ITライフハック

Japan

GlassViewのファウンダー兼CEOジェームズ・ブルックス・ジュニアが語るIoTやスマートウォッチへの広告戦略

gv01

グローバルで動画広告配信マネージメントソリューションを提供しているGlassView。同社の日本法人であるGlassView Japanは、ウェアラブル端末やIoTデバイス向けの次世代動画広告配信ソリューションを日本でも開始するために、国内企業を対象とした実証実験を開始している。

同社が目指しているのは、スマートウォッチなどのウェアラブル端末のほか、スマートTVやスマート家電などのIoT製品における動画広告配信ソリューションだ。従来では年齢や興味関心、位置情報などでターゲティングが計られてきたが、今回提供されるサービスでは、これに加えて心拍数や置かれている環境といった新しい軸でのターゲティングが可能になるという。

こうした同社の戦略について、米国本社のCEOであるブルックス氏が来日したので、これに合わせてインタビューを行ったのでご紹介していこう。

――ビジネスの現状についてお聞かせください。

ブルックス氏:現在ウォートン・スクール(Wharton School、ペンシルベニア大学のビジネススクール)と共同研究開発している、腕時計や運転中のスクリーンに広告を配信するといったプロジェクトを実施しています。

ウォートン・スクールのプロジェクトの中に「Future of Advertising Program」というプログラムがあって、そこでは5年程度の短期間でなく、15年、20年といった広告の将来について、テクノロジーでどのように活性化するのかを話し合っています。そこでも各ブランドであったり、企業がブランド戦略としてVRや動画広告を使おうという話をしていたりするのですが、GlassViewが業界初で、ウェアラブル端末やIoTデバイス向けの動画広告配信ソリューションの実現に向けて実証実験を開始しました。

――プロジェクトがスタートした経緯についてお聞かせください。

ブルックス氏:2つあります。ブランドとして消費者の方に付加価値として何を与えるのかを考えたときに、従来のように商業的なメッセージを一方的に送りつけるということでなく、会話のキャッチボールを通して信頼関係を築いでいくこうしたアプローチがあるというのが1つ。

もう1つはテクノロジーの進歩に伴って消費者が情報を得る場所がテレビからデスクトップパソコン、ラップトップ、スマートフォン、タブレットというようにプラットフォームが変わっていますね。テクノロジーのパラダイムシフトに伴う消費者の態度変容を注意深く観察することで、次の動画広告配信の向かう先はどこか。その一つの解がウェアラブル端末やIoTデバイスではないかとGlassViewは考え、誰よりも早く飛び込む意思決定をしました。

GlassView CEOのジェームズ・ブルックス氏


――実際に実証実験を行われた事例についてお聞かせください。

ブルックス氏:現在20社で使われています。具体的な社名をお教えすることはできないんですが、業界の一例としてはヘルスケアであったり、自動車業界、ファッション業界、CPGエンターテインメント業界など多岐に渡ります。

実証をしてみて面白いと思った点は、いちばん最初に飛びついてくるのはファッション業界かと思っていたのですが、即座に導入に踏み切ったのはヘルスケア・医療関係など、アメリカの病院関連が早くて、急速に導入が進んでいます。スタートして8か月になりますが、ファッション業界で始まったのは、つい2か月前という直近のことで、こうした予測が良い意味で外れたことが面白いと思いました。

――日本ではどのように展開される予定ですか。

ブルックス氏:日本に限らず、世界的に見てウェアラブルデバイスの普及はまだまだです。インベントリーの需要と供給状況を見極めながら世界的な戦略を考えていますが、まずはアメリカで、技術を確立し、普及させる。その後ヨーロッパ、そして、日本を含むアジアそれぞれの市場におけるウェアラブルの普及と在庫状況やデマンドに合わせて、フレキシブルに展開していきたいと考えています。現在では10数年前に各社が携帯電話に投資したのと同じ状況です。当社もウェアラブルとVRの動画配信については早めにスタートして、市場オポチュニティーを見極めています。

――具体的にメーカー名は決まっていないわけですね。

ブルックス氏:現時点では特定の企業は想定していません。直接大きな企業と組んでしまうと何億円という先行投資が必要になるため、市場の需要と供給などタイミングの見極めが非常に重要です。今はまず、将来本格的にサービスをローンチした際にスムーズなランディングができるよう、実証実験を通して、業界別のデータを蓄積し、そのインサイトの分析を急いでいます。

――日本市場のデマンドについて、どのようにお考えですか。

ブルックス氏:日本のマーケットは新しい市場なので、これからという感じです。アメリカでさえも、ウェアラブル関連デバイスの動画在庫や再生数シェアは全体1%以下です。ただ、たとえ数パーセントであっても、何十万、何百万という消費者がどのような行動を取るかは分かっています。将来的にそれを日本市場に応用することは可能です。

もっといえば、IoT/ウェアラブルデバイスのみならず、現在行っているウェブ動画配信から得られたインサイトも、デバイスが変わっても応用できる部分は多々あります。実際、グローバルで多数のキャンペーンを実施する中で、動画再生をする人たちが、どういう経緯で再生しているのかについては、非常に興味深いインサイトにたどり着きました。例えば動画のシェアに関しては、デンマークよりブラジルのほうがシェア率が高いという動向が見えていたり、ウェアラブルデバイスの特性がどうこう以前に、そういった普遍的な国/地域特性は応用が効くインサイトとして当社は蓄積をしていく予定です。

――ヘルスケアで導入が早かったのはなぜなのでしょうか。

ブルックス氏:それについては私たちも驚いている事象です。具体的に何がトリガーになったのかは正直なところ分かりません。医療業界の法規制などを考えますと、業界自体リスクが高い状態だとは思ったものの、アメリカに関して言えば、医療業界の競争は激しくなっています。各社ともに患者さんを呼び込むのに各社が必死であることと、そして業界全体にお金があるということ、そこでイノベーションを積極的に受け入れる動きが高まっているのかと思います。

また、ブランド力の向上が挙げられますね。このイノベーションを導入することで購買意欲が向上したり、ブランドに対する好感度アップが図れたりすると思います。ウェアラブルやIoT自体が新しくイノベーティブなものなので、それを導入するだけで目立つという機会を、企業は与えられているというわけです。

また、どれだけ効果があったのかという数字の例ですが、某自動車メーカーが、これを導入することによって実に490%も好感度が上がったという実績があります。スポーツのブランドでも212%というハイスコアな結果が出ています。

――具体的にどのようなデバイスに配信をして、ターゲティングしているのでしょうか。

ブルックス氏:例えば、サムスンやアップルのスマートウォッチ、サムスンのスマート冷蔵庫や、テスラやGoogle、NVIDIAが進めている自動運転の車ですね。VRに関しては、まだ3Dの配信には至っていませんが、家に入ったときに壁に2Dの広告が配信されるということはすでにやっています。家庭内でいうとミラーであったりプリンターであったりという例はあります。サムソンの冷蔵庫に関してはパブリッシャー大手のコンデナスト社と始めたプロジェクトなど、非常に楽しみな領域ですね。

――IoTやウェアラブルについては、これまでとは違った動きがあるのでしょうか。

ブルックス氏:地理的なターゲティングは、ヨーロッパやアメリカといったように地域別にターゲティングができるのですが、それ以上細かくして見ていくことは、まだできていません。それはウェアラブル端末の普及がそこまで広がっていないためです。

パブリッシャーを通じてのターゲティングについては、「アットコール」という、パブリッシャーとディスプレイを繋げるテクノロジーがあるのですが、これを使うとディスプレイのサイズに合わせた動画配信が可能です。

例えば、スマートウォッチについていうと、付けている人の生体認証、心拍数や体温が測れるようになるので、その人の健康状況に合わせたターゲティングが可能になっていくでしょう。

これまでのマーケティングは、消費者のエモーションに訴えるものが多かったのですが、IoTなどのテクノロジーが導入されることで、例えば生理学であったり、化学であったり、サイエンスに基づいた広告が展開できるようになるので、広告・マーケティングのあり方が、遠くない将来大きなパラダイムシフトを迎えるのではないかと興味深く注目しています。

――ありがとうございました。

GlassView Japan

ITライフハック
ITライフハック Twitter
ITライフハック Facebook

ITビジネスに関連した記事を読む
国際産業技術、Synologyエンタープライズパートナー&カンファレンスを開催
グロービス、「グロービス学び放題」の個人向けサービスを開始。月額980円から
国内有数のデジタルマーケティングの広告賞「コードアワード 2017」を開催
タクシー配車アプリ「全国タクシー」で目的地へ到着する前に支払手続きが可能に
全国どこからでも電子お薬手帳サービスharmoサービスに参加可能に




タクシー配車アプリ「全国タクシー」で目的地へ到着する前に支払手続きが可能に

sub6

JapanTaxiは、同社が提供しているタクシー配車アプリ「全国タクシー」の新機能として、 “JapanTaxi Wallet”(ジャパンタクシー ウォレット)を2017年3月1日からAndroid版にて先行リリースすると発表した。

JapanTaxi Walletは、東京23区・武蔵野市・三鷹市で運行する日本交通のタクシー4,100台に設置されているIoT(Internet of Things)型デジタルサイネージ連動し、目的地に向かう乗車中に支払い手続きを完了することができる機能だ。

詳しい利用方法はJapanTaxi Walletのサイトを参照してほしい。

利用イメージムービー(YouTube)

sub2

sub3

sub4

sub5

JapanTaxi

ITライフハック
ITライフハック Twitter
ITライフハック Facebook

ITビジネスに関連した記事を読む
全国どこからでも電子お薬手帳サービスharmoサービスに参加可能に
コロチキ、瀬戸内の景色豊かで温暖な土庄町をアピール
ソースネクストが老舗ソフトメーカーの筆まめを子会社化
東京メトロ×NTT、表参道駅構内でナビゲーションと広告サービスの実証実験を実施
世界最大級IT関連見本市「CeBIT2017」に「ジャパン・パビリオン」を出展



東京タクシードライバー (朝日文庫)
山田清機
朝日新聞出版
2016-02-05



65年型マスタングのインパネとロゴをデザインしたメディアプレイヤー「Mustang LP BK」

cbb708c0a3

inMusic Japanは、2017年1月19日にION AUDIO「Mustang LP BK」を発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は2万9,800円 (税込)。

自動車文化のシンボルとして輝く名車フォード「マスタング」。その65年型フォード「マスタング」のインパネを再現したクラシックなボディに、レコード、AM/FMラジオ、USBメモリ、AUX外部入力の4つのオーディオソースが楽しめる再生機能と、USBメモリ録音機能を搭載したミュージックプレーヤーが本製品。

ステレオスピーカーを内蔵し、ヘッドホン端子も装備。他にアンプなどを用意することなく、手軽に音楽再生が可能だ。

さらに、アナログレコードや外部入力の音声をデジタルデータとしてダイレクトにUSBメモリに録音可能。これ1台でアナログレコードから最新のデジタル音楽ファイルまで存分に楽しめる。

■Mustang LP BKの主な特長:
・ アナログレコードプレーヤー、AM/FMラジオ、USBメモリ、AUX外部入力の4つのオーディオソースが楽しめる【4イン1・ミュージックプレーヤー】
・ 33、45、78回転に対応した【アナログレコードプレーヤー】
・ワイドFMにも対応し、65年型フォード「マスタング」のスピードメーターのデザインを施した【AM/FMラジオチューナー】
・フロントパネルに装備したステレオミニジャックの【AUX外部入力端子】
・レコードや外部入力の音声を直接USBメモリにデジタルファイル化できる【デジタル録音機能】
・手軽に音楽再生を楽しめる【内蔵ステレオスピーカー】
・深夜でも大きな音量で楽しめる【ヘッドホン端子】
・お手持ちのオーディオ機器と接続可能な【外部出力端子】


■製品仕様
・スピーカー出力:1.2W x 2(ピーク)、0.6W×2(定格)
・出力レベル:500mv @1kHz
・インピーダンス:4Ω
・周波数特性:60~20kHz
・ドライブシステム:ベルトドライブ
・カートリッジタイプ:セラミック・ステレオカートリッジ
・交換針:円錐ダイヤモンドチップ(カートリッジや針先を交換ご希望の方は、カスタマーサポート(ionaudio.jp/support)にご連絡ください)
・録音ファイル:MP3:128kB/s、44.1kHz、16bit
・対応USBメモリファイルタイプ:MP3、WAV、WMA
・電源:100V、50/60Hz
・消費電力:14W
・サイズ:約342.9 x 375.9 x 104.1mm(W x D x H)
・重量:約3.5kg


製品ページ

ITライフハック
ITライフハック Twitter
ITライフハック Facebook

デジタル家電に関連した記事を読む
新型PS4のカラーバリエーションとして「グレイシャー・ホワイト」が登場
ワコム、Bambooスマートパッドの新製品「Bamboo Folio small」を発売
パナソニック、ベルリン・フィルと技術開発協業契約を締結
息を吹きかけると火がつく電子ライターKURUIの新商品が登場
リンクス、iPhone 7対応で正規MFi認証取得のLightning接続ヘッドホンを発売





東海大学がJMOOC講座「海から考えるこの星の未来:海洋学への誘い」を配信

東海大学では2月23日(月)より、一般社団法人日本オープンオンライン教育推進協議会(略称:JMOOC)が中心となって運営されている大学講座配信プラットフォーム「Open Learning Japan」において、同大学海洋学部長・海洋地球科学科千賀康弘(せんが やすひろ)教授をはじめとする17名の教員による総合海洋学講座「海から考えるこの星の未来:海洋学への誘い」を配信する。

続きを読む

討論テーマをアンケートで決定!「東京都知事選候補者ネット討論」を20万人が視聴



2014年東京都知事選の有力候補者4名による公開討論会の開催が2月1日に決定!ネット事業者7社「わっしょい!ネット選挙」協力企画」や「本日22時に都知事候補による公開討論会、2月3日は「都知事候補に要望を出す」番組放送」で紹介したように、本日2月1日22時より2014年東京都知事選の有力候補となる宇都宮健児氏、田母神俊雄氏、舛添要一氏、細川護煕氏の主要候補者による公開討論会が開催された。

これはグリー株式会社、株式会社サイバーエージェント、Twitter Japan株式会社、株式会社ドワンゴ、ヤフー株式会社、Ustream Asia株式会社、LINE株式会社のネット事業者7社が取り組んでいるネット選挙応援企画「わっしょい!ネット選挙」の一環として行われたものだ。

続きを読む

ITライフハックやlivedoor ニュースのIT記事をサクサク読めてシェアできるアプリ

  • iPhone版はこちら
  • Android版はこちら
Amazonライブリンク
QRコード
QRコード
カテゴリ
月別アーカイブ
配信中
ITライフハックは以下のニュースサイトにも記事を配信しています。
記事検索
このサイトについて

タレコミ、ITライフハックに寄稿したいというご要望も受け付けていますので、興味をもっていただけましたら、お気軽にご連絡ください。

ITライフハック代表
関口哲司

日本大学大学院理工学研究科後期博士課程修了。理学博士。日本物理学会会員。IT系記事を中心に著書多数。原稿の依頼歓迎。

編集長・ライター
小川夏樹

ソフトバンクにてPCComputing、PCJapanの編集を経験した後フリーランス・ライターを経て現在に至る。PCハードウェア、Windows使いこなし、イメージングデバイスを語らせたらいつまでも話が止まらないPCヲタ。また早期からユーザー配信サービス(ニコ生、Ust、Justin等)にも注目し特にニコニコ生放送では“囲い厨で弾幕職人”な日々を送っている側面も持つ。IBMにてThinkPadのリペア技術員の経験アリ

副編集長・ライター
今藤弘一

PCComputing、PCJapanの編集からZDNet(現:ITmedia)へ、ITmedia Games、PCUPdate(現:PC USER)の編集長からオンラインゲーム会社のIR担当や採用広告の制作、フリーライターを経て現在に至る。最近のトレンドは電子工作でハイレゾアンプを作ること。あと鉄分(乗り鉄)かなり多め。

>>詳しくはこちらへ

連絡先:itlifehack【at】mediabank.jpn.com
プレスリリース:press【at】mediabank.jpn.com
【at】は@
Twitterアカウント:@ITlifehack
  • ライブドアブログ