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森林効果で仕事もはかどる!長野県・信濃町ノマドワークセンターを訪ねた

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前回は軽井沢町のリゾートテレワークについてご紹介したが、今回は長野県信濃町での取り組みについてご紹介しよう。

■ 360度大自然に囲まれた中で仕事をするということ
長野駅から車で1時間ほど。野尻湖の近くに信濃町ノマドワークセンターは位置する。今ではワークセンターとして活用されているが、もともとは10年近く使われていなかった遊休施設だ。農業の6次産業化で盛り上げるために作られたのだが、経営が立ちゆかなくなり、廃業へ。この施設を再活用するために、信濃町と埼玉県のNPO法人であるNature Serviceが協力して再生させた。


信濃町ノマドワークセンター

Nature Serviceは、信濃町ノマドワークセンターがあるキャンプ場の再生にも取り組んでおり、それは実を結んで人気もでて、訪れる人も数多くなった。その次の取り組みとして、信濃町は森林セラピー基地としては有名な場所だったので、人が自然に入ったときにどのような変化が起きるのか、脳波を使った実証実験プロジェクトをすることに。慶應義塾大学や北里大学の教授の協力を得て、森の中で仕事をしたときの脳波の変化を見ると、わくわく度が上がるなど、「働く場所としても」いい影響が出ていることがわかった(脳波プロジェクト結果詳細)。そしてその続きとして町内にワークスペースを設置し企業誘致のキッカケ作り目指し、今の信濃町ノマドワークセンターができあがった。


元々は食堂だった場所をワーキングスペースに

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ミーティングスペースなど、個別のスペースも用意されている

テレワークについてはさまざまな取り組みがなされているが、360度森に囲まれているのはここの優位点。それに加えて野尻湖や黒姫高原など、周辺の自然環境にも優れている。そこで信濃町ノマドワークセンターを月曜から金曜まで5日間借りてもらい、その中の火曜日と木曜日には自然体験を“強制的に”入れた企業向けのプログラムを提供。ネイチャーガイドやカヤック、森林セラピーなどのアクティビティを入れつつ仕事をするという形だ。

これにはやはり効果が期待でき、自然体験によって体を動かすので自律神経も整うこととなり、睡眠の質も向上。人間の思考もポジティブになり、いいアイディアが生まれるという結果が出た。1週間ここにいることで体がリセットされ、体調もよくなって行く事を狙っている。

信濃町ノマドワークセンターを紹介してくれたのは、Nature Service共同代表理事の赤堀哲也さん。赤堀さんは埼玉県在住なので、言ってみると“よそ者”だ。しかし赤堀さんの目から見ると、ここはとてもうらやましい場所だったそう。「日本だとネイチャーガイドがいる場所はまだまだ少ないのに、信濃町では充実している。たとえ少しの日数でも、ネイチャーガイドの方に案内してもらえば、ここで何十年と生きている経験を得ることができる。自然の場もあるし、案内する人もいるのはいいこと」と赤堀さん。


Nature Service共同代表理事 赤堀哲也さん(右)

赤堀さんのミッションは、5年かけてこの場を成功させること。町議会や役場をはじめとした地元の人にも協力してもらって、信濃町ノマドワークセンターという、公共施設とは思えない魅力ある施設ができあがった。今度はこの魅力を都内や都市部の企業に伝えることが大事だという。「企業側の制度が追いついていないので、平日の5日間ここにいてもらえるように制度を変更してもらうことに取り組んでいく。そうすることで従業員の離職率が下がったとか、素晴らしいアイディアから新規成長事業が生まれたとか、経営に貢献することができれば、自然という体験が、一つの経営のソリューションになる。そのような文化を広げていきたい。信濃町ノマドワークセンターがその拠点となって、来たいけれども予約が取れない、という状況まで持っていく」(赤堀さん)。


■御鹿池で森に癒される
信濃町ノマドワークセンターを訪れたあとは御鹿池へ。ここでは湖の周りにある遊歩道を歩きながら、自然の中に体を置き、森林の癒やしを体験した。案内してくれたのは森林メディカルトレーナーである鹿島岐子さん。所々で立ち止まっては、木そのものの香りを嗅ぎ、嗅覚をリセットしていく。


当日はあいにくの天気で山々を望めなかったのが残念


森林メディカルトレーナーの鹿島岐子さん(左)の案内で森を巡る


すーっとした木の葉の匂いに癒される


川のせせらぎだが、耳に手を当てて聞くとまた違う音がする


うっそうとした森。ここにいるだけでリフレッシュする


はだしになって川を歩いてみる。冷たい水がとても気持ちいい


森林の中で深呼吸してみると、何かいろいろなものが落ちていくような気がする


寝そべって森と一体化する


森に癒やされたあと、鹿島さん手作りのジャムをお茶とともにいただいた。おいしかった

■野尻湖でSUPに乗ってみた
次に訪れたのは野尻湖だ。湖近くのゲストハウスLAMPでは「SUP(スタンドアップパドル・サーフィン)」を体験した。これはサーフボードに立ち上がり、1本のパドルを使って左右に水をかいて進んでいくというもの。難しそうに見えたが、立ち膝状態でバランスを取ることを覚えたら、立ち上がるのは意外とすんなりと行けるもの。体を動かすということはとてもリフレッシュ効果があるので、リゾートテレワークで訪れた際にはぜひとも体験しておきたいところだ。


ゲストハウスLAMP


最初は陸でこぎ方を学ぶ


まずは立ち膝でこいでみる


いよいよ立ってみる。まずは中腰で手をボードに添えて


えい!っと立つのが大事


立てたらもう十分。あとは自由にこいで回ろう


SUPで冷えた体をサウナでリセット


サウナは本格的なフィンランド式だ

2回にわたってご紹介してきた長野県のリゾートテレワークだが、いかがだっただろうか。軽井沢は東京に近いといる立地を生かし、東京で働いているようなことを実現できるのが魅力だった。そして信濃町の場合は、なんと言っても豊かな自然。森林に囲まれながら仕事をするというのは、なんと気持ちのよいことなのだろうか。

しかしこうしたリゾートテレワークも、実施するには会社ごとにさまざまな課題があり、すぐに実行することは難しいのだろう。ただし働き方改革が叫ばれている今、会社に集まって仕事をするのはもう古いことなのかもしれない。新たな働き方であるリゾートテレワークについて、議論を始めてみてはいかがだろうか。

信濃町ノマドワークセンター
信州リゾートテレワーク

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リゾートテレワークをするなら軽井沢で!都心から1時間の快適なロケーション

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ITライフハックでは、今年の2月に「見てきました!“夢のリゾートテレワーク”「ワークラボ八ヶ岳」でテレワーク実地体験」、3月に「リゾートワークの魅力をたっぷり紹介!『信州リゾートテレワークフォーラム IN 東京』」 という記事で、長野県で行われている「リゾートテレワーク」についてご紹介してきた。今回は軽井沢町と信濃町での取り組みについて取材してきたので、2回にわたってご紹介していこう。

■ 新幹線で62分。都心に近い立地の軽井沢町
誰もが知っているリゾート地の軽井沢町。北陸新幹線で約1時間という距離のため、軽井沢町に住んで東京まで通勤している人も多いのだとか。このような地理的優位を生かして、軽井沢町ではリゾートテレワークの啓発・普及に取り組んでいる。

現在では長野県全体で取り組んでいるリゾートテレワークだが、実はその先駆けとなったのが軽井沢町だ。別荘地でもあり、さまざまな人材が集結できるので、ビジネスの人脈も作りやすいのだという。いま、その活動拠点となっているのが、今回ご紹介する「ハナレ軽井沢」だ。

ハナレ軽井沢は、軽井沢駅北口から歩いてすぐの所にある。NTTコミュニケーションズが主体となって作られた貸し切り型ワークスペースだ。最大20名程度が収容でき、テーブル席のほかカウンターがあり、本格的なキッチンスペースも作られている。カウンターには電源コンセントも配置されているほか、壁際には同社が実証実験中のサイネージ型テレワークウィンドウ「NoMado」が設置されており、同社の拠点との常時接続で一体感のあるリモートワークが体験できたり、モバイルなどリモートからも参加できるようになっている。そのほかの設備としては、高速無線LAN、Wi-Fi、USB充電器などが用意されている。運営だが、週の半分はキッチンを利用した「食イベント」に使うほか、平日の2日間をワークスペースとして提供していく方向だ。


カウンターほかテーブル席合わせて約20名が利用可能



本格的な厨房も


これらの運営を取り仕切っているのが、同社のSmart Work Team。このチームはハナレ軽井沢のほか、外出先でワークスペースを探せる「Workspace Engine」(仮称)、先ほども述べたNoMadoの実証実験のほか、テレワークの文化醸成への取り組みと情報集中、ワーケーション・リゾートテレワーク事業を行っている。


NTTコミュニケーションズが実証実験中の「NoMado」


リゾート地で仕事をするというと、ともすると「サボれていいよね」と見られがち。また木曜と金曜が仕事で、土曜日はリゾートを楽しむという形となると、行きは出張費だが帰りの電車賃はどう考えるのか、また休日の労務管理はどうするのかなど、課題もある。このためどのような形であれば納得のいく仕事ができるようになるのかは、同社の人事部を含めて制度面の着地点を見極めている最中だという。


設置されているホワイトボードスクリーン


また、最近では各企業が会社を越えて横断してチームを作り、新しいものを生み出していく「オープンイノベーション」もキーワードとなっているが、軽井沢という非日常感の中で取り組んでいくための場所となることも一つの選択肢だ。そして宿泊や観光、交流といったソフト面については同社だけでなく、周辺のサービスや企業と連携することで、軽井沢に滞在して仕事をするという体験の価値と競争力を高めることも目的となっている。

■ 軽井沢でリゾートテレワークをするということ
軽井沢という立地を生かしたリゾートテレワークはどのようなものなのだろうか。いまは場所を確保して設備を整えている段階で、ソフト面の充実はこれからの課題だという。ハナレ軽井沢では食イベントとワークイベントを半々で実施していく予定だが、料理を作りながらワークショップに取り組んだり、チームわけして献立に取り組んでみるといったことも可能性として考えられる。用意されている厨房は本格的なもので、ほかにも菓子厨房もあるので、こちらを活用して8月からはスイーツを販売する予定となっている。

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なぜ軽井沢の地でリゾートテレワークを推進することになったのかというと、2018年7月に軽井沢リゾートテレワーク協会が発足したことを受けて、地方の観光地でテレワークが推進されているという報道がなされた。NTTコミュニケーションズは働き方改革やスマートワーク領域での新規事業を考えており、「何か新しいことができそうだ」ということでアプローチ。そこから企画が広がっていったのだそうだ。

軽井沢では、本格的に仕事ができるスペースがあまりない。年間870万も観光客は訪れるが、ワークスペースはわずか。そこで駅前にワークスペースを作り、ワーケーションやテレワークをしたいという企業向けのスペースとすることとした。

2020年にオリンピック・パラリンピックが行われるが、開催期間は交通機関が大きく溢れることが予想される。これをきっかけに、働き方を考えている企業が増加しており、働く場所や働く時間の境界線が曖昧になり、働き方が多様化することは間違いない。まだ一部企業にとどまっているが、これを広げていくのが同社の使命でもある。

■ 人口2万人の軽井沢が滞在型のリゾートテレワークを目指す理由
軽井沢町は人口2万人程度だが、別荘が1万7000件近くあり、観光客は870万人。その多くは日帰りとなっており、宿泊する人は少ない。そのため長期滞在型のリゾート地にしたいというのが、軽井沢観光協会の命題だった。そのため国際学会などを誘致することに力を入れており、G20のエネルギー・環境大臣会議を軽井沢で開催するなど、国際的なコンベンションが増えてきた。そして新たな課題として、そうしたものに付随するビジネスマンを誘致することも目的の一つとなった。

そこで2018年7月に、先ほども述べた軽井沢リゾートテレワーク協会が発足。その目的は、軽井沢にビジネスマンを誘致すること。そしてほかの別荘地にない圧倒的な人的ネットワークが軽井沢にあり、別荘客、地元の人、移住者、半移住者、観光客が街のバーやレストランで交わり、さまざまな取り組みの上でイノベーションにつながっていく。そして多種多様なビジネスが生まれていくのが軽井沢のよいところだ。

また、東京から新幹線で1時間なので、東京とのタイムラグがないのも利点。そして軽井沢を訪れているキーパーソンも多いため、「打ち合わせは次回軽井沢で」となることも多いのだそうだ。東京では分刻みで仕事をしているが、軽井沢では時間があるので打ち合わせが可能、ということも。


豊かな自然環境


長野県の中でもリゾートテレワークに付いての取り組みが抜きん出ている軽井沢だが、それはなぜなのだろうか。理由として考えられるのは、歴史的にテレワークが関係あること。もともと別荘に住んでいる人は、ある意味テレワークをしていたとも言えるし、小説家などが軽井沢に滞在して書くのもそうだといえる。別荘でバーベキューやっているとしても国際電話をしていたり、パソコンで何かをやっているのは日常茶飯事なのだとか。シームレス時代の新しい働き方が軽井沢にはあるわけだ。

「拠点型の仕事は昭和の時代に終わった。会社でないと仕事ができないのは昭和。平成になってそれが緩んできて、令和の時代には非拠点型のワークスタイルが主流になる」と語るのは、軽井沢リゾートテレワーク協会・副会長の鈴木幹一さん。「満員電車で通勤するのはいやだとみんな思っている。なので積極的にテレワークをしていく企業は増えていく。軽井沢は東京からの距離も近い上、自然環境が豊か。そして人的ネットワークが得られてビジネスには非常によい環境が整っている」とも。


軽井沢リゾートテレワーク協会の鈴木幹一さん(右)とNTTコミュニケーションズの山本清人さん(左)


テレワークの議論でよくあるのは、管理職が部下を管理しにくい、という意見。「しかしそれは古い。目の前に部下がいないと管理できない上司は管理職としてふさわしくないのでは。大企業はフリーアドレスにして、社員の6割しか座席がないというケースもある。テレビ会議はできるし、今後主流になるのはテレワーク」と語る鈴木さん。「豊かなライフスタイルを実現するために仕事をするのが大事。その中で必然的にテレワークはフォーカスされる」(鈴木さん)。

現在はテレワークをする人が軽井沢に集まっているほか、テレワーク主体で仕事をしている会社が、たまにはフェイス・トゥ・フェイスで議論したい、と合宿したいというケースもあるのだとか。「ありとあらゆるところでワーカーが軽井沢に集まっている。これからはリゾートテレワークができる施設も増えてくるだろう。今はスキーでもパソコンを持っていく時代。ちょっとした空き時間に仕事ができるショートタイムテレワークができる施設がいっぱいできればよい。時代はどんどん進化していきます」(鈴木さん)。

軽井沢町が目指すテレワーク構想。今後の展開に期待したいところだ。

■ご利用方法・お問い合わせ
NTTコミュニケーションズ株式会社
ハナレ軽井沢事務局
smartwork-cp@ntt.com


ハナレ軽井沢
信州リゾートテレワーク

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見てきました!“夢のリゾートテレワーク”「ワークラボ八ヶ岳」でテレワーク実地体験

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ワーカーホリックな時代は終わりをつげ“働き方改革”が叫ばれている昨今、オフィスに通勤して仕事をするのではなく、従業員の自宅や自宅近くのレンタルオフィスやコワーキングスペースなどで仕事をする「テレワーク」を模索している企業も増えてきた。

働き方の多様性のひとつの形としてテレワークの実施要求が高まる中、長野県では「信州リゾートテレワーク」を本気で提案している最中とのこと。リゾート地として知られる八ヶ岳の麓でテレワーク体験会を実施するというので、その様子を取材してきた。

■リゾート地の八ヶ岳にあるテレワーク施設で仕事体験
長野県のJR茅野駅に直結したビルの中にある「ワークラボ八ヶ岳」は、ビジネスの拠点や勉強・作業に集中する自分だけの空間として、誰もが気軽に利用できるコワーキングスペースだ。今回は「テレワーク体験」として、東京・府中に本社があるシグナイトの方たちがワークラボ八ヶ岳を訪れていた。その様子について取材してきたので、その模様をお届けしよう。


ワークラボ八ヶ岳

■テレワークにも対応可能なシステム開発企業
シグナイトはGoogle Maps API等を利用した地図ソリューションやWebデータベースを活用したシステム開発をしている会社だ。今回のテレワーク体験に参加したのは5名。普段からテレワークを行っているそうで、今回、府中と茅野に別れての仕事でも、スムーズに進んでいるようだった。テレワークを可能にするには、業務の内容も関わってくる。たまに打ち合わせができればよい程度なら、ビデオ会議(テレビカンファレンス、通称:テレカン)で事足りるからだ。こうした映像通話に人々が慣れていけば、わざわざ相手に会いに行く必要もなくなる。全社的なテレワーク実現には、各部署の仕事の内容を精査し、テレワークに適した形態へと整理する必要がありそうだと感じた。


会議室スペースでテレビカンファレンス(テレカン)

■立地条件に加えネットワーク環境の充実がテレワーク実現の要
同社の平間理和さんは、普段は営業として仕事をしているそうだが、「ワークラボは駅直結だし、きれいだし、Wi-Fiの環境も整っています。当社ではテレビカンファレンス(以下、テレカン)をよくするのですが、すぐにできる環境があるのはいいですね」と語る。「お客様と弊社、自宅に勤務する者をつなげてテレカンをすることがあります。その延長線上なので特に問題はありませんでした」(平間さん)。今回、クライアントとのテレカンもワークラボ八ヶ岳で行ったそうだ。


平間理和さん

■都会にはない澄んだ空気で気分も新たにテレワーク
平間さんは「空気が澄んだ茅野に来て、とてもいい体験ができた」とも。「テレワークの利点はそれぞれの都合に合わせて仕事ができることです。営業なのでお客様のところにも、会社にも行くことがありますが、それぞれに移動していると効率が悪いこともあります。そうした時にはテレワークが便利ですね。ただコミュニケーションをちゃんと取れていないと(各自が)何をやっているのかわからなくなるので、ツールを導入してコミュニケーションを取りやすく(進捗状況を共有する)必要があると思います」(平間さん)。

また小林小百合さんは「(テレワークは)働きやすさがベースにあると思います。前の会社では、出社しないと仕事ができませんでした。ただ子供が2人いますので、子供の行事に振り回されたり、インフルエンザで学級閉鎖になったりして家にいないと行けない状況では出社できません。個人的に仕事ができないのならなんとかなりますが、会社や取引先にも迷惑をかけてしまいます。テレワークという形で自宅勤務ができれば、日々の業務も円滑に進められるのでメリットがありますね」と語る。優秀だけど子供の世話で働きに出られないママは日本には大勢いる。そうした即戦力を導入するためにもテレワークの実現が重要だと感じた。テレワークの普及は、人材不足の解消、即戦力導入による事業効率のアップなど、大きなメリットがあるわけだ。


小林小百合さん

■仕事場に併設されているキッチンで夕食。そして温泉に
初日の仕事が終わったあとは、ワークラボ八ヶ岳に設けられている調理スペースを使って、地元のフレンチシェフが、地元産のジビエや山菜を使った体験料理教室を開催。フランス料理をベースに、信州風・アジア風にアレンジされた料理に参加者は興味津々で、レシピをメモしたり調理を撮影したりと楽しんでいた。


自分でフレンチ風に盛り付け



シェフも交えて楽しく交流会

■八ヶ岳だからこそのリゾート体験で心身ともにリフレッシュ
ワークラボ八ヶ岳でのテレワーク体験はこれにて終了。そして下諏訪駅に移動する。宿泊予定のマスヤゲストハウスに荷物を置いたら、近くの温泉へ。下諏訪町には源泉が20か所もあり、湧出量は毎分5100リットルと豊富な湯量を誇る。弱アルカリ性単純泉、ナトリウム・カルシウム-硫酸塩・塩化物泉、含鉄-アルミニウム-硫酸塩泉と泉質も豊富。肩こりや筋肉痛、冷え性、病後疲労回復といった効能もあり、仕事の疲れを癒すにはもってこいだろう。毎日温泉で心身ともにリフレッシュできるのはリゾート地ならではだ。


宿泊先のマスヤゲストハウス



ゲストハウスにはいろいろな人が宿泊している


ゲストハウス近くの「新湯」で温泉を楽しむ

■下諏訪町の魅力を発見
翌日は朝早くに起きて近所を散策したあと、下諏訪周辺にある諏訪大社などを訪ねることに。案内してくれたのは下諏訪町地域おこし協力隊の綿引遥可さんだ。


中央が綿引さん

まずはゲストハウス近くの「Eric's Kitchen」に。カナダ出身のエリックさんが開いたお店だ。2016年3月にオープンしたお店だが、下諏訪の新しい名所として人気を博しているそうだ。ここではモーニングとランチをいただける。メニューはその時々に合わせた食材で作られる。


Elic‘s Kitchen外観


中はこのような感じ


その時々の食材でメニューが変わる

次に訪れたのは諏訪大社下社の春宮。参拝の折には下乗下馬したために名付けられた「下馬橋」を過ぎたら春宮にたどり着く。


諏訪大社下社春宮



みんなでお参り

そこからすぐ近くにある「万治の石仏」にもお参り。この石仏は、春宮に石の大鳥居を作るとき、この石を石材にしようとノミを入れたところ、そこから血が流れ出した。それを恐れた石工は仕事を辞めてしまったのだという。そのため阿弥陀如来を祭って記念にしたのがこの万治の石仏だ。願い事を心で唱えながら石仏の周りを時計回りに三度回ると御利益があるのだそうだ。


万治の石仏

そのあとしばらく歩いて慈雲寺へ。ここは大祝金刺満貞が、鎌倉五山の一つである建長寺住職の一山一寧禅師を招いて正安2年(1300年)に開山したお寺。武田信玄ゆかりの寺ということでも知られている。


慈雲寺



慈雲寺近くには中山道旧道が通っている

昼食をはさんだあと、今度は下社秋宮を訪ねる。秋宮には「御神湯」という手水用の湯口があり、竜神伝説にちなんで竜の口をかたどっている。竜の口から流れる温泉は「長寿湯」という。ちなみに諏訪大社がいつできたのかはわかっていないが、最古の神社の一つであることは間違いない。


諏訪大社下社秋宮


御神湯


下社秋宮にもお参り


御柱

■都会でのテレワークとリゾートテレワークの違い
ここまで回ったところで、同社の渡辺敦さんに昨日と今日の感想を聞いてみた。テレワークについては普段行っているので違和感がなかったというが、「仕事場も仕事が終わったあとも、いつものところとは場所が違うのでリフレッシュできました」と語る。隣町の出身なので茅野はよく来ていた町だったそうだが、仕事できたのは初めてなので新鮮だったとか。「今まで見ていたときとは違った姿でした。仕事と余暇を楽しむことができたのは、普段のリモートワークとは違いますね。観光もできたので、また来週頑張ろうという気になりました」(渡辺さん)。


渡辺敦さん

小暮みのりさんは「整ったところでテレワークをするのは初めてだったのですが、会社以外の人がいる環境での仕事は、思ったよりピリッとする感じでした」と語る。「また茅野に来て仕事をしたいです」(小暮さん)。


小暮みのりさん

最後は上諏訪に移動して、近くの酒蔵で試飲タイム。地酒を飲みつつツアーを終えたのだった。


駅に行く途中に足湯を発見


宮坂醸造で日本酒を試飲


こちらは伊東酒造

■いろいろな発見ができるリゾートテレワーク
今回の体験を総括して、同社の専務取締役である山田健太郎さんに話を聞いた。


山田建太郎さん

――リゾートテレワークに期待するものはありますか

山田さん(以下、敬称略):普通のテレワークはやっていますが、そこにリゾートを加えることで、どういうメリットがあるのか模索中です。一番我々としてやりたいのは、チームビルディングみたいなものを目的として、チームの結束を強めるためにリゾート地へ行き、一緒に“同じ釜の飯を食う”ことで、各々の役割の特性を見出せるような気がしています。特に組織的に考えると、リーダーシップをどう見い出していくかということもありますので、今後やっていきたいものとしては、リーダーを評価する仕組みとして、リゾートでテレワークをすることに取り組んでいきたいという気持ちはあります。

――2日間の感想を聞かせていただけますか

山田:1日目にしてみれば、東京にもあるようなデザインが洗練されていて働きやすい、いろいろなタイプのコワーキングスペースだけでなく、会議室のブースがあったり、個別のブースがあったり。そういう意味ではいろいろな働き方に対する対応ができると思います。我々は外に漏らせない情報を扱うときもあるので、閉ざされた空間で仕事ができるというのはメリットがありますね。あとは個別の仕事というと、集中して1時間、2時間で仕上げる仕事もあるので、ブース型のスペースで仕事ができるのはよいですね。

リゾートという視点で考えると、いろいろな経緯のある方がお客さんとしていらっしゃる。初めてあった人と食事したり、飲みに行ったり。それがあることで新しい気づきを与えてくれる。リゾートに行くというイメージは、高級ホテルがあって、いろいろなアクティビティがあってということを考えますが、今回のような試みは、地域のポテンシャルをすごく感じました。そういう意味では、地元の人やそこをよく知っている方と交流することで新しい気づきがある。そこからビジネスのヒントをもらうこともたくさんあります。そういう意味ではリゾートテレワークは、新しい発見をする場としては有益なのだと思います。

特に昨日感じたのは、下諏訪にはかなりディープなスポットもあるし、48度くらいの高温な温泉もあるといった特徴を持っているものの、華やかなリゾート地と比べると一見見劣りがします。しかしいろいろなワークスタイルを持った人たちが集まってきているので、そこから得るもの、そこで新しい発見をする、ワークスタイルを気づくといったことでは、すごく勉強になった2日間でした。皆さんがいろいろな情報を提供してくれることによって、リゾートで働くというイメージを変えられるポテンシャルを持っていると思います。

ゲストハウスについても、普通のホテルと比べると抵抗があったのですが、スタッフの方や泊まっている方と交流することで、今までの常識を変えることができました。それは今やっている働き方改革や新しい働き方へのヒントがつまっている状況です。これでいいと思っていた働き方は、もっと斬新で違ったやり方があるかもしれない、という気づきを与えてもらいました。それが非常によかったですね。

~~~~~~~~~~

都会の無味乾燥で感度の薄い世界から飛び出し、リゾート地でテレワークを実施。心身ともにリフレッシュし、次のプロジェクトに備えるということが実現できれば、仕事効率も高まり、メンバー全員のモチベーションも高まることは間違いないと感じた体験会であった。

■長野県リゾートテレワーク体験イベント概要
日程:2019年1月24日(木)~25日(金)(1泊2日)
内容:ワークラボ八ヶ岳で「仕事」をし諏訪エリアで「余暇」を過ごすプログラム
定員:5名
参加費用:無料
主催者(企画運営):森ビル株式会社
事務局(イベントコーディネート):一般社団法人蓼科塾
協力:
【下諏訪コース】下諏訪町役場、下諏訪 mee mee center Sumeba
【蓼科コース】蓼科観光協会


~~~~~~~~~~

本稿を読んでリゾートテレワークが気になったという人に朗報だ。3月1日に首都圏の企業に向けて、リゾートテレワークのメリットや実践事例に加え、信州の魅力を紹介する「信州リゾートテレワークフォーラムIN東京」を開催することになっている。概要は以下の通りだ。

■信州リゾートテレワークフォーラムIN東京概要
開催日:平成31年3月1日(金)16:00~19:00(受付開始15:00)
開催場所:大手町サンケイプラザ3階(東京都千代田区大手町1-7-2)
プログラム:
(第一部 フォーラム) 16:00~17:35
【知事挨拶/長野県プレゼンテーション】長野県知事 阿部守一
【基調講演】
①グーグル・クラウド・ジャパン合同会社 日本代表 阿部 伸一 氏
②NTTコミュニケーションズ株式会社
経営企画部 ビジネスイノベーション推進室 湊 大空 氏
【モデル地域プレゼンテーション】茅野市、軽井沢町、白馬村
(第二部 交流会) 17:45~19:00
【信州感動健康料理のプレゼンテーション】
料理研究家 おいしい信州ふーど公使 横山 タカ子 先生
【主催】長野県
【共催】茅野市、軽井沢町、白馬村
【後援】一般社団法人日本テレワーク協会
■参加方法:専用サイトより申し込み(事前申込制、定員100名、参加費無料)

ワークラボ八ヶ岳
信州リゾートテレワーク

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ITライフハック代表
関口哲司

日本大学大学院理工学研究科後期博士課程修了。理学博士。日本物理学会会員。IT系記事を中心に著書多数。原稿の依頼歓迎。

編集長・ライター
小川夏樹

ソフトバンクにてPCComputing、PCJapanの編集を経験した後フリーランス・ライターを経て現在に至る。PCハードウェア、Windows使いこなし、イメージングデバイスを語らせたらいつまでも話が止まらないPCヲタ。年甲斐もなくゆるキャン△でアウトドアに目覚めボーイスカウト以来のアウトドア再デビュー。IBMにてThinkPadのリペア技術員の経験アリ

副編集長・ライター
今藤弘一

PCComputing、PCJapanの編集からZDNet(現:ITmedia)へ、ITmedia Games、PCUPdate(現:PC USER)の編集長からオンラインゲーム会社のIR担当や採用広告の制作、フリーライターを経て現在に至る。最近のトレンドはソロキャンプ。ブッシュクラフトとまではいかないが月1~2はどっかにキャンプに行っている。あと鉄分(乗り鉄)かなり多め。

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