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プライベートからビジネスに至るまで、インターネットの情報発信の場として今では当たり前のように使われているブログサービス。そんなブログを誰もが手軽に使えるように国内でいち早くサービス提供したのがライブドアの「livedoor Blog」だ。
livedoor Blogは、2009年11月2日に6周年を迎え、7年目に突入している。現在では各社が様々なブログサービスを提供しているが、信頼性やテンプレートの豊富さ、カスタマイズのしやすさなどから、livedoor Blogを愛用する人は多い。
livedoor Blogは「WEB OF THE YEAR」を受賞するなど輝かしい歴史を歩んできたようにみえるが、今日に至るまでには様々な苦難の道のりがあった。
そこで今回はlivedoor Blog 6年間の激動と発展の歴史を開発者によるエピソードとともに振り返ってみよう。
■ブログが社会に認められた911事件
現在のブログは、個人の情報発信の場だけではなく、企業や政治の活動の場として積極的に活用されている。そんなブログのはじまりは、自分が気になったニュースやサイトなどのURLを、寸評つきで紹介した英語のウェブサイトとされている。その後、BloggerやMovable Typeなどのブログ用ツールが登場し、2001年の911(アメリカ同時多発テロ)事件でブログが家族や知人の安否を確認するための情報ツールとして活躍し、既存メディアにない情報発信力が社会に認められ、ブログは定着した。
■livedoor Blog誕生
livedoor Blogは、日本で初のブログサービスとして、2003年11月にβ版を公開。12月より正規サービスが開始された。2005年11月にはブログ開設数100万人を突破し、2008年12月の5周年目には260万人にまで増加。そして現在は310万人と日々成長を続けている。
現在のlivedoor Blogは、発言力のあるアルファブロガーが集まるブログサービスとして注目を集めており、業界でもトップクラスのサービスに成長している。
■たった1台のサーバからクラウドの世界へ エンジニア魂がサービスを生み出した
「最初はサーバ1台からはじまりました」と、ライブドア 執行役員 CTO 池邉智洋 氏はlivedoor Blogを立ち上げた当時を振り返る。
livedoor Blogは、ライブドアをポータルサイトとしてリニューアルするプロジェクトの一環として、滑り込みで企画されたサービスだったそうだ。このため立ち上げまでの作業期間は、約1ヶ月という短期間だったいうから驚きだ。
当時のブログを取り巻く環境は、有志による MovableType の日本語化などが行われていた。ブログ流行の兆しはあったもののネットサービスとして本格的に提供するためにはサーバを用意する必要などもあり、一般の人がサービスとして提供することは難しかった。
ライブドアのエンジニアたちも同様にそれらのツールを使っていたわけだが、「自分たち的にも便利だしやろうよ」とエンジニア魂のモチベーションに火がつき、今日のlivedoor Blogの原型が出来上がったという。
池邉氏は、livedoor Blogのオリジナルサービスという価値から投入をしたという。
「ライブドアをポータル化するという大目標はあったものの、オークションとか、ニュースとか、Yahoo!を意識したコンテンツばかりで、オリジナルなものがないという状況だったこともあり、ライブドアとしてのオリジナルサービスとして投入しました。」
■巨大トラフィックとの戦いの日々
順風満帆のように思われたlivedoor Blogにも、苦難のときはあったという。
ユーザー増加に伴うトラフィック増大がもたらしたサービス傷害だ。当初の想定よりふくれあがったユーザー数による巨大なトラフィック問題が発生したという。
多くのブログサービスが苦しめられたこの難局を、ライブドアはどうやって乗り超えたのだろうか。
池邉氏によると、試行錯誤を繰り返してlivedoor Blogの運用に取り組んできたという。サーバ1台の構成からスタートし、MySQLマスタースレーブ構成に移行。MySQLも限界に達しようとしたころに商用DBを導入して、負荷を一旦は軽減できたという。
ところが、すぐに負荷による動作が重くなり商用ストレージを導入し、商用DB +memcached構成に移行した。その商用DBでさえ限界に達し、MySQL分散構成 + memcachedに移行して現在に至っているとのことだ。商用ストレージはコストが高いことが難点だが、商用製品で時間を稼ぎつつ独自技術の開発を行ってきたという。
「データセンターに泊まりで作業したときに、データ移行の待機の時間の間に床で寝たら死ぬほど寒かったです。」と、池邉氏は苦笑しながら当時のハードな日々の思い出を語ってくれた。
また池邉氏は、このような当時のハードな日々のエピソードを明かしてくれた。
池邉氏が作業明けで自分の席で寝ていたら、当時の社長 堀江氏が大丈夫かと確認しに来たそうだ。しかし、池邉氏は、あまりの眠さから「大丈夫だから寝ています」と言い放ち、堀江氏は納得して帰ったそうだ。その光景をみていたまわりの人たちは、池邉氏の態度に堀江氏が激怒するのではないかと冷や冷やであったという。
■日本一のブログへ
livedoor Blogが一般の人に認知されたキッカケのひとつには、ソフトバンクパブリッシング株式会社 Yahoo!Internet Guide編集部主催の「Web of the Year」がある。
「Web of the Year」は、1年間を振り返り、話題に上ったサイトや有名、人気サイトの中から、インターネットを利用している人の投票によって「ベストサイト」を選ぼうという企画だ。投票は、話題賞・プロバイダ賞という特別賞と、ウェブサイトのカテゴリごとに競う部門賞に分けて行い、さらに各賞の中から、その年を象徴するサイトを「年間総合大賞」として選出する。
livedoor Blogは、2004年の「Web of the Year」において、新人賞 第3位を受賞。名実ともに当時、日本一のブログという評価を受けた。
■新たな飛躍 収益化の成功へ
現在、livedoor Blogは単なるブログサービスだけではなく、プラットフォームとしてのブログへと進化をはじめている。
ブログビジネスや情報発信のプラットフォームとして、livedoor Blogをバックボーン提供した「新キラメ★100ブログ」も開設している。多くの問題解決の経験と培った技術が、こうしたブログ運用の高い信頼性という評価を獲得しているという。
安全にサービスの維持や情報を発信する道具としてブログを利用するだけではなく、収益をあげられるブログ運営にも協力して取り組みをしていることもlivedoor Blogの大きなメリットと評価にもなっている。
こうしたブログでのマネタイズに協力する取り組みが、個人ブロガーや小学館といった大手企業にも受け入れられ、利用されはじめている。
また、livedoor Blogではブログのポリシーやステイタス向上にも力を注いでいるという。知的メディアのプラットフォームとして、ブロゴスやITライフハックに代表される情報発信する新しいブログメディア創出の取り組みも積極的に開始しており、利用者の満足度の高いメディアへの変貌が進められている。
インターネットでは日々技術が進歩しているが、それと同様に、livedoor Blogも6年の歳月の間、新しい取り組みにチャレンジし、今もその歩みを続けている。livedoor Blogが、多くの個人だけでなく企業を飽きさせない秘密は、そういった明日を目指した「魂」にあるのだろう。
参考文献:4Gbpsを超えるWebサービス構築術
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