長い期間パソコンを利用していると、昔に比べて動作が遅くなったと感じたことはないだろうか。その要因はいろいろ考えられるが、代表的な要因のひとつとしてハードディスクの断片化が挙げられる。ハードディスクには、OSのほかに各種ソフトウェアやデータが記録されているが、これらのデータはハードディスクの空いている領域に書き込まれていく。



空いている領域がデータとデータの間にあり、その領域に新規のデータがすべて書き込めない場合は、別の空いている領域に書き込みきれなかったデータを保存するので、一連のデータが飛び飛びに保存されてしまう場合がある。これが断片化だ。

ハードディスクのデータは、内部にあるアームが動いてその先にあるヘッドでデータを読み書きしているが、一連のデータがばらばらに保存されていると、書き込まれている場所にアームが動いて読みに行くので、断片化が多いとアームが動作が増え、そのぶん読み込みに時間がかかるというわけだ。



この断片化を解消する作業が、データを繋ぎ直してひとまとまりに整理する「デフラグ」だ。Windows XPでは、標準で備わっている[ディスク デフラグ ツール]で、断片化を解消できる。


■知っ得 No.0031 デフラグでパフォーマンスを回復させよう

ハードディスクに保存されているデータの断片化が多くなってくると、読み込みに時間がかかるほか、書き込むときにも空き領域が分散していると時間がかかる。また、断片化で生じたデータの読み書きには、それだけ内部のヘッドが忙しく移動するので、そのぶん負荷がかかることになる。断片化を解消すれば、ハードディスクへの負荷も減り、耐用年数が延びる可能性もある。



パソコンのパフォーマンスを常に最適な状態にしておき、またハードディスクへの負荷を減らすためにも、最適化は定期的に実行しておきたい。Windows XPではハードディスクの最適化を行うツールとして、[ディスク デフラグ ツール]がある。



[ディスク デフラグ ツール]は、[スタート]メニューから、[マイコンピュータ]をクリックして開き、最適化を実行したいハードディスクのアイコン上で右クリックして、[プロパティ]を選択する。開いたプロパティのダイアログボックスから[ツール]タブにある[最適化する]をクリックすることで、[ディスク デフラグ ツール]が起動する。



[マイコンピュータ]を開き、ハードディスクのアイコン上で右クリックして、[プロパティ]を選択する。[ツール]タブにある[最適化する]をクリックする(画面1)。[ディスク デフラグ ツール]が起動する。最適化したいドライブの項目が選択されていることを確認し、[分析]をクリックする(画面2)。

画面1[ツール]タブにある[最適化する]をクリック画面2 最適化したいドライブを確認し、[分析]をクリック
画面1[ツール]タブにある[最適化する]をクリック画面2 最適化したいドライブを確認し、[分析]をクリック

分析が開始され、完了したらメッセージが表示される。最適化する場合は[最適化]をクリックする(画面3)。最適化が開始される(画面4)。

画面3[最適化]をクリック画面4 最適化が開始される
画面3[最適化]をクリック画面4 最適化が開始される

最適化が終わったら、「最適化が完了しました」のメッセージが表示されるので、[閉じる]をクリックする(画面5)。[最適化の前のディスクの使用状況]と[最適化の後のディスクの使用状況]色の分布を比較すると解消された部分が見た目で分かる(画面6)。

画面5[閉じる]をクリック画面6 解消された部分が見た目で分かる
画面5[閉じる]をクリック画面6 解消された部分が見た目で分かる



次のページでは、デフラグを定期的に実行する方法を紹介する。●定期的にデフラグを実行するには

最適化を定期的に実行するには、[タスク]のスケジュールにデフラグを設定すればよい。実行日をあらかじめ指定しておけば、パソコンが定期的にデフラグを実行してくれるというわけだ。コントロールパネルから、[パフォーマンスとメンテナンス]→[タスク]を選択し、開いた[タスク]から[スケジュールされたタスクの追加]をダブルクリックして設定する。



[スケジュールされたタスクの追加]をダブルクリックする(画面7)。[タスク ウィザード]が起動する。[次へ]をクリックする(画面8)。

画面7[スケジュールされたタスクの追加]をダブルクリック画面8[タスク ウィザード]が起動する。[次へ]をクリック
画面7[スケジュールされたタスクの追加]をダブルクリック画面8[タスク ウィザード]が起動する。[次へ]をクリック

[参照]をクリックする(画面9)。「\Windows\System32\defrag.exe」を選択し、[開く]をクリックする(画面10)。

画面9[参照]をクリック画面10[開く]をクリック
画面9[参照]をクリック画面10[開く]をクリック

[このタスクの実行]で、実行したいタイミングを選択して[次へ]をクリックする(画面11)。時間、感覚、曜日を設定して、[次へ]をクリックする(画面12)。

画面11 実行したいタイミングを選択画面12 時間、感覚、曜日を設定
画面11 実行したいタイミングを選択画面12 時間、感覚、曜日を設定

ユーザー名とパスワードを入力して[次へ]をクリックする(画面13)。

※ユーザー名とパスワードは、管理者アカウントとそのパスワードになる。

[[完了]をクリックしたときに詳細プロパティを開く]にチェックを入れて[完了]をクリックすると[dwfrag]のプロパティが表示される(画面14)。

画面13 ユーザー名とパスワードを入力画面14 dwfrag]のプロパティを表示
画面13 ユーザー名とパスワードを入力画面14[dwfrag]のプロパティを表示

[実行するファイル名]の項目で「C:\WINDOWS\system32\defrag.exe」の後ろに最適化を実行するドライブを入力する。ここでは「C:\WINDOWS\system32\defrag.exe C:」と入力して[OK]をクリックする(画面15)。

画面15 「C:\WINDOWS\system32\defrag.exe C:」と入力して[OK]をクリック
画面15 「C:\WINDOWS\system32\defrag.exe C:」と入力して[OK]をクリック

[アカウント情報の設定]が表示されるので、実行するアカウント名とパスワードを入力して[OK]をクリックする(画面16)。設定したスケジュールが追加され、設定した日時がくると自動的に実行される(画面17)。

画面16 実行するアカウント名とパスワードを入力画面17 設定した日時がくると自動的に実行される
画面16 実行するアカウント名とパスワードを入力画面17 設定した日時がくると自動的に実行される

なお、タスクで設定されたスケジュールはパソコンがシャットダウンされていると実行されない。よって、起動している確率の高い時間帯に設定しておくとよいだろう。仕事で毎日使っているなら1週間間隔で、たまにしか利用しないようなPCなら1ヶ月間隔で設定しておくとよいだろう。



また、作業中に実行されるとパソコンの処理が重くなることもある。そのため、仕事で使っているパソコンなどはお昼の食事時や休憩の時間帯など、使用している確率の低い時間帯を選んでおきたい。



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編集部:篠崎 哲(ジャムハウス)

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