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インターネットが当たり前の存在になって20年以上が経過し、当時パソコンで初めてネットに触れたという40代や50代といった世代が60代~70代へと年を重ねたことでスマホでネットが使えないといった高齢者は減り、積極的にスマホでネットを活用している高齢者たちが増加しつつある。

スマホの操作に慣れ、ブラウザで様々な情報にアクセス可能になってネットに慣れてきた頃に最も遭いやすいのが「SNS投稿での身バレ」「ネットショッピングでの高額請求」「フィッシング詐欺」といったトラブルだ。

NTTドコモ(以下、ドコモ)では、スマートフォンをはじめとしたデジタル機器の普及にともない、インターネット上でのトラブルを、予防から解決までをワンストップでサポートする「ネットトラブルあんしんサポート」を提供している。

そのドコモが「シニア世代のスマートフォン(以下、スマホ)事情」をテーマに、日本全国の60~79歳までのスマホを所有する男女300名を対象に調査を実施したので、その結果をお伝えしよう。

なお、今回の調査結果に対してITジャーナリストの高橋暁子さんに、シニアのネットトラブルの事例や対策法について解説してもらっているので、それも紹介しよう。


高橋暁子(たかはしあきこ)
ITジャーナリスト
書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、企業などのコンサルタント、講演、セミナーなどを手がける。SNSなどのウェブサービスや、情報リテラシー教育などについて詳しい。元小学校教員。「ソーシャルメディア中毒」(幻冬舎)など著作多数。SNSやスマホの安心安全利用等をテーマとして、テレビ、雑誌、新聞、ラジオ等のメディア出演経験も多い。

高橋暁子さん


■調査概要
・調査エリア:全国
・調査期間:2020年2月10日~2月12日
・調査方法:インターネット調査
・調査対象:60歳~79歳 男女300名 ※スマートフォンを所有している方


■シニアの64%が「息子・娘が想像しているよりも、スマホを活用している」と回答!
はじめにスマートフォンを所有しているシニアたちに「スマホを積極的に使用していますか?」と聞いたところ、78%が「そう思う」と回答している。「現在使用している(定期的に閲覧または投稿している)SNSやメッセージアプリ」がある人も、6割以上(66%)に上る。また、調査対象者のうち、子どもがいるシニア(239名)に、「息子・娘が想像しているよりも、スマホを活用していると思いますか?」と聞いた質問では、64%が「そう思う」と答えた。

いっぽうで、シニア世代はデジタルツールに慣れ親しんだ期間が短いこともあり、思わぬトラブルに巻き込まれる例も少なくない。そこで今回は、「SNSトラブル」、「ネットショッピングトラブル」、「ネット詐欺」の3点を中心に、シニアたちがネットトラブルに巻き込まれるリスクについて、さらに調査を実施した。以下がその結果である。

■トラブル1「SNSトラブル」
はじめにシニアの「SNSトラブル」のリスクについて調査を行った。近年、スマホの普及とともに、シニアのSNS利用率も増加傾向にある。

そこで、今回の調査対象のうち「SNSを使用したことがある」と回答した219名に「SNSにおける投稿内容」について質問をしたところ、約4人に1人(28%)が「旅行先での写真をSNSに投稿したことがある」、約5人に1人(23%)が「近所の店舗や風景を撮影した写真をSNSに投稿したことがある」と回答した。

また、約6人に1人(17%)が、「自分や友人の顔写真をSNSに投稿したことがある」と答えた。特に、シニアの中でも男性のほうが顔写真を投稿する人の割合が高く、女性が9%であるのに対して、男性では24%と約4人に1人となっている。
グラフ1

■高橋さんによる解説「SNS」
ソーシャルメディアや無料通話アプリを利用することは、家族間コミュニケーションがスムーズになったり、交友関係が広がったりするなど、たくさんのメリットがあります。Facebookで趣味の友だちができたという方や、家族でLINEグループを作っているという方も多いのではないでしょうか。ソーシャルメディアなどを活用することで退職後の生活が充実したり、趣味の友だちができたりしたという話はよく聞きます。

しかし、SNSの投稿範囲・投稿内容については注意が必要です。たとえば、友だち以外からも投稿が見られるにもかかわらず、自宅の場所がわかる投稿をしてしまうと、個人情報の特定につながったり、中には空き巣被害などにつながった例もあります。

そのほか、SNSコミュニケーションに慣れていないため、他人を誹謗中傷する投稿をしてしまい、友人との仲が険悪になってしまった例もあります。また、SNSで「#個人間融資」などのお金を貸すという投稿を見かけて借りてしまい、法外な利子を取られる被害も増えています。

■トラブル2「ネットショッピング」
続いてシニア層の「ネットショッピングトラブル」のリスクについての調査だ。まず、「インターネット上で何かを買うことがありますか?」と聞いたところ、47%と半数近くが「よくある」と回答。これを男女別にみると、男性で「よくある」と回答した人は51%、女性では43%となり、シニア男性のほうがより積極的に買い物においてネットを活用している傾向があることがわかった。

さらに、通常のECサイトでの買い物だけでなく、約4割(37%)が「フリマアプリを使ったことがある」、約3人に1人(34%)が「インターネットで株の取引をしたことがある」と答えている。

グラフ2

■高橋さんによる解説「ネットショッピング」
最近は、シニア層でもネットショッピングを活用する方が増えています。価格が比較しやすい、重いものも宅配してくれる、ほしいときにすぐに買える、ポイントが貯まりやすくてお得、レビューで評判が確認できるなどのメリットを感じて、ネットショッピングを楽しんでいる方が多いようです。

ところが、ネットショッピングにもやはり様々なトラブルが潜んでいます。たとえば、1回だけのつもりで購入したら定期購入の契約で高額請求される例は近年増加しています。定期購入ということはごく小さな文字で書かれており、スマホなどでは気づかない方が多いのです。

また、安い商品を見つけて購入したのに、商品が届かないというトラブルも起きています。ネットショップ自体が架空のもので、会社名や連絡先も実際には存在しないというケースもあるため、信頼できるECサイトや販売者を選ぶことも大切です。

さらに、近年はネットショッピングだけでなく、フリマアプリを使用する人も増えています。フリマアプリは、個人間での取引のため、「思っていたものと違った」「商品説明と異なる商品が届いた」などのトラブルに発展するケースもあるため、取引相手には十分に注意しましょう。

また、ミドル・シニア世代は株取引をする人が多いですが、“売却”と“買付”のボタンを間違えたり、単位をひとつ間違えて発注したりと、操作ミスによるトラブルも。自身の入力ミスにも十分気を付けましょう。

そのほか、シニア層はPCサポートと称しての修理代請求や高額請求などの詐欺被害にも遭いやすい傾向があります。よくわからないまま強引に契約を進められてしまい、払ってしまっているケースが多いようですが、本当に必要な契約なのか冷静に判断することが重要です。

■トラブル3「ネット詐欺」
また今回は、近年手口が悪質化している「ネット詐欺」についても調査を行った。調査対象のシニア(300名)に対して、過去に「ネット詐欺」と思われるものに遭ったことがあるかを聞くと、4人に1人(25%)が「フィッシングメール(銀行、カード会社、オンラインサービス、芸能人などの名を騙った詐欺メール)を受け取ったことがある」、約5人に1人(21%)が「フィッシングSMS(銀行、カード会社、オンラインサービス、芸能人などの名を騙ったショートメール)を受け取ったことがある」と回答した。また、「利用した覚えのないサイト・サービスからの請求を受けたことがある」人も約7人に1人(15%)となった。

グラフ3

■高橋さんによる解説「ネット詐欺」
パソコンやスマートフォンを操作中に、警告文やよくわからないメッセージが表示された経験のある方は多いと思います。特にネットに慣れていないシニアの方であれば、ネットサーフィンをしていて「ウイルスに感染している可能性があります」などの警告が表示されたら、慌ててしまうのも無理はありません。これは、「10個のウイルスが検出されました」「ウイルスを駆除するためには有料版を購入」などと表示される、セキュリティソフトを購入させる詐欺です。偽の警告なので、無視するのが正しい対処法です。

また、近年増えているのが、ゼロクリック詐欺です。ネットサーフィンをしていたら、いきなり「サイトの登録が完了しました」「料金のお支払いが確認できません。すぐにお支払いください」などのメッセージが表示されることがあります。料金は数万円~十数万円など高額にのぼることも。「会員登録などしていないはず」と記載されている電話番号に電話をかけてしまうと、悪徳業者に電話番号を知られてしまいます。料金の支払いを説得されて支払ってしまったり、電話番号を他の詐欺に悪用されることもあるようです。こちらも無視し、連絡をとったりしないことが大切です。

■トラブル遭遇時に「気軽に相談できる相手がいない」シニアが4割超
最後に、万一ネットトラブルが起きたときの対処方法についても調査を行った。まず、「インターネット上のトラブルに巻き込まれたとき、気軽に相談できる相手は身近にいますか?」と聞くと、「いる」と答えた人は57%にとどまっており、残り4割超(43%)は「いない」と回答している。

特にシニア男性においてはその傾向が高く、女性で「いない」と答えた人は約3人に1人(30%)なのに対し、男性は半数以上(55%)と多い。さらに、「娘・息子がいる人」のみに絞り込んだ場合でも、相談相手が「いない」と答えている人が約4割(39%)となっており、子どもがいても相談しづらいと感じているシニアが多い様子が見て取れる。
グラフ4

■トラブル対応1位は「ネットで調べる」~相談するのは身内より第三者~
さらに、実際に「インターネット上のトラブルに巻き込まれたときの行動」についても聞いたところ、「インターネットで調べる」が最多(76%)となり、ついで、消費生活センターなど「無料の相談窓口に相談する」が73%となりました。これらに対して「娘・息子に相談する」は43%、「友達に相談する」は32%となっている。

また、この質問について、「娘・息子がいる」かつ「気軽に相談できる相手がいる」と答えたシニア(146名)の回答をみると、ネットトラブルが起きたときに「娘・息子に相談する」と答えた人の割合は66%にとどまった。このことから、残り約3割(34%)のシニアにとっての「気軽に相談できる相手」は、娘・息子以外であると推測できる。

さらに、「娘・息子がいる」けれども「気軽に相談できる相手がいない」と感じている人(93名)については、トラブルが起きたときに「娘・息子に相談する」人の割合は33%とさらに少なく、生身の相談相手として最も多かったのは「無料の相談窓口」(72%)となった。
グラフ5

ネットトラブルに遭遇した際には、娘や息子には相談しづらいが第三者からの情報提供やアドバイスは受けたいと考えるシニアが多いと言えそうだ。実際に、「インターネット上のトラブルに巻き込まれたときに、気軽に相談できる専門家がいると心強いと思いますか?」と聞いた質問では、実に98%が「そう思う」と回答している。

その前の質問で、すでに「気軽に相談できる人がいる」と答えた人(172名)でも99%とほぼ全員が「そう思う」と答えており、万一のときに、専門的な知見からアドバイスをもらえる相手を求めている人が多い様子がうかがえる。

■高橋さんによる解説「トラブル解決の相談相手」
シニア層はネットやSNSなどの利用経験が乏しいため、ネットリテラシーはあまり高くありません。それ故、残念ながら、詐欺などの標的になってしまいやすい傾向にあります。金銭的被害に遭うことは、老後の生活に支障が出てしまうリスクにもつながります。中には、被害に遭ったことを相談できず、子どもに相談してきたときには老後の生活費をすべてダマし取られていた後だったという人もいるほどです。

このような被害に遭わないためには、まずシニア自身がネットリテラシーを高め、自衛をすることが重要です。同時に、不安なことや心配なことがあったら、本来は息子さんや娘さんなどのご家族にすぐに相談することが大切です。

しかし、中には家族や友人などの身近な人にはなかなか相談しづらいというシニアの方もいらっしゃるかもしれません。また、詐欺やトラブルは、次々に新たなタイプが登場してくるため、シニア本人や家族だけでは防ぎきれないことも多いものです。

そこで、万が一トラブルに遭ったときのサポートに役立つサービスとしてドコモの「ネットトラブルあんしんサポート(月額500円/税抜)」などを活用すると安心ではないでしょうか。トラブル防止に役立つ最新事例が紹介されている他、万一トラブルに遭った際に専門スタッフや弁護士に電話相談できるサポート体制も整っています。最近増えているキャッシュレス決済の不正利用補償がついている点も、安心です。

サービスイラスト

以上、シニア層がスマホを活用すればするほど、ネットトラブルに遭遇する確率は上がっていく。恥ずかしくて子供たちに相談できない。怒られるのがイヤで話を切り出せない。といった理由があるのは重々理解しているが、ネットトラブルは迅速な対応が被害を最小限に抑えるポイントである。

ネットトラブルが不安なシニア層はもちろん「うちの親は、たぶん相談してこないだろう」「頑固な性格だから、自分で何とかしようとするだろう」と心配している子供たちもいるだろう。であるならドコモの「ネットトラブルあんしんサポート」を利用してトラブルに備えておくことをおススメしたい。

【NTTドコモ】ネットトラブルあんしんサポート

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