2007年1月30日、マイクロソフトの新しいOS「Windows Vista」(以下、Vista)がついに発売される。同社が5年ぶりにパソコン市場に投入するOSであるだけに、パソコンのOSをVistaに移行する計画を立てている人は多いであろう。Windows XPからVistaへのアップグレードは、「【特集:Vistaへの道】Step 6:Windows Vistaへのアップグレード」で取り上げたとおり、新規インストールと上書きインストールの2種類があり、トラブルが少ないインストールとなれば、新規インストールを選択したほうが良いとされる。



ここで問題となるのが、仕事やプライベートで必要なファイルを新しいVistaの環境で使用するには、どうすれば良いかであろう。アキバのPCショップでは、100Gバイトを越える大容量のハードディスクはもちろんのこと、次世代DVDドライブであるBlu-rayドライブやHD DVDドライブも店頭で見られるようになってきた。



そこで今回は、Vista導入に備えて、大事なファイルをバックアップするための記憶媒体を秋葉原の各店舗で調べてみた。



ハードディスクドライブ



■ハードディスクでバックアップ

大容量のデータをバックアップするメディアとして真っ先に思い浮かぶのは、ハードディスクドライブである。ハードディスクは、パソコンの周辺機器であるが、動画のように大容量のファイルを保存する人には、バックアップメディアとしての意味合いが強い。



●外付け型ハードディスクを増設

パソコンにハードディスクを追加する方法としては、外付けのハードディスクを購入してパソコンに接続する方法があげられる。パソコンには、周辺機器を接続するためのインターフェースとして、USBポートやIEEE1394ポート(FireWireまたはi.Link)が用意されているので、これらに対応した外付けのハードディスクを購入すれば、大容量の記憶媒体として利用できる。



USB接続の外付け型ハードディスクは、Windows XPマシンであれば、パソコンのUSBポートに接続するだけで自動的に必要なデバイスドライバがインストールされてすぐに使用できるので、誰でも手軽に使用できる。IEEE1394接続のハードディスクも、 IEEE1394ポートを搭載したパソコンであれば、パソコンに接続するだけですぐに使用できるが、Windowsマシン、とくにノートパソコンでは、IEEE1394ポートを標準で搭載しないパソコンが多い。汎用性を考えれば、USB接続の外付けハードディスクを購入するのが良いだろう。



USB 2.0接続の外付け型ハードディスクドライブUSB2.0/IEEE1394接続のハードディスクドライブ



●内蔵型ハードディスクを増設

デスクトップパソコンの中には、内蔵のハードディスクを増設できるマシンも多々見受けられる。そういうマシンでは、内蔵型ハードディスクを購入して、パソコンに増設すれば、バックアップ用の記憶媒体として使用できる。



デスクトップパソコンでは、主に3.5インチのハードディスクドライブを使用する。同ドライブは、接続方法の違いで、シリアルATA、パラレルIDE(ATA)の2種類に分類される。接続方法が異なるハードディスクを購入すると、パソコンに接続すらできないので、購入時には注意が必要である。



左がパラレルIDE、右がシリアルATAのハードディスクドライブ



シリアルATAは、パラレルIDEのあとに登場したATAインターフェースの次世代規格である。パラレルATAと比較して高速なデータ転送が可能であり、パソコンとの接続も容易となっている。

パラレルIDEは、コンパックコンピューターとウェスタンデジタルが中心となり開発したIDEインターフェースをベースに拡張したハードディスクの規格である。現在では、Ultra ATA100/133が主流となっている。



シリアルATA接続のハードディスクドライブパラレルIDE接続のハードディスクドライブ



パラレルIDE接続の内蔵型ハードディスクでは、パソコンにハードディスクを認識させる際に、マスターまたはスレーブを設定する必要がある。一般的なデスクトップパソコンでは、プライマリーマスターに起動用ハードディスク、セカンダリーマスターに光学ドライブを設定しているので、通常は新しいハードディスクをプライマリースレーブに設定すれば、パソコンで認識できる。



実際に、追加のハードディスクとして使用するためには、1.パーティション領域の確保、2.フォーマットという2つの手順を踏む必要がある。Windows XPマシンであれば、スタートメニューから「コントロールパネル」-「管理ツール」-「コンピューターの管理」-「記憶域」-「ディスクの管理」で、ハードディスクを選択して、それぞれの作業を実行する。多少面倒ではあるが、ヘルプの「チェックリスト:新しいディスクを追加する」に、詳しい手順が書かれているので、ヘルプを参考にしながら作業を行えば良いだろう。



コンピューターの管理ヘルプの「チェックリスト:新しいディスクを追加する」



ノートパソコンは、携帯性や省スペースを重視しているので、通常は内蔵型ハードディスクを増設できない。そこで通常は、外付け型ハードディスクを増設する手段がとられる。



次のページでは、内蔵型ハードディスクを外付け型ハードディスクとして増設する方法と、光学メディアでバックアップ、オススメのバックアップ方法を紹介する。





●内蔵型ハードディスクを外付け型ハードディスクとして増設

パソコンに外付け型ハードディスクを接続した場合には、ファイルをバックアップする作業を行う必要があるが、内蔵型ハードディスクを新しいハードディスクと交換して、今まで使用していたハードディスクを外付けハードディスクとして使用すれば、バックアップの手間が省ける。



本記事では、ノートパソコンの内蔵型ハードディスクを外付け型ハードディスクにする方法を紹介するが、ノートパソコンは、パソコン本体を分解しないと、ハードディスクを交換できない機種が多い。デスクトップパソコンもそうであるが、ハードディスク交換に失敗すると、最悪、パソコンを壊しかねない。メーカー製パソコンの場合、本体を分解すると、メーカーの保証期間内であっても、故障時に無償保証が受けられなくなる点に注意したい。



ノートパソコンは、2.5インチのハードディスクが主流であるが、小型のノートパソコンには、2.5インチよりも小さい1.8インチのハードディスクドライブを採用しているパソコンも存在する。2.5インチのハードディスクには、3.5インチと同様に、接続方法の違いで、シリアルATAとパラレルIDEの2種類の規格が存在する。一方、1.8インチのハードディスクドライブには、東芝製と日立製の2種類が存在し、それぞれ接続するコネクタの形状が異なるため、こちらも購入時に注意が必要である。



左から2.5インチのシリアルATA接続、2.5インチのパラレルIDE、1.8インチ(東芝製)のハードディスクドライブ1.8インチ(東芝製)のハードディスクドライブの接続端子



パソコン本体から取り出したハードディスクドライブは、市販のUSBまたはIEEE1394接続のハードディスクケースに組み込むことで、外付け型ハードディスクドライブとして使用できる。この方法は、デスクトップパソコン向けの3.5インチハードディスクでも使える技だが、ノートパソコン向けの2.5インチのハードディスクであれば、リムーバブルメディアとして、手軽に持ち出すことができる。



ノートパソコンに内蔵されていたハードディスクに基盤を接続するハードディスクケースに入れてネジ留めすれば、外付け型ハーディスクドライブの完成



●内蔵型ハードディスクをネットワークストレージとして増設

内蔵型ハードディスクを外付け型ハードディスクとして増設する方法と似ているが、NASキットと呼ばれるハードディスクケースに組み込むことで、ネットワークに接続して共有ドライブ、またはファイルサーバーとして使用できる。100BASE-TX/10BASE-TのNASキットの場合、USBまたはIEEE1394接続の外付け型ハードディスクドライブに比べると、データの転送速度は遅いが、ファイルサーバーに設定すれば、外出先からアクセスできる。



NASキット 玄人志向「玄箱」「玄箱」9,980円(税込み)
協力:パソコンハウス東映



■光学メディアでバックアップ

市販のバックアップソフトには、パソコンのデータを光学メディアにバックアップする製品も多い。大量のデータをバックアップするのでなければ、手軽にバックアップできる上、ハードディスクに比べて携帯性に優れている点が人気の秘密だろう。



「光学メディア」と聞くと、「バックアップできる容量が小さいのでは?」と心配される人もいると思われるが、Blu-rayドライブ(以下、BDドライブ)やHD DVDなどに代表される次世代DVDともなると、メディアのディスク容量は15Gバイト(DVD HD)、25Gバイト(BD 1層)、50Gバイト(BD 2層)と十分に対応でき、高画質の動画ファイルでも楽々と持ち歩ける時代となっている。



ブルーレイ・ディスクドライブ

ブルーレイ・ディスクドライブは、ソニーや松下電器産業、パイオニアなどのメーカーが中心となり、共同で策定した光ディスク規格である。パソコン用のブルーレイ・ディスクドライブでは、音楽CDやDVDと同じ大きさのディスクに、片面1層で25Gバイト、両面で50Gバイトのデータを記録できる。DVD-Rメディアに比べると、両面で10倍以上の大容量であるため、高精細な動画の長時間録画に適している。



ブルーレイ・ディスク 2,160円(税込み)協力:あきばお~ブルーレイ・ディスクドライブ 8万4,680円(税込み)協力:ツートップ秋葉原本店



HD DVDドライブ

HD DVDは、東芝とNECが推進する次世代書き換え型光ディスクの規格である。メディアサイズは、音楽CDやDVDと同じ大きさで、ディスク容量は1層で15Gバイト、2層で30Gバイトである。



HD DVDディスク 999円(税込み)協力:あきばお~HD DVDディスクドライブ 3万4,780円(税込み)協力:ツートップ秋葉原本店



■オススメはハードディスク交換 - 次世代DVDドライブはまだまだ高価

PCショップのスタッフに「一番手軽なバックアップ方法は?」と伺ってみると、「ハードディスクを新しいドライブに交換して、古いハードディスクを外付けにするのが一番手っ取り早いです」とのコメントを頂いた。確かに、パソコンの内蔵ハードディスクから外付けのハードディスクドライブにバックアップすることを考えたら、内蔵ハードディスクを新しいハードディスクに交換して今まで使用していたハードディスクを外付けにしたほうが、ドライブ交換の手間は掛かるが、バックアップの時間は必要ない。ちなみに、ノートパソコンの場合には、外付け型ハードディスクドライブがオススメだそうだ。



取材時、3.5インチの内蔵型ハードディスクドライブは、320Gバイトで1万円以下、500Gバイトで2万円以下で販売されていた。ブルーレイ・ディスクドライブやHD DVDドライブは、ちまたで次世代DVDと騒がれているが、1.データの書き込み速度がハードディスクよりも遅い、2.大容量のハードディスクが大幅に値下がりしたという事情から、今しばらくは、ハードディスクがバックアップメディアとして活躍する時代が続くものと推察される。



あきばお~

ツートップ秋葉原本店

パソコンハウス東映



編集部:関口 哲司

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