誰もがキレイな液晶画面だと納得するのがシャープの携帯電話である。ようやく、ドコモの携帯電話にも3.0インチワイドQVGAモバイルASV液晶を搭載し、「AQUOS」の冠を与えられた端末が登場した。

ドコモショップに聞いてみると、問い合わせもいちばん多く、予約もいちばん多いという。もちろん販売数もいちばん多いのだそうだ。



この端末は「予想外な動き」ということでSoftBankが大々的に宣伝した端末と同じタイプ。SoftBankが発売当時大々的に宣伝をし、またそれが目を惹く宣伝であったがため、携帯電話を持たない子供でもこの端末の液晶画面の動きは知っているほどで、宣伝という面では、SoftBank様々であろう。


■SH903iTV 本体紹介

まずはカンタンにスペックを紹介しよう。数値につく“約”は省略させていただいた。サイズは高111mm×幅50mm×厚25mm。重さは143g。連続待ち受け時間が580時間(移動時440時間)、連続通話時間が音声通話時が200分、テレビ電話時が130分である。



普通に開くとこのような感じ。3.0インチで240×400ピクセル表示だ。

ワンセグ視聴時間は320分だ。メインディスプレイはモバイルASV液晶で3インチのワイドQVGA表示(横240ドット×縦400ドット)、最大262,144色表示が可能。サブディスプレイは、有機ELで1色表示、サイズは0.8インチ(96×39ドット)である。



これがサイクロイドスタイル。回転させると自動的にテレビが起動する。

メインカメラは、有効画素数200万画素のCMOSカメラで、最大記録サイズが1,600×1,200ピクセル。サブカメラは、有効画素数11万画素のCMOSカメラである。データフォルダ容量だが、取扱説明書には「128×96ドットで画質NORMALの写真が約1,000枚保存できる」とは書いてあるものの、容量自体は公表されていない。



本体左側面。こちら側にはボタン類はなにもない。本体右側面。右側から、イヤホンマイク端子、プッシュトークボタン、音量UPボタン、音量DOWNボタン、microSDカードスロットが配置されている。本体裏面。カメラのレンズの左側に接写レバーがある。よく見ないとわからないが、FOMAと書いてある上に赤外線ポートが備わっている。

手にしてみるとけっこうしっくりくる大きさなのだが、数値では大きめなことがわかる。同じ形のSoftBankの911SHが高106mm×幅50mm×厚22mmなのでちょっと大きめだ。お互いに見比べてみると液晶を固定している場所が少し厚い。これはここにスピーカーを内蔵したからであろう。ちなみにSH903iTVはステレオスピーカーである。



このように並べてみるとSoftBankの911SHの方が薄いことがわかる。ちなみに左がSH903iTV、右がSoftBank 911SH

次のページでは、キレイと定評のある液晶や文字機能を見ていただこう。

■実際に使ってみて気づくいろいろなこと

やはりなんと言ってもシャープと言えば液晶画面だ。明るい場所でもけっこう見える液晶画面は使いやすい。3インチと液晶画面が大きいのも見やすい理由のひとつであろう。



液晶が大きいために犠牲になったのが縦長のサイズかも。いや、サイズはいい。サイズが大きめなので各ボタンも大きめで押しやすいからだ。ただ、各ボタンが大きめでさらにボディサイズに合わせて配置されているので意外とボタンを配置している範囲が広いのである。したがって、指の移動量が意外と多く、打ち続けていると親指の付け根がちょっとしんどい感じなってくるのだ。



ボタンが大きいのはいいのだが、普通に握るように持ってしまうと一番下にあるテレビボタンに親指が届かない。

ボタンに関してはまだある。いちばん上部に配置されている、4方向を押すためのボタンと真ん中に決定ボタンがあるマルチガイドボタンがなかなかくせ者だ。凹凸が少ないため決定ボタンを押したつもりなのに4方向ボタンを押してしまうという押し間違いをよくしてしまうのだ。筆者は親指が太いので、指の細い人なら大丈夫なのかもしれないが……。



見た目よりも押し間違いが多いマルチガイドボタン。横から見てみると、それなりに凹凸はあるように作ってあるのだが、実際に指で触れてみると凹凸はほとんどないように感じるのだ。

液晶に関してと操作に関して書いたので、ついでに文字サイズについても書いておこう。メール時の文字サイズの設定は「大きい文字」「標準」「小さい文字」の3通り。各文字サイズは以下の通りである。



「大きい文字」「標準」「小さい文字」

■便利なワンセグ、ちょっとめんどう音楽再生機能

液晶画面を回転させると自動的にテレビが起動する。便利なのはマルチウィンドウ機能がついているってこと。テレビを見ながらほかの機能を起動することができるのだ。



単に起動してバックグラウンドでどうのこうのって訳じゃなく、画面が左右ふたつに分かれてテレビとその他の機能が使えるのである。受信したメールを見ながらテレビを見たり、メールを作成しながら見たりすることもできる。そのほか、スケジュールやToDoリスト、電話帳、ブックリーダー、ドキュメントビューア、電卓、テキストメモなどが、テレビと同時に使用できる。これはかなり便利である。SoftBankの911SHにはついていない機能だ。



テレビを見ながらメールを読むことが可能。もちろん書くことも可能だ。テレビで見た情報をテキストメモに書き込んだりすることもできる。

最近の携帯電話ならもう当たり前と言えば当たり前なのだが、このSH903iTVにもミュージックプレーヤーが搭載されている。ダウンロードした着うたフルが楽しめるだけでなく、microSDカードに保存したMP4形式やSD-Audio形式の音楽データが楽しめる。しかし、MP4形式の音楽を楽しむためには、かなりめんどうなことをしなければならない。



パソコンに取り込んだMP4形式の音楽データはそのままでは利用できないのだ。「MMFxxxx.3gp」もしくは「MMFxxxx.mp4」というファイル名に変更しなければいけない。「xxxx」は4桁の数字で「MMF0001」~「MMF9999」の範囲で決めることができる。一曲ならまだしも何曲も持ち歩きたい場合には、すべてのファイル名を変更しないといけないのは、かなりめんどうなのである。また、音楽データ、楽曲のタイトル名さえも表示されないという問題もある。



MP4ファイル形式の音楽データは、パソコンでファイル名を変更してmicroSDカードに取り込まないといけない。さらには楽曲名なども表示されない。

しかし、SD-Audio形式のデータなら話は別だ。それなら楽曲のタイトルなども表示される。ただし、SD-Jukeboxというパソコン用のソフトを購入しないとけない。パナソニックの携帯電話など、SD-Jukeboxが無償で同梱されているものもある。SD-Audio形式の音楽を楽しみたいというユーザーは、そちらの端末を選択した方が賢いかもしれない。ちなみにSD-Jukeboxを購入したいユーザーは、パナソニックの「パナセンス」から購入することができる。



これがSD-Jukeboxの画面。ここでCDなどから音楽を取り込んで、microSDカードに転送する。SD-Audio形式のデータを再生するためのSDオーディオ。楽曲名などもきちんと表示される。

次のページでは、カメラ機能を見ていただこう。

■カメラの機能はもうひとつ

有効画素数200万画素のCMOSカメラは、オートフォーカス機能は付いていない。また暗いところで撮影する時用のライトも付いていない。実際に撮影してみると、明るいところと暗いところのコントラストの差が激しい場所で撮影すると、暗い場所が潰れてしまう傾向にあるようだ。エッジもかなりぼけた感じで、色合いもそれほどキレイとは言い難い感じ。記念写真を撮ってそれをプリントしたいというような使い方には向いていないだろう。ここで実際に撮影した写真を見ていただこう。



●晴天時に撮影した写真




●曇天時に撮影した写真




●屋内で撮影した写真




●接写モードで撮影した写真




次のページでも引き続き、SH903iTVで撮影した写真を見ていただこう。
●蛍光灯下で撮影した写真




●電球下で撮影した写真




●夜景を通常のオートモードで撮影した写真




●夜景を夜景モードで撮影した写真




■Kijimoto's EYE



シャープの端末は、液晶がキレイで写真もキレイで、さらには機能も豊富でかなり使いやすい端末ということで、今やドコモのいちばん人気と言って過言じゃなくなってきている。しかし、筆者個人の意見として言わせてもらうと、どうも違うんではないかなと最近感じているのだ。



いろいろと機能を入れすぎたおかげで、なにか使いづらくなってきている部分があるんじゃないかと思うのである。たとえば、今回のSH903iTVに関しても、ボタンがそれほど押しやすくないということや、写真がそれほどキレイじゃないとか、ミュージック機能を使うためにはけっこうめんどう作業が必要だとか。付加価値で使いづらいなら使わなくてもいいのだが、メインの機能である通話やメールに問題があるのはどうかなと感じるのである。



ワンセグが見られて、機能が豊富、でもって液晶がキレイなので、友人知人にドコモで買うなら何?って聞かれたらシャープ端末を薦めてたりするので、悪い端末とは思っているわけじゃない。どちらかというと、いい端末、というか、楽しめる端末と思っているのである。だが、細かいことを考えると何か違う方向に行ってるような気はする。機能を詰めこめばいいってもんじゃないよな、などとも考えていたりもするのだ。



しかし、新しい端末が発売されたとき、どうせ出すのになんで“機能全部入り”の端末を出さないのだろうなどと言っている筆者もいたりするわけで。これだけ小さなボディにいろいろな機能を詰め込むのだから、何かは犠牲にならないとも思っていたりしている。いやいや、とにかく携帯電話を考える場合、そこら辺がすごく難しい。と今回つくづく考えさせられたのである。



結論としてこのSH903iTVを書かせていただければ、サイクロイドスタイルにあこがれを持っているとか、ワンセグが楽しみたいというユーザーや、豊富な機能を楽しみたい人にはオススメできる端末と言える。しかし、写真をキレイに撮りたいとか、音楽をメインに楽しみたいというユーザーには向いていないと筆者は思うのである。



前回のW52Tのレビューを書いたとき、音楽機能についてちょっと掘り下げてみた。それまで音楽機能は携帯で使っていなかったので使えるってことぐらいしかレビューしてこなかった。しかし、使いづらい面、問題点も多々あることがわかり、今回もいろいろとテストしてみた。これからは音楽に関しても、ちょっとレビューしていこうと思っている。





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編集部:木地本 昌弥

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