用できる。もちろんNTTドコモのFOMAカードを装着して利用も可能だ。スマートフォンはインターネットサービスの利用に適した小型のデバイスであり、その活用にはパケット定額の利用は必須ともいえる。しかしNTTドコモの定額データプランは利用できないのだ。



日本的な考えであれば"通信キャリアのサービスは通信キャリアが提供する専用端末を使うのが当然"であるかもしれない。しかしHTCニッポンの提供するこれら2つの端末は海外でも同じ機種が発売されており、国を超えて各国で利用可能なものである。HSDPAに対応しており各国のパケット定額プランへの加入も問題なくできる。海外の通信キャリアは自社販売品だけではなく、HSDPAサービスならばHSDPAに対応している端末すべてを利用可能にしているのが通常だ。なぜならHSDPA、W-CDMA、GSMといった通信方式は世界中で共通の規格であり、キャリアが販売した端末しか利用できないというは無いのだ。



■パケット定額利用にメーカー端末を開放すべき

もしもNTTドコモが"自社販売端末のみが同社の回線利用に適合する"というのであれば疑問が生じる。なぜなら同社のFOMAが採用する方式はW-CDMA/HSDPAであり、これはNTTドコモの独自規格ではない。またHTCニッポンが発売するHSDPA端末にFOMAカードを装着しmoperaUに加入すれば、従量料金でパケット通信を利用できる。パケット通信ができるにも関らず、定額だけが利用できないという制限を加える理由はあるのだろうか?



またNTTドコモは海外からのローミング利用を受け入れている。海外のW-CDMA端末を所有する日本への渡航者は問題なくNTTドコモの回線を利用できる。11月13日にはNTTドコモなどが加入するアジアの通信キャリア連合「Conexus Mobile Alliance」が国を超えたローミングデータ料金の新しいプランを2008年に提供すると発表した。これまでの従量料金ではなく、国際ローミング中もパケット割引きパックが提供される予定とのことだ。これは逆に海外からのローミング利用者にも、日本国内でノートPCなどを利用したパケット通信に対して割引き料金が適用されることになる。料金設定は同連合に加入する各国の通信キャリアが設定するが、プランによっては日本でのパケットパックより割安な料金が提供される可能性もありうる。また将来はローミング中でも短期間のパケット定額が提供される可能性もあるだろう。このようにNTTドコモが発売しない、海外の携帯電話やデータ通信端末を使っても日本でパケットを割安で利用できる時代が目の前に迫っているのだ。にもかかわらず日本国内ではNTTドコモ以外の端末での定額データプランが利用できない理由はどこにあるのだろうか?



iモードなど日本の通信キャリア固有のサービスを利用するのであれば、通信キャリアが販売する専用端末を利用する必要があるかもしれない。しかしノートPCなどからのデータ通信は単純にパケット通信しか行わない。NTTドコモの通信回線を利用するのに「ドコモ発売のFOMA端末」と「ドコモ以外が発売するW-CDMA/HSDPA端末」の区別をする必要があるのだろうか。ましてやスマートフォンでの利用ならばノートPCよりも時間あたりのパケット使用量は少ないはずで、回線への負荷も少ないはずだ。



海外ではHSDPA/HSUPAをノートPCから利用する"モバイルブロードバンドサービス"の普及が広まっている。それに合わせてHSDPAモジュールを内蔵したノートPCの数も増えている。もしもノートPCメーカーがそれらのモデルを日本で発売する際、NTTドコモ用、ソフトバンク用、のようにモデルを分けることになるのだろうか。同じHSDPAという規格を採用しているのであれば、通信キャリアとは無関係にメーカーがノートPCを発売し、そして定額データプランの利用が可能になるのが本来の姿に思えるのだ。すなわち定額データ通信に関しては、通信キャリア専用端末利用という制限は無くすべきではないだろうか。



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山根康宏

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【ケータイラボ】SIMロックフリーの実用ケータイ!スマートフォン「HTC P3600」

HTCは、SIMロックフリーの小型スマートフォン「HTC P3600」を10 月25 日より発売した。P3600は、OSにWindows Mobile 5.0を採用し、キーボードレスで小型・軽量な本体で実用性の高い端末だ。GPS機能を内蔵することで、ルート検索などのモバイルナビゲーションツールとしても利用できる。価格は69,800円(税込み)



P3600の最大の特徴は、SIMロックフリーによる複数キャリアの通信サービスを利用できることだ。国内ではNTTドコモ・ソフトバンクモバイルのHSDPA/W-CDMA (800/2100MHz)の通信サービスを利用できるほか、ヨーロッパで2100MHz、米国で850/1900MHz、GSM/GPRS/EDGE (850, 900, 1800, 1900MHz) が利用できる。



もう一つの特徴はキーボードレス。タッチパネル採用をいかした小型筐体を要望するユーザーに対応し、同社のHTC X01Tよりも一回り小型軽量な本体を実現している。


■本体をみてみよう

本体の大きさは、108mm×58.2mm×18.4mm、重さ150gと、一般のケータイ電話なみの小型軽量を誇る。また角がないラウンドバッフル形状は持ちやすく、しっかりしたホールディングを実現している。

HTC P3600本体右上から。HTC P3600本体左上から。




●シンプルな本体前面

本体前面は、2.8インチ液晶と前面操作ボタン、サブカメラ、通信インジケーターのみのシンプルなレイアウトだ。表示は320×240(QVGA)と文字の視認性もよい。

シンプルな本体前面。5方向ナビゲーションキー操作ボタンを含む操作ボタン。




●操作機能が集中する側面

左側面には、ジョグホイール、OKボタン。右側面は、電源ボタン、ボイス短縮ダイヤルボタン、miniSDスロット、カメラボタンを備える。親指(ジョグホイール)と人差し指(電源、ボイス短縮ダイヤル)で片手だけで操作ができる。

左側面には、ジョグホイールがある。右側面には、電源ボタンやカメラボタン、miniSDスロット。




●背面

背面にはメインカメラを備える。

背面




●電池、SIMスロット

背面カバー内には1500mAhのバッテリーとSIMスロットを備える。背面のカバーは、カメラの下側を押しながら上部方向にスライドさせることであけることができる。慣れないと少々あけにくい。

本体と電池と背面カバー。電池を外すとSIMスロットがある。




●大きさを比較してみる

スライドキーボード内蔵のX01HTと大きさを比較する。一回りほど小型化されたて、コンパクトになったP3600。

P3600とX01HT。上がX01HT、下がP3600。


■SIMをいれてつかってみよう

SIMロックフリーなので、実際にSIMを挿入してつかってみよう。

ソフトバンクモバイルのW-CDMA (800/2100MHz)を使用してみる。SIMを装着して起動させると、自動でSIM認識され、ネットワーク検出と構成のセットアップが行われる。ユーザーが特別に設定はしなくても通話と3Gによるインターネットはすぐに使えるようになるので簡単だ。


TODAY画面。


●通話

ダイヤルは通話画面から行う。通話設定は、SIM差し替え後に自動で構成が再セットアップされるが、手動での変更もできる。

通話画面。通話設定の画面。


●ボイス短縮ダイヤル

キーボード非搭載のP3600は、通話での発信を支援するために右側面にボイス短縮ダイヤルが設定されている。ボイス短縮ダイヤルは、あらかじめ呼び出し音声(名前)など録音し、録音した音声で電話番号を連絡先やSIMから登録しておくことで、音声で電話をかけることができる。設定も簡単なので、P3600には便利な機能だ。

ボイス短縮ダイヤル画面。ボイスタグ画面。


●ブラウザ

搭載されているブラウザはInternet Explorer Mobile。解像度はQVGAなので画面はやや狭いが、文字の視認性は高く、文字などは読みやすい。

livedoorページ。HTC製品ページ。


●ナビタイム

GPSを利用したルート検索もできるナビタイムを搭載。利用には通信機能を利用するので費用がかる旨の告知が起動前に通知される。

ナビタイム画面。地図を表示したところ。


●文字入力

キーボードが非搭載のP3600では、ソフトウェアキーボードと手書き入力が文字入力となる。

手書き入力。ソフトウェアキーボード。


●カメラ

カメラは、背面に200万画素、前面にサブカメラ30万画素 CMOSを搭載する。

画像とビデオ画面。画像表示した画面。




■実用性重視のSIMロックフリー端末P3600

P3600は、SIMロックフリー機能により、国内から海外でもSIMを差し替えるだけで通信サービスを利用できる実用性の高さに加え、モバイルツールとして必要な小型軽量な本体、GPSによるモバイルナビゲーション、ボイス短縮ダイヤルなどの通話を支援する機能でモバイルツールとしても活用できる端末を実現している。



キーボードは非搭載となっているが、腰を据えて長文入力といったような利用より、すばやく出してすばやく使えるというモバイルツール本来の利用をメインコンセプトとしている端末といえる。時間を大切に使いたい現代人にとって、頼もしいツールの一つといえるだろう。



価格が割高に感じるのは、P3600がキャリアからの発売ではなくメーカーによる販売のためだ。キャリアに適用される販売奨励金(インセンティブ)による値引きがないため、端末本来のコストから価格が設定されているためだ。(※)そうした意味でも、P3600の価格は、生産コストからみれば適正な価格といえる。もちろん、こうしたSIMロックフリー端末が市場とユーザーに認知されていけば、価格面も改善されていくだろう。

※販売推奨金を適用したキャリア端末は、通信料金でその分の価格を補っていることで、総務省からの要請で是正する動きもでてきている。



■主な仕様

CPU: Samsung SC32442A 400MHz

OS: Microsoft Windows Mobile 5.0 Pocket PC Phone edition

内蔵メモリ ROM:128MB

     SDRAM:64MB

ディスプレイ: 2.8インチ 320×240 TFTタッチスクリーン搭載

通信方式: W-CDMA (日本:HSDPA/W-CDMA (800/2100MHz)、

      :(ヨーロッパ:2100MHz、米国:850/1900MHz)

      :GSM/GPRS/EDGE (850, 900, 1800, 1900MHz)

ユーザーインターフェース: ジョグホイール、5方向ナビゲーションキー

外部接続: HTC ExtUSB (11ピンミニUSB)(音声入出力/充電兼用)

無線通信:赤外線IrDA SIR、Wi-Fi IEEE 802.11b/g、Bluetooth 標準規格 Ver. 2.0 準拠

カメラ :メインカメラ:200万画素 CMOS Color

      サブカメラ:30万画素 CMOS Color

オーディオ: 内蔵マイク、内蔵スピーカー、AMR/AAC/WAV/WMA/MP3コーデック

バッテリー:充電式リチウムイオンポリマー電池 1500mAh

待受時間 :180~250時間(W-CDMA使用時)

        200~250時間(GSM使用時)

連続通話時間:4時間(W-CDMA使用時)

          5時間(GSM使用時)

拡張スロット: miniSDメモリカード (SDHC対応)

GPS 内蔵(NMEA 0182対応)

サイズ 108mm(L)×58.2mm(W)×18.4mm(T)

重量 150g(電池、スタイラス含む)



HTC P3600

HTC



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【ケータイラボ】アイディア満載!SIMロックフリーのスマートフォン「HTC Advantage X7501」

HTCは、Windows Mobile 6を搭載したSIMロックフリーのスマートフォンHTC Advantage X7501をリリースした。価格は11万9800円。



スマートフォンとしてはキャリアからの販売ではなくメーカーからという日本では異例の製品だ。それを実現したのがSIMロックフリー。通信用のSIMのロックを解除したことにより、キャリア限定ではなく、複数のSIMが利用が可能となっている。つまり、日本の対応SIMカード(W-CDMA:HSDPA/W-CDMA)であれば、ソフトバンクモバイルやドコモのカードで通話や通信がきるというわけだ。




■本体をみてみよう

本体は、8GバイトのHDを内蔵し、5インチのタッチスクリーン液晶を搭載する。大きさも幅133.1mm×高さ97.7mm×奥行き16mmとスマートフォンとしては大型のシステム手帳サイズ。通話はキーボードスタンドとドッキングさせてハンズフリー通話やヘッドフォンとなる。

HTC Advantage X7501 ドッキング状態。HTC Advantage X7501 ドッキング状態。




キーボードとのドッキングは、マグネットで固定される方式を採用しており、ケーブルレスで一体化できる。また、キーボード本体もマグネット式が採用されており、両手でキーボードを持って操作することはもちろん、スチール製テーブルや金属の上で固定され安定したキー入力を実現している。



キーは5段で、最上部はダイレクトキーが配置されている。数字キーや記号が青●(FN)キーとの併用となる。キー配列がやや変則なので、キー位置には慣れが必要だろう。また、キータッチは、ストロークが短いので、やや打鍵のフィードバックは弱い。キーボードとしては、そう秀逸とはいえないが、プレートのような薄さやマグネットの仕掛けを考慮すればよく作り込んだともいえる。



プレートのように薄いキーボード。液晶カバーとしても機能する。




背面には、300万画素のオートフォーカスカメラを搭載する。デジタルズームは最大で8倍となる。カメラの起動は右上のカメラボタンでダイレクトに起動することができる。

さて、大きさをX01HTと比べてみた。X7501はシステム手帳サイズだ。

背面はカメラだけのシンプルさ。システム手帳サイズ。




右側面にはVGA出力端子、ボリュームスライダー、充電および同期用のminiUSB端子、ヘッドフォン端子を備える。左側面は、Comm Manager/ボイスレコーダーボタン、カメラボタン、スタイラスを備える。スタイラスは透明な樹脂製。

右側面左側面




前面の左端にはスタートボタンとOKボタン、ナビゲーションコントロールボタンを備える。右端にはブラウザボタンを備える。ボタンはオレンジのLEDが光る。

前面左のボタン前面右のボタン




底面には、バッテリー/miniSDメモリーカード/SIMのスロット、キーボード接続接点を備える。各スロットは、カバーを引き下げて開けると現れる。開閉はスムーズで軽く開閉ができる。

底面左にバッテリーカバー、右がキーボード接点。カバーを開けたところ。




カバーを開け、2200mAhのバッテリーを取り出すことで、miniSDメモリーカード、SIMカードを交換できる。バッテリーは金属部でロックされており、金属部を引き下げることでロックが外れて取り出せる。

本体とバッテリー。SIMカードスロットとminiSDカードスロット。




■搭載機能をみてみよう

さて、X7501を実際につかってみよう。通信の利用にはソフトバンクのX01HTのSIMカードを利用してみた。通信手段は、SIMカードのほかに、無線LAN(IEEE 802.11b/g)、Bluetoothが搭載されている。


TODAY画面。




●Webブラウザ

インターネットの利用だが、 ブラウザはInternet Explorer(以下IE)とOperaが搭載されているので好きなブラウザを使うことができる。X7501の大きな特徴は、ブラウザでのWeb閲覧で利用できる加速度センサーによるスクロール機能"VueFLO"を搭載していることだ。この機能により、5インチ液晶モデルながら片手でのWeb閲覧が可能となった。

IEでの表示画面。Operaでの表示画面。




"VueFLO"は、IEまたはOperaを起動することで利用できる。起動したときの傾きを初期値とするので、起動時の傾きから上下左右に傾けると、動かした傾きに対応して画面がスクロールしてくれる。"VueFLO"が有効中は、ブラウザのツールバーにアイコンが表示され、現在の傾き位置が表示される。この"VueFLO"機能により、X7501はスマートフォンやモバイル端末としては大型ながら片手でWebページの端から端まで本体を傾けるだけで閲覧することができる。

"VueFLO"の設定は、スタートメニュー>設定>VueFLOで、適用するブラウザとスクロール速度を調整できる。

"VueFLO"設定アイコン。"VueFLO"の設定画面。




●通話

通話は、本体にSIMカードを挿入して起動すると、自動でネットワークを確認し、設定してくれるので、ほぼ手間なしで利用を開始できる。手動による設定は、電話の設定画面を開き行うことができる。

電話画面。電話のオプション設定画面。




●メッセンジャーと8GバイトHD

Windows Live メッセンジャー機能も問題なく利用ができるため利用しているアカウントがある人は既存のアカウントでログインできるので便利だ。X7501には、本体にマイクロドライブ8Gバイトのストレージが搭載されいる。モバイルのストレージとしては十分な容量だが、転送速度ではマイクロドライブなだけに動画ストリーミングなどで利用する場合は過信してはいけないだろう。

メッセンジャーでの会話。ファイルエクスプローラーでマイクロがドライブを確認。




●メモと画像ビュー

Microsoft Windows Mobile 6 Professional搭載のX7501は、手書きによるメモも従来通り利用できる。5インチ液晶のおかげで、まさにリアルなメモ帳風に使えるので快適だ。画像ビュワーとしても5インチ液晶の視認性は十分に威力を発揮する。

メモ帳で手書きメモ。画像ビュワー。




■デメリットをメリットに変えたX7501

5インチ液晶搭載した大型タイプのX7501には当初疑問を抱いていた。小型・軽量化が進むスマートフォンで、今更システム手帳サイズの端末に存在を納得できる利便性があるかという点にだ。特に移動時のWeb閲覧において両手が必要となるのはかなりデメリットではないかと懸念していたが、それを払拭したのが"VueFLO"だ。

傾けるだけでブラウザ画面をスクロールできる"VueFLO"は、5インチ液晶のX7501を片手で操作できるため、移動しながらでも大画面でWeb閲覧を利用するという難問に一つの回答を示したともいえるだろう。また、マグネットを利用したキーボードと一体化するシステムは、大型本体をデメリットでなくメリットへと変えている。



もう一つの特徴である。SIMロックフリーだが、国内では複数のキャリアを利用できることでTPOにあわせた小型端末とX7501のスイッチングという端末切り替えができることが、利便性だけでなくユーザーに解放感を与えてくれる。

さらに、海外への出張や渡航が多い人や海外から国内を訪れる機会の多い人には、これほど便利な端末はないだとう。特にネットワークの自動認識・セットアップの簡便さは、まさにSIMロックフリーの未来を感じさせてくれるに十分だ。



ただひとつ残念なのは、端末価格がやや高いという印象をもたれることだ。確かにX7501の価格は、ほかのキャリア製端末に比べて高いのは確かではあるが、これはキャリアのように販売奨励金(インセンティブ)の値引きが適用できないためであり、スマートフォンのとUMPCの中間に位置する新しいカテゴリーの上位モデルとしては適正な価格であるともいえる。海外でのこのクラスの端末を比べれば納得できる価格といってもいいのであろう。



とはいえ、ユーザーにとっては価格は下がってほしいのも事実で、X7501の登場をきっかけに、SIMロックフリー端末のという新たな市場が広がり、結果として価格の低下を実現していってほしいものである。



●主な仕様

CPU:Marvell PXA270 624MHz

OS: Microsoft Windows Mobile 6 Professional

内蔵メモリー: 256MB FLASH ROM、128MB SDRAM、

Microdrive: 8GB HDD

ディスプレイ: 5インチTFT タッチスクリーン

       VGA(480×640)

通信方式 W-CDMA (日本:HSDPA/W-CDMA (800/2100MHz)、

ヨーロッパ:2100MHz、米国:850/1900MHz)、GSM/GPRS/EDGE (850, 900, 1800, 1900MHz)

無線:IEEE 802.11b/g、Bluetooth Ver. 2.0 準拠

カメラ:300万画素CMOS、オートフォーカス、デジタルズーム最高8倍

バッテリー 充電時間:最大4時間、2200mAh

待受時間:300時間(W-CDMA使用時)、300時間(GSM使用時)

連続通話時間:4.5時間(W-CDMA使用時)、5.5時間(GSM使用時)

拡張スロット:miniSDメモリーカード (SDHC対応)

GPS SirF Starlll with Ephemeris Extension対応

その他:HTC VueFLO

サイズ: 幅133.1mm×高さ97.7mm×奥行き16mm

重量: 350g(電池、キーボード、スタイラス含む)



HTC Advantage X7501 - HTC Nippon



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【世界のモバイル】やればできる!日本の携帯基本料金もようやく海外レベルに?

ソフトバンクモバイルに引き続き大手2社も1,000円台となる新しい基本料金を提供することになった。端末購入価格が引きあがるとはいえ、これまでは基本料金引き下げに否定的だったシェア上位2社が追従した意義は大きいだろう。


■基本料金1,000円は実現できた

割高と言われ続けてきた日本の携帯電話料金も、NTTドコモとauが最低1,000円台の新料金体系を打ち出し、これまでより大幅に安い料金が提供されることとなった。総務省の報告では日本の携帯料金は海外と同レベルと言われているが、現実的にはアジア各国と比較するとそうとは言えないだろう。シンガポールや香港などアジアでも物価が日本に近い国でも基本料金1,000円はめずらしくない。もちろんサービス内容や端末販売方法が違うため、一概に料金だけを比較・議論してはならないだろうが、日本の料金が海外と同レベル、とも言い切れないわけだ。



日本の携帯基本料金はこれまで複雑な割引や長年利用により半額程度までしか値引きされなかったが、980円という明快でわかりやすい料金を大々的に打ち出したソフトバンクが新規加入者数を伸ばしたことで、今回、NTTドコモとauもそれへの対抗を余儀なくされた形でもあろう。便利なサービスや高機能な端末を提供するために現状の料金維持は必須と言われることもあったが、市場の競争原理が働けば料金引き下げは実現できたというわけだ。



ただしNTTドコモもauも、割引のある基本料金(以下割引プラン)では端末の購入価格が上がるという。これは裏返せば従来の基本料金には携帯使用料金以外の料金が含まれており、それを消費者が均等に払っていたということを通信キャリアが初めて認めた、ということにもなるだろう。そして両社は従来の基本料金プランを選べば今まで通り端末購入時には割引を受けられ、初期導入費用を抑えることができるという。では割引プランのメリットとはランニングコストが安いだけなのだろうか?



■基本料金と端末料金分離のメリットと可能性

割引プランでは端末購入時に割引を受けることができない。すなわち基本料金には端末の割引分が含まれず、基本料金と端末料金が分離されているわけだ。このため割引プランに加入しようとすると、最初に初期費用として数万円の端末代がかかり、購入時の敷居がこれまでより高くなってしまう。しかし端末代金の支払いは分割払いが可能だ。これにより、たとえば6万円の端末でも24回払いを行えば月々2500円程度の負担となり、1,000円程度の安価な基本料金と加えれば毎月の支払額は従来の基本料金レベルとなる。ただし従来の基本料金に各種割引を付与したほうが毎月の支払額が低くなるといったケースも出てくるだろう。



とはいえ、基本料金と端末が分離された意義は大きい。端末を分割払いした場合ならば、分割払いが完了したあとは安価な基本料金だけで維持ができるからだ。上記のような買い方ならば24ヶ月の支払い後にかかるコストは毎月の携帯料金だけとなるからだ。もっとも細かいところでは利用できない割引などもあり、従来の基本料金と割引プランでの毎月の利用額が同一とはならないケースもあるだろうが、それでも端末を頻繁に買い換えない利用者にはメリットが大きい。



この基本料金と端末代金の分離は、利用者に"端末を買わない"という選択肢を与えることもできる。端末を買わずにどうやって携帯電話サービスを利用するのか? たとえば人からの譲渡やオークションなどによる入手などがあるだろう。新規契約時に欲しい端末がなかったり価格が高すぎるといった場合に、回線契約だけを行い端末は別途入手する、ということも増加していくかもしれない。また新規契約しながらも端末は自分の使っているものをそのまま使い続けていく利用者も出てくるだろう。現在の日本には中古端末市場は細々としか存在していないが、将来はより広がっていくかもしれない。通信キャリアも店頭展示品の工場リフレッシュ品や旧モデルの在庫品をを安価な基本料金を選択した利用者に低価格で提供する、という展開も今後広がるかもしれないだろう。



安価な基本料金は個人の複数回線所有を促す効果もある。自宅で余っている端末を2台目として利用するとか、新機種に買い替えつつも今まで使っていた機種も使い続けたい、と考える利用者も今後出てくるだろう。実際にソフトバンクの980円プランも"2台目ケータイ"という売り方もしており、これにより携帯電話の利用者数は今後まだまだ増加する可能性もありうるのだ。通信キャリアにしてみれば利用者には常に新機種を提供し、新しいサービスを使ってくれることで収益を上げたいのが本音だろう。しかし安価な基本料金の提供は複数所有者を増やすこととなり、たとえ2台目端末が旧機種であろうとも結果として加入者増や収入増を生み出す可能性を秘めているのではないだろうか。



さらに今後はメーカーブランド端末が市場参入しやすくなるメリットも見逃せない。現時点ではNokiaやHTCなどごく一部のメーカーブランド端末しか日本では発売されていないが、今後は他のメーカーも日本で売れそうな端末を単体で販売する可能性も出てくるわけだ。これまではメーカーが独自に販売しようにも割高な基本料金や販売ルートの確保など難点が多かったが、今後は回線だけを契約した消費者が端末だけを別途独自に入手することがより容易になる。もちろん海外の端末は日本独自の規格、たとえばワンセグやおサイフケータイ機能には対応していないが、ブランド携帯やラグジュアリー携帯など、自己主張や見せびらかし用として海外携帯を2台目に持つ、と言ったことが可能になるかもしれないのだ。



Bang & OlufsenとSamsungがコラボした高級携帯、Serenata。W-CDMAに対応しており日本で発売することが可能だ。中国のODMメーカーによるHSDPAモデム。単体で携帯電話にもなる。こんなユニークな製品が日本で単体登場する可能性もあるかもしれない。




海外では多くの国で基本料金と端末料金は分離されている。このため料金が安く、端末の価格はメーカーや小売店が決めた"定価"であり、日本と比較すると高めである。しかし通信キャリアはSIMロックをかけたり契約固定期間を設けることで端末を大幅に割引販売している国も多い。日本ではこれまで"端末は安く料金は高め"という選択肢しかなかったが、海外と同様に"料金は安く端末は端末本来の価格"という選択も選べることになったわけだ。



この2つはどちらが優れているというものではなく、重要なのは消費者に選択肢を与えることである。どちらの販売方式が今後主流になるかは、最後は消費者が決めることになる。仮に割引プランが主流となっていけば、将来はこれをベースとした新しい料金プランや端末割引プランも登場する可能性もあるだろう。それが結果として消費者にメリットのあるものであれば、各通信キャリアには今後技術革新だけではなく料金の面でも大いに競い合って欲しいものである。



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山根康宏

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【気になるトレンド用語】女子中高生に人気の"プロフ"その光と闇

携帯電話で自己紹介ができるサービス"プロフ"が女子高校生に大流行中です。プロフは、簡単に自分の自己紹介ページが作成できることが人気のようですが、自己紹介くらいで、なぜ人気なんでしょうか。



また、大流行している割に、大人には知られていないプロフの世界。

いったいどのようになっているのでしょうか。



■プロフって、どんなサービス?

プロフとはプロフィールの略で、メール1通で登録できる携帯サイトの自己紹介用ホームページのことです。利用者の割合は男性よりも女性の方が多いのも特徴です。

もっとも有名なプロフサイト"前略プロフィール"はInfoseekグループのCGIBOYがサービスを提供しています。通称「前略プロフ」と呼ばれていて、携帯電話・パソコンどちらでも手軽に自己紹介ページを作成できます。



プロフでは、氏名、年齢、住所から好きな食べ物やタレントまで、多種多様な質問が用意されいます。数は10から100項目ほどありますが、公表したいものだけを記入すればよいので手軽に作成できます。実際に利用されている人は、すべての項目に答えを書き込んでいる人も多いようです。またトップ画面には当人のプリクラや写メールが掲載されていますので、リアルな自分を紹介できます。女子中学生に人気のファッション誌「Hana*chu→」などでも、"プロフ"が紹介されていることも若年層の女性の人気となっている理由のようです。



プロフは、10代の人は友達の多さを競い合う傾向があり、プロフは友達をふやす方法として手軽にできることが人気を呼んでいます。自己紹介手段としてプロフページを作成し、赤外線で新しく知り合った人の携帯に送信します。社会人の名刺交換の感覚ですが、実名、実際の住所、学校、学年とクラスまで克明に記されている場合が多いため、悪用された場合に被害が発生する可能性もあります。



また、前略プロフィール以外にも多くの無料サイトが登場しており、中には「I Love プロフ」、「↑可愛い子のプロフランキング↑」、「えっちプロフ大全集」などアダルト系のプロフも多数あるため注意が必要です。



前略プロフィール

前略プロフィールのサンプルページ



■プロフは危険なのか

プロフは個人に割り振られたホームアドレス上に記載されているので、それを知ってさえいれば、だれでも見ることができます。したがって、詳細な個人情報が第3者の手に渡る危険性があります。プロフは出会い系サイトのような使い方もされるケースもあるのですが、意外にもまだ出会い系サイトのような事件は起こっていないようです。



現在の"プロフ"は、若い世代の女性を中心に使われていることから同世代の閉じたネットワーク状態になっているという意見もあります。また携帯電話に怪しい人からメールが届くようになった場合、メールアドレスを変えることで危険を回避したり、複数のプロフページを相手によって使い分けたりと、利用者の多くが携帯電話になれた世代であることも問題が発生してない要因かもしれません。



とはいえ、それらは利用者の自己防衛にすぎません。実際プロフの使用を禁止している学校も既にでてきています。



■プロフのビジネス的側面

前略プロフィールの歴史は意外と古く、元々はキープライムが運営元でしたが、2002年に楽天がキープライムを子会社化、2003年に合併したことにより楽天に運営主体が移されました。しかし当時から人気があったわけではなく、2006年から徐々にアクセス数がアップし、2007年に急増しています。



2007年8月時点では、会員数は400万人弱、プロフィール数は900件以上にも達したことで、前略プロフィールは楽天のモバイル事業の一つと成長しています。

運営における収入源は主に広告収入で、プロフィールページの上下に表示されるテキスト広告のクリック率は通常テキスト広告の数倍とのことです。楽天ではトラブル防止として、ユーザーへの注意喚起と情報提供、24時間監視を行っており、安全なサービス利用を促しています。





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【世界のモバイル】iPhone販売にみる"SIMロック"の限界

好調なAppleのiPhoneだが、北米での販売方法にあらたな制限が加えられるようである。携帯電話業界に革新を持ち込んだiPhoneだが、その人気のために逆に自由に購入できなくなってしまうというジレンマを引き起こしているようだ。


■販売好調なiPhoneだが...

10月22日にAppleが発表したところによると、iPhoneは発売から累計139万台が販売されたという。出荷台数ではなく販売台数という実数であることから、実際に売れ行きは好調であるようだ。しかし総数のうちおよそ20%程度のiPhoneがAT&Tとは契約されていないという。これらは北米の他の通信キャリアや北米以外の海外の通信キャリアで利用することを目的とし、SIMロック解除されて使用されている端末数とみられている。AppleとAT&Tから公式な数字は公開されていないが、iPhoneの利用者1人ごとにAppleはAT&Tから一定の金額を毎月受け取っているという。すなわち販売されたiPhoneはその単体価格で利益を上げるだけではなく、AT&Tで毎月利用されることにより、Appleはさらに利益を得ることができるわけだ。しかしAT&Tではなく他の通信キャリアでiPhoneを利用されてしまえば、Appleはその利益分配分を受け取ることができなくなってしまう。



このためAppleはiPhoneに販売制限を加えるのだという。購入にはクレジットカードかデビットカードを必要とし、購入台数を1人2台までに限定する予定のようだ。iPhoneの販売制限は販売開始時に商品確保のため1人2台までとされ、その後は5台までに緩和されていたが、再び2台に制限されることになる。たとえば父親が子供と妻に購入してしまえば自分の分は購入できないことになってしまうわけだ。この制限はAT&T以外のキャリアでの利用を目的として購入する利用者や、自分では全く利用せずに転売する業者などの購入を制限するとともに、クリスマスシーズンに向けて十分な数のiPhoneを確保するためだといわれている。



しかし同じ同社の製品であるiPodは一人で何台でも購入できるのに、iPodに電話機能が搭載されたiPhoneだけ購入制限がかかってしまうのは消費者側としては納得のいかないものではないだろうか。AppleとしてもiPhoneの利用者が増えることは、iPhoneのすばらしさを広めてくれる広告塔としても貴重な存在のはずである。しかしiPhoneの販売により利用者を増やすことのできるはずである通信キャリアと通信キャリアから一定の利益を得られるビジネスモデルを構築したAppleとしては、指定した通信キャリア以外でiPhoneを利用されることは利益減を引き起こすことになる。すなわち現在の販売方法は“iPhoneを拡販したい、しかし特定の通信キャリアのみを利用してほしい”というメーカーと通信事業者の思惑通りには事が運んでいないということなのだろう。



■SIMロックは誰のためのものか

SIMロックをかけた端末販売はなにもiPhoneだけではなく、世界中で広く行われている。SIMロックをかけた端末を安価に販売するために通信キャリアは固定契約期間を設けることが一般的だ。これにより顧客を自社利用のみに制限することができる。一方消費者は頻繁に利用する通信キャリアを変更するのでなければ、端末が安価に入手できるSIMロック販売方式にメリット感じることができるだろう。



しかしながら端末を安価に入手できることだけが消費者のメリットとはならないはずだ。特に一定期間特定の通信キャリアを利用しなくてはならないことは、たとえば他社がその間により安い料金プランを出してきた場合でもキャリアを容易に移転することができない。結果として契約縛りの後半には他社より割高な料金を払い続ける場合もありえるのだ。また固定契約は端末の自由な買い替えを妨げてしまう。たとえばiPhoneは2年縛りのプランがあるが、2年前と現在の通話料金を比較してみれば、現在のほうが安価で使いやすいプランが登場しているはずだ。また1年後にはおそらく新しいiPhoneが発売されるだろうが、現在2年契約を結んでいる利用者はその新しいiPhoneに即座に買い換えることがきないのだ。



ヨーロッパでは、端末を安価で提供し顧客を自社に引き止める、すなわち通信キャリアによる囲い込みを防ぐためにSIMロック販売に制限を加えている国もある。SIMロック販売を認可していても一定期間が過ぎたり、顧客からの要望があれば通信キャリアがロック解除に応じる必要がある国もある。最近iPhoneの発売が決まったフランスでは、通信キャリアが端末を販売する場合はSIMロックあり、SIMロックなしの両方を販売しなくてはならないそうである。すなわち公正な競争を市場に与えるとともに、顧客に選択肢を与えているのだ。



このようにSIMロックというものはメリットもあるがデメリットもあるものであり、どちらを選択するかは消費者が決めるものではないだろうか? 特にiPhoneのような革新的な製品が特定の通信キャリアでしか利用できないことは、消費者にデメリットを与えていないだろうか。日本では端末は通信キャリア専用品であり、キャリアと端末の選択肢は無い。このためiPhoneの販売方式には疑問をはさまない意見が多いかもしれないが、ヨーロッパやアジアでは自分の好きな端末を自分の選んだキャリアで利用することもできる。すなわちすでに顧客に選択肢のある市場では、北米同様のiPhoneの販売方式はスムースには受け入れられにくいだろう。



そしてSIMロックは最終的には解析され、解除されてしまう運命にあるのは携帯電話の歴史が示している。このためアジアでは端末にSIMロックをかけて安価に販売する手法は衰退してしまっているのだ。またiPhoneは世界中からSIMロック解除の解析対象となってしまい、あっという間にロック解除方法が解析されてしまった。それに対してAppleも新しいファームウエアの提供や保証を与えないなどの対抗処置をとっているが、それに対する対抗策が出てくるのも時間の問題かもしれない。すなわち今の販売方法を続けていく限り、永遠にいたちごっこが続いてしまうだろう。メーカーが通信キャリアから収益を得るという新しい収益モデルを作ったiPhoneだが、SIMロックに頼る販売方法はいずれ限界を迎えてしまう可能性があるのだ。



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山根康宏

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【世界のモバイル】日本より便利な海外通信!無線もケータイも自動切り換え

3Gを提供する全キャリアがHSDPAサービスを提供している香港。主力サービスはスマートフォンやノートPCからの高速データ通信だ。各社とも料金やサービス内容に差をつけた差別化を図ってシェア競争を行っているが、HSDPA参入最後発のPCCWでは同社の無線LANサービスを組み合わせた利便性の高いサービスを提供している。


■HSDPAと無線LANをシームレスに提供するということ

香港のPCCWが提供する"Netvigator Everywhere"は無線LAN内蔵ノートPCにUSBタイプのHSDPAモデムを接続し、専用ソフトを利用することによりHSDPA、無線LAN、両方の通信方式をシームレスに提供するサービスだ。利用する回線は同社の提供する無線LANサービス"Netvigator Wireless"と、同社傘下の携帯キャリア"PCCW Mobile"のHSDPA(またはW-CDMA)である。専用ソフトを立ち上げると画面には携帯回線と無線LAN、両方の電波強度が表示される。右下の緑の矢印ボタン=接続ボタンを押すと、電波強度の強い回線に自動で接続されるのだ。すなわち利用者は携帯回線を使うか、無線LAN回線を使うか、といったことを意識することなく、常に最適な回線に接続することが可能になるのだ。

Netvigator Everywhereサービスの案内とHSDPAモデム。




また接続中に移動した場合、電波強度がゼロになり接続が切断されると、もう1つの回線のほうに自動で接続される。たとえばコーヒーショップなどホットスポットで無線LANに接続し、そのまま店を出て無線LANの電波が切れた場合、自動でHSDPA回線へ再接続してくれるのだ。再接続には数十秒程度の時間がかかるが、利用者が手動で回線を繋ぎなおす必要はない。



もちろん無線LANと携帯電話のパケット通信とでは回線の品質の差や速度の差がある。同社の無線LANサービスはIEEE 802.11 b/gであり、HSDPAは下り最大7.2Mbpsである。しかしよほど大量のデータをダウンロードでもしないかぎり、極端に両者の差をデメリットとして感じることはないだろう。メールのチェックや通常のWEBブラウジングを行う程度であれば、むしろどちらの回線を使って接続するかを考えるよりも、その場でソフトウェアが最適な回線を自動で接続してくれるほうが利便性は高い。なおソフトの機能として手動で無線LAN、携帯回線、どちらかだけを選択して利用することもできるので、高速なアップロードが必要な場合は無線LANに固定にする、といった使い方も可能なのだ。



このようにNetvigator Everywhereサービスは利用者がいつでもインターネットへ接続できる環境を提供するサービスである。どの回線を利用するかを意識する必要はなく、移動中でもどこにいようとも、常時インターネットに接続した状態をキープしてくれるサービスなのだ。



無線LANホットスポットにて。専用ソフトの画面(右下)を見ると携帯回線より無線LANの電波強度が強いので、この状態で接続ボタンを押すと無線LANに接続される。ホットスポットから屋外に出て無線LANの電波が切れると自動的に携帯電話回線に再接続される。




■オールラウンドプレーヤーならではのサービスと課金方式

PCCWは香港の固定キャリア市場ではNo.1である。以前は香港の固定電話をほぼ独占していたが、固定電話の自由化により現在はシェア60-70%程度と苦戦しており、年々シェアを下げている。このため同社は"脱・固定電話"ビジネス化を図り、ADSLサービスやインターネットテレビ事業に力を注いでいる。また非・有線サービスとして無線LAN事業を開始したのに加えて、シェア最下位だった携帯キャリアを買収した。こうした事業展開により通信サービスにおけるオールラウンドプレーヤーとなり、複合的な通信サービスの提供が可能になったのだ。特に同社の無線LANサービスは香港内のホットスポット設置箇所が3000以上と同業他社を引き離しダントツであり、ファーストフードや鉄道駅のほぼすべてをカバーするなど使い勝手が高い。



オールラウンドプレーヤーである同社ならではの料金体系も特徴だ。Netvigator Everywhereの基本料金はHK$538/月(約8100円)であるが、同社のADSLサービスに加入している場合で18ヶ月の固定契約を結ぶとHK$328/月(約5000円)と約40%引きの料金で利用できる。またUSBタイプのHSDPAモデムもHK$2480(約3万8000円)がやはりADSL加入で最大無料となる。



このような割引は日本でもイーアクセスがHSDPAとADSLの複合割引のような形で行っているが、イーアクセスの両サービスの加入者増を目標としているのに比べ、PCCWは加入者増に加え顧客流出防止効果も視野に入れている。PCCWが、顧客確保までしたたかに行う背景には、香港では携帯電話のみならず固定電話も複数キャリアが参入しておりMNPにより容易に移転できだけでなく、ADSLやインターネットTV/ケーブルTVも同様に容易に変更できていまう環境がる。せっかく新規顧客を獲得しても、他社にいつでも奪われてしまう可能性があるのだ。



そのためPCCWは、提供する各サービスを複数組み合わせて割引し、さらに固定契約期間を設けることで顧客の流出防止を図っている。たとえば固定電話にADSLを同時に1年契約することで基本料金の減額などは標準的な割引サービスになっている。このような割引サービスを受けている顧客が、今回紹介したNetvigator Everywhereサービスを追加で申し込んだ場合、ADSLの固定契約期間が終了してもNetivgator Evierywhereサービスは引き続き固定契約期間が残っているため、ADSLを解約することができなくなる。もちろんADSLの解約は可能だが、解約することで違約金が発生するためほとんどの顧客は解約せずに、さらに契約を延長することになる。このように割引サービスを提供しながら自社の各サービスに顧客を取り込み、他社への流出を防ぐ料金体系にしているのがPCCWの戦略なのだ。



■携帯キャリアも複合サービス提供が必要になるか

海外ではすでにノートPCなどでのパケット定額制はHSDPAサービスを主力商品として各国で提供されている。一方日本では、まだ大手キャリアがようやく重い腰を上げだしたにすぎない状態だ。しかし今後より高速なデータ通信技術が提供されるようになれば、携帯電話のみならずスマートフォンやノートPCからも定額で利用できるパケット料金体系が求められるのは避けられないかもしれない。



またモバイルWiMAXの登場で携帯電話と無線LANといった垣根も無くなりつつある。日本でもWiMAXの事業免許がいずれ発行されるであろうが、既存の携帯キャリア単独では免許が発行されない予定なので、複合サービスへの展開は否応なく迫られているともいえる。



HSDPAもWiMAXも高速データ通信環境という点では同等のサービスである。利用者の利便性を高めるには、今回紹介したNetvigator Everywhereのように料金体系だけではなく使い勝手も複合化されたサービスが提供されることが望ましいのではないだろうか?





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山根康宏

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【気になるトレンド用語】携帯会社が争う"モバイルWiMAX"って何?

近頃、"WiMAX"という言葉がインターネットニュースなどで多く見るようになりました。どうやら無線LANと関係がありそうなのですが、携帯メーカーも乗り出しているモ"バイルWiMAX"というのもあるようです。



■WiMAX(ワイマックス)ってなに?

"WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)"は、固定無線通信の標準規格で、IEEE(米国電気電子学会)で承認されています。IEEE 802.16規格の使用周波数帯を変更したものです。特徴は、見通しのわるい場所でも通信できるように改良されている点で、アンテナ1台で半径約50kmをカバー、最大で70Mbpsの通信ができるといわれています。



いわゆる次世代無線技術であるWiMAXですが、現在普及している無線LANとは何が違うのでしょうか。



WiMAXは、建物の内部で使用することを目的とした無線LANとは異なり、Wireless MAN(Metropolitan Area Networks)と呼ばれる長距離の無線通信を目的としています。すなわち大都市圏(都市部)をエリアとする、広範囲での無線通信を目的としているのです。



IEEEで標準化されたWiMAX規格は「IEEE 802.16-2004」「IEEE 802.16a」の2種類があり、「IEEE 802.16e」は、現在、標準化の作業中です。



この規格がうまれた背景には、米国のような大陸全土で有線のブロードバンド回線網を設置する措置が困難であったことがあります。人口の少ない地域にもブロードバンド回線を安価に施設するには、末端部分を無線接続に置き換えるという、いわゆる「ラストワンマイル」での無線接続が必要があったというわけです。



モバイルWiMAXは、固定ではなくモバイル用途での利用を目的とした802.16e規格を指します。

実は、日本ではWiMAXよりモバイルWiMAXの方が注目されています。モバイルWiMAXは、現在のPHSや3G携帯電話を使用したモバイルインターネット接続と同等の使い勝手で高速インターネットアクセスを実現することができます。つまり、次世代PHSやHSDPAとは競合する規格なのです。



■携帯キャリア各社が争う"モバイルWiMax"の免許

2007年5月15日に総務省から2.5GHz帯を使った次世代高速無線通信の免許割り当て方針案が発表されました。その内容は、利用可能な80MHz幅のうち、全国展開する移動通信サービス向けに、30MHzずつの2つの帯域を最大2社に対して割り当てることになっています。

ここで問題になっているのが割り当て条件です。



・3G携帯電話事業者およびそのグループ会社以外の者

・認定から3年以内のサービス開始

・5年以内に人口カバー率50%

・無線設備の開放



この条件のうち「3G事業者およびそのグループ会社以外の者」という条件によって、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク、イー・アクセスの単独参入ができなくなりました。いわゆる「3分の1規制」です。ただし、3G携帯電話事業者にも参入する可能性が残されています。3G携帯電話事業者およびそのグループ会社単独での参入はできませんが、出資比率が3分の1以下の新会社を設立すれば参入することは可能なのです。こうした中で次のような、会社が共同出資会社を設立しています。



・NTTドコモとアッカ

・KDDIと京セラ

・ソフトバンクとイー・アクセス



動向を注目されるのが、PHS事業者のウィルコムです。ウィルコムはモバイルWiMAXとは異なる次世代PHSでの2.5GHz帯への参入を目指しています。既にPHSの基地局を16万ヶ所を持ち、MVNO(仮想移動体通信事業者)向けにネットワークを開放していることから、割り当て条件を満たすことが容易と見られています。



■WiMAXの可能性と懸念点

平成18年8月11日に総務省より策定された『次世代ブロードバンド戦略2010』によると、ブロードバンド・ゼロ地域の解消に向けて"WiMAX"は有効なデジタルデバイド解消策の1つとして期待されています。しかし、"モバイルWiMAX"については、免許を得られる事業者が2社と限定されているため、通信インフラの寡占状態につながる恐れが考えられます。



モバイルWiMax(802.16e)の通信サービスが実現すれば、乗り物で移動しながらでも、途切れることなく大容量のデータ通信が可能になります。これにより、ゲーム、動画配信、観光情報の提供などエンターテーメント性の高いものからテレビ会議、位置情報サービス、遠隔医療などの分野での応用が期待されます。



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【世界のモバイル】iPhoneを日本は受け入れられるか? キャリアからメーカー端末へ

Appleの携帯電話「iPhone」は端末の機能や使い勝手のみならず、これまでの携帯電話業界の商習慣とは異なる新しいビジネスモデルとしても注目されている。iPhoneの目新しさの1つが端末の販売方法だ。この新しい販売スタイルは日本でも受け入れられることができるだろうか?




■iPhoneは“メーカー端末”

今年6月に北米市場で発売開始されたiPhoneは、Appleの携帯電話市場への初参入ということもあり市場から大きな関心が寄せられている。この秋からはヨーロッパでの発売も決まり、iPhone旋風は北米から全世界へ今後広がっていくことは間違いないだろう。



現在iPhoneを利用できる通信キャリアは北米ではAT&Tのみである。このため日本ではiPhoneを日本の携帯電話のように通信キャリアが発売している端末と見る向きもある。しかし実際のところiPhoneはAppleのブランドによるメーカー端末であり、日本の携帯電話のようなキャリア端末ではない。すなわち“AT&Tが発売する端末”ではなく“AT&Tの回線を利用できる端末”として販売されているのだ。このためiPhoneはAT&Tのショップ=携帯キャリア店舗だけではなく、Appleストア(実店舗、オンラインストア)で購入することもできる。購入するだけであれば身分証明書も何も必要なく、一般の家電製品やAppleのiPodを買うのと同様に、お金を払えば誰でも購入することができるのだ。



しかしiPhoneは購入しただけでは携帯電話として利用できないだけではなく、iPhoneの単体機能も使うことすらもできない。iPhoneは購入後にPC経由でAppleのiTunesに接続し、AT&Tとの回線契約を結ぶことでiPhoneそのものが“開通=アクティベート”され、これで初めて電話や各種機能を利用できるようになるのだ。このように購入しただけでは端末を利用できず、特定の通信キャリアと契約を結ぶことでハードウエアまでも利用できるようにする販売手法を本格的に採用したのはiPhoneが初めてと言えるだろう。



■アクティベート、SIMロックも解除方法が見つかる

iPoneはGSM方式に対応した携帯電話であるが、北米ではAT&TのSIMカード(回線)のみが利用できるようにSIMロックがかけられており、他のGSMキャリア、たとえばT-Mobile USAのSIMカードを利用することはできない。また購入後のアクティベート時にもAT&Tとの回線契約が必要であるため、北米でのiPhone購入者はAT&Tの回線のみを利用することになる。これによりAT&Tは他キャリアからのユーザーの移転や、iPhone利用可能キャリアとして自社のブランドイメージを向上させることができ、結果として加入者を増やすことが期待できるわけだ。現時点でAppleは各国1キャリアのみをiPhone利用可能な事業者としていることから、iPhoneが発売予定の国では水面下で各キャリア間の争いやAppleとの駆け引きが行われているとも言われている。



しかしだ。iPhone発売直後から“AT&T以外の回線を利用したい”もしくは“携帯電話機能は不要なのでiPhoneを単体で利用したい”という声が北米のみならず全世界から多く上がっていった。そして一部のユーザーから最初に必要なAT&Tとの契約によるiPhoneのアクティベートを回避する手法が発見され、最終的にはSIMロックそのものをはずす「ロック解除」までもが可能になってしまった。こうなるとiPhoneをAppleストアで単体で購入後、AT&Tを利用する必要はなくなってしまう。北米のほかのキャリアのSIMカードを利用できるだけではなく、北米以外の国でもGSMキャリアのSIMカードを装着すれば世界各国でiPhoneを利用できるようになってしまったのだ。



iPhoneがもしもキャリア専用の端末であれば、AT&T専用のサービスやメニューが用意されAT&T以外で利用する場合は「ただの音声通話端末」にしかならなかっただろう。すなわち無理してSIMロックを解除してまで使うほどの端末にはならなかったはずだ。しかしiPhoneは前述したようにキャリア専用端末ではない。iPhoneはiPodと同等のメディアプレーヤー機能を搭載するほかは、WEBブラウザなどインターネットへアクセスし、インターネット上のサービスを利用する機能を備えている端末だ。すなわちAT&Tと契約したとしても、AT&Tの特定のサービスは利用しない。メールの利用にしても通常利用しているプロバイダやフリーメールなどを利用するものであり、AT&Tのキャリアメールを利用するわけではないのだ。すなわちAT&Tと契約を行っても利用するのはAT&Tの回線そのものだけであり、他社のSIMカードが利用できれば、AT&Tと同様に他社の携帯回線下でiPhoneのフル機能を利用できてしまうわけなのだ。



なおiPhoneは9月時点で100万台が販売されたという調査会社の報告がある。しかしiPhoneを唯一利用可能なAT&Tからはその分だけの契約があったとの発表はまだされていない。実際には多くの数のiPhoneがAppleストアで販売された後、海外などに転売されSIMロックを解除してAT&T以外のキャリアでも利用されているとの推測もある。携帯電話にSIMロックをかける端末販売は全世界で行われており、SIMロックをかければ自社以外のキャリアに顧客が流れにくくなるのがこれまでの携帯ビジネスの常識であった。しかしiPhoneは契約無しで先に端末単体だけが販売され、契約される前にSIMロックが解除されてしまう恐れがあるのだ。



iPhoneの販売台数だけ回線契約数を獲得できると目論んでAppleと契約を行った通信キャリアの販売戦略に影響を及ぼすことは必至であり、Appleも今後この販売方式を見直す可能性もありうるだろう。



■Apple主体の販売は日本では可能か?

現在のiPhoneはGSM版のため日本では携帯電話として利用はできないが、将来iPhoneの3G版(W-CDMAやCDMA2000対応)がリリースされれば日本での発売も現実味を帯びてくるだろう。このため“もし日本でiPhoneが出るなら、どこのキャリアから出てくるだろうか”といった推測もなされている。



しかしここまで書いたようにiPhoneはキャリア向けに販売される端末ではなく、キャリアサービスを受けるための端末でもない。通信キャリアはインフラを提供する黒子に徹することが求められるし、端末の販売もAppleストアとキャリア店舗のようにAppleの指定する取扱店のみでの扱いとなるだろう。価格もAppleが定め、通信キャリアが自社顧客向けに割引販売することも現時点では想定されていない。すなわちiPhoneとはすべてがAppleにコントロールされる端末なのだ。



そしてiPhoneはキャリアサービスを利用しない。iモードもおサイフケータイも、そしてデコメールも利用できない。“できない”というよりもそもそもが携帯キャリアサービスや携帯電話内のサービスを視野に入れていない端末なのだ。iTunesが利用でき、インターネットの広いサービスを直接利用する端末であり、携帯電話というよりも限りなくスマートフォンなのである。



キャリアが収入を得ようにもiPhoneそのものの利用は通信キャリアには直接的な収益をもたらさないのだ。またSIMロックが解除されてしまった場合、ライバルキャリアでそのまま利用することも可能になってしまう。日本の現状の携帯電話ビジネスとは相反する端末がiPhoneであり、日本で発売されるには通信方式の対応以前に通信キャリアがどこまで“iPhone(Apple)のビジネス”に対し腹をくくれるか、にかかっているのではないだろうか。



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山根康宏

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【ケータイラボ】ソフトバンクはスマートフォンを変えるか? X02HTデビュー

ソフトバンクモバイルから、新世代のスマートフォン「X02HT」が発売された。X02HTは、これまでのWindows Mobileを搭載しているスマートフォンとは大きく異なる端末だ。果たして、この新世代の端末は、スマートフォン市場を変えることができるのだろうか?




■X02HTは何が違うのか?



これまでのスマートフォンは、Windowsに近い操作や機能を最大のセールスポイントとしてきた。いってみれば手のひらサイズの超小型パソコンで携帯電話のような音声通話もできるとうたってきた。この戦略が間違っていたとは言わないが、ハンドヘルド機並のサイズならばパソコンのように両手を必要とする操作性も有効だが、手帳サイズの端末では両手がふさがるデメリットは予想以上に大きいといえるだろう。



また、音声通話機でもあるスマートフォンにとって、携帯電話との操作性におけるギャップも見逃せない。既に片手で操作できる携帯電話とパソコン操作のスマートフォンの溝は決して浅くはなかった。



スマートフォンにおける片手操作の妨げになっていたのが最大の特徴でもあるタッチパネルといえる。X02HTは、国内端末としては初めてスマートフォンのセールスポイントでもあった画面タッチ操作を廃した。この決断によりX02HTは、主要な操作を片手で行えるWindows Mobile Standardのスマートフォンとして登場することになった。



Windows Mobile 6.0は3タイプのデバイスを規定している。

・Windows Mobile Professional

 PPC Phone Editionの後継。タッチスクリーンを搭載する。

・Windows Mobile Standard

 Windows Smartphoneの後継。タッチスクリーンを搭載しない。

・Windows Mobile Classic

 電話機能がないPPCデバイスの後継。

X02HT 片手で操作できるスマートフォン片手で操作できる携帯電話




■X02HTの特徴をみる



X02HTのハードウェア特徴をみてみよう。




●前面

本体前面には、2.4型QVGA液晶とQWERTY配列キーボードを搭載し、手のひらサイズを実現している。重量は120gと通常の携帯電話よりも軽い。本体の幅は一般の携帯電話の50~55mm前後に比べ63mmと10mmほど広くなっている。

X02HT 本体X02HT 手にスッポリと収まるサイズ




●側面の操作

本体の厚みは13.9mmで、折り畳み型の携帯電話に比べて半分ほどの厚みとなる。この薄さがやや幅のある本体のホールドを安定させるために役立っている。本体が薄いことで、キーボード入力する際に指が側面にかからなくても本体を保持できる。とはいえ、側面に指をかけられないので、55mm前後の携帯電話に比べると入力時の安定度はやや劣る。

左側面には、電源ボタン、microSDスロット、マナーモードボタン外部ストレージは、microSD




右側面には、JOGGRパネル、カメラボタンJOGGRパネルは、エンター、上下スクロール、キャンセル




●シンプルな上部と底部

上部には、ヘッドフォンと充電および同期兼用のminiUSB端子を備える。端子カバーは樹脂製だが遊びがないので開閉は確実にできる。

底部中央にあるボタンは、電池ふたのロック解除ボタン。電池ボタン左にストラップホールにみえる部分があるが、標準のストラップホールではないので利用する場合は自己責任となる。

上部のminiUSB端子底部のバッテリーふたロック解除ボタン




●背面

背面の8割ほどは電池ボックスとなっている。底部のボタンで電池カバーを開けることができる。バッテリーは、リチウムイオンポリマー製で、容量は1050mAh。

バッテリーの右上部にはSIMカードスロットが搭載されている。ロックバーは樹脂製。

電池ふたを開けるSIMカードスロット




●カメラ

背面上部には、200万画素 CMOSのデジタルカメラが搭載されている。本体右側面下のカメラボタンでダイレクトに起動することができる。撮影画面でのモニタースルーは滑らかだ。

撮影解像度は、1600×1200、1280×960、640×480、320×240、160×120ピクセル。ズームはデジタル10倍をサポート。動画機能は、174×144、128×96ピクセルで保存形式は MPEG-4、H.263、Motion-JPEG。

背面のカメラ撮影モード画面




■X02HTに特化したソフトウェア



X02HTは、ハードウェア面でこれまでの端末と変更が加えられている分、ソフトウェアもX02HTに特化した変更が加えられている。既存のタッチパネル対応アプリケーションとの互換性がほとんどないが、X02HT用のユーティリティも既に公開開始されており、今後の対応も期待できるだろう。




●豊富なメール環境

X02HTの大きな特徴は、豊富なメール機能だ。

もっとも大きな特徴が、S!メール(MMS)[ムービー写メール、写メール、音声メール]の搭載だろう。いわゆるキャリアメールやケータイメールとよばれているPUSH型メールのサポートだ。つまり、ケータイと同じメールのやりとりができるというわけだ。

キャリアメールは、PCメールと異なり自分宛のメールが端末に配信される。ユーザーがPCメールのようにメールサーバにメールチェックを行わなくても受信メールを受け取れるので、モバイルでの少量メールには適している。



もうひとつが、Windows Live メールとメッセンジャーだ。

パソコンでもWindosw Liveメッセンジャーを利用している人も多いと思うが、X02HTではWindosw Liveのメッセンジャーでリアルタイムチャット機能が使えるだけでなく、Hotmailなどのメール機能も利用できる。



このほかに、普段利用しているアカウントが使えるPCメールのOutlookメール、Softbank端末同士で無料で利用できるSMSメールと、メール機能のサポートは非常に強力だ。

S!メールリスト受信箱




Windows LiveメールWindows Liveメッセンジャー




●ブラウザ

標準搭載のInternet Explorer Mobileを利用できる。画面表示がQVGAのため、PCサイトの閲覧はやや窮屈だ。スクロールは、前面中央のコントロールキーを利用する方法もあるが、右側面のJOGGRを利用することもできる。JOGGRはスタートメニューから[設定]>[JOGGR]で、[JOGGRを有効にする]にチェックをいれることで利用できるようになる。



JOGGRはスクロールと音量調節が選択できる。スクロールは通常操作ではスクロール機能を利用でき、通話中は音量調節に切り替わる。音量調節を選んだ場合は常に音量調節となる。



JOGGRの操作部は、ボタンというよりパネルに近く、なぞるような操作となる。ボタン風にみえるが押すというクリック感はなく、タッチパネルのような操作となるので慣れがいるだろう。

ブラウザ表示ブラウザ メニュー




表示メニューお気に入り画面




●文字入力

文字入力は予測変換を搭載。入力の変更は、下段左の[FN]+スペースキー右[文字]で入力選択バーが画面に表示され、そのメニューから選ぶことができる。



キーボードのキーは、小さいながらクリック感もありキーの打鍵反応はよい。X02HTのキーボードは、本体前面に配置されていることから、左端と左下部のキーの打鍵はやや窮屈になる。また、数字キーや記号キーは、[FN]キーと組み合わせとなるため特定のキー入力では両手が必要となる。なお、キーボードバックライトが搭載されているので、暗所でもキーは視認できる。

日本語文字入力の予測変換入力文字選択




●ボイスメモ

ボイスレコーダーは、スタートメニュー[オフィス]>[ボイスメモ]で利用できる。ソフトキーで録音を開始すると録音時間が表示されてメッセージが記録される。

X02HTでは、タッチパネルが必要な手書きメモが利用できなくなったが、ボイスレコーダーが使いやすく改善されており、代用として活用できるだろう。

ボイスメモ




■新時代スマートフォンへ 得たものが大きいX02HT



X02HTは、Windows Mobile Standardデバイスとしては国内初の端末となる。既存のパソコン寄りのスマートフォンに比べ、携帯電話に近づいた端末だ。X02HTのターゲットユーザーもモバイルのマニア層というより、既存の携帯電話ユーザーに向けられているといってもよい。



携帯電話より多彩なのメール管理をサポートし、インターネットブラウザの使い勝手も優れているX02HTは、ケータイでのインターネット利用に不満をもっている人には魅力的な端末となるだろう。これまでマニアや法人向けとみられていたスマートフォンとは異なり宇、X02HTは個人ユーザー市場を開拓できる可能を秘めているだけに、X02HTの普及次第でスマートフォン市場の変革もありえるのではないだろうか。





■主な特徴



・プロセッサ: Samsung 2442 400MHz

・メモリ ROM:128MB RAM:64MB SDRAM

・OS : Windows Mobile 6

・ディスプレイ

 液晶:2.4"カラー透反射形(トランスリフレクティブ)

    TFT-LCD(バックライトLED付き)

・液晶表示:320×240、最大65,536色

・カメラ

 【静止画】

  有効画素数/撮像素子: 200万画素、CMOS

・外部接続

 ミニUSB USB(ver2.0 Full Speed)、シリアル、オーディオ、電源接続用

 Bluetooth: BluetoothR標準規格Ver.2.0準拠

 ワイヤレスLAN: IEEE 802.11b/g

・電池

 リチウムイオンポリマー電池、1050mAh

・重さ: 約120g

・サイズ: 約W63×H114×D13.9mm(突起部除く)





X02HT - Softbank

X02HT - htc



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【世界のモバイル】1回線契約なのに複数の端末が利用できる!海外のマルチSIMカードサービスの恩恵

一人で複数の携帯電話を利用したり、ノートPC用にデータ通信カードを利用するなどの回線を複数契約して利用しているユーザーも多いだろう。利用する端末の数が増えれば回線契約も増えるのは当然のことだが、海外では一つの回線契約で複数の端末を利用できるサービスが存在する。今回は複数契約が不要なこの便利なサービスを紹介しよう。




■複数のSIMカードを発行できる“マルチSIMカードサービス”

携帯電話とデータ通信カード、あるいは普通の携帯電話とスマートフォンのように、複数の端末を同時に利用するユーザーは海外にも多い。たとえばビジネスパーソンであれば音声通話やSMSなど日常に利用するには携帯電話、簡単な業務を処理するためにはスマートフォン、そして本格的に仕事を行うためにはPCカード型端末を装着したノートPCを持ち歩いてパケット定額料金でデータ通信を利用したりと、2台や3台の端末を使いこなしていることも珍しくない。このように複数端末を利用するケースでは端末ごとに回線契約を行うことが多いが、マルチSIMカードサービスを利用すれば、複数の契約を行わずに1回線の契約だけですべての端末を同時に利用することができる。

複数端末を手軽に利用できるマルチSIMカードサービス




マルチSIMカードサービスとは、契約しているメインの回線に加え、同じ電話番号を持つSIMカードを複数枚発行するサービスである。各通信キャリアによりサービスの名称は異なるが、サービス内容はほぼ同一だ。マルチSIMカードサービスの基本的なサービス内容は、このようになっている。



1. 複数のSIMカード、いずれで発信しても相手側にはメインの電話番号が表示される

2. 複数のSIMカード、いずれを使っても料金はメイン契約回線を利用したものとして計算



何枚まで追加のSIMカードを発行できるかは各通信キャリアによるのだが、一般に1枚~数枚程度のようだ。また追加のSIMカードは回線契約の追加ではなく、あくまでもメインの契約回線に付加して発行されるものであるため利用料金も基本料金に比べて低額になっている。たとえば香港CSLの場合は基本料金が最低で2000円/月程度だが、マルチSIMカードサービスは1枚あたり約420円・枚/月(HK$28/月)で利用でき、4枚までの追加発行が可能だ。



実際の利用シチュエーションとしては、やはり携帯電話とスマートフォンの2台を常時利用する組み合わせが多いようだ。両者を別の回線契約した場合は、こちらからかける端末によって相手に通知される電話番号が異なってしまう。相手側が指定番号以外の着信拒否サービスなどを利用していた場合は、こちらの電話番号を2つとも相手にあらかじめ通知しておかなければならない。また名刺にも自分の携帯番号は、2つ書いておかねばならないし、2回線契約すれば基本料金も2倍かかってしまう。



マルチSIMカードサービスを利用すると、こちらが複数の端末を利用していても相手側には常に同じ電話番号が表示される。また複数の端末で音声通話やデータ通信を利用しても、料金はメイン回線の契約プランで利用できるため無駄が無い。2回線契約の場合「今月は携帯電話で利用している回線はほとんど利用しなかったが、スマートフォンの回線はデータ通信をしすぎて超過料金がかなりかかってしまった」といったアンバランスな使い方をしてしまうこともあるだろう。マルチSIMカードサービスであればすべてのSIMカード=1つの回線契約料金で利用できるため、無駄も生じにくいというわけだ。

マルチSIMカードサービスの利用イメージ(CSLの案内)





メイン以外のSIMカードを入れた端末から発信した場合、相手にはやはりメイン契約の電話番号が表示されるということは、相手がこちらに電話をかけてきた場合はどうなるのだろうか? こちらの複数の端末が同時に着信音を鳴らすのだろうか?



実はマルチSIMカードサービスで発行された複数のSIMカードは、それぞれに固有のIDと電話番号が付与されている。ただし各SIMカードを入れた端末から発信した場合は、通信キャリアのセンターで電話番号をメイン回線番号に変換して着信側に通知するのだ。そのため相手から電話を受けた場合に着信するのはメイン端末1台だけとなるのだ。もちろん他の端末で着信を受けたい場合はコマンド操作によって、どの端末で着信を受けたいかを変更することも可能だ。



日本でデータ通信端末を利用する場合は専用プランに加入すれば大幅に安いパケット料金で利用できる。一方海外ではデータ通信端末専用プランといったものが無く、単純なデータ通信用の割引プランがあり、それを音声通話契約に付加できる通信キャリアが多い。日本ではFOMAの音声プランとデータプランは同時に加入ができないが、海外ではそのような組み合わせが可能なキャリアが多いというわけだ。このためマルチSIMカードサービスを利用して、携帯電話とPCカード型端末の両方を安いパケット料金で利用することができるということになる。

普通の携帯電話、メールに適したスマートフォン、ノートPC用のデータカード、ちょっと見せびらかしたいブランド携帯、など複数の端末を所有していても1契約で同時に利用できる




■一人複数台の利用促進に最適

日本では携帯電話の高機能化が年々加速化しており、今やフル機能を詰め込んだ“重戦車”的な端末も多数存在している。しかしそれにより端末サイズの大型化や操作の複雑化、電池の持続時間の減少など、使い勝手が低下してしまうこともあるようだ。またメールと通話利用だけでよければ“機能より外観”ということで、そこそこの機能を持ちながらデザインに優れた端末を選ぶユーザーも増えてくるだろう。日本は基本料金が高く、“1人1台”持つことを前提とした料金システムとなっている。日本でもマルチSIMカードサービスが導入されれば、高機能端末とファッション端末2台を常時持ち歩き、利用シーンによって使い分けるといった新しい使い方をするユーザーも出てくるだろう。



もちろん通信キャリアにしてみれば2回線契約を取れるところを1回線しか取れないことになってしまうが、2台利用するユーザーは“1台目の電池が切れてしまっても、もう1台でメールや通話”ができるため、携帯電話そのものを利用する時間が現在より増えるのではないだろうか。またマルチSIMカードサービスは、複数回線の同時利用も可能なので、昼休みに公園のベンチでワンセグを見ながら別の携帯でメールをするといった使い方もできるわけだ。



便利さはわかっても、日本では多くの人にとってはマルチSIMカードサービスの需要は感じられないかもしれない。おそらく現時点でマルチSIMカードサービスの登場を望んでいるのはイー・モバイルの利用者ではないだろうか。スマートフォン/PDA端末であるEM・ONEとCFカードやUSBタイプのデータ通信端末の両方を所有し、スマートフォンからも、ノートPCからもパケット定額で利用したい場合は2回線の契約を行うか、1回線契約で端末を2台用意してSIMカード(EM chip)を差し替えて利用しなくてはならないからだ。



マルチSIMカードサービスが提供されれば回線契約1つだけで両方の端末が利用でき、ユーザーの利便性は大きく高まる。将来音声サービスを開始した場合でも、マルチSIMカードサービスを導入すれば現在のデータ通信利用ユーザーをスムースに音声サービス利用へ導くことも可能になるだろう。複数の端末を利用するユーザーのために、日本でもマルチSIMカードサービスの導入をぜひ検討してもらいたいものだ。



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山根康宏

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【気になるトレンド用語】プッシュとプル?携帯電話とパソコンのメールは違うの

通信が発達した現代社会では、電子メールは仕事からプライベートに至るまで重要なコミュニケーションツールの一つです。



このメールというシステム、パソコンと携帯電話で使い方が違いますね。パソコンでは自分のメールは自分で確認しにいかなければなりませんが、携帯電話のメールは自動で通知されます。同じメールと呼ばれているのにどうして違うのでしょうか?



今回は、インターネットメールを携帯メールのように自動的に端末で受信するシステム「PUSHメール」についてみてみましょう。



■"プル"と"プッシュ"?メールの違い

私たちが一般のパソコンで利用しているプロバイダなどで提供されているメールでは、メールサーバに自分からアクセスしないと自分宛のメールを受け取ることができません。メールを引き出す操作が必要なため、こうしたメールシステムは"PULL(プル)"と呼ばれています。



それに比べ、私たちが日常でよく利用する携帯電話では、自分のメールアドレスに送信されたメールは携帯電話が自動的に受信してくれます。このように自分宛に送られたメールがメールサーバから自分の端末に押し出されてくる(送られてくる)システムを"PUSH(プッシュ)"と呼びます。



オフィスで利用する際は、パソコンメールでも快適ですが、出先や移動中などでは、自動で通知されるPUSHメールが便利ですね。



■便利なケータイのPUSHメールにも弱点が



日本では携帯電話にメール機能が搭載された当初から、携帯電話会社が提供するメールシステム(ソフトバンクモバイルのMMS、NTTドコモのi-modeメール、auのEzwebメールなど)でPUSHメールが採用されています。



携帯電話のPUSHメールは、ユーザーは待っているだけで、新着メールの到着を確認できるため便利ですが、実はいろいろと制限もあります。携帯電話の付加サービスである携帯メールには、文字数、添付ファイルの容量や種類に制限があり、メールアカウントもパソコンで使用することもできません。



つまり、パソコンメールのように大きなファイルを添付したり、長文のメールは利用できないのです。



■海外でのPUSHメール事情



海外ではSMS(ショートメッセージサービス)の利用が一般的ですが、ビジネスマンを中心に普及がめざましいのがResearch In Motion(RIM)が開発した「BlackBerry」です。



BlackBerry端末では、POP3を利用したメールサーバやマイクロソフトのExchange Serverなど、会社のグループウェアのメールボックスに届いたメールを携帯メールのように自動的に端末に送ってくれます。また、スケジュールやアドレス帳の同期が可能であることも人気の理由の一つとなっています。



「BlackBerry」のサービスを利用するには、BlackBerry端末やBlackBerryクライアントソフトウェアを搭載したスマートフォンの他にBlackBerry Enterprise Serverを導入、またはBlackBerryサービスを提供する携帯電話会社と契約する必要があります。



ドコモが秋に導入する「BlackBerry」って何? - +D モバイル



■携帯電話以外でPUSHメールは使えないの?

そんなPUSHメールですが、ふだん会社で使っているパソコンメールでも利用できたら便利そうですね。仕事やプライベートでも、会社のパソコンメールに登録されているアドレスでPUSHメールを利用したいと思った人もいるのではないでしょうか?



そこで、日本でも利用できるPUSHメールサービスをいくつか見てみましょう。



国内であれば、NTTドコモが法人向けに「BlackBerry」をサーバとセットで提供しています。



このサービスは個人での導入はできませんが、個人で利用するならば、Direct Push Technologyを利用して提供されているPUSHメールやスケジュール同期などのサービスがあります。このサービスは、サービスプロバイダの運営するExchangeサーバ(Exchange Server 2003 SP2以上)のアカウントを個別にレンタルすることでPUSHメールを利用できるようにしています。



ここで耳慣れない「Exchangeサーバ」という言葉が出てきましたので説明しておきましょう。



・Exchangeサーバとは

マイクロソフトのサーバ製品。電子メールサーバ機能やPIM情報を管理することができ、グループウェアサーバとして情報の共有ができます。Windows Mobileを搭載した端末を利用することで情報の同期が可能です。



「Exchange+Windows Mobile デバイス」でできること - ITmedia



つまり、Exchange Serverとスマートフォンを利用すれば、携帯電話以外でもPUSHメールは利用できるというわけです。Exchange Serverサービスを利用するには、「Message and Security Future Pack(MSFP)」を搭載したWindows Mobile端末を使用します。国内で販売されている端末では、ドコモの「hTcZ」、ソフトバンクモバイルの「X01HT」、ウィルコムの「W-ZERO3(WS004SH以降)」が利用可能です。

※MSFPを搭載していても、W-ZERO3は仕様によりPUSHメールを受け取ることができないため、PULLでメールを取りに行く必要があります。



このほか、ノキアのE61もこちらからMail for Exchangeをダウンロードしてインストールすることで、PUSHメールを利用することができます。



Exchange Serverサービスは、海外や国内でもサービスが提供されています。海外のサービスプロバイダであってもデータは日本語が使用できます。また、最近では国内のサービスプロバイダも増えていますので、日本語で申し込みや設定が可能になり、敷居も低くなってきています。



・Exchange Serverサービス

4smartphone.net

mail2web.com

Codename

iSLE



このように便利なPUSHメールですが、頻繁にサーバとの通信が発生するので、スマートフォンのバッテリー消費と通信量が増加します。そのため、端末のバッテリーの強化や通信料金の低価格化・定額化などが望まれます。





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【世界のモバイル】ドコモの2in1より便利? 中国のデュアルSIMカード端末

1台の携帯電話で2つの電話番号とメールアドレスが利用できるNTTドコモの「2in1」サービスは"仕事とプライベート"、"メイン用とサブ用”など、電話番号を複数利用したい利用者には便利なサービスだ。諸外国でも同様のサービスはあるが、中国には別の方法でそのサービスを実現する携帯電話が存在するのだ。




■海外にもある"2in1"サービス

"1台の携帯電話で2つの電話番号を利用したい"という需要は海外にも存在する。NTTドコモの2in1サービスは今年始まったばかりだが、数年前から同様のサービスを提供している海外キャリアも多い。利用できるサービスは音声通話とSMSで、日本とは違いメールの利用には対応していない。これは海外では携帯キャリアメールを使うことがほとんどなく、SMSで事足りるため実用上これで十分なのだろう。



この海外版2in1サービスは、どの端末でも利用できる。サービスの利用はコマンド操作、すなわち特定の番号を送信することでコントロールできるのだ。たとえば香港CSLの2番号サービス"Mult-Number Service"では、サービスの開始は"*133#00#"、停止は"*133*00#"に電話をかければよい。2つめの番号だけを留守番電話にしたり、転送したり、サービスの利用状況の確認もすべて同様に"*133"ではじまる番号に電話をかけるだけと、サービスの利用は番号操作ですべて行うことができる。また発信時は2つめの電話番号からかけるときのみ最初に"*02"をつけて発信すればよい。たとえば9876-5432に電話をかける場合は、"98765432"とかければメインの1つめの電話番号からの発信となり、"*0298765432"とかければ2つめの電話番号からの発信となるわけだ。



このように海外版の2in1サービスは携帯キャリアのセンター側でサービスを提供しており、利用する端末を選ばない。市販のどの端末、例えば数年前の古い端末でも利用可能なのだ。一方ドコモのサービスは端末の固有機能となっており、現在は904iシリーズのみしか利用できない。もちろん端末固有機能とすることで2in1機能を携帯電話のメニューから操作できるメリットはあるが、海外のように「どの端末でも利用できる」というサービス形態もユーザーフレンドリーではないだろうか。
海外でもドコモ同様の2in1サービスを提供するキャリアがある




■2枚のSIMカードが同時利用できる中国の携帯電話

一方中国では2in1ではなく、電話番号の記憶されたSIMカードそのものを2枚利用できる"デュアルSIMカード対応端末"が販売されている。1台の携帯電話で2つの電話番号が利用でき、もちろん待ち受けは同時だ。携帯電話の待ち受け画面にはアンテナマークが2つ表示され、また携帯キャリア名も2つ表示される。すなわち2台の携帯電話をそのまま1台に融合した端末なのだ。発信キーは通常の緑色のボタンの他に青いボタンや"2"と記載されたボタンがあり、そちらを使って発信すれば2番目のSIMカードの電話番号から発信される仕組みだ。なお同時待ち受けは可能だが同時着信はできず、通話中にもう1枚のSIMカードの電話番号に電話がかかってきた場合は話し中となる。



最初にデュアルSIMカード対応端末販売を開始したのは中国2位の携帯キャリア、中国聯通/China Unicom(チャイナユニコム)である。同社は中国内でCDMAとGSM、2方式のサービスを行っているが、CDMAにリソースを注力しておりコンテンツ配信など先進的なサービスはCDMA方式のみで提供している。ただし顧客の大半はGSM方式を利用していることや、CDMA方式では国際ローミングエリアが狭いなどの弱点があることから、顧客のCDMA利用促進やCDMAサービスの強化を狙い、両方式を1台で利用できる端末を開発。2004年春から「世界風」という名称でサービスを開始した。世界風対応端末はCDMAとGSM、2つの携帯電話ユニットを搭載しており、それぞれのSIMカードを1枚ずつ、すなわち2枚のSIMカードを装着可能である。またSIMロックはかけられておらず、たとえばもう1枚のSIMカードにライバルキャリアである中国移動/China Mobile(チャイナモバイル)のGSMサービスのものを利用することもできる。
世界風対応端末には専用のロゴプリントされると共に、画面にはアンテナマークが2本立っている(写真はモックアップ)




ライバルキャリアのSIMカードが利用できることは一見すると自社の利益を損ねるように感じられる。しかしこのデュアルサービスは1枚のSIMカードは必ず自社CDMAのものを利用することになる。もう1枚のSIMカードに自社GSMのものを利用してもらえばより収益増につながることはもちろんだが、中国移動のGSM SIMカードを利用できるということは、逆に言えばライバルの顧客を取り込むことも可能になるのだ。ユーザーにとっても自分の利用状況に応じて2種類のSIMカード、もしくは2社のキャリアを使い分けられるわるメリットがあり、この利便性からビジネスユーザーを中心に利用者が増えているとのことだ。




この世界風とは別に、この1-2年の動きとして中国内の中小メーカーも同様の"デュアルSIMカード対応"端末を続々と発売している。ただしこちらはGSMのデュアル端末で、キャリアとは無関係に各メーカーから発売されている。1台の端末内にGSM携帯電話ユニットが2つ搭載されており、挿入した2枚のSIMカードで同時待ち受けできるようになっている。もちろんSIMカードごとに音声通話やSMSを利用したり、電話帳を分けることもできる。2つの電話番号の組み合わせはSIMカードを入れ替えるだけであるから自由自在であり、通信キャリアに別途サービスを申し込む必要もない。また海外渡航時も自国のメインSIMカードと現地のSIMカードを両方同時に利用できるため利便性は高い。キワモノ製品のようにみえるが、実はしっかりした実用性を備えているのだ。

 

大手メーカーからはまだこのようなGSM端末はほとんどなく、これらは中小メーカー製品が中心となっている。これには中国携帯電話メーカーの乱立という背景がある。中国の携帯電話の生産は、2005年2月からそれまでのライセンス制を廃止し認可制となった。以来メーカー数が急増する一方で、中国内での中国メーカーのマーケットシェアは年々減少し現在では3-4割程度にまで落ち込んでいる。このためブランド力や技術力に長けている大手メーカー以外は、低価格化や大手メーカーにない機能の搭載による差別化を行う必要性に迫られることになってしまった。その差別化の一つの答えが、このデュアルSIMカード対応端末なのだ。
バッテリーをはずすと、SIMカード挿入口が2つ用意されている。ここに2種類のSIMカードを装着可能待ち受け画面左上にはアンテナマークが2つ。また画面中央上には通信キャリア名が2段で表示されている




当初は大手メーカーとの差別化として搭載されたこの機能も、続々と端末が登場していることから市場では一定の評価を受けているようだ。中国は国土が広く、地域を移動して携帯電話を利用すれば国内ローミング料金となり、通話料は割高となる。また同一地域内でもプランにより受信無料や発信が安い、などの料金が複数存在している。このため2枚のSIMカードを常時利用することで利用料金をより安く上げることも可能になるのだ。また日本のように携帯料金にインセンティブといった見えない料金が含まれていないため、基本料金や通話料金も安く手軽に2枚目のSIMカードを所有することもできる。"2つの電話番号を使いたければ2つの携帯電話を1台に入れてしまえばよい"という逆転の発想ともいえるこの端末、インセンティブ制度の変更やメーカーブランド端末が発売されるようになれば、いつかは日本での登場もあるかもしれない。





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山根康宏

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