秋葉原を拠点に展開している老舗パソコンショップ 九十九電機が2008年10月30日、民事再生法の適用を申請しました。負債総額は約110億円。



11月21日、同店の在庫と店舗の担保権を持つNECリース株式会社が権利を行使したため、一旦営業を停止。11月26日ネットショップが営業再開され、店鋪も11月27日に秋葉原ツクモ9号店(特設店舗)で営業を再開。そのほかの店舗も12月初旬を目処の再開されるそうです。



九十九電機といえば、大手メーカーパソコンから自作パソコン・中古パソコン、周辺機器などを扱い、“ツクモ”、“TSUKUMO”といった愛称で親しまれている老舗のパソコンショップです。同業者にとっても、秋葉原に複数の店鋪を展開する大手ショップだけに、今後の影響を懸念する声も上がっています。



秋葉原を訪れるユーザーにとっては、秋葉原の顔といってもよいショップの九十九電機。



今回は、この九十九電機についてみてみましょう。





■社名の由来

一風変わった名前の九十九電機ですが、正式な社名は九十九電機株式会社。

社名の由来は同社のサイトにも記載されていますが、



「古典のツグモモ(次百)。次がパーフェクトを意味し、常に百を目指して挑戦し続けることを表します」



とのこと。





■九十九電機の歴史

九十九電機は、昭和22年に通信機材の販売から歴史の幕をあけます。そして、昭和37年に九十九電機株式会社を設立します。

昭和52年にはAppleのパソコン販売をはじめ、翌53年に秋葉原発のパソコン店鋪をオープンします。以降は、着実に店鋪を増やし、札幌や名古屋、大阪など秋葉原以外の地区にも店鋪を広げていきます。



平成8年にインターネットサイトを開設し、12年には日本初のロボット専門店「ツクモROBOCON Magazine館」もオープンしています。



【アキバ物欲】テーブルの上でも目立たない!"トースターPC"登場 - ITライフハック





■秋葉原の大手店鋪の苦難

秋葉原は、時代の流れとともに「家電の街」、「パソコンの街」、「サブカル(同人・フィギュアなど)の街」へと変貌を遂げています。



これまで九十九電機だけでなく、一時代を築いた店鋪がその幕を下ろしています。



・2008年1月31日 高速電脳

 1997年に設立。秋葉原の人気PCパーツショップ「高速電脳」が2008年1月31日付けで事実上倒産。負債総額は2億円程度。



・2007年1月31日 PC-Success

 元ラオックス社員が1999年に設立。最安値を争うほどの低価格販売で有名なショップ。それゆえに資金繰りにまついわる懸念も多かったようです。負債総額は30億円程度。



・2007年1月21日 家電量販店ナカウラ本店が閉店。

・2007年3月25日  ロケット1号店が閉店。

・2007年9月20日 ラオックス ザ・コンピュータ館が閉店。



アキバの老舗パーツショップ「高速電脳」が“事実上の倒産” - +D PC USER/ITmedia





パソコン市場の主流がノートPCに移行している現在、自作パソコンやショップブランドPCなどのデスクトップを中心とするパソコン専門店には、苦しい時代となっているようです。



秋葉原は、サブカルチャーに移行したといわれてますが、今でも「パソコンの街」として秋葉原を訪れる多くのユーザーに愛されています。営業を再開した九十九電機をはじめ、また多くの店鋪が「パソコンの街」秋葉原を支え続けていってほしいものです。



■こちらもオススメ!気になるトレンド用語

アナログなんて知らないよ! デジタルネイティブが開く時代

違法、合法どっちなの? 遂に逮捕者もでた「マジコン」

最近人気復活の“SE”って日本だけしかいないの?

話題の電脳フィギュアの「拡張現実」は、仮想現実とは似て非なる未来の技術?

はてなブックマークが変わる!そもそもブラウザのお気に入りと何が違うの?

気になるトレンド用語 バックナンバー