COMPUTEX 2014のキーノートにインテルが登壇し、PCの世界は今後も進化しながら成長していくと熱く語った。従来型のデスクトップPCやノートPC市場がスマホやタブレットの普及による影響を少なからず受けている。ただし、現在普及を続けているタブレットは、当初はiOSやAndroidが多かったが去年の暮れくらいからインテルプラットフォームのWindowsタブレットが増えたり、Android端末でもIntelプラットフォームのタブレットが出てくるなど状況が変化しつつある。

最新のAtomやCore Mのようなプロセッサーの投入で、スマホやタブレット市場でもインテルはある程度のシェアを確保できそうな状況になりつつある。しかし、従来型PCと、PCとしてのタブレットを含むPC市場やその先の市場でも、従来同様にPC市場における圧倒的な強者と同じ立場でいることが可能かは、今後の対応次第ということになるだろう。

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PCは必要な人たちに行き渡ってしまい買い替え需要以外の新規需要という大きな波が来なくなってから久しかった。しかし、Windows XPのサポート期限切れで在庫が一斉になくなる現象を目の当たりにして、PC市場も何らかのきっかけで大きく動くということは理解できた。しかし、一定期間が過ぎてしまったため落ち着きを取り戻してしまった。

こうしたPC市場の成熟は以前から業界の重鎮が度々訴えていたことだ。ただ、こうした発言の後にもPCの成長は続いていたことをインテルのレネイ・ジェームズ社長が紹介していた。

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この成長というのは、それまでのデスクトップ型のPCやノートPCといったビジネスツールとしてのPCの時代の成長が終わり、Ultrabookが普及したり、文書作成等の事務用途、家庭用のエンターテイメントマシン、インターネットを使うための端末へと形や目的を変えながら成長が続いていったと考えていいだろう。

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インテルによれば、従来型のPCの成長は鈍化するが、その鈍化分をタブレットが補い、クライアント・コンピューティング市場はこれからも成長を続けていくとしている。市場の成長が続くなら、インテル自体も成長し続けることができそうだが、ことそう簡単ではない。

インテルにとって直近の問題だったのがタブレット市場だった。iOSやAndroidで席巻されており、Intelの入る余地はないかと思われた。しかし、Windowsや一部AndroidタブレットでAtomプロセッサーの採用が増えるなど、そうした状況から脱しつつある。

COMPUTEXでの各社の出展内容を見る限り、インテルのAtomやCore Mを採用した製品は、今後続々と登場することになり、タブレット市場でも一定のシェアを得ることになりそうだ。

現在もタブレット向けのOSはWindows以外に、AndroidとiOSがある。さらに、従来型PCではWindowsとMacに加えて、Chromebookのように、インテルのx86 CPUを必ずしも必要としないPCもシェアを伸ばそうとしている。

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今後はタブレット市場でのシェア獲得に加え、従来型PC市場でもシェア維持に向けて各社と争い続けていく必要がある。さらにその先にはIoTのような、まったく未知の市場もある。こうした市場に巨大企業がフットワーク軽く対応していけるのか? そうしたことを今後はチェックしていく必要があるだろう。

上倉賢 @kamikura [digi2(デジ通)]

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