Windows Vista(以下、Vista)は、マイロソフトが5年ぶりにパソコン市場へ投入した次世代OSであるだけに、パソコンユーザーの注目度は高い。Vistaは、同社がこれまでに販売したどのOSよりも使いやすいインターフェースと堅牢なセキュリティを備えていることから個人ユーザーはもとより、情報漏洩対策に注力している法人からの注目度も高くなっている。



話題のVistaが発売されてから1ヶ月が経過し、ソフトメーカーやハードウェアメーカーによるVistaへの対応も徐々に整いつつあり、そろそろVista搭載パソコンの導入をと考えている個人や企業担当者も多いことであろう。



パソコンを購入する際に重要なポイントは、価格・性能・サービスの3要素といわれるが、これらの要素をユーザーの用途にあわせて自由にカスタマイスできる点で、ショップブランドパソコンが今、注目されている。そこで今回は、各店舗のショップブランド・パソコンのVista対応状況を取材してみた。



■トータルコーディネートで勝負 - クレバリーインターネット館

クレバリーは、秋葉原に3店舗を構えるパソコンパーツの専門店。ショップブランドパソコンは、コンパクトタイプの「キューブ」、場所をとらない「省スペース」、拡張性が高い「ミドルタワー」と、本体の形状で3種類に大別できる。いずれの製品も、すでにVista搭載モデルが用意されており、店頭での持ち帰りができる即納パソコンも用意されていた。出荷まで若干の日数は掛かるが、PCパーツによるカスタマイズも可能となっている。



同店の顧客層は、個人ユーザーが8割、法人ユーザーが2割で、組み立てパソコンは、OSなし・Vista・XPと、OSを選択できる。個人ユーザーのVistaとXPの割合はちょうど二分されるが、法人ユーザーでは、2割がVista、残りの8割がXPを選択する傾向だという。



法人ユーザーがXPを好む理由は何故なのか? 組み立てパソコンを担当している加藤氏に伺ってみると、「今までに使用しているビジネスソフトがXP対応であるため、Vistaでの動作には、まだ不安があるのではないでしょうか?」とのコメントを頂いた。企業にとってみれば、Vista PCを導入したいが、今までのソフトウェアが正常に動作しなければ業務に支障が発生する可能性がある。リスクを回避するために、動作が保証されているXP PCの導入に傾くということだろう。



購入傾向としては、個人ユーザーは性能を重視する人が多く、最新のビデオカードを増設できるミドルタワーを購入するケースが多いという。法人ユーザーは、省スペースのデスクトップパソコンを好む傾向があり、性能よりもコストを重視するという。法人の場合、1台あたりで数千円の違いでも、導入する数が増えれば莫大な金額差となるからだ。



同店のショップブランド・パソコンの特長は、パソコン本体とキーボード、マウス、スピーカーの色を統一した「COORDY'S(コーディーズ)」と呼ばれる人気のラインナップを用意している点だ。また、AMD系プロセッサに力を入れているのも特長で、Intel系プロセッサを採用したパソコンに比べて、同性能で低価格、同価格で高性能が期待できるという。



■幅広いユーザーに対応 - ツートップ秋葉原本店

ツートップ秋葉原本店は、日本全国に店舗を構える、アロシステム株式会社のパソコンショップ。10年以上前から秋葉原で店舗を構え、当時からショップブランド・パソコンを販売していた老舗だ。ショップブランド・パソコンは、高度な品質管理体制のもと、国内専用組立工場で一貫生産しているという。



同店は、Vista搭載パソコンとして、「Lesance DT」シリーズの販売をすでに開始し、取材時には店頭での実機デモンストレーションを実施していた。XP搭載パソコンも扱っているが、Vista搭載パソコンに比べると圧倒的に少なく、取材時にはデスクトップパソコン2機種のみであった。ショップブランド・パソコンで一番の売れ筋は、プロセッサにIntel Core 2 Duo E6600、ビデオカードにnVIDIA GeForce 7900GS(256MB)を搭載したVista搭載ミドルタワー「VHPE6600RAM/GF79GS」13万9,980円(税込み)で、個人ユーザーを中心に人気があるそうだ。プロセッサにCeleron Dを採用したVista搭載省スペースパソコン「VHB331RAM」4万9,800円(税込み)は、価格がお手頃なところから法人ユーザーを中心によく売れているという。



顧客層としては、個人が7割、法人が3割で、個人の9割、法人の5割のユーザーがVistaを購入する傾向にあるそうだ。個人でXP搭載モデルを購入する人はゲームユーザーが多いそうで、Vistaは未対応のゲームが多いためだという。一方、法人ユーザーは、従来のソフトウェア環境を引き継ぐかたちでパソコンを使用するために、XPを選択するケースが多いということだ。



スタッフによると、初心者からハイエンドユーザーまで、幅広いユーザーの要求を満たすべく、豊富なラインナップを揃えているという。パーツの差し替えにも対応しているので、気軽にスタッフへ声を掛けて欲しいそうだ。



■豊富なラインナップが魅力 - フェイス秋葉原本店

ツートップと同じアロシステム系列のパソコンショップで、地下鉄銀座線末広町駅から徒歩1分の場所にある。ほかのショップと同様に、ショップブランド・パソコンはVista搭載パソコンと組み立てパソコンの2種類に大別され、取材時にはVistaプレインストールパソコンもすでに販売されていた。



同店の特長は、基本モデルの種類の多さだ。最高スペックを追求した高性能タワーパソコン「INSPIRE」、Xeonプロセッサ搭載のハイエンド・デスクトップパソコン「INSPIRE X」、ゲームユーザー向けのハイパフォーマンスミドルタワー「FORTISSION」、ゲームユーザー向けの「PASSION」など、全13種類のモデルを用意することで、幅広いユーザーの需要に対応している。もちろん、ユーザーの好みに合わせたパーツ変更にも柔軟に対応してくれる。



顧客層としては、個人ユーザーの7割がVista、3割がXPを選択し、性能を重視する傾向にあるという。法人ユーザーは、ほかのショップと同様に、PCパーツやソフトウェアの互換性からXPを選択するケースが多く、少しでもコストを下げるために、プロセッサにCeleronを採用したパソコンを購入する会社もあるそうだ。



■好きなパーツ構成を選択できる - 安定性重視ならXP

ショップブランドパソコンの魅力は、用途にあったパーツ構成を選択できる点にある。国内有名パソコンメーカーの製品では、パーツの選択肢が少ないのに対し、ショップブランドパソコンは、最新のPCパーツや低価格なパーツなど、需要に合わせた変更ができる。さらに、ショップにお願いすれば、Vistaでの動作を確認してから出荷してもらえるメリットもある。



Vistaが発売されて1ヶ月が経ち、ショップブランドのVista搭載パソコンは、キューブ型からタワー型まで、ひととおりのラインナップが揃った印象だ。ショップでのVista対応は、ほぼ完了した感があるが、今後は、ユーザーや企業のVista移行が販売数上昇への鍵となるだろう。Vistaへの完全移行が完了するまでは、今しばらく時間がかかりそうだ。



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編集部:関口 哲司

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