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バリューデザインは、同社が展開するハウスプリペイドカードの現状について、高級靴磨き店である「Brift H」(ブリフト・アッシュ)への導入事例を紹介しつつ、そのメリットを探るラウンドテーブルを開催した。

■自社のサービスを組み込めるのが魅力のハウスカード
バリューデザインは外食産業やスーパーマーケット向けにオリジナル電子マネー(プリペイドカード)を提供。これまでの実績は743社、7万3,380店に上るという。代表例としてあげられるのが、「いきなり!ステーキ」の「肉マイレージカード」やモスバーガーの「モスカード」などだ。2011年より海外展開も行っており、アジアを中心に7か国でサービスを展開している。

■キャッシュレス時代のハウスプリペイドカードとは
現在はキャッシュレス化を国を挙げて推進していることもあり、SuicaやEdyといった汎用電子マネーや、PayPay、LINE Payなどのモバイル決済も広く浸透しつつある。またかつてより使われていたクレジットカードによる決済も可能だ。このような状況の中、ハウスプリペイドカードにはどのような意義があるのだろうか。

QRコードなどによる決済では0~3%程度の決済手数料がかかるほか、クレジットカードでも2~3%、あるいはそれ以上の手数料を課せられる場合もある。決済方法を多様化することで新規の客を取り入れることが可能だが、独自のプロモーション活動はできず、制限があると言ってもよい。

しかしハウスプリペイドカードであれば、自社内のサービスとなるため、ポイントキャッシュバックなどのプロモーションを行うことも可能。また自社のカードを持たせることでリピーターを増やし、お店のファンになってもらうことが可能となる。販売施策としてブランド価値と競合優位性を高める戦略ツールなのだ。実際に大型量販店の例では、現金利用の顧客単価が3,542円であるのに比べて、プリペイドカード利用者は4,569円と1,000円もの開きがあるという。

■Brift Hとバリューデザインとの出会い
こうしてサービスを展開していく中で、同社はBrift Hと出会ったのだそう。Brift Hは、世界大会での優勝経験もあるカリスマシューシャイナーである長谷川裕也氏が手がけるシューズラウンジ。高い技術はもちろんのこと、バーのようなカウンター越しに靴のオーナーと会話をしながら、革靴を磨き上げてくれる。


Brift Hの長谷川裕也氏

Brift Hはなぜハウスプリペイドカードを導入しようと思ったのか。バリューデザインからの話により、ファン作りに有効だと思ったから、と語る長谷川氏。Brift Hではセールスフォースで1万人にも上る顧客管理をしているため、経営的な面での管理はできているが、今ひとつファン作りができていないと思ったのだそう。「バリューデザインのカードを取り入れたら、いままでにやったことのないことができるのではと思った」(長谷川氏)。

ただし問題なのはどのようにしてカードを作ってもらうか、だ。クレジットカードを利用する顧客も多く、現金を電子マネーとしてチャージするハードルは高いと思われた。そのため、ポイントを使うことで靴磨きのワークショップに参加できたり、あるいは店員が同行して靴を購入できたりといった、、お金を払うだけではサービスを受けられないメニューを用意した。またカードを持っている顧客には営業時間外でも予約を入れたり、提供するドリンクを違うものにしたりといった差別化も図ったそうだ。


靴磨きグッズもポイントで購入できる

■ハウスプリペイドカードは好感触で受け入れられた
そして昨年12月に導入してのち、顧客の反応は上々で、かなりの人がカードを作ってくれたとのこと。また明らかに来店回数が増えており、カードにチャージしたことで支払いへの精神的な障壁がなくなったと見られるとか。加えてカードは2種類、通常のものと、50万円以上利用したことがある人が作れるVIPカードを用意したのだが、VIPを目指そうという人が増えているのだそう。Brift Hは虎ノ門ヒルズにバーと靴磨きを併設したお店も出したのだが、足しげく飲みに来て、ポイントカードで払っていく人もいるとか。「靴好きが集まるコミュニティができた」と長谷川氏。

■靴磨きを当たり前の文化に
「靴磨きを文化に、当たり前の習慣にしたい」と語る長谷川氏。ビジネスカジュアルが広まったいまでは革靴を履くシーンが減っているとも言えるが、「スニーカーメーカーが革靴っぽいものを作ったりと、スポーツやカジュアルのトレンドに飽きてきたのかもしれない。スーツを着ようというトレンドになればいい」(長谷川氏)。靴磨き文化の発展にハウスプリペイドカードは寄与していくのかもしれない。


長谷川氏の流れるような靴磨きは見ていてとても美しい

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Brift H

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