SoftBankの夏モデルがいよいよ発売になった。第一弾がシャープのAQUOSケータイ「912SH」である。3インチの液晶画面に800×480ドットの高解像度。使いやすさはそのままで、さらに使いやすく進化させての登場である。



■まずは本体のスペックを知っておこう

まずはスペックを紹介しておこう。数値につく"約"は省略させていただいた。サイズは高108mm×幅50mm×厚23mm。重さは144g。連続待ち受け時間(静止時)で370時間。連続通話時間が静止時の音声電話」「メタルブルー」「メタルレッド」「メタルピンク」「ホワイトシルバー」時で270分、TVコール時で110分である。


正面から見た912SH。有機ELが非表示の場合はこんな感じに見える。



メインディスプレイはモバイルASV液晶で、3インチのワイドVGA表示(横480ドット×縦800ドット)、最大26万色表示が可能だ。サブディスプレイは有機EL白色1色、96×39ドット表示、全角8文字を3行表示できる。



普通に液晶を開いたときの912SH。液晶画面はさすがAQUOS、かなりキレイだ。サイクロイドスタイルで開いたときの912SH。液晶画面を回転させると画面も自動的に横になる。



メインカメラは、有効画素数320万画素のCCDで、最大記録サイズが2,048×1,536ピクセルだ。サブカメラは有効画素数11万画素のCMOSカメラである。データフォルダ容量は共有で50Mバイト用意されている。また、外部メモリ用のスロットが準備されていて、2GバイトのmicroSDタイプの外部メモリーに対応している。ちなみに外部メモリーは別売だ。



本体左側面。左より、AV OUT/マイク付ステレオイヤホン端子/光デジタル・ライン端子、外部機器端子が並ぶ。本体右側面。左より、メモリカードスロット、録画/シャッターボタン、音量/ズームボタン、サークルトークボタンが並ぶ。



本体カラーは「メタルグレー」「メタルブラックの6色が準備されている。筆者は「メタルレッド」を購入した。



本体裏面。レンズの左側にモバイルライトが配置されている。

■広くてキレイな液晶画面で、多彩の機能が利用可能

800×480ドットのワイドVGA液晶は、今やそれほど目新しくはないが、表示されるデータ量が多くなるため、ユーザーにとってはありがたいこと。さらに、そのワイドVGA画面を便利に利用できる"2画面同時表示"に対応した。これまで、ドコモのAQUOSケータイしか対応していなかった2画面同時表示が可能になったのはありがたい。ワンセグを見ている最中にメールを確認したり、ウェブを見たりできるのはやはり便利だ。



ワンセグとメールを同時に表示するとこんな感じに表示される。ワンセグとYahoo!ケータイを同時に表示すると、こんな感じに表示される。



ワンセグに関しては、録画はもちろんのこと、録画予約やタイムシフト再生などに対応。ドコモのP903iTVに付属していたパナソニック製の「SD-MobileImpact」というソフトが912SHにも同梱されているので、それをパソコンにインストールすることで、録画したデータを取り込んでパソコン側で見たり、逆にパソコンで録画したデータを912SHに取り込むことも可能である。



「SD-MobileImpact」は動画だけでなく、SD-Audioにも対応しているので、CDから912SHに音楽データを転送したりといった音楽データのやりとりにも対応している。残念なのはWindowsしか対応していないということだろう。パソコンと接続するためのドライバーソフトなどもMacには対応していない。ただし、912SHをカードリーダーモードに設定してUSBケーブルでMacintoshに接続すれば、外部メモリースロットとして認識されるので、撮影した写真を取り込むなど、データのやりとりは可能だった。



SD-MobileImpact。912SHで録画した動画をパソコンに取り込む…など動画データのやりとりができる。SD-Audio音楽データにも対応している。メディアプレイヤー。動画データ、音楽データに対応。Bluetooth対応のヘッドセットをつかってワイヤレスで利用することも可能だ。



画面について説明したので、メール時のフォントサイズもここで紹介しておこう。メール時の文字サイズは「最小」「小」「やや小」「中」「大」「最大」の6通りに表示させることが可能だ。



最小やや小



最大

■かなりキレイな"3.2メガピクセル"カメラ

3.2メガピクセルのCCDカメラは、かなりキレイだ。今までに発売されているシャープ製のケータイの中でもかなりキレイな部類に入っていると思う。



シャープはこれまで光学ズームを搭載したケータイをいくつか発売してきたが、どうも光学ズーム機は周辺がぼけるとか、エッジにシャープさがないとか、なにかと問題があった気がする。この912SHは3.2メガピクセルでオートフォーカス付きで光学ズームがついておらず、撮影した画像はキレイだと思う。



夕方でかなり暗くなった場合などは、感度をむりやり上げるようでノイズが増えるが、それ以外ならプリントしても十分な画質だと筆者は感じている。それと、microSDカードに写真を保存する場合のスピードもかなりアップしている。これまでは遅いという感じだったシャープ端末だが、速いと感じられるほどのスピードで保存できるようになった。これは写真をたくさん撮るものにとってはありがたいはずだ。筆者の感想云々よりも、実際に撮影した写真の方がわかってもらえるはずなので写真を見ていただこう。



●晴天時に撮影した写真




●屋内で撮影した写真




●夕方撮影した写真




●接写モードで撮影した写真




●蛍光灯下(左)と電球下(右)で撮影した写真




●標準モード(左)と夜景モード(右)で撮影した夜景






■Kijimoto's EYE

この912SHだが、発売して間もないのでそれほどさわることができなかった。ちょっとの間触ってみて気になったのは、ボタンを押したときに発する音が多少遅れること。連続して打っているとかなり遅れ気味なので、違和感を感じることがあったが、キー音を出さない設定にすれば気がつかないので問題とはならないだろう。



キーの押ししろは少なく、軽いのは、ちょっと気になった。指をキーの上に置いただけで入力されてしまう感じなので、間違い入力が多くなるかなという印象だ。ただ、これは慣れの問題であろう。



この端末は、けっこういい端末だと思う。ワンセグとカメラに特化しているだけでなく、3Gハイスピードにも対応しているし、BluetoothやPCサイトブラウザ、ドキュメントビューアなども搭載している。プライベートにビジネスに活躍してくれそうだ。





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912SH

ソフトバンク



編集部:木地本 昌弥

「パソコンですぐできる写真俳句」(毎日新聞社) 「その場で解決!ファイル操作とデータ管理」(技術評論社)など50冊以上の書籍を執筆。携帯電話やパソコン、IT関連から取扱説明書まで執筆ジャンルは幅広く、ITジャーナリスト・携帯電話評論家としてテレビやラジオ、講演もこなす。詳細は、著者のホームページ「我流珍述」プロフィールページまで。



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