日本とベトナムのリソースを活用したハイブリッドなシステム開発を行う株式会社ハイブリッドテクノロジーズは、2022年12月9日(金)にメディア向けラウンドテーブルを実施した。当日は、同社のサービスを利用しているパーソルキャリア株式会社CTO(Chief Technical Officer) 岡本邦宏氏も登壇し、開発中のキャリアを可視化するサービス「PERSOL MIRAIZ」についての話があった。
■スタートアップ・大手企業どちらにも適する「オフショア」
発表会は、株式会社ハイブリッドテクノロジーズ 代表取締役社長 チャン・バン・ミン氏の挨拶から始まった。
現在はデジタルビジネス時代と言われているが、日本は『IMD世界デジタル競争力ランキング』で64カ国中28位であり、デジタル後進国と言われている。調査によると、約半数の人が「自社のDXが遅れている」と感じているとわかった。
※1 出展:日経ものづくり、2020年12月号、pp.74-76
総務省の調査によると、DXを行う上での課題として「人材不足」が圧倒的な1位となった。しかし、総務省の調査では、2030年には最大で79万人ものIT人材が不足すると言われているなど、人材不足の課題は一朝一夕には解決しがたい状況となっている。
※2 総務省「情報白書」令和4年版
※3 経済産業省 情報技術利用促進課(2019.4)「IT人材需要に関する調査(概要)」
そうした日本のIT人材の不足に対して、同社はベトナムのエンジニアを活用したオフショアの開発をサービスとして提供している。オフショアは、スタートアップなどスピードが求められる経営環境において、内製や大都市・地方・業務委託といった他のアウトソースと比較し、コスト、リソースの確保、調達スピードなどにおいて総合的に優れている。
もちろん文化や環境が違うことにより課題も存在するが、実績、課題に対するナレッジが蓄積されている会社ではその課題は払拭できる。同社は、①日本とベトナムのシナジー、②ビジネスモデル、③リソース供給力という3つの強みで顧客の開発をサポートしている。
①日本とベトナムのシナジー
2020年時点で、少子高齢化問題が顕在化している日本に対し、ベトナムの総人口は今後も増加見込。ベトナムは2035年頃に総人口、労働可能人口で日本を上回り、2050年に労働可能人口の差は1500万人と推計されている。ベトナムの労働人口、連動して増加するIT人材は、日本の労働力不足、それに起因する社会問題のソリューションとなり得る。
日本企業のDX市場は、2030年には3兆円規模への成長が見込まれる一方、国内でDXを推進するリソースであるIT人材や、 ノウハウは不足する見通しだ。一方、ベトナムは国策に後押しされている豊富なIT人材と成長性を持っている。
ベトナムは、1. エンジニアリソースの豊富さと優秀さ、2. 高い日本語習得率、3. 高いコストメリット、4. 時差、5. 勤勉で向上心旺盛な国民性、6. 安定したインフラ環境、これら6つの特性がエンジニアとして優れている。
②ビジネスモデル
上流工程を担う日本と、開発実装を担うベトナムの間を、日本の商習慣を理解するベトナム人エンジニアが橋渡しすることで、オフショアのデメリットを最小限に抑え、開発の上流から下流までの全ての開発工程を完結する。日本オフィスにいるベトナム人が担当するため、日本・ベトナムどちらの文化も分かる上、日本のクライアントと密にコミュニケーションを取ることも可能で、オフショアの課題となりやすいコミュニケーションがスムーズになる。
③リソース供給力
ベトナム国内における同社の高い知名度を活かした採用ネットワークにより、日本国内では困難な、案件に応じた機動的な人材確保が可能。2022年9月期に実施した150名採用キャンペーンをはじめとしたベトナムIT人材へのアプローチを通じて、開発経験者の候補者リストは26,000人規模に成長した。
同社では大学との提携を積極的に行っており、現在8校と業務提携を結んでいる。説明会やインターンの受け入れ、授業の監修などを行い、IT人材育成の確保に繋げている。
ベトナム人初の日本上場社長として、ベトナム国内の多数のメディアに同社の記事が掲載され、特にベトナム国内の採用候補者への同社認知は順調に浸透。2022年11月12日には、同社代表のミンへの密着取材番組がベトナム国営放送にて放送された。
ミン社長は「今後は上場企業様、ナショナルクライアント様、大企業様へのアプローチの強化。既存のお客様のマーケティングの拡大などで、ストックサービスを拡大していこうと考えている。」と語った。
株式会社ハイブリッドテクノロジーズ 代表取締役社長 チャン・バン・ミン氏が語る!オフショア開発への想い
YouTube:https://youtu.be/HvOwILksSOI
■パーソルキャリアが目指す「はたらく未来図構想」とキャリアを可視化する「PERSOL MIRAIZ」
引き続き、パーソルキャリア株式会社 CTO(Chief Technical Officer) 岡本 邦宏氏が登壇した。
岡本氏はオーストラリアで事業の立ち上げを経験した後、モバイルコンテンツの事業責任者 兼 子会社のCTO(最高技術責任者)を務める。その後も引き続き、CTO・技術統括として数多くのベンチャーにて、大規模サービスの立ち上げ・成長に携わる。音声ベンチャー、不動産テックをはじめとする企業の技術顧問などを経て、2020年7月パーソルキャリアに入社した。
「はたらいて、笑おう。」をビジョンとするパーソルキャリアでは、2030年に向けた価値創造ストーリーとして一人ひとりのライフステージに合わせて一生涯の“はたらく”をサポートする「はたらく未来図構想」を展開している。その一環で、今年度の取り組みとしてキャリアを可視化する「PERSOL MIRAIZ」のリリースを予定しており、同社で開発を進めている。自身のスキルやキャリアデザインを入力し、自分のライフプランに合ったコンテンツを学ぶことで、自身にあった求人の発見や、キャリア相談が可能です。現在はテスト版がリリースされており、正式版ローンチに向け、開発に取り組んでいる。
パーソルキャリア株式会社 CTO(Chief Technical Officer) 岡本邦宏氏が語る!同社のビジネスやサービスの魅力
YouTube:https://youtu.be/lMBTMBK7JKg
PERSOL MIRAIZ:https://miraiz-persol.jp/
■パーソルキャリア 岡本邦宏氏×ハイブリッドテクノロジーズ チャン・バン・ミン氏によるトークセッション
トークセッションでは、パーソルキャリア 岡本氏に、ハイブリッドテクノロジーズを選んだ背景や実施してみての感想を聞いた。
ベトナムオフショアを選んだ理由として、 岡本氏は「日本もIT人材育成にアクセルを踏んではいるが、エンジニア採用人口が減少していっている。一方、世界ではエンジニア人口は右肩上がりとなり、特にベトナムは国策としてIT人材育成を行っているため、日本にはできない登用が可能。実際にベトナムのエンジニアに開発を依頼している中で、開発後のレビューの速度が体感として1.5倍程度にも感じており、個人の成長スピードが速いと思う。」と語った。
また、ベトナム人の特性について岡本氏は「ベトナム人は真面目でスケジュール管理などが得意で日本人に合う。たとえ開発メンバーを他国のエンジニアにしたとしても、プロジェクトマネージャーはベトナム人にした方が良いほど。今はオンラインコミュニケーションの抵抗がなくなったこともあり、より適している。」とベトナムとエンジニアの相性について強く語るシーンもあった。
ベトナムオフショアの中でもハイブリッドテクノロジーズを選んでいただいた理由として、日本人のプロジェクトマネージャーを必ず設けている同社の体制について、「他社にはあまりない体制。日本人プロジェクトマネージャーがいることで、上流から下流まで可能で、品質の向上もサポートしてくれる。ベトナム人エンジニアメンバーも、単に開発をするだけでなく、クライアントや、その事業のことを理解しようというスタンスを感じる。それは日本人メンバーの教育によるものであり、クライアントの成長=自身のエンジニアとしての成長=自国の成長という理解がなされているからだと思う。」と語った。
また、会の途中では岡本氏がベトナムに訪れた際、「10年前は電線が顔の前に垂れ下がるのが当たり前だったけれど、今は国全体がバックアップして環境を整えている。周辺の国と比較して、働くインフラが整っているから、コロナ禍のテレワークも可能。電子決済もかなり進んでいる。」と語った。好きなベトナム料理や訪越時のエピソードなど他愛もない話も挟みながら、ベトナムオフショア及びハイブリッドテクノロジーズの率直な意見を語っていた。
あらゆる業務のIT化が急速に進む中、エンジニアの確保は必要不可欠だ。国内で優秀なエンジニアを確保するには、高コストになる。かといって、海外のエンジニアでは、意思疎通や納期に不安を感じるだろう。
ハイブリッドテクノロジーズが提供するオフショア開発のサービスを利用すれば、海外の優秀なエンジニアを低コストで確保することができ、日本人スタッフが間に入るため、コミュニケーションの不安も解消される。DX化を推進したい企業にとって、同社のオフショア開発は魅力的なサービスと言えるだろう。
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