Windows XPからWindows Vistaに乗り換えた人の中には、動作にもたつきを感じた人がいないだろうか。またWindows Vistaを使い込んでいくうちにだんだんと動作が遅くなってきた人はいないだろうか。ここで紹介する基本設定を見直すだけで、Windows Vistaは見違えるほど高速化される。




■知っ得 No.0066 基本設定を変更してWindows Vistaを高速化する

Windows Vistaの動作には、従来のWindows XPよりもハイスペックの環境が要求される。メモリーに関しては、実際のところ2Gバイト以上は搭載しなければ快適とは言い難いし、Windows Aeroなどのグラフィック機能は、高機能なグラフィックチップがなければ活かせない。



とくにノートパソコンや小型のデスクトップパソコンでは、メモリー増設などのハードウェアの拡張が限られている製品も多々ある。



今回はどんなパソコンでも効果がある、Windows Vistaの高速化に効く10の快速ワザを紹介しよう。


1.Windows Aeroオフで描画の負担を軽く

Windows Aeroは、Windows Vistaが新しく搭載したグラフィック機能。ウィンドウの周辺を半透明表示したり、ウィンドウを立体的に並べて切り替えたりする機能。

Windows Aeroの本来の目的は、これまでCPUが行っていたグラフィック処理をグラフィックチップに任せることにある。これにより、CPUの負荷を軽くして、Windows全体のパフォーマンスを向上する。



ところが、グラフィックチップの性能が十分ではない場合、逆に描画機能が重荷になる。動作が遅いと感じたら、Windows Aeroオフを試してみよう。



[スタート]メニューから[コントロールパネル]を開いて、[色のカスタマイズ]をクリック。[ウィンドウの色とデザイン]で[詳細な色のオプションを設定するにはクラシックスタイルの[デザイン]プロパティを開きます]をクリックする。

[デザインの設定]ダイアログボックスが開いたら、[配色]から[Windows Vistaベーシック]を選んで、[OK]をクリックする(画面1)。



2.Ready Boostで手軽にメモリーを拡張

Ready Boostは、パソコンに接続したUSBメモリーにメインメモリーの領域を拡張する機能。とくにノートパソコンでは、搭載可能なメモリー容量が少ない場合も多く、Ready Boostが有効だ。



なお、利用可能なUSBメモリーには十分な空き容量と転送速度が必要。パッケージに「Windows Vista対応」と書かれた製品を選ぼう。



パソコンにUSBメモリーをセットすると、[自動再生]ダイアログボックスが開くので、[システムの高速化]をクリックする。

リムーバブルディスクのプロパティ画面が表示されたら、[ReadyBoost]タブで[このデバイスを使用する]を選択する。領域のサイズを指定して、[OK]をクリックすれば、設定は完了(画面2)。

画面1[配色]から[Windows Vistaベーシック]を選択画面2[このデバイスを使用する]を選択後、領域のサイズを指定

3.パフォーマンス優先で描画を軽く

Windows Vistaの画面表示には、さまざまな特殊効果が設定されている。たとえば、メニューやマウスポインタの下に影を表示したり、ウィンドウを最大化/最小化したりするときにアニメーション表示する。



見ためは楽しいが、CPUやメモリーの負担となり、パフォーマンスに影響する。不要な視覚効果はオフにして、パフォーマンスを優先してみよう。



[スタート]メニューから[コントロールパネル]を開いて、[システムとメンテナンス]→[システム]→[システムの詳細設定]をクリックする。

[システムのプロパティ]の[詳細設定]タブで[パフォーマンス]の[設定]ボタンをクリックすると、[パフォーマンスのオプション]ダイアログボックスが開く。

[視覚効果]タブで[パフォーマンスを優先する]をオンにする(画面3)。寂しい画面になったと感じたら、[カスタム]を選んで少しずつチェックを戻してみよう。



4.馴染みのクラシック表示で動作も軽く

画面表示をなつかしいWindows 98のようにしてしまうのが、「Windows Vistaクラシック」の表示。不要な視覚効果もまとめてオフにできるから、見慣れた環境で作業しつつ、動作も軽快になる。



[スタート]メニューから[コントロールパネル]を開いて、[色のカスタマイズ]をクリック。[ウィンドウの色とデザイン]で[詳細な色のオプションを設定するにはクラシックスタイルの[デザイン]プロパティを開きます]をクリックする。

[デザインの設定]ダイアログボックスが開いたら、[配色]から[Windows Vistaクラシック]を選んで、[OK]をクリックする(画面4)。

画面3[視覚効果]タブで[パフォーマンスを優先する]をオン画面4[配色]から[Windows Vistaクラシック]を選択

5.ユーザーアカウント制御による確認を省く

Windows Vistaは、セキュリティ機能の「ユーザーアカウント制御(UAC)」を搭載している。パソコンに侵入したプログラムや、パソコンに触れる第三者が、勝手に設定を変更することを防ぐ機能だ。



安全のために有用な機能だが、何度も確認画面が出て邪魔に感じることがある。メインのユーザーがまとめて設定を変更する際などには、いったんオフにしてしまおう。



[スタート]メニューから[コントロールパネル]を開いて、[ユーザーアカウントと家族のための安全設定]→[ユーザーアカウント]→[ユーザーアカウント制御の有効化または無効化]をクリックする。[ユーザーアカウント制御(UAC)を使ってコンピュータの保護に役立たせる]のチェックをオフにして、[OK]をクリックする(画面5)。



6.Windowsと同時に起動する常駐ソフトを解除

パソコンに導入したソフトウェアの中には、Windowsと同時に起動して常駐するものがある。すぐに利用できて便利な反面、起動に時間がかかるし、常にメモリー容量を消費する存在となる。常駐ソフトを確認して、不要なものがあるなら解除してしまおう。



なお、ここで「削除」を選択してもプログラム本体が消えるわけではない。[スタート]メニューなどから選択すれば起動できる。



[スタート]メニューから[コントロールパネル]を開いて、[スタートアッププログラムの変更]をクリックする。一覧から、解除したいプログラムを選択して、[削除]をクリックする(画面6)。

画面5[ユーザーアカウント制御(UAC)を使ってコンピュータの保護に役立たせる]のチェックをオフ画面6 解除したいプログラムを選択して、[削除]をクリック

7.背後で動作する不要なサービスを解除

Windows Vistaはさまざまな機能を搭載し、ユーザーの要求に応じて素早く動作できるように備えている。けれども、こうした機能(サービス)の中には、実際に使用しないものが含まれる。



たとえば、TabletPC機能を搭載しないパソコンを使用しているなら、この項目はオフにしておこう。



[スタート]メニューから[コントロールパネル]を開いて、[プログラム]→[Windowsの機能の有効化または無効化]をクリックする。一覧から、不要な機能のチェックをオフにして、[OK]をクリックしよう。

「TabletPCオプションコンポーネント」「Windows FAXとスキャン」「Windowsミーティングスペース」「ゲーム」など、該当する機能を使用する予定がなければ、オフにしてしまおう(画面7)。



8.ファイルのインデックス作成をオフ

Windows Vistaでは、フォルダウィンドウや[スタート]メニューの「検索ボックス」にキーワードを入れると、素早くファイル検索できる。この機能を実現するため、バックグラウンドでは、定期的にファイルのインデックスが作成されている。



ところが、インデックス作成中は全体のパフォーマンスが低下する。もし、作業中に動作が遅くなったと感じたら、15分間インデックスを止める方法がある(Windows Vista SP1より搭載の機能)。



[スタート]メニューから[コントロールパネル]を開いて、[システムとメンテナンス]→[インデックスオプション]をクリックする。[インデックスのオプション]ダイアログボックスで[一時停止]をクリックする(画面8)。

画面7 該当する機能を使用する予定がなければ、オフ画面8[インデックスのオプション]ダイアログボックスで[一時停止]をクリック

9.デフラグは自分のタイミングで実行

パソコンを使い続けていると、ハードディスク内にデータが断片的に保存されるため、読み書きに時間がかかるようになる。これを解消するために実行するのがデフラグだ。



Windows Vistaの初期設定では定期実行になっているため、意識しなくても働いてくれるが、動作中は他のパフォーマンスが低下する。他への影響を少なくして自分のタイミングで実行したいなら、定期実行をオフにしよう。



[スタート]メニューから[コントロールパネル]を開いて、[システムとメンテナンス]→[ハードドライブの最適化]をクリックする。[デフラグツール]が起動したら、[スケジュールどおりに実行する]のチェックをオフにして、[OK]をクリックする(画面9)。

ダイアログボックスで[今すぐ最適化]をクリックすると、すぐに実行できる。



10.Windows Defenderも不要ならオフ

Windows Defenderは、スパイウェアを監視する機能を持つ。セキュリティのために役立つ機能だが、他にセキュリティソフトを導入しているなら、同様の機能を備えている場合がある。機能の競合をなくし、負荷を減らすためにも、不要ならオフにしてしまおう。



[スタート]メニューから[コントロールパネル]を開いて、[セキュリティ]→[Windows Defender]をクリックする。Windows Defenderの[ツール]→[オプション]をクリックし、[Windows Defenderを使用する]のチェックをオフにする(画面10)。

画面9[スケジュールどおりに実行する]のチェックをオフ画面10[Windows Defenderを使用する]のチェックをオフ



なお、ここで紹介したワザをすべて行う必要はない。自分の使い方や環境に応じて設定を行えば、少しでも軽くなったと実感できるハズだ。





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編集部:池田利夫

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