パナソニックから2007年2月22日に発売されたLUMIXシリーズの最新機種「DMX-FX30」は、有効画素数720万、光学3.6倍ズームを備え、広角28mmレンズ搭載機としては“世界最薄(※)”を誇るコンパクトデジタルカメラだ。スタイリッシュな女性向けの「お嬢様カメラ」として打ち出し、本体カラーもアーバンブルー、エクストラブラック、センシュアルブラウン、プレシャスシルバーとシックな4色を揃えた。価格はオープンプライスで、実勢価格は4万円前後となる見込みだ。

※2007年2月現在

写真:本体写真(センシュアルブラウン)




■“スゴうす”が際立つ「FX30」ボディ

「FX30」の本体サイズは、W94.9×H51.9×D22.0mm(突起部を除く)、重さは約154g(メモリーカード、バッテリー含む)。昨年8月に発売された「FX07」の後継機にあたるが、厚みを10%カットしてスリム化をしている。広角28mm搭載モデルとしては、“世界最薄”の22mmを実現し、これだけ薄ければ女性の小さなバッグでもまったく邪魔にならず、スマートに持ち歩くことができるだろう。

写真:本体の厚みはわずか22mm



撮影できる画像のアスペクト比は、4:3(最大記録解像度:3,072×2,304ピクセル)、3:2(3,072×2,048)、16:9(3,072×1,728)の3種類。動画は最大840×480ピクセル、30fpsの撮影が可能だ。



レンズは、四隅までキレイに写すことができる「ライカDCレンズ」を採用し、焦点距離は28~100mm(35mm判換算)。最短撮影距離は50cmで、マクロモードの広角端では5cmまで接写ができる。

写真:「ライカ DC VARIO ELMARITレンズ」を採用



背面には、20.7万画素、2.5型と大型で高精細な液晶を備えているため、撮影時の構図確認やメニュー操作も快適。さらに嬉しいのは、晴れた屋外やカメラを頭上に構えたとき、明るさをアップさせて液晶を見えやすくする「パワーLCD機能」「ハイアングルモード」の2つの機能だ。実際に使ってみたところ、視認性がかなり増し、これから日差しが強くなる季節に重宝するだろう。

写真:2.5型で高精細な液晶



モードダイヤルは、本体に埋め込まれるように配置。ダイヤル部分を隠すことで余計なでっぱりを最小限におさめ、シンプルで美しい本体デザインを強調している。なお、撮影モードを変更すると、液晶にもアニメーションが表示されるので、わざわざダイヤル部分を見て確認する必要はない。

写真:モードダイヤル部分



背面の操作ボタンは、十字ボタンとその中央のメニューボタン、さらにディスプレイボタン、ファンクションボタンの合計7つ。ファンクションボタンを押せば「クイック設定」画面が立ち上がり、メニュー画面に入ることなく、記録画素数やISO感度、手ブレ補正などの撮影設定を素早く変更できる。

写真:クイック設定



対応する記録メディアは、SDHCメモリーカード、SDメモリーカード、マルチメディアカード。バッテリーは、専用のリチウムイオンバッテリーパックを使用し、充電時間は約120分、撮影可能枚数は約280枚(CIPA規格)だ。

写真:本体下部のカード&バッテリースロット



■ワイドに撮れる!広角28mmの魅力を体験

「FX30」の最大の魅力は、なんといっても広角28mm(35mm版換算)レンズ。この28mmとは、レンズからCCDまでの焦点距離のことをいう。焦点距離が近ければ、それだけ広い範囲を撮影することができ、逆に遠ければ撮影範囲は狭くなるわけだ。



より広い範囲を撮影できるため、狭い室内や後ろに下がることができない場所、パーティーで大勢を1枚におさめたいシーンには、とくに広角レンズは大活躍。遠近感を強調する効果もあるので、風景写真もよりダイナミックに撮影できる。

写真:他社製デジカメ(焦点距離35mm)で撮影した写真

写真:FX30(焦点距離28mm)で撮影した写真



撮影範囲の違いは、他社製のデジカメ(焦点距離35mm)で撮った写真と比べれば一目瞭然だろう。想像以上の景色が撮れるのは、間違いなく広角レンズを使ったFX30の方。この面白さを一度味わってしまうと、なかなか他のデジカメでは満足できなくなってしまうのではないだろうか。



■光学ズームよりグッと迫れる「EX光学ズーム」

次は、ズームを見ていこう。FX30のズーム機能は標準的。光学3.6倍、デジタル4倍、そのほか「EX光学ズーム」機能を備えている。EX光学ズームは、最大画像サイズで記録した写真から、中心部を切り出して使うことでズームアップ効果を得るもの。たとえば撮影サイズを300万画素に設定すると、EX光学ズームで最大5.3倍まで拡大できる。記録画素数は下がるが、その分、デジタルズームと違って、劣化のない高画質な写真を撮れるのがメリットだ。

写真:標準倍率で撮影

写真:EX光学ズーム5.3倍で撮影

写真:最大21.4倍(EX光学ズーム+デジタル)で撮影



■ブレずに撮る秘訣「トリプルブレ補正」の効果

少し前までの手ブレ補正は、「光学式手ブレ補正」「高感度」の2つが主流だったが、FX30ではさらに「インテリジェントISO感度(動き認識)」を加えたトリプルブレ補正機能を備えている。



最も新しいブレ補正の「インテリジェントISO感度」は、被写体の動きと明るさをカメラが自動的に認識して、最適な感度とシャッタースピードを設定してくれる。大げさに言ってしまえば、カメラのなかに専属の優秀カメラマンが入っているようなものだ。最高ISO感度は、画質を優先するかブレ防止を優先するかによって3段階(400/800/1250)から設定でき、撮影する側は細かな設定を気にすることなく、シャッターを押すだけでブレやノイズを最小限に抑えられるしくみだ。



夜景の撮影など、光量がかなり少ないときは、シーンモードの「高感度」を選択すれば、最高ISO3,200までの高感度撮影が可能だ。また「光学式手ブレ補正」をオンにしておけば、内蔵のジャイロセンサーが毎秒4,000回揺れを検出して、ブレを補正してくれる。



「インテリジェントISO感度」と「高感度」はモードダイヤルから設定するため、併用することはできない。動きのあるものは「インテリジェントISO感度+光学式手ブレ補正」、静止しているものは「高感度+光学式手ブレ補正」というように、シーンに合わせて使い分ければ、まさに鬼に金棒。手持ちでは難しい夜間の撮影も、強力にバックアップしてくれる。

写真:高感度+手ブレ補正で撮影した写真

写真:動き認識+手ブレ補正で撮影した写真



■初めてでも安心な「かんたんモード」「シーンモード」

「かんたんモード」は、デジカメ初心者の人が色んな設定に迷わず使えるように、メニューや操作画面で必要な項目だけが分かりやすく表示されるモードだ。



さまざまなシーン別に、最適な露出や色調が設定された「シーンモード」は、今やデジカメには必須の機能。FX30では、新たに夕焼けを鮮やかに再現する「夕焼けモード」と「ペットモード」の2種類が追加され、全20種類から選択できるようになった。

写真:シーンモードのシーン選択画面



■実写撮影

写真:FX30で撮影したサンプル写真(6点)

風景1風景2人工物1人工物2マクロ撮影1マクロ撮影2



■女性ならこれ!と思えるデザインで高機能

“スゴうす”のコピーどおり、広角28mm対応、720万画素という高画質でこのサイズは驚きだ。まさにグレードの高い「お嬢様カメラ」とアピールするだけのことはある。女性目線から見ると、本体の色ごとに表面素材を変えるこだわりも好印象。プレシャスシルバーはマット調のツヤ消し処理、エクストラブラックやアーバンブルーはソフトタッチの触感塗装、センシュアルブラウンはグロス調の光沢塗装にするなど、色とともに質感も楽しめ、まさに大人の女性向きといったデジカメといえる。



新しく発表されたLUMIXシリーズには、ほかにも広角28mm、720万画素、トリプルブレ補正搭載とほぼ同機能を備えた「TZ3」があるが、こちらは光学10倍ズームがポイント。そのかわり本体サイズが一回り大きくなり、コンパクトさに欠けてしまう。薄さをとるか、ズームをとるかは個人の使い方によるが、常に持ち歩いてカメラを楽しむことを一番に考えるなら、高機能スリムなFX30はベストに近い選択肢だろう。





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LUMIX FX30

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編集部:南郷 あかり

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