■新しいデザインFULLFACE「913SH」

クローズドポジションにするとボタンがすべて隠れてしまうデザインで、全画面スタイル&フルスライドを実現した端末がSoftBankから発売された。それが「913SH」である。FULLFACEと名付けられている。



まずはスペックを紹介しておこう。数値につく"約"は省略させていただいた。サイズは高108mm×幅50mm×厚16.8mm。重さは125g。連続待ち受け時間が350時間で、連続通話時間が280分だ。TVコール連続利用時間が170分(サブカメラ利用)、ワンセグ連続視聴時間が6時間(イヤホンマイク使用)である。メインディスプレイはモバイルASV液晶で2.8インチのワイドQVGA表示(横240×縦400ドット)、最大26万色表示が可能だ。サブディスプレイはない。


本体を閉じた状態の913SH。ボタンがいっさいないのでシンプルで美しいデザインだ。本体左側面。左より「マイク付ステレオイヤホン端子」「メモリーカードスロット」「赤外線ポート」「充電端子」が配置されている。本体右側面。左より「サークルトークボタン」「マルチジョブ機能/マナーボタン」「音量/ズーム/残高表示ボタン」「クリアボタン」「AVメニューボタン」が配置されている。



メインカメラは、有効画素数200万画素のCMOSで、最大記録サイズが1600×1200ピクセルだ。サブカメラは11万画素のCMOSである。データフォルダ容量は50Mバイト(メールのテンプレート、S!アプリと共有)。外部メモリ用のスロットが準備されていて、2GバイトまでのmicroSDタイプの外部メモリーに対応している。ちなみに外部メモリーは別売だ。本体カラーは「ブラック」「シルバー」「ピンク」「ビビッドピンク」「グリーン」「ライトブルー」「オレンジ」「ゴールド」の8色が準備されている。筆者は「グリーン」を購入した。



本体下面。外部機器端子がある。本体裏面。レンズの上に接写スイッチ、レンズの下にモバイルライトが配置されている。



■考え方を変えないと使いづらい913SH

この913SHは、スライドを閉じると「AVプレイヤー」、スライドを開くと「ケータイ」というように明確に機能がわけられているので、スライドを閉じた状態で電話を受けたりかけたりすることはできない。もちろんメールなども不可能である。筆者は、この端末を買ったときに閉じた状態で電話ができないのは不便と思い、なんでそんなに使いづらくしたんだろうと思っていた。しかし、カタログを読んでみて納得。ケータイとして意識するから閉じたときに使えない機能が多すぎと思うのだと。閉じたときは「AVプレイヤー」、開いたときは「ケータイ」と、使う側も意識しなければいけないのである。



閉じて使う場合は、横にして利用する。利用できる場面になると(もしくは上部の「AVメニューボタン」を押せば)、液晶の右側にセンサーキーが浮かび上がる。上下のキーと決定キーをタッチすることで操作できるのである。使うときにしか浮かび上がらないから、鞄の中などで誤操作になることもない。



ケータイ本体側面のいちばん右側が「AVメニューボタン」である。「AVメニューボタン」を押せば、液晶画面に「AVメニューが表示され」、センサーキーが利用できるようになる。

■マルチメディアを楽しもう「AVプレイヤー」

閉じた状態で利用できるのは「メディアプレイヤー」「カメラ」「デジタルTV」「TVプレイヤー」である。



「メディアプレイヤー」では、SD-Audio規格に準拠した音楽データを、microSDカードに転送して楽しむことができる。もちろん端末で入手した音楽もOK。ただし、SD-Audio規格の音楽を作成するには対応ソフトが必要だ。筆者はもともと「SD-Jukebox」というソフトを持っていたのでそれを利用してみた。


メニュー画面から「設定」-「外部接続タブ」-「カードリーダモード」を選択して、913SHを「カードリーダモード」にしておく必要がある。



913SHをパソコンにUSBケーブルを利用して接続するのだが、その際に必要なドライバーソフトは用意されているので、それをインストールして接続すればOK。パソコンがBluetoothに対応していれば、Bluetoothを利用して接続することも可能だ。その際はドライバーソフトは必要ない。パソコンと接続する際に注意することは、913SHを外部接続の「カードリーダモード」を起動しておかないといけないこと。ドライバーソフトをインストールしたからといって単に接続するだけではいけないことに注意しよう。



パナソニックから発売されている「SD-Jukebox」。松下グループのショッピングサイト「Pana Sense」で、パッケージ版、ダウンロード版を購入することが可能だ。913SHで音楽を聴くには「メディアプレイヤー」を起動する。ムービーを見ることも可能だ。



「カメラ」は、その名の通りデジタルカメラとして利用できるモード。横画面で使うことも、スライドを開いて縦画面で撮影することもできる。カメラに関しては次項で説明するのでそちらを参照していただきたい。



「デジタルTV」は、ワンセグを視聴できるモード。見ている番組を録画することも可能だ。



「デジタルTV」モードでワンセグを楽しめる。最長6時間視聴可能だ。ワンセグ視聴中にメールを確認することが可能。ただし、ワンセグの画面を表示しながらメール画面を開くには、スライドを開き縦画面に変更しないといけない。



「TVプレイヤー」は、録画した番組を見ることができるモードだ。留守番録画もできるので、自分が見られない番組を録画しておくことが可能だ。



録画した番組が管理できる「TVプレイヤー」。録画した番組の名称を変えたり、削除したりすることもできる。



■シャープの端末のわりには、もうひとつ感のあるカメラ機能

913SHのカメラはあまりいいとは思えない。実際に撮った写真を見ていただければわかると思うが、かなりノイズが多いのである。明るい場所で撮っていてもそうだ。また、手ぶれ補正機能がないので、かなり手ぶれしやすい感じだ。そこそこ明るめのところで撮影しても手ぶれしてしまうことが多い。



手ぶれの問題にはシャッターボタンの問題もあると思う。本体側面にシャッターボタンが付いているのではなく、センサーキーの一番上がシャッターボタンとなるので、触れてしまっただけでシャッターが押されてしまうのだ。また、センサーキーを押すとき、両手でケータイをホールドしづらくなるため、手ぶれしやすくなるのだと思う。ケータイでの写真撮影に慣れている筆者ですら、撮影ミスが多々あったので、はじめてこのケータイを利用した人はミスが多くなるのではないだろうか。



カメラモードの時は、センサーキーのいちばん上がシャッターボタンになる。ボタンとして出っ張っているわけではないので、そのボタンを目で探して押さないといけないから、被写体から目がそれてしまうのである。

シャープのケータイは写真がキレイというイメージが定着している感があるので、誰もが"シャープケータイの写真はキレイだ"と言う。それが問題になるかもと筆者は思っている。なぜなら、通常ケータイを買う場合、カメラに興味のある人は撮影された写真を確認したりして買うことが多いはずだが、シャープのケータイはキレイという認識があるため、それは考えずに買ってしまうってことが多いようなのだ。「カメラのキレイなケータイを買いたいからシャープの端末から選ぼう」みたいな感じで安易に選択されることが多い。それでこの913SHを選択すると落胆することは否めない。913SHを考えているユーザーは撮影された写真を一度みて確認することをオススメする。



それでは、実際に撮影した写真を見ていただこう。


●晴天時に撮影した写真




●屋内で撮影した写真




●屋外光が差し込む屋内で撮影した写真




●接写モードで撮影した写真




●蛍光灯下(左)と電球下(右)で撮影した写真




●標準モード(左)と夜景モード(右)で夜景を撮影した写真






■Kijimoto's EYE

この端末はAVプレイヤーとケータイの二つが組み合わさっているケータイである。明確に二つを分けて考えることができればそれなりに使いやすい端末といえるだろう。しかし、閉じると「AVプレイヤー」、開くと「ケータイ」と、明確に用途とスタイルの区別を意識できる人がどれだけいるのだろうか? それを考えると使いづらいと思うユーザーがけっこう多くなるのではと思うのである。



センサーキーに関しては、タッチするタイプはこういった端末では使いづらいのではないだろうか? タッチするタイプは必ず見てタッチしないといけない。ボタンなら凹凸があるので指で触れるだけで認識できるが、タッチタイプは触れてしまうとボタンが押されてしまうからだ。カメラの使い勝手でも書いたが、触れるとシャッターが切れてしまうのはどうかなと思う。カメラは、シャッターボタンに指を載せてシャッターチャンスをうかがい、ここだと思えるときにボタンを押すわけなので、こういったタッチタイプの場合には、シャッターチャンスに遅れをとることが多くなるのである。



この913SHを使ってみて感じたのは、試みとしてはかなり面白い端末だと思うが、まだ熟成されていないなってこと。もう少し使い勝手がよくなるといいのだがと感じたのだが、いかがだろうか?



最後にメール画面での文字サイズに関して本文で書かなかったので書いておこう。変更できる文字サイズは「最大」「大」「中」「小」「最小」の5通りである。



最大最小



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913SH

ソフトバンクモバイル



編集部:木地本 昌弥

「パソコンですぐできる写真俳句」(毎日新聞社) 「その場で解決!ファイル操作とデータ管理」(技術評論社)など50冊以上の書籍を執筆。携帯電話やパソコン、IT関連から取扱説明書まで執筆ジャンルは幅広く、ITジャーナリスト・携帯電話評論家としてテレビやラジオ、講演もこなす。詳細は、著者のホームページ「我流珍述」プロフィールページまで。



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