任天堂が1983年7月15日に発売した「ファミリーコンピュータ」、通称ファミコンは家庭用コンピュータゲームという遊びを日本のお茶の間のみならず世界中に浸透させ、ファミコン=ゲーム機の代名詞となるほどの人気を博した。そして続く「スーパーファミコン」でも家庭用ゲーム機市場におけるトップシェアをキープし続ける。



だが「スーパーファミコン」に続く「NINTENDO64」、そしてその次の世代の「ニンテンドーゲームキューブ」(以下GAMECUBE)ではトップシェアをSONYに奪われてしまった。しかし、現行機種である「Wii」では、黄金期の輝きを取り戻し、現在のところ順調にトップシェアをキープし、ライバル機種に比べて出荷台数で圧倒的なリードを保っている。



さて、その「Wii」の大きな魅力は、なんといっても「Wiiリモコン」と呼ばれるワイヤレスリモコンを使った、まったく新しいゲームプレイのスタイルである。「Wii」といえば、そればかりが注目されがちではあるが、もうひとつ忘れてはならない要素がある。それは、ファミリーコンピュータ時代のゲームまでさかのぼって、過去のゲームをプレイ可能にしたことだ。しかも当時のライバルであるセガやNECのゲーム機までもプレイ可能にするという太っ腹ぶり。一世代前のゲーム機を上位互換としてプレイ可能にした例は過去にもあるが、オフィシャルでここまで多くのゲーム機をサポートした例は過去にはない。



しかし、多数のゲーム機がプレイ可能なハードという点のみに着目すれば、それが可能なのは、なにも「Wii」だけではない。



「Wii」大人気の影で、Wiiの上位互換でプレイ可能という理由からか、2000円台という泣きそうな中古価格で売られている「GAMECUBE」。この「GAMECUBE」に怪しいアイテムを使えば、「Wii」に張り合えるほどのマルチゲームハードに大変身させることが可能なのだ!



【注意】

本記事内で使用する怪しげな周辺機器はすべてメーカーの保証対象外です。これらの機器を使用してゲーム機本体などが破損してもメーカー保証を受けることはできません。また、機器によっては、使い方を間違えると違法行為になります。これらを試したい場合はすべて自己責任でお願い致します。




■大人気の裏ツール「マジコン」が「GAMECUBE」でも大活躍!?

「GAMECUBE」単体ではGAMECUBE専用タイトルしかプレイすることができないが、任天堂オフィシャルで発売されている「ゲームボーイプレイヤー」を使うことで、「ゲームボーイ」及び「ゲームボーイカラー」、「ゲームボーイアドバンス」(以下GBA)の3機種がプレイ可能になる。



これら3機種は「Wii」のバーチャルコンソールでもサポートされていない機種なので、まず、この点においてのみでも「GAMECUBE」が「Wii」に対してアドバンテージを持っているといえるだろう。これに加えて、さらに裏ツールの王様「マジコン」を使えば、「GAMECUBE」のアドバンテージをさらに大きくすることが可能だ。



「マジコン」とはROMカートリッジで供給されている製品ゲームのコピーと、そのコピーデータでのプレイを可能にするツールである。名前の通り「マジ?」ってくらいとってもアンダーグラウンドなツールな訳だが、GBAのマジコン以降からゲームコピーに加えて、動画や音楽再生などさまざまな機能を備えるようになった。

GBA用のマジコン。
GBA用のマジコン。

写真はコンパクトフラッシュ(CF)をメモリ領域に使用しているタイプだが、他にもSDカードタイプやマジコン内にフラッシュメモリを内蔵しているタイプなどがある。また、特殊な機器と組み合わせることで、ニンテンドーDSのマジコンとしても使用可能だ。「マジコン」という名称が一般的ではないため、「マルチメディアプレイヤー」や「自作プログラム開発ツール」などといった名称で扱われることも多い。値段は商品によって異なるが安いもので3000円ほどだ。



「GAMECUBE」にゲームボーイプレイヤーを接続すれば、GBAがプレイ可能になるので、「GAMECUBE」でGBA用のマジコンが使用可能になる。これによってマジコンが備えるさまざまな機能を「GAMECUBE」上で堪能できるわけだ。



さて、マジコンで具体的に何ができるのかというと、ゲームのコピー、コピーゲームによるプレイ、動画再生、音楽再生、画像閲覧、文章ファイル閲覧、有志プログラマによる自作プログラムの実行などだ(注意:マジコンの機能はマジコンの機種によって異なる)



自作プログラムにはさまざまなものが存在するが、その中でも特に注目したいのが「エミュレータ」と呼ばれるプログラムだ。「エミュレータ」とは、本来とは異なるハードウエア環境上で、動作を再現させるプログラムのこと。例えば、GBA用のファミコンエミュレータがあれば、GBA上でファミコンを遊ぶことが可能になる。ということは、「GAMECUBE」上で動作するGBA上でファミコンを動作させることができるのだ。よし、まわりくどい。



同世代の「プレイステーション2」や「X Box」がCDやDVDの再生が可能だったのに対して、「GAMECUBE」はゲームプレイのみのハードだったが、ゲームボーイプレイヤーにマジコンを加えたこの時点で、過去のライバルを凌駕したといっても過言ではないだろう。



ちなみに、マジコンのコンパクトフラッシュへ、パソコンから各種ファイルをコピーすれば、さまざまな機能が堪能できる。

GAMECUBEにマジコンをセット!
GAMECUBEにマジコンをセット!

次のページでは、「GAMECUBE」+SDメディアランチャーで「Wii」のバーチャルコンソールをブチ抜く方法を紹介する。

■SDメディアランチャーで「Wii」のバーチャルコンソールをブチ抜け!

GBAのマジコンにはさまざまな機種のエミュレータがあり、これらを導入すると、「GAMECUBE」でプレイ可能なゲーム機の種類が飛躍的に増える。しかし、マジコンで動作するエミュレータは「GAMECUBE」ではなくハードウエアとしては非力な部類に入るGBA用に作られているものなので、満足な速度で動作するのは8bitクラスのゲーム機だけだ(ファミコンやセガマスターシステムなど)。そこで、さらに「GAMECUBE」上で動作するタイトルを増やすために「SDメディアランチャー」を導入する。


SDメディアランチャー
SDメディアランチャー

SDメディアランチャーは、パソコンからSDカードにコピーしたエミュレータなどの自作プログラムを読み込み、動作させるというマジコンに比べればあんまり裏っぽくない裏ツール。



こいつは、マジコンとは異なり、純粋に自作プログラムを動作させることを目的に作られたGAMECUBE用のツールなので、「Wii」で起動させることも不可能ではない。しかし、「Wii」ではファームウエアのアップデートにより起動制限されているので、事実上GAMECUBE専用ツールといってもいいだろう。お値段4500円ほどだ。



ちなみに、SDメディアランチャーの使用方法は、マジコンと同様にSDカードへパソコンから各種ファイル(エミュレータやゲームソフトをファイル化したもの)をコピーし、SDメディアランチャーにセットして使用する。

SDメディアランチャーの使用イメージ
SDメディアランチャーの使用イメージ

「GAMECUBE」でもGBAのマジコンなどと同様に、有志によりさまざまなエミュレータが開発されているが、「GAMECUBE」のスペックはGBAと比較にならないほど高性能であるため、16bit時代のスーパーファミコンやメガドライブなども難なく動作させることが可能になっている。ちなみに、SDメディアランチャーで動作させられる主な機種は写真表のとおり。



「Wii」と比べても「GAMECUBE」に軍配が上がるのが見てとれるだろう。このことからも、「GAMECUBE」は「Wii」を凌ぐマルチゲーム機プラットフォームということができるだろう。

動作可能なゲーム一覧
動作可能なゲーム一覧



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