「デジタルサイネージ」ってご存じだろうか?

東京オリンピックの招致活動でも競技情報や観光案内を電子ディスプレイで表示するプレゼンテーションで話題を呼んだ最新の環境型の情報だ。

まだ一般には、周知されていないが、既に広告業界をはじめとしてIT業界などでは大きな注目を集めており、オリンピック招致に絡み新しいメディアとしての今後が期待されている分野なのだ。



そこで新しい時代に乗り遅れないためにデジタルサイネージコンソーシアムの常務理事 江口靖二氏にお話を伺いながら注目の新キーワード「デジタルサイネージ」を探ってみよう。



■デジタルサイネージってなに?- 次世代サイバー広告なの? -

デジタルサイネージをインターネットで検索すると「電子看板システム」とか表されていることが多く、屋外や街中、交通機関の中に設置されるディスプレイ装置を通して静止画や動画などの映像や音楽を表示するシステムである。こう書くと、あらかじめ決まった映像や音楽が表示される電子看板なの?と思われがちだが電子看板とは決定的な違いがあるのだ。



江口氏は、「デジタルサイネージには、電子看板のような広告的な利用方法もあるが、デジタルサイネージを活かす方法は、インターネットのような情報を配信・表示するといった使い方だ。」という。



つまりデジタルサイネージは、インターネットのようにネットワークに繋がっている映像と情報の表示システムなのだ。

表示装置にあらかじめセットして決まった映像を流すのではなく、ネットワークを使ってリアルタイムに映像を配信・表示ができるというわけだ。



■これまでの広告となにが違うの?

デジタルサイネージは、これまでの街中の広告となにが違うのだろうか?



「まず、ネットワークから配信されてくるので、常に表示される映像は変化する。表示できるものも、写真などのスライドショーから映画のプロモーションムービー、パソコンで見ているフラッシュムービーなど、多彩な情報を提供できる。将来的にはインターネットを屋外で見るといった使われ方にしたい。」と江口氏は語る。



さらに江口氏は、

「街中や施設、電車などの交通機関内にも設置されるデジタルサイネージは、自分から情報を見にいかないといけないプル型のパソコンやケータイとは違い、見る側はなにもしなくても自分の行動・場所・時間にマッチした情報が得られる完全なプッシュ型という点で、もっとも人に優しいメディアだ。」とデジタルサイネージが、パソコンやケータイとも異なる新しいメリットがあると指摘した。



たしかに、パソコンやケータイで情報を検索したり、サイトを見たりすることは、自分が見たい情報を見るという面からは的確な方法だが、常に自分で探すという行為が必要なために面倒と感じることも多い。



特に屋外など移動中は負担となっていることもある。その点、デジタルサイネージなら、受け手はなにもしなくてもよいわけで、負担なしに行動と場所、時間に合わせた情報を目にできるわけだ。



■デジタルサイネージはメディアになるべきである

江口氏は、デジタルサイネージは、単なる広告モデルではなく、メディアになるべきだと主張する。

デジタルサイネージコンソーシアム常務理事 江口靖二氏




「デジタルサイネージは、現段階では広告の新しい形態として注目されているが、ただの利益をあげる道具ではなく、情報を共有するメディアにならないといけない。街中や電車の中、小売店などの人が集まり、生活・移動する場所で、ニュースや動画・映像などの情報を得られなくては、新しいものや市場として定着はしない。

SF映画の中の未来都市のように、街中でもインターネットのニュースや天気予報、商品特売、イベント情報などが自然に目にはいってくるようになれば、我々の生活はもっと楽しいものになるだろう。」、



デジタルサイネージコンソーシアム(Digital Signage Consortium)



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