いまではネットと言えばインターネットを意味するのが当たり前の時代となった。二十年近く前は、ネットと言えば、イーサネットを使ったローカルエリアネットワーク(LAN)を意味し、外部とデーターのやり取りを行うのはパソコン通信を利用していた。特定のサーバーにアクセスすることでコミュニケーションを取るといったことが行われており、自然に現実世界と似たような社会構造を形成していた。
たとえばPCやネットに関する知識レベルに関しても自然にレベル分けが行われ、知識が足りない人に対しては、自身が質問するか皆で教えあって初心者が知識レベルを向上していくという流れが自然にできていた。
パソコン通信を行う際に最低限持つべき知識を持ってパソコン通信を利用するという前提条件が自然にできていたわけだ。しかし、パソコン通信はあまり一般的とは言えず、会員数が数百万人と規模は大きいもののクローズドな環境であった。
しかし、インターネットが当たり前になると状況は一変する。ネット接続が当たり前になり、さらには携帯電話、PDAといったPC以外の機器がネットに接続するようになると、それぞれの知識レベルにばらつきが見られるようになった。
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