カラオケ機種3種のアニソン比較をしてみました。評価ポイントは「映像」「音質」の2つ。流れる映像に本編アニメのものが使われている場合は、基本的に星1つプラス相当の評価を加えてます。音質は原曲をどれだけ再現しているかを基準にしました。




評価3機種の詳細は「BB cyberDAM(G100)」「HyperJoyV2(JS-70)」「UGA」となってます(※1)。調査期間は2006年12月中旬。調査場所は都内某所のカラオケ専門店。あくまで個人の感想ですので、その点はご了承ください。また、カラオケ機種は機械のグレードによって内容が変わってきますので、一つの目安として見てくださいね。

(※1)解説本文は「BB cyberDAM(G100)」=「DAM」、「HyperJoyV2(JS-70)」=「Joy」、「UGA」=「UGA」と表記。



■蒼き流星SPTレイズナー(TV)『メロスのように -LONELY WAY-』(作詞:秋元康、作曲:中崎英也、歌:AIRMAIL from NAGASAKI)※1985年作品

<オススメ機種:BB cyberDAM(G100)>

<アニソン満喫度:★★★★☆>



[解説] 燃えるアニソンの定番曲。3機種中、本編アニメ映像が流れたのはDAMだけ。音質はなかなか良く、100点満点の75点という印象。映像は戦闘シーンがだらだら流れる甘い編集が気になったものの、本編が見たくなるグルーヴ感があったので星4つ。



■あしたのジョー2(TV)『傷だらけの栄光』(作詞・作曲:荒木一郎、編曲:後藤次利、歌:おぼたけし)※1980年作品

<オススメ機種:BB cyberDAM(G100)・UGA>

<アニソン満喫度:★★★☆☆>



[解説] ジョー関連の楽曲の中でも屈指の名曲。男の闘志に火をつける効果が格闘家に愛され、現在も入場曲として使われている。3機種ともアニメ本編の映像は流れなかった。DAM&UGAの映像は共に実写であったが、双方ともボクサーのトレーニング風景の映像で、かろうじて雰囲気を維持。音質もかなり良く、甲乙付け難いので同評価とした。Joyは無関係の実写だったので除外(音質も若干落ちる)。



■宇宙戦艦ヤマト(TV)『真っ赤なスカーフ』(作詞:阿久悠、作曲:宮川泰、歌:ささきいさお)※1974年作品

<オススメ機種:BB cyberDAM(G100)>

<アニソン満喫度:★★★☆☆>



[解説] スナックで歌っても違和感のない極上の歌謡バラード。本編アニメ映像が流れたのはDAMとJoy。Joyの映像は尺が短く、曲の後半でリピートされるので今ひとつ。DAMの映像は、ヤマト地球出発~イスカンダル到着~ヤマト地球帰還までが、1曲の間に詰め込まれるという驚愕の豪腕編集。音質は悪くないが、若干テンポが速くてムードが損なわれているのが残念。

BB cyberDAM(G100)の実機。アニソンにおける安定感は抜群だ。




■N・H・Kにようこそ!(TV)『パズル』(作詞:伊藤利恵子、作曲:北川勝利、編曲:ROUND TABLE、歌:ROUND TABLE feat. Nino)※2006年作品

<オススメ機種:UGA>

<アニソン満喫度:★★☆☆☆>



[解説] 引きこもりアニメの主題歌とは思えない、爽やかな夏のイメージの曲(実は歌詞の内容がニート&引きこもりを暗喩している)。3機種ともアニメ本編の映像はなかったが、DAM・UGA共に音質はかなり頑張っていた。特にUGAのトランペットの音が良かったのが印象的。J-POPカラオケとしてなら3つ星をあげられる。



■美味しんぼ(TV)『Dang Dang 気になる』(作詞:売野雅勇、作曲:林哲司、編曲:船山基紀、歌:中村由真)※1988年作品

<オススメ機種:HyperJoyV2(JS-70)>

<アニソン満喫度:★★★☆☆>



[解説] アイドルソングとしても完璧な、まさに至高の一曲。3機種ともアニメ本編の映像はなかった。ただ、元々がラブソングなので、実写映像でも違和感はなし。Joyの音質はかなりの高レベル。これならオススメできる。



■機動警察パトレイバー(TV)『そのままの君でいて』(作詞:森由里子、作曲:羽田一郎、編曲:船山基紀、 歌:仁藤優子)※1989年作品

<オススメ機種:HyperJoyV2(JS-70)>

<アニソン満喫度:★★★★☆>



[解説] 『そのままの君でいて』=仁藤優子はアキバ系の常識。決して岡本真夜を連想してはいけませぬ。これはJoyのみがアニメ本編の映像を使用していた。特車二課(※2)の面々が宴会で飲み明かす場面がチョイスされるトンチの効いた編集は必見。音質もなかなか良く、酔いの回った二次会ノリにはピッタリ。Joyに来たら歌っておきたい。

(※2)「機動警察パトレイバー」に出てくる警視庁警備部の直轄部隊。主人公・泉野明が所属している部署で、多足歩行型作業機械「レイバー」を保有・運用している。

HyperJoyV2(JS-70)。アイドル系の曲に強い傾向がある気がする。




次のページでも引き続き、カラオケのアニソン比較を紹介していこう。



■機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙篇(映画)『めぐりあい』(作詞:井荻麟・売野雅勇、編曲:鷺巣詩郎、作曲・歌:井上大輔)※1982年作品



<オススメ機種:BB cyberDAM(G100)>

<アニソン満喫度:★★★★☆>



[解説] スケール感あふれる井上大輔のヒット曲。映画の映像が使われていたのはDAMとUGAで、おそらくどちらも全く同じものが流れていた。映像はララアとの出会いから、ア・バオア・クー陥落のラストまでを一気に見せる編集で、なかなか見ごたえがある。特にDAM版は音質が良く、コーラスの声も入ってるので最高に盛り上がれる。歌の難度が高いので安易にオススメはできないが、ファンなら一度は見ておきたい。



■機動戦士ガンダムII 哀・戦士篇(映画)『哀戦士』(作詞:井荻麟、作曲・編曲・歌:井上大輔 )※1981年作品

<オススメ機種:BB cyberDAM(G100)>

<アニソン満喫度:★★★★☆>



[解説] ノリノリの燃える一曲。IIIの次にIIを紹介しているのは50音順の並びの影響。これは3機種ともガンダム映像が流れたが、総合的に最も完成度が高かったのはDAM。Joyは1曲終わるまでに短い映像が4回ほどループされ、UGAは映像は悪くないが音質が軽くて萎えた。DAM版は音質はやや物足りないが、シャアズゴックで締める映像編集が燃える。



■GTO(TV)『ヒトリノ夜』(作詞:ハルイチ、作曲・編曲:ak.homma、アーティスト:ポルノグラフィティ)※2000年作品

<オススメ機種:BB cyberDAM(G100)>

<アニソン満喫度:★★★★☆>



[解説] ヒットしたのにライブで歌われないせいで、影が薄くなってるらしいポルノの名曲。アニメ本編の映像が流れたのはDAMとJoy。DAM版はきちんとOP映像を使って曲とシンクロする編集がされていたが、Joy版の編集はツギハギ&やや適当な印象を受けた。DAM版は音質もまずまずなので、問題なく楽しめる。

圧倒的な曲数を誇るUGA。マニアックな曲を選びたいならこれに期待。




■新世紀エヴァンゲリオン(TV)『残酷な天使のテーゼ』(作詞:及川眠子、作曲:佐藤英敏、編曲:大森俊之、歌:高橋洋子)※1995年作品

<オススメ機種:BB cyberDAM(G100)>

<アニソン満喫度:★★★☆☆>



[解説] 説明不要の定番曲。3機種ともエヴァ映像仕様だったが、一番TV版OPの雰囲気があったのはDAM版の編集。DAM版は音質もまずまずで、コーラスの声も入っている。



■新世紀エヴァンゲリオン(TV)『FLY ME TO THE MOON』(作詞・作曲:Bart Howard、編曲:Toshiyuki Ohmori、歌:CLAIRE)※1995年作品

<オススメ機種:BB cyberDAM(G100)>

<アニソン満喫度:★★★☆☆>



[解説] 原曲はシナトラも歌ったジャズのスタンダード。これも3機種とも一応エヴァ映像仕様。中でもDAM版の映像は全編綾波祭りの編集で好感が持てた。音質はややしっとり感に欠けるものの、まずまずの出来。Joy・UGA版は音質があまり良くなかった。ちなみにJoy版の映像は初号機が使徒を食うグロシーンが流れてしまう。Jazzyな気分が台無し。



■カラオケ、侮りがたし

軽い気持ちで調査を開始してみたら、意外に時間がかかってしまい、比較は50音順で「新世紀エヴァンゲリオン」の「し」までが限界でした(この調査で丸三日間カラオケ漬け。メモが大変でまともに歌えず生殺し。何やってるんだ漏れは)。カラオケは奥が深すぎです。とりあえず大雑把な印象は、映像付きアニソンならDAM(音質は良さげ)、マイナー曲は曲数の多いUGA(音質はやや微妙)、Joyは立ち位置が少々中途半端(音質は普通)という感じでした。メーカーの皆さんの今後一層の奮起に期待します!!



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レッド中尉(れっど・ちゅうい)

プロフィール:東京都在住。アニメ・漫画・アイドル等のアキバ系ネタが大好物な特殊ライター。企画編集の仕事もしている。秋葉原・神保町・新宿・池袋あたりに出没してグッズを買い漁るのが趣味。


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