現在放映中のテレビアニメ『コードギアス 反逆のルルーシュR2』は、アニメファンの間では好評なのですが、視聴率的には苦戦を強いられています(日曜の17時というリアルタイムでは見づらい時間帯の影響もある模様)。この状況に制作サイドも危機感を持ったのか、突如芸能人出演の特番を放送するという手を打ってきました。この特番「アキバで対決!コードギアス祭」は、番組内容もさることながら、芸人のよゐこ有野が語ったコメントがファンの怒りを買いブログが炎上したことでも話題となったので、ご存じの方も多いでしょう。



一体、番組内で何が起こっていたのかを具体的に書いた報道は今のところあまり見かけませんので、実際に視聴した私がその内容をレポートしてみたいと思います。個人的に色々思うところもあるのですが、まずはどんな番組だったのかを以下に書いてみます。


●2008年6月1日放送「アキバで対決!コードギアス祭」プレイバック

(有野)「アキバで対決! コードギアスまつりー!」

何の前フリもなく、よゐこ有野が番組開始を秋葉原の歩道でいきなり宣言。

その声に合わせ、共演の芸人&タレントが「いえーーいっ」と手を叩きつつ、強引にテンションを上げていきます。冒頭の数秒で、この番組がただごとではないと直感しまくり。



出演は司会進行のアメリカザリガニ(柳原&平井)、よゐこ有野、夏川純、サンドウィッチマン(富澤&伊達)、三宅ひとみの計7名。お笑い芸人5人+女性タレント2名の構成です。



(有野)「始まりましたね、コードギアス祭。(コードギアスを)サンドウィッチマンは知ってる?」

(サンド伊達)「全く知らないです(キッパリ)」

(サンド富澤)「無知です」

(サンド伊達)「なんでここにいるのかも分かんないですね」



そのあまりに正直な意見を笑顔で聞く夏川純(ニコニコ)。

コードギアス12話に声優として出演する、この番組唯一の関係者・三宅ひとみは、作品内に登場する学生服のコスプレで登場。彼女は女性アイドルグループ「アイドリング!!!」のメンバーですが、主戦場がフジテレビ721(CS放送)の新人さんなので、知名度的にはちょっと厳しい感じです。



(有野)「以上のメンバーでやっていきたいと思いまーす」

(アメザリ柳原&平井)「こらこらこらこらこらーーっ!!」

無視されそうになったアメリカザリガニが、教科書通りのベタなツッコミでフレームイン。二人とも真っ赤なジャケットを着ているので、かなり目立ってます。

(柳原)「こんな赤いのすぐわかるやろ!」

そんなやり取りをした直後、画面が切り替わり、ナレーションで番組の趣旨が説明されていきます。



(ナレーション)「有野&夏川チームと、サンドウィッチマン&三宅チームに分かれて、アキバを舞台にゲーム対決3本勝負! 勝ったチームにはコードギアスのブルーレイソフトをプレゼントしまーす」

ここで画面はアキバに戻り、司会進行のアメリカザリガニがプレゼントの解説をする場面に切り替わります(コードギアスのソフトの解説場面はカット)。



(アメザリ柳原)「そしてさらにこちらでございますドン! はい、プレイステーション3も!」

(夏川)「わーーっ!」

(サンド富澤)「うわー、プレステ3欲しー!」

(三宅)「ほしーい」

と一部面子は大盛り上がり(ちなみに有野晋哉はノーリアクション)。



(アメザリ柳原)「なんと、なんとですよ! 谷口悟朗さんのサイン入りでございます!」

(サンド富澤&伊達)「誰だよ!!」

コードギアスの知識ゼロなサンドウィッチマンが、最速で見事なツッコミを繰り出します。そんな出演者達にアメザリ平井がフォロー解説を開始。

(アメザリ平井)「コードギアスのね、監督ですよ。他にも色々サンライズ作品もやってますが、(編集でカット)…凄い監督です」



この流れで、よゐこ有野が例の発言をします。

(有野)「手に入れてからシンナーとかで消したらいいから」

(アメザリ柳原)「やめとけーい!」

バラエティ的に正しいこのやり取りで、自然と笑いが生まれ、ツカミはOK的な感じで一連の説明は終了。この後ゲーム対決へと移っていきます。



ゲームの第1弾はメイドカフェで対決。

(アメザリ柳原)「あのー、こちらはですね「雲雀(ひばり)亭」というお店でございまして、いま秋葉原で一番熱いメイドカフェと言われております」

(出演者一同)「へえーーっ」

(サンド伊達)「メイドカフェですか。いやー、来たかったんですよ僕(ニコニコ)」

(サンド富澤)「初めてですね、初めて(ニコニコ)」



この「雲雀亭」は、知る人ぞ知るメイドさんが全員「女装の男性」という不定期営業のお店。お店のチョイスはヒネリがあっていいと思うのですが、コードギアスとの関連性は全くありません。入店後、メイドさんが女性でないことに気付いた出演者は、

(サンド伊達)「まさか、男子ですか? 何やってんすか…」

とメイドさんに向かってコメント。



ここでの対決内容は「ロシアンたこ焼き対決」。要はたこ焼きの中に1つだけ入ってる“激辛たこ焼き”を食べた方が負けというゲームです。この一連のやりとりは、低予算な深夜バラエティのそれと変わりません。ここでは、サンドウィッチマン富澤が激辛たこ焼きを食べて負け確定。そして罰ゲームで、雲雀亭の人気メニュー(?)「ゲロマズドリンク」を飲んで終了。



ゲーム終了後は、コードギアス第1部のダイジェスト映像をみんなで鑑賞です。バラエティなノリとは真逆のハードな内容に出演者の表情は自然と固くなりますが、多少なりとも興味は持った様子。予備知識なしでコードギアスの一端に触れるとこんな感じになるという、ある意味貴重な映像です。



ダイジェスト映像鑑賞終了後、アメザリ両人が感想を聞いていきます。

(アメザリ平井)「……というような感じでございますね」

(アメザリ柳原)「さらっとした流れでしたけれども、いかがでしたか?」

(有野)「すごいね(素直に感心)」

(アメザリ平井)「ホントに壮大な親子喧嘩でございます」

(有野)「お父さんの髪すごいね。あれね、何あれ?」

(アメザリ柳原)「(ブリタニア)皇帝の証なんでしょうね。あの段の多さがみたいな」

(有野)「それを切れっていう親子喧嘩ってこと?」

(アメザリ柳原)「違いますっ!」

コードギアスネタでボケるよゐこ有野に、アメザリ柳原がツッコんで、現場に笑いが自然発生。よゐこ有野は芸人としての仕事をキッチリこなしています。



次のゲームはレトロゲーム専門店「スーパーポテト秋葉原店」でゲーム対決。ゲームはファミコンソフト『ギミア・ぶれいく 史上最強のクイズ王決定戦』。いよいよもってコードギアスは無関係であります。勝負はよゐこ有野の勝利で終わり、罰ゲームはまたしてもサンドウィッチマン&三宅チームに。



罰ゲームは5つ出される中古ファミコンソフトの中から、1つを選んで自腹で勝者チームにプレゼントするという内容。最終的にファミコン世代ではない三宅ひとみが、可愛いという理由だけで『ロックマン4ゴールドカートリッジ』を選択。値段は出されたソフトの中では最も高額な59万円!(スーパーポテト価格)

(アメザリ平井)「世の中に8本しかないソフトー!(大はしゃぎ)」

と、超高額ソフトを指さしながらアピールしてましたが、実際のお買い上げシーンは華麗にスルーされてました(まあ、買いませんよね)。



ここで「魅惑のギアス能力」というコードギアスの紹介映像がインサート。出演者の面々は、スーパーポテト店内でこの映像を鑑賞してました。ここでも皆さん興味津々の様子でしたが、コメント部分はカットされていたので、どんな感想を持ったのか具体的には不明です。



最後は「山本耳かき店」で対決。

(アメザリ柳原)「ここはざっと見回していただいたらわかりますように、浴衣姿の女の子が、なんとこの和室で、耳かきをしてくれる専門店!」

(サンド伊達)「うおーっ、すげえ!」

(サンド富澤)「おっしゃー!」



ゲーム内容は「コードギアスお宝DVD探し」。コードギアスの未公開映像が入ったDVDをサンドウィッチマン&三宅チームが隠し、有野&夏川チームが3分以内に見付けられれば勝ち。見付からなければ、サンドウィッチマン&三宅チームの勝ちというルールです。隠し場所は「山本耳かき店」の店内部屋3つ分。



対決は、お店のお姉さんが着ている和服の帯に隠されたDVDを夏川純が見付けて、有野&夏川チームの勝利。耳かき権利もゲットしたので、2人は気持ちよさそうに耳かきをしてもらいます。その様子を左下の別ウィンドウで表示しながら、DVDのお宝映像が流れるという展開に(映像は「コードギアスR2」の既に放映された分のダイジェスト)。耳かきとコードギアス……。すごく…シュールです。



さらにその後、未公開映像(今後放送されるの9・10話の映像)が流れ、最後の罰ゲームでサンドウィッチマンが東京アニメセンターでネタを披露という流れに(全然罰ゲームという感じではないんですが)。



ネタの内容は、いつものサンドウィッチマンのノリ全開で、

(サンド伊達)「サンドウィッチマンのショートコント"ラーメン"」

もはやアニメも秋葉原も関係なくなってきました。



(サンド伊達)「いやー、トミ子お腹空いたね、どうする何食べる?」

(サンド富澤)「私、みきおと一緒でいいよ」

(サンド伊達)「一緒でいいのか、この店はラーメンが旨いんだ」

(サンド富澤)「そうなんだ」

(サンド伊達)「ラーメンでいいな? すいません、ラーメン2つ」

(サンド富澤)「私もそれで」

(サンド伊達)「4つ来ちゃうぜ(ここでキメ顔)」

(伊達&富澤)「ハイ、コードギアス!」



という感じ。全部でネタは3つ披露され、最初の2つは「ハイ、コードギアス!」というかけ声で締めるという形を取ってましたが、最後のネタでは省略されてました。コードギアスのことをよく知らないサンドウィッチマンには精一杯だったと思いますので、「ご苦労様です」としか言いようがありません。



東京アニメセンター内では一般ギャラリーもいましたが、普通にネタとして楽しんでいた様子。アニメ関連施設で披露するネタとしてはどうかと思いますが、M-1チャンピオンの芸はしっかり笑いを取ってました。



●よゐこ有野のブログ炎上を考える

私はコードギアスは全話見ていて結構楽しんでいるのですが、この特番に怒りを覚えるようなことはありませんでした。むしろ芸人さんたちが多少なりとも興味を持ってくれたことが嬉しく思えたほどです。確かにコードギアスのファンから見れば特番の内容はツッコミどころ満載でしたが、アニメ本編と切り離して見れば問題ないように感じました。最初からバラエティのノリでしたしね。



結局、怒っているのは一部の熱狂的なファン(信者さんたち)だけという気がします。その気持ちは分からなくもないですが、過剰に反応しすぎだったのではないかと。ブログ炎上のきっかけとされる「シンナーとかで消したらいいから」のコメントも悪意はゼロだったと思いますし、そもそもよゐこ有野といえばアニメ好きとしても知られてますので、あのコメントは芸人としての仕事をしたまでのことでしょう。



この特番は、関東では2%とさほど変わりませんでしたが、関西では8%という通常の2~3倍の視聴率を叩き出すという結果も残しています。好意的に見れば「コードギアス」という作品を世に広めた番組であったとも言えるでしょう。ファンならむしろ喜んでもいいのではないでしょうか(黒歴史にしたい向きも理解できますが)。



確かにファンにとっては微妙な内容の特番でしたが、「一般にもっとコードギアスを広めたい」という制作サイドの願いがたまたまこういう形になったと、笑って許すのもアリかと。「コードギアス」のメディア戦略は迷走しているようですが、本編は普通に面白いと思いますので、なんとか頑張っていただきたいものであります(色々な意味で)。



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レッド中尉(れっど・ちゅうい)

プロフィール:東京都在住。アニメ・漫画・アイドル等のアキバ系ネタが大好物な特殊ライター。企画編集の仕事もしている。秋葉原・神保町・新宿・池袋あたりに出没してグッズを買い漁るのが趣味。


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