ベトナムIT企業の最大手であるFPTコーポレーションは、次世代GPUクラウドサービス 「FPT AI Factory」の販売を24年11月13日(水)より順次開始。11月12日(火)には、FPTジャパンホールディングス株式会社 東京本社にて「FPT AI Factory」発表会が開催され、サービス詳細のほか、日本で初めてのメディア向け発表会となるため、今後の日本市場における事業戦略も合わせて説明がされた。「FPT AI Factory」は、25年2月15日に運用開始予定。
■ベトナムのICTリーディングカンパニーであるFPTコーポレーション
FPTコーポレーションは、 ベトナムに本社を置く世界トップクラスのテクノロジー/ITサーヒス・プロバイダーで、テクノロジー、テレコミュニケーション、教育の3つの主要な部門で事業を展開している。最新の市場動向と新たなテクノロシーに迅速に対応するため、各種サービス、製品、ソリューション、およびプラットフォームのエコシステムを独自に開発している。
日本市場において約20年の経験を持つFPTジャパンホールディングスは、2024年には国内17拠点、従業員は3,800人の規模となっている。日本を戦略的成長市場と位置付け、コニカミノルタ株式会社との合弁事業、株式会社工ル・ティー・エスへの投資や株式会社エヌ・エイ・エスのM&Aなど、積極的に事業拡大を図っている。デシタルトランスフォーメーション、特にレガシーシステムのモダナイセーションにおいては、Al 技術を活用し、エンドツーエンドのソリューションの提供に取り組んでいる。
■FPTは日本におけるソブリンAlの開発に貢献
この日、FPTは 日本での「FPT Al Factory」の立ち上げを正式に発表。サービスの主力となるGPUクラウドソリューションは、 Alとクラウドサービスのワンストップソリューションとして機能し、 Alの進歩のための膨大なコンビューディングパワーの提供を通し、 日本におけるソブリンAlの開発に貢献していく、としている。
2024年4月、 FPTはNVIDIAとの包括的な戦略的パートナーシップ締結を発表し、世界的にAl技術の普及を加速させるというFPTのAl戦略における重要なマイルストーンとなった。
ソブリンAIについてNVIDIAは「国が自国のインフラ、データ、労働力、ビジネス ネットワークを用いて人工知能を生み出すことができる能力を指します」と説明している。また、ソブリンAIの重要性については「生成AIの台頭以来、国家がソブリンAI 能力に投資することは、世界的にますます必須の取り組みになっています。生成AIは市場を再形成し、ガバナンス モデルに一石を投じ、新しい産業を刺激しており、ゲーミングからバイオ医薬品に至るまでの産業に変革をもたらしています」と提言している。
■次世代GPUクラウドサービス 「FPT Al Factory」で労働力の変革や運用費用の最適化が可能に
FPTは、3つの主要製品グループを含む、 エンドツーエンドのAl製品ライフサイクルのための包括的なスタックである「FPT Al Factory」を発表した。
FPT AI インフラストラクチャは、モデル開発とパフォーマンスを向上させるための、前例のないコンヒューテイングパワーを備えたGPUクラウドサービスを提供する。 FPT Al スタジオは、 NVIDIA NeM0を活用したAlモデルの構築、 事前トレーニング、 および微調整のためのインテリジェントツールを提供。
NVIDIA NIMとNVIDIA Al BlueprintでサポートされているFPT Al Inferenceは、 顧客がモデルのサイズと使用回数の点において効果的な展開および拡張を支援するものとなっている。「FPT Al Factory」は、 生成Al に基づいて構築された20を超える即時利用可能なAl製品と統合されていて、 Alの迅速な導入と顧客体験の向上、 卓越した運用業務の実現、 人間の労働力の変革、 運用費用の最適化に貢献する。
「FPT Al Factory」は、 数千基のNVIDIA Hopper GPUと次世代GPUを搭載し、 最新のNVIDIA Al Enterpriseソフトウェアプラットフォームで強化されている。 拡張性があり機密性の高いスーバーコンピューティングと、高度なAlテクノロジーをゼロから開発し、 市場投入までの時間を短縮するための必須ツールを提供。これにより、リソースとプロセスを迅速に管理し、総所有コスト(TCO)を最適化することも可能になる。
「FPT Al Factory」を使用した具体的な事例としては、カスタマーサポートの現場でのAIの活用が紹介された。サービスや製品の利用者からの簡単な質問や問題解決はAIに助けてもらい、人は複雑なケースで解決に集中することができるようになる。実際に、FPTのサービスを利用し、リソースは変わらずに3倍の成長を支えることができる事例もあったという。
FPTは現在、「FPT Al Factory」の事前注文を開始していて、 利用者はAlとクラウドの多様なエコシステムを活用し、 クラウドクレジットを獲得、 またプレミアム機能に早期アクセスできるようになる。 経験豊富なAl とクラウドの専門家によるカスタマイズされたコンサルティングを組み合わせることで、 あらゆる業界の企業は実用的で価値の高いAlソリューションの構築を実現できる。
■研究開発能力の強化に貢献、デジタル変革を支援へ
日本は現在、経済成長、イノベーションを促進し、デジタル変革を安全に推進するために必要なGPUクラウドソリューション不足に直面している。FPTの日本におけるAl対応インフラストラクチャは、高度な計算パフォーマンス、高効率、低遅延のインタラクションを顧客や行政組織等に提供し、機密データの保護、主権を維持しながら研究開発能力の強化に貢献していく。
また、サービスデリバリーバートナーとしてNVIDIAパートナーネットワークに参加することで、FPTはNVIDIAの最先端の製品とテクノロジーを活用し、カスタマイズされたクラウドサービス、ハードウェア、ソフトウェア、そして最も重要な生成Alソリューションを開発し、日本の金融機関をはじめ、多様なステークホルダーのデジタル変革を支援していく。
テクニカルライター 後藤 響平
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