こんにちは、ロクナナワークショップの佐々木です。
いよいよ米国では、4月3日よりApple「iPad」の発売が開始されます。日本では、少し遅れて4月後半から販売されるとのこと。
ますます注目の集まる電子書籍は、一般的に普及するのか?今後の展開が楽しみです。

■いつでも、どこでも、手軽に読書
個人的には、iPhoneの無料アプリ 電子書籍リーダー「i文庫」で、何冊か読書してみましたが、かなり好感触。
いつも持ち歩いているiPhoneを使って、移動中の電車の中や、立ち寄ったカフェなどで手軽に読書できるのは、時間の有効活用ですね。
※脱線:お風呂でも読みたいので、iPhoneの防水対応にはかなり期待しています。

今は著作権の切れた書籍が多く配信されていますが、これから出版される書籍は、間違いなく電子書籍に対応されて行くのだろうなと感じます。

■電子書籍の波に乗り遅れるな!出版業界
ロクナナワークショップ(http://67.org/ws/)は、Web制作技術の学校を行っている関係で、最近では「電子書籍のコンテンツ制作トレーニングを実施して欲しい!」と、お問い合わせが入ってきています。
特に、多くの電子書籍端末に採用されている EPUB(いーぱぶ)というファイルフォーマットのお問い合わせが多いですね。
出版業界も「iPad」で更なる盛り上がりが予想される電子書籍業界に、乗り遅れるな!と必死なんだと思います。
逆に、これから出版業界に入りたいクリエイタさんは、電子書籍コンテンツ書き出せます!というと、かなり有利になるかもしれませんね。

■書籍を電子化、いったいどういうこと?
では、書籍を電子化するというのは、いったいどういうことなんでしょう?
いままで紙に印刷していた原稿や写真などの情報を、今度は電子書籍端末でも読めるようにデータ化する必要があります。
また、すでに世の中には様々な電子書籍端末が販売されているので、より多くの端末で読めるコンテンツにすることが、販売の鍵になります。

電子書籍型式のファイルフォーマットには、日本国内だけでも、なんと20種類以上が存在するそうです。
リーター端末や、アプリによっては、採用されているものが異なり、あまりマニアックなフォーマットを使うと、端末によっては見れなくなります。
そんな中、オープン性と単純で扱いやすい電子書籍型式として注目されているのが、EPUBです。
EPUB アイコン

■押さえておきたい、EPUB
EPUBは、電子書籍のファイルフォーマットの1種で、米国の電子書籍標準化団体の1つである「International Digital Publishing Forum」が普及促進している規格です。
今では、ソニー、Googleブックスや、Apple iPadなど、広くで採用されています。
ということは、これから電子書籍コンテンツを作っていくなら、まずはEPUB型式を押さえておくのが良いってことですね。

■EPUB(いーぱぶ)ってなに?
EPUB形式のファイル構造はとっても単純で、普通のWebサイトを作る方法とよく似ています。
書籍コンテンツを、Webサイトを作る際と同じXHTML、CSS、画像などで作成し、メタファイルと一緒にzip圧縮して、拡張子を「.epub」に変更しただけのものです。
なので、逆に「.epub」ファイルを編集するには、拡張子を「.epub」から「.zip」に変更して解凍してあげるだけでOK。
基本的には、Webページを作る知識があれば簡単に作成・編集することができます。
実際にEPUBが書き出せるアプリケーションで「67ws.epub」を作成し、それをまた解凍してみました。
67ws.epubデータと解凍したフォルダー構造

あとは、電子書籍リーダで読むなり、PCやiPhone用に配信されているEPUBリーダで読むなり、読者の自由です。
アドビ システムズ社からは、無償の電子書籍リーダ「Digital Editions」ソフトウェアが配信されています。
ちなみに、私は最近、EPUBリーダとしてPCやiPhone用に無料で配信されているStanzaをダウンロードしてみました。

■ずっとネットに接続してないと読書できないの?
では、Webサイトと同じ型式なら、ずっとネットに接続してないと読書できないの?
EPUBは、通常のXHTML+CSSでできたWebサイトとは違って、ダウンロード配信用にパッケージ化されたデータです。
そのため、インターネットの接続が切断された状態でも読書が楽しめます。

■EPUBコンテンツってどうやって作るの?
紙の書籍校正でも、よく出版社さんで使用されている Adobe InDesignというアプリケーションがあるんですが、実は、Adobe InDesignのCS3から、EPUBデータの書き出し機能が追加されています。
InDesignのファイルメニューの「Digital Editions 用に書き出し・・・」から行えます。
まだまだ機能的に改善も必要なようですが、今までInDesignを使用してきた出版社さんには使いやすいツールになりそうです。
また、過去に出版した書籍も、同じinDesinのデータから書き出しが可能とあって、注目されるのも当然ですね。
Adobe InDesignで、EPUB書き出しに挑戦

ロクナナワークショップの「InDesignトレーニング」でも、最近は必ずEPUB書き出しを盛り込むようにしています。
様々なニュースでは、著作権や課金などの課題も多く取り上げられていますが、コンテンツを産み出す制作者としてはこの技術は押さえておきたいところですね。

■関連リンク
ロクナナワークショップ
アドビ システムズ社 Digital Editions
Stanza
InDesign「Digital Editions 用に書き出し」について

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