朝一番に気になることは、その日の天気だろう。朝起きて天気が悪かったりすると出かけるのも面倒になるという人も多いのではないだろうか。また、朝はよい天気でも、出かけてみたら天候が崩れて雨に濡れてしまったという経験も少なくない。



そんな時に頼りとなるのは、やはり「天気予報」だ。

以前は、「当たらない?」とか言われていた天気予報だが、現在ではテレビの天気予報で「アメダス」を利用して雨の確率を表示されるよいになっており、何%なら傘を持って出かけようと決めている人もいるほど浸透している。



この「アメダス」が天気予報に導入されてから高い確率で雨を予測できるようになったのだが、この「アメダス」とはいったいどのような技術を使っているのだろうか。



また最近、中国・四川省大地震や岩手・宮城内陸地震など、立て続けに大きな地震が続いており不安を感じているいる人も多いだろう。現在の予報技術は、そのくらい地震の予知ができるのだろうか? 誰しもが知りたいところだ。



そこで今回は、気象や災害を予測するハイテク技術をみてみよう。




■天気予報とそれを支える技術

生活に身近な天気予報は、どのようにして生まれたのだろうか。まず天気予報の歴史とそれを支える技術をまとめてみた。



●世界初の天気予報

天気は、農作物の収穫に大きく影響することから古代においては現代よりも重要なものだった。世界初の天気予報には諸説あるのだが、古代バビロニア人が紀元前650年に雲のかたちから天気を予測したことが世界初の天気予報という説がある。



また、紀元前およそ340年にはアリストテレスが気象学に基づいた天候のパターンを描き出したというから驚きだ。古代から文明が栄えていた中国でも、少なくとも紀元前300年までには天気を予測していたようだ。



ちなみに日本では、1884年(明治17年)6月1日、現在の気象庁の前身となる東京気象台による発表が国内初の天気予報とされている。





●アメダスとは?

テレビやラジオの天気予報でよく耳にする「アメダス」とは、いったい何のことだろうか。

アメダス(AMeDAS)とは「Automated Meteorological Data Acquisition System」の略で、「地域気象観測システム」のことだ。



言葉の由来だが、「地域気象観測システム」の英訳である「Automatic Meteorological Data Acquisition System」を略した「AMDAS」よりも、「AMeDAS(雨出す)」と略したほうが面白いとの提案から「アメダス」となったという。



のちに英語訳は「Automated Meteorological Data Acquisition System」と変更されたのだが、略称の「アメダス」という言葉はそのまま残った。





●アメダスの歴史と測定データ

アメダスは1974年11月1日から運用を開始している。降水量を観測する観測所は全国で約1,300か所ある。このうち、約21km間隔に設置された約850か所の観測所で、降水量に加えて風向・風速・気温・日照時間を観測している。また雪の多い地方の約290か所では、これら5種類のデータに加えて積雪の深さも観測している(表1)。



表1.表示データの種類と内容
種類内容単位
降水量雨や雪の量0.5mm単位。雪やあられは溶かして観測。
風向風が吹く方向北、北北東、北東、東北東、東、東南東、南東、南南東、南、南南西、南西、西南西、西、西北西、北西、北北西の16方向で表現。観測前10分間の平均値。
風速風の速度1m/s単位。観測前10分間の平均値。
気温空気の温度0.1℃(摂氏)単位で表現。
日照時間日照時間0.1時間(6分)刻み。
積雪の深さ雪の高さ1cm単位。




参考:

アメダスの表示データについて - 気象庁



自動測定された観測データは、1時間に1回集計されて都内にある処理センターに送信され、気象庁に届く仕組みとなっている。観測所は人が立ち入らない山間地にもあるが、点検や捕集は人の手で行われている。





●環境にもやさしい測定地点

アメダスの観測所は、単に気象データを観測するだけでなく環境にも配慮されている。観測機器の真下の地面には地面からの反射日射や雨粒の跳ね返りを少なくするために30平方メートル以上の芝生を植えている。また、観測所の周囲は風の通りを妨がないような柵を設置し、外部からの侵入をできるだけ防いでいる。また観測地点は日光が樹木や建物などによって遮られたり風通しが悪くならないように周囲が開けた場所となっている。





■地震予測とそれを支える技術

地震は、どのように予測されているのだろうか。最新の地震予知についてみてみよう。



●地震予知の技術

地震は地殻にたまったエネルギーが蓄積され、一気に解放される現象だ。地学的な地震予知では地殻や断層のひずみの量や方向などを調べ各断層についてデータを集積し、蓄積されたエネルギーを推測する。測定データの精度を高めることで地震発生が近いのか? 放出されるエネルギーの量がどれぐらいであるか? を予測できる。



ただし、特定の断層にたまったエネルギー量だけで地震が起こる日を予測することは容易ではない。また大地震の予言ともなると地域住民に混乱を招く恐れもある。通常は地震が起きてからまだ地震が続くか否かを公表するというの現状のようだ。





●実用化された地震予知 - VAN法

地殻内の歪みが蓄積され地殻が崩壊すると、石英や花こう岩などが伸縮を起こして圧電効果により電流や電磁波が発生する。新しい地震予知では、この電磁波を観測して地震の発生を予測する研究が進められている。



大規模な地震の場合には、地殻の崩壊も大きいことから地殻内に発生する電流量も大きくなる。精度の高い検出機器を用意すれば地震の予兆を検出できる可能性があるという。



「ナマズが暴れると、地震が起きる」という話を聞いたことはないだろう。ナマズに限らず地震発生の前に動物が奇妙な行動をとるのは電磁波を関知しているのではないかと考えている学者もいるほどだ。



この電磁波を用いた地震予知を初めて実用化したものが「VAN法」だ。VAN法は複数の観測点で電磁波の異常を計測して地震の規模や震源域、発生を予測する。1993年、ギリシャのピルゴス市がVAN法による地震予知で警戒宣言を発令し、地震の前に住民を避難させることに成功しており、ギリシャ政府は公式にVAN法を地震予知法として認めている。





参考:

アメダス | 天気予報 | 地震 - ウィキペディア

アメダス - 気象庁

ITとネットワーク技術で環境を測り、地球を守る - 本田技研工業





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