エジプトで軍部によるクーデターが発生した。国軍がモルシ大統領を拘束・解任し、新政権の組閣もほぼ終わった。上院も解散され、遠からず、大統領と国会の選挙が行われるようだ。
クーデターの背後には、長年にわたってエジプト軍部への支援を行ってきた米国がいるといわれる。モルシ前大統領はイスラム系組織「ムスリム同胞団」の出身とはいえ、民主的選挙で選ばれたわけで、米国としてもこれを倒すことを公然と支持するのははばかれる。そこで、「クーデター」という言葉を使わないなど、一種涙ぐましいことまで行っている。
さて、それとは別に、2011年の「アラブの春」(ここからの一連の政変で、エジプトではモルシ政権が発足した)は、米国の政策と切り離しては理解できない。どういうことだろうか。
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