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NVIDIAのクラウドゲーミングサービス「GeForce NOW」の日本版「GeForce NOW Powered by SoftBank」。ゲーム好きな人々にとって待望のサービスと言え、すでに北米やEU圏などではベータサービスが開始されている。日本ではソフトバンクがサービスを提供することが決まっており、12月時点でクローズドベータテストの第2次参加者の募集が開始されている。これに先駆け、報道関係者向けに実際にGeForce NOWが体験できるイベントが開催された。

■いつでもどこでも高機能なゲームを手軽にプレイできるサービス
「GeForce NOW」は、NVIDIAが各国(北米およびEU圏、その他地域)で展開および展開を計画している、いつでもどこでもゲームが楽しめるクラウドゲーミングサービスだ。日本ではソフトバンクが提供することが決まっており、日本でのサービス名称は「GeForce NOW Powered by SoftBank」(以下、GeForce NOW)となる。

GeForce NOWは、クラウド側でゲームの処理をし、ゲームの画面だけが手元に送られてくる仕組みになっているため、これまで高性能なゲーム専用のハードウェア環境が必要だった高機能なゲームが、一般的なスマートフォンやタブレットといった端末、事務用途レベルやビジネス向けノートPCといったCPUパワーやグラフィックス性能が非力なパソコンなどでも、満足にゲームが楽しめるようになる。CPUパワーや3D性能、メモリー容量が足りないため、プレイするのをあきらめていたゲームタイトルが手軽に遊べるようになる夢のようなサービスである。

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■データを引き継いでプレイできる
GeForce NOWには「Bring Your Own Games」という、PCゲームのセーブデータを引き継いで遊べる機能が特徴で、自宅のPCでプレイした続きを、ネット喫茶のPCや普段持ち歩いているノートPC、タブレットPCなどでプレイすることができる。端末を選ばずに遊べるゲームであれば、iPhoneやAndroidスマホからiPadやAndroidタブレット、パソコンと端末をまたいでプレイすることが可能だ。旅行や仕事で長距離移動中に「ゲームの続きがやりたいけど、家に帰らないとプレイできない」なんていうことがなくなるのだ。

■広帯域の複数インフラを持つソフトバンクだからできる
GeForce NOWを日本ではソフトバンクが提供する理由について、ソフトバンクGeForce NOWプロデューサーの金子雄喜氏は、ソフトバンクの「Beyond Carrier」戦略の中のひとつに5G通信を使ったゲームサービスがあった。そこでゲームに強いNVIDIAと協業してソフトバンクがGeForce NOWを展開していくとした。NVIDIA側はゲームとゲーミングサーバのハードウェアが用意でき、ソフトバンクは光回線や4G LTE、5G高速通信といったインフラの提供が可能だ。これらを組み合わせれば容易にGeForce NOWのサービス環境を構築できる。といった具合で、この協業は必然であったと言ってもいいだろう。

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■2020年にはテスターを1万人に増やし最終的に3万人までに拡大
本サービス開始前に、11月30日まで第1次クローズドベータテストの申し込みを受け付け、1000名ほどが12月17日からのベータテストに参加できる。年明け2020年には1万人まで拡大予定となっており、12月2日からは第2次クローズドベータテストの募集も始まっている。最終的に3万人程度までベータテストに参加できるようになるという。

■通信によるラグもなく快適にゲームがプレイできる
GeForce NOWで気になるのがクラウドを通してゲームを遊ぶため、クラウドのサーバーと手元の端末との距離が離れていることで、ラグによる画像の乱れや画質、といったゲームを楽しむ上で重要となる部分がどのくらい影響するのかという点だ。

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これは、実際に体験してみてわかった。まるでPCゲームをそのまま遊んでいるような印象なのだ。サーバ側で処理されていることを知らない人が遊んだらクラウドを通して遊んでいるとは気付かないだろう。それくらい自然な動作だ。

もちろん、起動時のロードに時間がかかるようなプレイとは関係ない部分は、ローカルPCで遊んでいるのと同じレベルになってしまう。ただ、こうした部分もハイエンドなゲーミングPC環境と同等のロード時間になっているとのことだ。

操作は、パソコンのキーボード、ゲームパッドなどを使うことができる。スマホで遊ぶ場合もゲームパッドを接続して操作もでき、画面上に表示させたバーチャルゲームパッドで遊ぶこともできる。

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■GeForce NOWで有名タイトルを実際に体験
今回体験できたのは「フォートナイト」、「DARK SOULS III」、「SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE」、「Dead by Daylight」、「GRIP: Combat Racing」といった有名なタイトルだ。

これらゲームの中には操作にシビアなものもあるのだが、実際にプレイした印象では、入力操作での遅延など、操作に関する問題は微塵も感じられなかった。表示画質に関しては、通信状態に問題なければ高画質で配信されている。なお通信状態が悪くなると画質が落ちる状況はあるとのこと。また、画質を落とさずにリフレッシュレートを落とす対応をするゲームもあるようだ。その辺は、ゲームを提供する側が、どういった処理を選ぶのかで変わってくるのだろう。

実際に混雑した回線でプレイしたわけではないため断言はできないが、もし通信が混雑してしまうケースがあった場合、一時的に画質が落ちることがあっても、ゲーム自体のプレイ継続を優先し、回線が切れてしまうことがないような処理が優先されていると感じた。

5G通信なら、こうしたことは気にしなくていいのかもしれないが筆者の希望としては、FPS/TPSなどで制限時間が設定されているミッション中の回線落ち、大規模MMORPGのラスボスとの対決中などで回線落ちが発生、復帰したらパーティが全滅していた、なんていう笑えない結果は極力発生しないようにしてもらいたい。

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以上、GeForce NOWを紹介した。様々なネット回線で、いつでもどこでも普通のパソコン、スマートフォンでPCゲームが楽しめるGeForce NOW。対応のWi-Fiルーターも販売され周辺環境も整いつつある。特にスマホでローカル側に巨大なゲームデータを落とさないで済むため、ROMの容量が足りないと嘆く必要もないのは非常にありがたい。日本でのサービスが始まると、ゲームの楽しみ方の幅が大きく広がることは間違いないだろう。

※NVIDIA、GeForce NOWは、米国および/または他国のNVIDIA Corporationの商標および/または登録商標です。
※GeForce Now Powered by SoftBankはソフトバンクが提供予定のサービスです。
※他の企業及び製品名は、それらと関連性のある各企業の商標である可能性があります。


上倉賢 @kamikura

GeForce Now Powered by SoftBank
GeForce Now(NVIDIA)

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