現代人を襲う奇妙な病気は、日に日に増えるばかりだ。



インターネット症候群、サザエさん症候群のほか、マウスのクリックの繰り返しで指を痛める「パソコン指けんしょう炎」など、一昔前なら考えられなかった病気が次から次にニョキニョキと生まれている。



なかでも、つい先日発表されて、世界中の注目をあつめた信じられない奇病が「急性Wii炎」だ。

このWiiとはもちろん、任天堂が発売した家庭用ゲーム機のことである。



この病名をつけたのは、スペインのバルセロナ在住の医師ジュリオ・ボニスさん(29才)。彼は、買ったばかりのWiiでテニスゲームをウキウキ(?)と数時間プレイ。ところがその翌朝、激しい右肩の痛みで目が覚めたという。



とくにスポーツをした覚えもない。

どこかケガをした様子もない。

思い当たるのは、前日プレイした「Wii」だけ……。



そこでボニスさんは、痛みの原因を"Wiiのやりすぎ"と推測。消炎鎮痛剤を服用した上で1週間の"Wii断ち"を実行した結果、肩の痛みがみごと完治したのだそうだ。

このことから、彼は痛みの症状を「急性Wii炎(Acute Wiiitis)」と名付け、アメリカの医学誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」に投稿し、それがニュースとなってたちまち有名になったわけである。



ちなみに、ゲームが原因で体に異常をきたした例は、意外にもWii以前から報告されている。



1980年には、アメリカの女性が任天堂のゲームを連続で5時間遊んだあげく、けんしょう炎になり、診察した医師が、コントローラーのボタン操作による親指の痛みを「Nintendinitis(tendinitis=腱炎)」と命名した。



また、1981年、世界に一大ブームを巻き起こした「スペースインベーダー」では、絶え間なく襲いかかるインベーダーを撃ち落とすため、限られたボタン操作を極度に繰り返して手首を痛める人が続出。「スペースインベーダーけんしょう炎」という言葉を生んだこともある。

「急性Wii炎」は、それから数十年ぶりに"ゲーム病"の再発だ。



さて、このゲーム病が生まれる"土壌"は、いたるところに潜んでいる。



次にあらわれる可能性が高いのはどこだろう? それは、ズバリ、NTTドコモが始めた「直感ゲーム」ではないだろうか。「直感ゲーム」はケータイを振ったり傾けたりしてゲームが楽しめる新しいサービスだが、対応ケータイを買った人からは早くも「ハマりすぎてけんしょう炎になりそう」という声があがっている。



どんなところに"新しい病"が潜んでいるのか分からない、このハイテク社会のご時世。ゲーマーの人もそうでない人も、「急性Wii炎」の次に「直感ゲーム炎」になってしまわないよう、腕を鍛えるなどの対策を充分に練ってくれぐれも注意してほしい。





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