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日本ファンドレイジング協会が発行した「寄付白書2021」によれば、個人寄付総額は、日本は1兆2,126億円(2020年)、米国は34兆5,948億円(2020年)、英国は1兆4,878億円(2018年)と、日本は寄付をしている人が多いように見える。しかし、名目GDPに占める割合は、日本0.23%、米国1.55%、英国0.47%と、寄付文化が根付いているとは言い難い。そんな中、ITライフハック編集部は、日本に寄付文化の構築を目指し、世界のあらゆる社会課題に取り組む一般財団法人 日本寄付財団 村主悠真氏(村主代表)に、同財団の活動について話を聞く機会を得たので、ここで紹介しよう。

■スリランカの支援を行う日本寄付財団
村主代表は、1982年東京都出身。19歳大阪大学在学中に起業し、2006年までに手掛けていた事業を売却。 24歳でプライベートファンドを設立し、国内外の様々な事業を展開。30歳から社会貢献活動を開始。国内外の貧困問題を中心に寄付活動を広げる。複数の一般社団法人やNPO法人の運営に携わったのちに、2020年 村主現代芸術文化財団設立・2021年 日本寄付財団設立。「寄付」を起点に日本から世界平和を目指し、非営利の世界に資本を流入させるべく活動している。

編集部:日本寄付財団の活動について教えてください。

村主代表:日本寄付財団は、日本に寄付文化を構築していくとともに、世界中の社会課題の解決を目指し、日本から世界平和を実現するための活動をしています。日本だけではなく、積極的に海外の支援も行っています。

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日本寄付財団について語る、同団体 代表理事 村主悠真氏


編集部:現在、どのような国を支援しているのでしょうか?

村主代表:数多くの国を支援していますが、最近話題になったのが、スリランカに寄付させていただいた件です。スリランカは今年2022年7月に財政が破綻し、国全体が大変な状態に陥ってしまったので、真っ先に駆けつけ多くの政治家の方たちと話をさせていただきました。食べるものがない、ガソリンが手に入らない、移動ができないので学校に行けない、病院が停電している、といったように、このような事態では真っ先に直積的な影響を受けるのが貧困層の方々なんです。

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編集部:スリランカでは具体的にどのような支援をされているのでしょうか?

村主代表:そもそも経済自体が機能していなかったので、ピンポイントの支援ではなく全体的に支援していかなければなりません。ただ、とはいえ民間の僕らができることは限られているので、まずはできるところからやっていくという感じですね。食料を配ったり学校の支援を行ったり、国立病院への直接的な支援も前回行いました。そこで医療面における現状の厳しさに直面したので、日本の医療関係者にも協力していただき、スリランカの病院で不足している物資を今集めてもらっていて、8月に訪れた際に持ち込む予定になっています。

先日、スリランカを訪問した際には、現地メディアに多数取り上げられました。

https://island.lk/founder-chairman-nippon-donation-foundation-hoping-to-invest-in-multiple-projects-in-sri-lanka/

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編集部:スリランカは世界からどのように見られているのでしょうか?

村主代表:世界の縮図としてとらえられていると思います。スリランカは、中国とインドの間に挟まれ、政治家たちがその影響を強く受けて物やお金が動いている状態です。そして今は、政治家同士の戦いだけではなく、コロナやウクライナの戦争などの問題もあり、それらの影響が国民にも広がっていると考えられます。

国民がデモを起こして大統領官邸を襲撃する様子や、大統領が国外へ逃亡する様子が日本で報道されていたので、そんな危険な国に行くのはやめた方がいいのではないかと、多くの方に言われるのですが、あの瞬間の一部の地域が危険だっただけで、スリランカ自体は危険な国ではないので、その点も皆さんに知って頂きたいと思っています。

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編集部:スリランカを支援することは、日本寄付財団にとってどのような意義がありますか?

村主代表:世界では、スリランカのように経済が破綻していく国がこれからどんどん増えていくと僕は思ってます。コロナも完全に終わっていない国もありますし、台湾中国問題を始め、世界中に戦争の火種が燻っている状況です。それに伴い、物価高や食糧不足、インフレやデフレなど、僕はこれから世界が更に酷い状態に突入していくと思っているので、そういった国に対してどのような対応をすれば良いのか、応急処置として限られた資金の中でどのような形の救済ができるのかを、常に追求し続けていきたいと思っています。

編集部:今後スリランカはどのようになっていくと予想されますか?

村主代表:大統領が変わり体制が変わったので、多少膿を出した状態に近いとは期待したいです。ですが、戦争やコロナはまだ終わっていませんので、もうこれで大丈夫という感じは全くありません。今はIMFの管理下に入っていますが、最終的に具体的な救済プランがあるわけではないので、その内容次第では、本当にどうなるかまだまだ分からないという感じです。

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編集部:スリランカのことをあまり知らない読者へ、何か伝えたいメッセージがあればお願いいたします。

村主代表:日本ではなかなか現実味がないことかもしれませんが、せっかくこのような記事を読んでいただいているので、少しでも状況を理解していただければと思います。日本にも色んな支援を行っている団体がありますので、そのような団体を通じて一歩踏み出していただければ嬉しいです。世界中で戦争は起こっているので、もちろんスリランカだけが苦しいわけではありませんが、何かそこに対して考えるきっかけになってくれればと思います。

編集部:今後の日本寄付財団の目標を教えてください。

村主代表:僕たちは、あらゆる国や業界で助けが必要な方々を寄付という形で支援したいと考えています。お金が生み出される世界ではないところへ支援を広げ、資本主義からこぼれ落ちていく人々を救うべく、今後もこのような活動を色んな国で拡大させていきます。

編集部:本日はお忙しいところ、ありがとうございました。

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国が破産するという事態は、我々日本人には想像することが難しい。だからこそこの記事を読んでいただいた皆さんには、少しでもいいので考える時間を持ってほしい。日本寄付財団の活動は、いつか世界に明るい未来がやってくる、きっとその布石となるだろう。

日本寄付財団 公式サイト

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