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森林効果で仕事もはかどる!長野県・信濃町ノマドワークセンターを訪ねた

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前回は軽井沢町のリゾートテレワークについてご紹介したが、今回は長野県信濃町での取り組みについてご紹介しよう。

■ 360度大自然に囲まれた中で仕事をするということ
長野駅から車で1時間ほど。野尻湖の近くに信濃町ノマドワークセンターは位置する。今ではワークセンターとして活用されているが、もともとは10年近く使われていなかった遊休施設だ。農業の6次産業化で盛り上げるために作られたのだが、経営が立ちゆかなくなり、廃業へ。この施設を再活用するために、信濃町と埼玉県のNPO法人であるNature Serviceが協力して再生させた。


信濃町ノマドワークセンター

Nature Serviceは、信濃町ノマドワークセンターがあるキャンプ場の再生にも取り組んでおり、それは実を結んで人気もでて、訪れる人も数多くなった。その次の取り組みとして、信濃町は森林セラピー基地としては有名な場所だったので、人が自然に入ったときにどのような変化が起きるのか、脳波を使った実証実験プロジェクトをすることに。慶應義塾大学や北里大学の教授の協力を得て、森の中で仕事をしたときの脳波の変化を見ると、わくわく度が上がるなど、「働く場所としても」いい影響が出ていることがわかった(脳波プロジェクト結果詳細)。そしてその続きとして町内にワークスペースを設置し企業誘致のキッカケ作り目指し、今の信濃町ノマドワークセンターができあがった。


元々は食堂だった場所をワーキングスペースに

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ミーティングスペースなど、個別のスペースも用意されている

テレワークについてはさまざまな取り組みがなされているが、360度森に囲まれているのはここの優位点。それに加えて野尻湖や黒姫高原など、周辺の自然環境にも優れている。そこで信濃町ノマドワークセンターを月曜から金曜まで5日間借りてもらい、その中の火曜日と木曜日には自然体験を“強制的に”入れた企業向けのプログラムを提供。ネイチャーガイドやカヤック、森林セラピーなどのアクティビティを入れつつ仕事をするという形だ。

これにはやはり効果が期待でき、自然体験によって体を動かすので自律神経も整うこととなり、睡眠の質も向上。人間の思考もポジティブになり、いいアイディアが生まれるという結果が出た。1週間ここにいることで体がリセットされ、体調もよくなって行く事を狙っている。

信濃町ノマドワークセンターを紹介してくれたのは、Nature Service共同代表理事の赤堀哲也さん。赤堀さんは埼玉県在住なので、言ってみると“よそ者”だ。しかし赤堀さんの目から見ると、ここはとてもうらやましい場所だったそう。「日本だとネイチャーガイドがいる場所はまだまだ少ないのに、信濃町では充実している。たとえ少しの日数でも、ネイチャーガイドの方に案内してもらえば、ここで何十年と生きている経験を得ることができる。自然の場もあるし、案内する人もいるのはいいこと」と赤堀さん。


Nature Service共同代表理事 赤堀哲也さん(右)

赤堀さんのミッションは、5年かけてこの場を成功させること。町議会や役場をはじめとした地元の人にも協力してもらって、信濃町ノマドワークセンターという、公共施設とは思えない魅力ある施設ができあがった。今度はこの魅力を都内や都市部の企業に伝えることが大事だという。「企業側の制度が追いついていないので、平日の5日間ここにいてもらえるように制度を変更してもらうことに取り組んでいく。そうすることで従業員の離職率が下がったとか、素晴らしいアイディアから新規成長事業が生まれたとか、経営に貢献することができれば、自然という体験が、一つの経営のソリューションになる。そのような文化を広げていきたい。信濃町ノマドワークセンターがその拠点となって、来たいけれども予約が取れない、という状況まで持っていく」(赤堀さん)。


■御鹿池で森に癒される
信濃町ノマドワークセンターを訪れたあとは御鹿池へ。ここでは湖の周りにある遊歩道を歩きながら、自然の中に体を置き、森林の癒やしを体験した。案内してくれたのは森林メディカルトレーナーである鹿島岐子さん。所々で立ち止まっては、木そのものの香りを嗅ぎ、嗅覚をリセットしていく。


当日はあいにくの天気で山々を望めなかったのが残念


森林メディカルトレーナーの鹿島岐子さん(左)の案内で森を巡る


すーっとした木の葉の匂いに癒される


川のせせらぎだが、耳に手を当てて聞くとまた違う音がする


うっそうとした森。ここにいるだけでリフレッシュする


はだしになって川を歩いてみる。冷たい水がとても気持ちいい


森林の中で深呼吸してみると、何かいろいろなものが落ちていくような気がする


寝そべって森と一体化する


森に癒やされたあと、鹿島さん手作りのジャムをお茶とともにいただいた。おいしかった

■野尻湖でSUPに乗ってみた
次に訪れたのは野尻湖だ。湖近くのゲストハウスLAMPでは「SUP(スタンドアップパドル・サーフィン)」を体験した。これはサーフボードに立ち上がり、1本のパドルを使って左右に水をかいて進んでいくというもの。難しそうに見えたが、立ち膝状態でバランスを取ることを覚えたら、立ち上がるのは意外とすんなりと行けるもの。体を動かすということはとてもリフレッシュ効果があるので、リゾートテレワークで訪れた際にはぜひとも体験しておきたいところだ。


ゲストハウスLAMP


最初は陸でこぎ方を学ぶ


まずは立ち膝でこいでみる


いよいよ立ってみる。まずは中腰で手をボードに添えて


えい!っと立つのが大事


立てたらもう十分。あとは自由にこいで回ろう


SUPで冷えた体をサウナでリセット


サウナは本格的なフィンランド式だ

2回にわたってご紹介してきた長野県のリゾートテレワークだが、いかがだっただろうか。軽井沢は東京に近いといる立地を生かし、東京で働いているようなことを実現できるのが魅力だった。そして信濃町の場合は、なんと言っても豊かな自然。森林に囲まれながら仕事をするというのは、なんと気持ちのよいことなのだろうか。

しかしこうしたリゾートテレワークも、実施するには会社ごとにさまざまな課題があり、すぐに実行することは難しいのだろう。ただし働き方改革が叫ばれている今、会社に集まって仕事をするのはもう古いことなのかもしれない。新たな働き方であるリゾートテレワークについて、議論を始めてみてはいかがだろうか。

信濃町ノマドワークセンター
信州リゾートテレワーク

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リゾートテレワークをするなら軽井沢で!都心から1時間の快適なロケーション

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ITライフハックでは、今年の2月に「見てきました!“夢のリゾートテレワーク”「ワークラボ八ヶ岳」でテレワーク実地体験」、3月に「リゾートワークの魅力をたっぷり紹介!『信州リゾートテレワークフォーラム IN 東京』」 という記事で、長野県で行われている「リゾートテレワーク」についてご紹介してきた。今回は軽井沢町と信濃町での取り組みについて取材してきたので、2回にわたってご紹介していこう。

■ 新幹線で62分。都心に近い立地の軽井沢町
誰もが知っているリゾート地の軽井沢町。北陸新幹線で約1時間という距離のため、軽井沢町に住んで東京まで通勤している人も多いのだとか。このような地理的優位を生かして、軽井沢町ではリゾートテレワークの啓発・普及に取り組んでいる。

現在では長野県全体で取り組んでいるリゾートテレワークだが、実はその先駆けとなったのが軽井沢町だ。別荘地でもあり、さまざまな人材が集結できるので、ビジネスの人脈も作りやすいのだという。いま、その活動拠点となっているのが、今回ご紹介する「ハナレ軽井沢」だ。

ハナレ軽井沢は、軽井沢駅北口から歩いてすぐの所にある。NTTコミュニケーションズが主体となって作られた貸し切り型ワークスペースだ。最大20名程度が収容でき、テーブル席のほかカウンターがあり、本格的なキッチンスペースも作られている。カウンターには電源コンセントも配置されているほか、壁際には同社が実証実験中のサイネージ型テレワークウィンドウ「NoMado」が設置されており、同社の拠点との常時接続で一体感のあるリモートワークが体験できたり、モバイルなどリモートからも参加できるようになっている。そのほかの設備としては、高速無線LAN、Wi-Fi、USB充電器などが用意されている。運営だが、週の半分はキッチンを利用した「食イベント」に使うほか、平日の2日間をワークスペースとして提供していく方向だ。


カウンターほかテーブル席合わせて約20名が利用可能



本格的な厨房も


これらの運営を取り仕切っているのが、同社のSmart Work Team。このチームはハナレ軽井沢のほか、外出先でワークスペースを探せる「Workspace Engine」(仮称)、先ほども述べたNoMadoの実証実験のほか、テレワークの文化醸成への取り組みと情報集中、ワーケーション・リゾートテレワーク事業を行っている。


NTTコミュニケーションズが実証実験中の「NoMado」


リゾート地で仕事をするというと、ともすると「サボれていいよね」と見られがち。また木曜と金曜が仕事で、土曜日はリゾートを楽しむという形となると、行きは出張費だが帰りの電車賃はどう考えるのか、また休日の労務管理はどうするのかなど、課題もある。このためどのような形であれば納得のいく仕事ができるようになるのかは、同社の人事部を含めて制度面の着地点を見極めている最中だという。


設置されているホワイトボードスクリーン


また、最近では各企業が会社を越えて横断してチームを作り、新しいものを生み出していく「オープンイノベーション」もキーワードとなっているが、軽井沢という非日常感の中で取り組んでいくための場所となることも一つの選択肢だ。そして宿泊や観光、交流といったソフト面については同社だけでなく、周辺のサービスや企業と連携することで、軽井沢に滞在して仕事をするという体験の価値と競争力を高めることも目的となっている。

■ 軽井沢でリゾートテレワークをするということ
軽井沢という立地を生かしたリゾートテレワークはどのようなものなのだろうか。いまは場所を確保して設備を整えている段階で、ソフト面の充実はこれからの課題だという。ハナレ軽井沢では食イベントとワークイベントを半々で実施していく予定だが、料理を作りながらワークショップに取り組んだり、チームわけして献立に取り組んでみるといったことも可能性として考えられる。用意されている厨房は本格的なもので、ほかにも菓子厨房もあるので、こちらを活用して8月からはスイーツを販売する予定となっている。

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なぜ軽井沢の地でリゾートテレワークを推進することになったのかというと、2018年7月に軽井沢リゾートテレワーク協会が発足したことを受けて、地方の観光地でテレワークが推進されているという報道がなされた。NTTコミュニケーションズは働き方改革やスマートワーク領域での新規事業を考えており、「何か新しいことができそうだ」ということでアプローチ。そこから企画が広がっていったのだそうだ。

軽井沢では、本格的に仕事ができるスペースがあまりない。年間870万も観光客は訪れるが、ワークスペースはわずか。そこで駅前にワークスペースを作り、ワーケーションやテレワークをしたいという企業向けのスペースとすることとした。

2020年にオリンピック・パラリンピックが行われるが、開催期間は交通機関が大きく溢れることが予想される。これをきっかけに、働き方を考えている企業が増加しており、働く場所や働く時間の境界線が曖昧になり、働き方が多様化することは間違いない。まだ一部企業にとどまっているが、これを広げていくのが同社の使命でもある。

■ 人口2万人の軽井沢が滞在型のリゾートテレワークを目指す理由
軽井沢町は人口2万人程度だが、別荘が1万7000件近くあり、観光客は870万人。その多くは日帰りとなっており、宿泊する人は少ない。そのため長期滞在型のリゾート地にしたいというのが、軽井沢観光協会の命題だった。そのため国際学会などを誘致することに力を入れており、G20のエネルギー・環境大臣会議を軽井沢で開催するなど、国際的なコンベンションが増えてきた。そして新たな課題として、そうしたものに付随するビジネスマンを誘致することも目的の一つとなった。

そこで2018年7月に、先ほども述べた軽井沢リゾートテレワーク協会が発足。その目的は、軽井沢にビジネスマンを誘致すること。そしてほかの別荘地にない圧倒的な人的ネットワークが軽井沢にあり、別荘客、地元の人、移住者、半移住者、観光客が街のバーやレストランで交わり、さまざまな取り組みの上でイノベーションにつながっていく。そして多種多様なビジネスが生まれていくのが軽井沢のよいところだ。

また、東京から新幹線で1時間なので、東京とのタイムラグがないのも利点。そして軽井沢を訪れているキーパーソンも多いため、「打ち合わせは次回軽井沢で」となることも多いのだそうだ。東京では分刻みで仕事をしているが、軽井沢では時間があるので打ち合わせが可能、ということも。


豊かな自然環境


長野県の中でもリゾートテレワークに付いての取り組みが抜きん出ている軽井沢だが、それはなぜなのだろうか。理由として考えられるのは、歴史的にテレワークが関係あること。もともと別荘に住んでいる人は、ある意味テレワークをしていたとも言えるし、小説家などが軽井沢に滞在して書くのもそうだといえる。別荘でバーベキューやっているとしても国際電話をしていたり、パソコンで何かをやっているのは日常茶飯事なのだとか。シームレス時代の新しい働き方が軽井沢にはあるわけだ。

「拠点型の仕事は昭和の時代に終わった。会社でないと仕事ができないのは昭和。平成になってそれが緩んできて、令和の時代には非拠点型のワークスタイルが主流になる」と語るのは、軽井沢リゾートテレワーク協会・副会長の鈴木幹一さん。「満員電車で通勤するのはいやだとみんな思っている。なので積極的にテレワークをしていく企業は増えていく。軽井沢は東京からの距離も近い上、自然環境が豊か。そして人的ネットワークが得られてビジネスには非常によい環境が整っている」とも。


軽井沢リゾートテレワーク協会の鈴木幹一さん(右)とNTTコミュニケーションズの山本清人さん(左)


テレワークの議論でよくあるのは、管理職が部下を管理しにくい、という意見。「しかしそれは古い。目の前に部下がいないと管理できない上司は管理職としてふさわしくないのでは。大企業はフリーアドレスにして、社員の6割しか座席がないというケースもある。テレビ会議はできるし、今後主流になるのはテレワーク」と語る鈴木さん。「豊かなライフスタイルを実現するために仕事をするのが大事。その中で必然的にテレワークはフォーカスされる」(鈴木さん)。

現在はテレワークをする人が軽井沢に集まっているほか、テレワーク主体で仕事をしている会社が、たまにはフェイス・トゥ・フェイスで議論したい、と合宿したいというケースもあるのだとか。「ありとあらゆるところでワーカーが軽井沢に集まっている。これからはリゾートテレワークができる施設も増えてくるだろう。今はスキーでもパソコンを持っていく時代。ちょっとした空き時間に仕事ができるショートタイムテレワークができる施設がいっぱいできればよい。時代はどんどん進化していきます」(鈴木さん)。

軽井沢町が目指すテレワーク構想。今後の展開に期待したいところだ。

■ご利用方法・お問い合わせ
NTTコミュニケーションズ株式会社
ハナレ軽井沢事務局
smartwork-cp@ntt.com


ハナレ軽井沢
信州リゾートテレワーク

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リゾートワークの魅力をたっぷり紹介!「信州リゾートテレワークフォーラム IN 東京」

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見てきました!“夢のリゾートテレワーク”『ワークラボ八ヶ岳で実地体験』」という記事でリゾート地において自然に囲まれながら仕事をすることの魅力をお伝えした。確かに魅力的な働き方だが、こうした働き方を実際に取り入れる企業が増えていかないと働き方改革をいくら声高に叫んだところで現実に変化が訪れることはない。また、リゾート地側の行政によってテレワークが可能な環境を構築してくれないと夢のリゾートワークは、夢のままで終わってしまうだろう。

■夢を現実に変えつつある長野県
この夢を現実に変えるために積極的に動いているのが長野県だ。同県にあるリゾート資源を使った「信州リゾートテレワーク」を積極的に推進中で、すでにテレワーク環境は整いつつあることは、先日の記事でお伝えした通りだ。

あとはリゾートテレワークのメリットや実際の事例に加えて、信州の魅力を都会に住むビジネスパーソンたちに広く伝えることが必要だ。ということで長野県が中心になってリゾートワークの魅力を伝える「信州リゾートテレワークフォーラム IN 東京」が2019年3月1日に開催された。今回はその模様についてお届けしよう。

■新幹線で1時間20分。意外と近い長野県
まずはあいさつとして、長野県知事の阿部守一氏が登壇した。阿部知事は、かつては峠越えをしないと行けなかった長野県が、今では新幹線も高速道路も開通しており、首都圏との距離がグッと縮まったことを紹介しながら、「働くことだけに焦点を当てるのではなく、リゾート地で心豊かな生活を送りながら、人生を充実させて働くという観点のライフスタイルを追求したい」と強調。「職場を離れていくらでも仕事ができる時代。長野県という空間を一緒に作り上げてほしい」と語る。


阿部守一長野県知事

当日は東京事務所からテレビ会議で仕事をしたそうだが、自然の中でリフレッシュすることで作業効率がアップするほか、集中力も高まるという実証もあることを紹介。「森林セラピーロードが一番多いのが長野県。こうしたフィールドを使ってSDGsにかなった取り組みをしてほしい」と述べた。

■テレワークから始まる新しいライフスタイル
続いて基調講演として、グーグル・クラウド・ジャパン 日本代表の阿部伸一氏と、NTTコミュニケーションズ(以下、NTTCom)の湊大空氏が登壇した。


グーグル・クラウド・ジャパン 日本代表 阿部伸一氏

阿部氏は茅野市が茅野駅前に設置しているコワーキングスペース「ワークラボ八ヶ岳」のオープニングに立ち会ったそうだ。「リゾートを満喫したいが外せない仕事があるなど、どちらかを選ばなければならない選択に迫られたとき、第三の働き方としてリゾートテレワークがある。リゾートで働けるというのは新しいこと」と阿部氏。リゾートテレワークについては、「アイディアを持つのは簡単だが、実現したのはすごい。先進的で前向きにやっているひとつの証拠」とも語る。

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とある高校の教頭先生と阿部氏が出会ったエピソードを紹介しよう。その高校はスーパーサイエンススクールに認定されており、夏休みなどに海外研修に行くのだという。行き先はGoogleのメインキャンパスがあるシリコンバレー。それなら現地の高校生と交流してはどうかという話になったが、向こうを尋ねている時間はそれほどない。このままではただのあいさつだけに終わってしまう。そこでワークラボ八ヶ岳を使い、テレビ電話で事前交流をすることになったという。

その事前交流ではチームでアメリカの高校生とやり取りをしたそうだが、Google翻訳を使ったり、資料を操作する人、話す人、翻訳係と役割を決めたりしてコミュニケーションをしていたとのこと。これまでにない新しい学び方が実践できたわけだ。このような機会を生み出したのも、設備が充実し、人と情報の拠点となっているワークラボ八ヶ岳があったからこその出来事と言えよう。また、阿部氏が教頭先生に出会ったことをきっかけにこれだけの広がりを生み出せたのは、ワークラボ八ヶ岳のテレワーク環境があってこそだといえる。


事前交流の様子

■Googleでのコミュニケーションの取り方
続いて、Googleの働き方について話す阿部氏。同社ではクラウドツールを使っていつでもどこでもつながれる働き方をしているとのこと。そのためメールよりもチャットでの会話が多くなり、それでもわからなければビデオ会議で話をするのだそうだ。

しかしそこでは、情報を手元に置かず、仲間と共有することが重要となる。実際、成績がよいチームと普通のチーム、頑張ってほしいチームを比べた場合、チームワーク以前の問題として、お互いを信用しているだけでなく、透明性を持って情報を共有しているかが重要であることがわかったそうだ。新しい働き方には、それに見合った体制作りが何よりも重要というわけだ。

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■NTTComが採用しているワークスタイル改革への取り組み
湊氏はNTTComが採用しているワークスタイル改革への取り組みを紹介しつつ、働き方改革が叫ばれているのは、今までの働き方では持続可能ではないからだと説く。「持続可能な働き方とは、世代を越えて永続的に続けていけること。人口において65歳以上が占める割合が2050年には38%となる世界1位の高齢化率となる日本では、高齢者1人を1.8人で支えることになる。終身雇用は崩壊し、年金受給年齢は引き上げられる。これを解消するのが働き方改革だ」と・・・。


NTTコミュニケーションズ 湊大空氏



NTTComのワークスタイル改革の取り組み

■老若男女問わず長期間働ける社会を作る
また働き方改革とは、幅広い世代が長きにわたって働ける社会を作ることだと湊氏は語る。「定年前提の我慢する働き方をやめて、豊かな人生を送りながら、細く長く働くことが重要」(湊氏)。そのためにも、仕事=出社という文化を捨てる必要がある。なぜオフィスに集まって仕事をしているかというと、集まることで価値を生む、コミュニケーションの場所であるから。しかし今後を見据えた創造性を発揮するためには、コミュニケーションだけでなく、集中できる場所で静かに仕事ができる環境も重要となる。そこで登場するのがリゾートテレワークだ。「長野というよい環境で集中して仕事をし、上質なアウトプットを出して世界にむけて創造的な成果を出すことが重要」と湊氏は語った。

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■モデル地域3地域からのプレゼンテーション
続いて、茅野市、軽井沢町、白馬村による、テレワークのモデル地域プレゼンテーションが行われた。

■駅チカのコワーキングスペースを持つ茅野市
まず茅野市は、都心から特急で2時間という立地のよさをアピールする。ワークラボ八ヶ岳があるのも茅野市だ。市街地の標高は770メートルであるのに対して、八ヶ岳の赤岳山頂は2899メートルと、その標高差は2000メートル。とても自然環境に恵まれた地域だ。冬には氷点下15度にもなるが、それだけ四季折々のさまざまな風景を楽しむことができる。


茅野市のロケーション解説


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ワークラボ八ヶ岳は、その名前の通り、コンセプトは「働く実験室」。学生、地域住民、別荘利用者、企業など市内外のさまざまな人が、豊かなワークライフの実現を目指し、さまざまな取り組みを試すことができる場所を目指している。先日は、前回の記事で紹介したリゾートテレワーク体験イベントも行われた。これらについては、集中力やモチベーションが向上したり、チームビルディングやプロジェクトチーム会議に有効で、社員間のコミュニケーションも強化されたという効果があったそうだ。

茅野_施設概要

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■東京から62分。最も過ごしやすい気圧の軽井沢町
軽井沢町は明治大正の古くから知られた避暑地や別荘地で有名な場所。北陸新幹線で東京から62分で到着するほど近く、東京までの通勤定期を持っている人が500名、定期は持っていなくても、週に1度は東京に行く人が2000名を数えるのだそうだ。別荘団体だけでなく大学のOB会組織もあり、活発にコミュニケーションが取られているのだとか。そして標高1000メートルの軽井沢は、人間にとっても最も過ごしやすい気圧であるともアピール。


リゾートテレワーク先として軽井沢の魅力を伝える様子

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国際親善文化観光都市の軽井沢では、もともと国際親善や国際交流が行われており、歴史的にもテレワークにふさわしい場所。しかし人員の季節変動が大きく、夏は混雑していて冬は人がガラガラという現状があるそうだ。これについては冬のスキーやカーリングなどを絡めて平準化を図りたいとしている。

また軽井沢リゾートテレワーク協会では、ワーカーを誘致するための活動も展開。親子ワーケーションイベントやワークスタイルセミナーなどを開催し、アピールしていく予定だそうだ。

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■外国人と接点の多い白馬
白馬村は人口8947人とこぢんまりとした地域。アクセスするのにも、東京から北陸新幹線と、バスまたはレンタカーで2時間半~3時間かかる。近年では外国人住民が増えているそうで、冬季に限っては住民の10%以上が外国人だそうだ。観光客全体の人数は昔に比べて減っているが、外国人観光客は増加。主にオーストラリアなどのオセアニア地域からの訪問者が多くなっている。

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こうした観光客が目指すのは、登山やトレッキング、スキー、スノーボード、ラフティングといったアクティビティをすること。雄大な自然がある白馬村は、とてもリッチなリゾート地であると言える。

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これらの自然を生かし、白馬村では「+1日で快適な仕事を」をアピール。リゾート地に遊びに来たあと、1日だけテレワークをして月曜日に帰れば、渋滞にも巻き込まれず、楽に帰宅することも可能だ。距離があるからこそのスケジューリングがリゾートワークの魅力をより強くするというわけだ。都心へすぐには帰れないという距離感を、どれだけ強みにできるかという点もポイントだ。

その拠点となるのが白馬ノルウェービレッジ。コワーキングスペースやシェアオフィスだけでなく、ミーティングルームも完備。ヤフーはここにサテライトオフィスを構えているそうだ。利用者からも満足している声も上がってきているという。プラス1日でリゾートテレワークをして余暇も仕事も楽しむのはいいのかもしれない。

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以上のように、リゾートワークに対し、本気で環境を構築してきている長野県の現状をお伝えした。こうした長野県の取り組みが周囲に知れ渡ることで、今後はリゾートテレワークについて採用する企業が多くなっていくことだろう。こうした取り組みは、早い時期に取り組んだ団体がトップを取ることが多い。長野県のこれからの展開に期待したい。また、ほかにもどういった地方がテレワーク候補地として参入してくるのかにも注目したい。


フォーラム最後には交流会も開催


郷土料理家 横山タカ子先生の「信州感動健康料理」プレゼンテーションの後には試食も


信州リゾートテレワーク

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るるぶ信州'19 (るるぶ情報版)
ジェイティビィパブリッシング
2018-03-30


富士ゼロックスと東京メトロ、駅構内に個人専用のオフィス空間を提供する実証実験を開始

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富士ゼロックスと東京地下鉄(以下、東京メトロ)は、テレワークを活用するビジネスパーソンが、移動中の駅構内で、スキマ時間を有効に活用できる個人専用のオフィス空間を提供する実証実験を2018年6月より、東京都内で法人・個人のお客様向けに開始する。

近年、多くの企業が「働き方改革」を推進する中、働く人々の生産性を向上させ、効率的なワークスタイルを実現するために、モバイルPCやタブレット、スマートフォンを活用した直行直帰型の働き方や、自社オフィスへ出勤しないスタイルが増加している。

一方で、さまざまなモバイル・ツールを提供されていても活用できる場所がカフェやファストフード店などに限られるのが実態であり、それらの店内では、席が確保できない、電話ができない、充電ができない、情報漏えいの懸念があるなどの課題があり、ビジネスパーソンにとってテレワークのできる「場所や環境」は十分に整備されているとは言えない。

このような社会課題を受け、両社は「場所の制約から働く人を解放し、世界で最も働きやすい都市『東京』」を実現するため、ビジネスパーソンの働き方変革を加速するサービスを検討しているとのこと。

本実証実験では、駅構内というビジネスパーソンの動線上に、個人で利用できるオフィス空間(以下、ワークブース)を提供する。個人専用のスペースで、仕事に集中できることはもちろん、情報漏えいの心配をせずに、電話や資料作成が行える。

また15分という短い単位での利用も可能なため、営業活動等のアポイントの合間のスキマ時間を有効に活用することができる。まずは南北線溜池山王駅・千代田線北千住駅に設置、今後増設の予定だ。

利用者は、スマートフォンやパソコンなどを通してワークブースの場所・設備・予約状況を確認して予約。利用時は予約したワークブースの鍵をスマートフォンで解錠してブースを利用できる。

ブース内には、机、椅子、充電設備、大型ディスプレーのほか、セキュリティが確保されたWi-Fiを使える環境を完備している。

東京メトロ

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日本大学大学院理工学研究科後期博士課程修了。理学博士。日本物理学会会員。IT系記事を中心に著書多数。原稿の依頼歓迎。

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ソフトバンクにてPCComputing、PCJapanの編集を経験した後フリーランス・ライターを経て現在に至る。PCハードウェア、Windows使いこなし、イメージングデバイスを語らせたらいつまでも話が止まらないPCヲタ。年甲斐もなくゆるキャン△でアウトドアに目覚めボーイスカウト以来のアウトドア再デビュー。IBMにてThinkPadのリペア技術員の経験アリ

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PCComputing、PCJapanの編集からZDNet(現:ITmedia)へ、ITmedia Games、PCUPdate(現:PC USER)の編集長からオンラインゲーム会社のIR担当や採用広告の制作、フリーライターを経て現在に至る。最近のトレンドはソロキャンプ。ブッシュクラフトとまではいかないが月1~2はどっかにキャンプに行っている。あと鉄分(乗り鉄)かなり多め。

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