持ち歩いてさっと使う携帯電話にテレビ電話なんて必要なのかなぁと最初は思ったものだ。カップルや親子同士などではアリなんかなぁなどと思ったりもしていた。しかし、知り合いの聴覚障害者がテレビ電話機能を利用して手話で会話しているのを見て、なるほど筆者の知らない世界だ、ものごとを知らないというのは無知だなと思いつつ、テレビ電話の必要性をそのときはじめて認識したってことがあった。1年以上前の話である。



ドコモ、ソフトバンクともに当たり前のようにテレビ電話対応の端末が増え、auはいったいいつになるのか…などと思っていたのだが、ついに、ようやくテレビ電話対応機種が発売されたのである。


本体を開いたところ。液晶画面はTFTで2.6インチ。ボタンの下にあるスピーカーが特長である。



■W47T 本体紹介

まずはカンタンにスペックを紹介しよう。数値につく“約”は省略させていただいた。サイズは高107mm×幅51mm×厚21mm。重さは127g。連続待ち受け時間が290時間、連続通話時間が190分(テレビ電話時で100分)である。メインディスプレイはTFTで、2.6インチ(横240ドット×縦320ドット)、最大262,144色表示が可能だ。



正面から見たW47T。サブ液晶は0.8インチのモノクロ有機ELパネルだ。



メインカメラは、有効画素数324万画素のCMOSカメラで、最大記録サイズが2,048×1,536ピクセルだ。サブカメラは有効画素数33万画素のCMOSカメラである。データフォルダ容量は100Mバイト(EZアプリとあわせて)。外部メモリ用のスロットが準備されていて、microSDタイプの外部メモリーに対応している。2Gバイトのものにまで対応している。ちなみに外部メモリーは別売だ。



本体左側面。左より赤外線ポート、メモリカードスロット、外部接続端子が並ぶ。本体右側面。右より平型イヤホン端子、EZ FeliCa/テレビ電話キー、カメラキー、サイドキー1、サイドキー2が並ぶ。



本体カラーは、エキゾチックオレンジ、アーバングレイ、シャンパンホワイトの3色が準備されている。筆者はエキゾチックオレンジを購入した。



背面から見たW47T。マクロ撮影切替スイッチ、324万画素のCMOSカメラ、モバイルライトが並ぶ。



■高機能なテレビ電話機能

後発だけにテレビ電話機能はけっこう高機能である。最大5人(こちらと相手4人)で接続し、テレビ電話時のカメラ映像を複数の相手に同時配信することが出来る。その際、文字メッセージを送ることも可能なグループテレビ電話機能。自分に代わってキャラクターを画面に表示することができるキャラ(アバター)機能。あらかじめ設定した端末からのテレビ電話着信に対して、自動着信ができるモニタリング着信機能。テレビ電話中に、相手の映像と音声を最大10分間録画することもできる。また、端末に保存されている静止画を相手に見せることも可能だ。ただし、グループテレビ電話機能に関しては、auのテレビ電話対応端末同士しか対応していない。現状、このW47TとDRAPEしかテレビ電話がないので、使うことがなさそうなのがちょっと残念だ。



ちなみにこの原稿を書いている2007年1月16日にauの春モデルが10機種発表されたが、テレビ電話に対応した機種がなかった。したがって、当分使うことができそうもないのである。…というか、グループテレビ機能を使いたいユーザーは、みんながW47TかDRAPEを買わなくてはいけない状況が続きそうなのである。ただし、通常のテレビ電話は、ドコモやソフトバンクの端末とやりとりすることが可能。なので、ちょっとの間はドコモ、ソフトバンクユーザーとテレビ電話することが多くなりそうである。



テレビ電話機能。知り合いでW47TやDRAPEを持っている人がいなかったので、ソフトバンクの端末とテレビ電話を試してみた。自分に代わってキャラクターを表示させることもできる。





けっこう使えるなと思ったのがスピーカーだ。ボタンの下に配置されているので、相手の声が自分に向かって聞こえるから、イヤホンを使わずに会話することが可能。ただし、部屋など周りが静かな時に限るが。



自分の方に向かって聞こえるスピーカーは、静かなところならかなり使える。





次のページでは、W47Tのカメラ機能を使って実際に撮影した写真を見ていただこう。






■もひとつ感がぬぐえないカメラ機能

324万画素のCMOSカメラ…と数値はかなりのものだが、実際に撮影してみると、色被りしていたり、周辺部にボケ(シャープさのなさ)が感じられたり…と、いわゆるキレイといわれる携帯電話よりは落ちることは否めない。オートフォーカスはついていないのだが、最近筆者はオートフォーカスの必要性はそれほど感じなくなってきている。いや、確かにオートフォーカスが必要な人もいるだろう。オートフォーカスがある方が味のある写真が撮れたりもする。だが、携帯電話のカメラのオートフォーカスはほとんどピント合わせが遅い。さっと取り出してすぐに撮るっていう場合に失敗することが多いのである。子どもや動物などをオートフォーカスつきのケータイカメラで撮ったことがある方なら失敗率の高さはわかっていただけるであろう。なので、オートフォーカスがないタイプの方が使い勝手がいい場合もある…と筆者は感じているから、オートフォーカスがついていないからカメラ機能としては落ちると判断しないことにしているのである。事実としてオートフォーカス機能がついていない…ということを述べるのみにしたのである。前口上はそんなもんでいいだろう。とにかく実際に撮影してきた写真をご覧いただきたい。



●天気のいい日に順光で撮影した写真






●同じ被写体を移動して順光と逆光で撮影した写真






●同じ場所を順光で撮影した写真と180度振り返って逆光で撮影した写真






●屋内で撮影した写真






●マクロ機能を利用して撮影した写真






●蛍光灯下で撮影した写真






●電球下で撮影した写真






●夜景を通常モードで撮影した写真






●夜景をナイトモードで撮影した写真




■けっこう使いやすい端末「W47T」

まずは文字サイズを見てみよう。メール確認時に設定できる文字サイズは「極小」「小」「中小」「中」「大」の5種類である。



極小中小



筆者がこのW47Tを使いやすいと感じるの理由のひとつにサイズがある。持った感じがけっこうしっくり来るのだ。角が丸くなっているので持ちやすいのだろう。そこそこの薄さもいい感じだ。また、ボタンのサイズも大きめで打ち間違いがしづらいのがいい。操作性もけっこうサクサク動くのでストレスを感じない。



もうひとつ、東芝端末でいいのは辞書が内蔵されているところ。最近の携帯電話は辞書が内蔵されているものもけっこう出てきているが、かなり以前より「辞スパ」が付属していた。最近はネットに接続すればカンタンに言葉の意味などが調べられるが、常に側にある携帯電話に辞書が内蔵されているのはいざというときに重宝するのである。



国語辞書、英和辞書、和英辞書が準備されている。国語辞書を使用している画面。



■Kijimoto's EYE

東芝端末はけっこう使いやすいのでいいイメージを持っているのだが、いちばん感じるのは機種を出し過ぎってこと。いや、いろいろなバリエーションがあるのはいい。だが、次々に出てくるので東芝ファンはいつ買ったらいいのかがわかりづらいのである。今回もこのW47Tが出てすぐにデザインコンセプト端末「DRAPE」が出たし。東芝ファンはもう少しゆっくりのペースで出してくれるとありがたい…と感じているのではないだろうか。



それと、声を大にして言いたいのは「Bluetooth」に関して。今回フルスペック…というような感じで出てきたこのW47Tなのだが、Bluetooth機能ははずされた。ということは、店頭からBluetooth機能付きの端末がなくなってしまった…ということなのである(在庫で持っているところは別にして)。まだまだ普及してないとはいえ、Bluetooth機能を使いたいというユーザーはそこそこいるはず。よくレビューの際に書いたりするのだが、これまで付属させてきた機能を抜くのはまずいと思うのである。何機種か出してない機種、ある機種を作るのならいい。しかし、まったくなくしてしまうっていうのは、それを使っているユーザーをおざなりにしてしまうってこと。いちどその機能をつけてユーザーを獲得したのなら、そのユーザーを突き放すようなことをしてはいけないと思うのは筆者だけだろうか?



気になったのはそれぐらいだ。使いやすいいい端末だと思っている。「使いやすそうな機種ってどれ」って聞かれたら、テレビ電話を使わないユーザーにもこの端末はオススメできると感じている。ただし、カメラをメインに考えているユーザーにはちょっとオススメしづらいが…。



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W47T

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編集部:木地本 昌弥

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